知事の記者会見(平成31年を迎えるにあたって 平成31年1月1日)

公開日 2019年01月01日

<年頭所感>
<記者との質疑応答>
 知事の去就について
 県政浮揚に向けて
 平成を振り返って
 これまでの任期を振り返って
 県民との距離感について
 官民協働について
 高知県経済の動向
 大川村議会議員の兼業禁止規定の緩和について
 消費税率引き上げについて
 平成30年を振り返って

【年頭所感】

 

【記者との質疑応答】

<年頭所感>

 皆さま、あけましておめでとうございます。平成31年の年頭にあたりまして、所感を申し上げたいと思います。
 はじめに、県民の皆さまお一人お一人、それぞれ良き新年をお迎えになられたことと心よりお慶びを申し上げます。本年が皆さまにとりまして、よい年となりますように心からご祈念申し上げる次第です。

 私も今年は3期目の最後の年ということになります。3期目の仕事、その総仕上げをしっかり行っていきますとともに、先々にわたるまで県勢浮揚を確かなものとできるように、少しでも多くの取り組み、そして少しでも多くの成果を目指して全力投球で頑張っていきたいと思う次第です。今年もご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 各分野の年頭における大きな方針について申し上げさせていただきます。
 まず、経済の分野について、これまで産業振興計画を通じて地産外商の取り組みなど、様々な挑戦を続けてまいりました。これまでのところ、この地産外商の成果等々見ていきましても、随分と高知県と県外経済との繋がりは強くなってきているのではないかと思っているところです。例えば、一昨年の観光客入込数は過去最高となりましたし、さらには地産外商、各分野におきましても、かつての20倍とか、そういう形で、それぞれ取引が拡大するようになってまいりました。GDPのデータを見ましても、平成20年度以前の7年間は実質GDP成長率が7.3%のマイナス成長でしたが、平成20年度から27年度にかけては、実質GDP成長率は4.3%のプラス成長。明らかに、人口減少に伴って縮む経済から人口減少下にあっても拡大する経済へ、高知県の経済は構造が転換しつつあると考えています。
 しかしながら、中山間の状況はまだまだ大変厳しいものがあります。そして、未だに年間1,600人ぐらい、若い人が県外に出ていく、そういう厳しい状況は続いているところです。このような状況を克服して、人口減少下にあっても人々の暮らし一つ一つを守っていくために、経済の拡大傾向を、さらにより確かなものにしていかなくてはなりません。
 第3期の産業振興計画をVer.4に新たに改定していくために、今全力で様々な考察を巡らせているところですけれども、経済の拡大傾向をより確かなものとしていくために重要なこととして、第一に、人材不足、後継者不足問題の解決に、より一層力を入れていくことが必要だろうと考えているところです。
 第一次産業の各分野における担い手確保策などを強化していきますとともに、例えば、大学生のUターン対策とか、大学生の県内就職支援などの取り組みについて、インターンシップの取り組みの強化等々、様々な形での対策を強化していきたいと考えています。そして、各地域の人材ニーズをしっかりと拾い上げて、対外的に発信をしていく。移住施策の取り組みについても、さらなる強化が必要だと考えています。
 今年度は昨年度に比べて、大体2割増しぐらいのペースで移住者の皆さまにお出でいただくようになっています。昨年度が816組でしたから、この2割増しのペースというのは、大体1,000組のペースまでになってきています。さらに、取り組みを進めて、少なくとも人口の社会増減をプラスマイナス0、これをうかがえるところまで持っていかなくてはなりません。このために、さらに取り組みを強化していくことが求められるものと考えているところです。
 併せて、経済の拡大傾向をより確かなものとしていくためにも、何といっても大事なことは、経済成長の源泉である付加価値の創造を継続的に生み出していくことができるような県経済づくりを行っていくことが大事だと思っています。新たな付加価値創造を促していくような仕組みをしっかりと県内で、各分野において構築できるように、さらに取り組みを強化していきたいと考えているところです。
 人材育成事業こそ、その最たるものだということで、これまでも取り組みを強化してまいりました。土佐まるごとビジネスアカデミーや、起業を促していきますKOCHI STARTUP PARKの取り組みですとか、さらには林業大学校、農業担い手育成センターの取り組み等々、各分野において取り組みをしてきました。これらを引き続き充実させていかなくてはなりません。併せて、例えば農業分野において、次世代型農業のNext版を開発するプロジェクトが本格的に始動していくことになります。全部で13の研究プロジェクトの束がこのプロジェクトになります。100人以上の研究者の皆さま方が、新たな次世代型の、次の時代を見通した新しい農業を開発していく。そういうプロジェクトがスタートします。これを通じて生み出された様々な仕組みは、今後の21世紀の園芸農業を創り出していくような、いろんなものにつながっていくと考えています。このプロジェクトの取り組みを通じて、高知において、新しい園芸農業産業群の創出を図ることができるように、取り組みをさらに強化していければと考えているところです。
 さらには、IT・コンテンツ分野の取り組みなどに、もっともっと力を入れて、企業立地、人材育成に力を入れたいと考えています。IT・コンテンツ関連産業については、現在までに18社に立地していただいて、現在約240名の方々が高知で働いておられます。なお一層、人材育成に力を入れ、企業立地の取り組みを強化し、例えば第一次産業など、その他の分野との交流を活発にさせていくことによって、それぞれの分野の課題解決や、それぞれの分野の次世代型への飛躍を成し遂げていけるような環境をつくり出していきたいと考えています。そのために、具体的な施策についても、これまでの課題解決型産業創出スキームの取り組みなどをさらに強化し、IT・コンテンツ関係の産業と他の産業との様々な交流をより活発化していくような取り組みを強化していきたいと考えています。
 観光分野では、今年の1月31日まで、幕末維新博の取り組みが続いていくことになります。おかげさまで310万人を超える皆さま方に各施設に訪れていただきますなど、ご好評いただいてきたところであります。この2月1日からは、いよいよ自然・体験型観光キャンペーンを新たにスタートしていくこととなります。この自然・体験型観光キャンペーン、高知県の観光の強みである歴史と食に加えて自然も生かしきろうという意味において、観光振興を徹底しようという取り組みですが、もう1点は中山間対策に直結するものだと思っています。中山間に多くあります自然サイトや体験型観光のサイトにおいて、さらに付加価値を向上させていくことによって、中山間の地域地域で外貨を稼ぐことのできる事業を新たに創造していく。そういう取り組みを各地域において、活発に展開をしていくことができればと考えています。この自然・体験型観光の取り組みは中山間対策そのものだと考えています。
 中山間対策の取り組みはまだまだ道半ばであります。集落活動センターは現在48ヵ所ですが、さらに50ヵ所を超えるぐらい立ち上がる目途が立とうとしているところです。地域地域において、中山間を振興しようとする拠点ができつつあるという状況かと思います。この自然・体験型観光の取り組みを通じて、中山間対策、中山間振興の取り組みをさらに加速していくことができればと考えています。自然・体験型観光の振興、さらにはIT・コンテンツ関連産業と他の産業との交流の活発化等々、こういう取り組みを通じて、高知において新たな付加価値を創造する取り組みをさらに加速していくことができればと、そういう素地を高知において根付かせることができればと考えているところです。
 日本一の健康長寿県構想関係についてお話を申し上げたいと思います。この日本一の健康長寿県構想については、昨年から高知版の地域包括ケアシステムづくりに全力を上げてまいりました。例えば、訪問看護・訪問介護の仕組みを充実させたり、さらにはドクターヘリの運航の仕組みを充実させるなど、パーツパーツにおいて、取り組みを充実させてきているところですけれども、医療と福祉の連携、医療と介護の連携、保健と医療の連携、さらには、地域におけるゲートキーパー 機能の充実などを通じて、住み慣れた地域に住み続けられる高知県を作り上げていく。そのための取り組みをより本格化していかなくてはなりません。昨年1年間を通じて様々なネットワークができ、そして情報も集まるようになってきました。これらを生かして、具体的な形でネットワークを構築するように、これは高知県の中山間の暮らしを守ることにも直結をいたします。このことをさらに充実させていくことができればと考えているところです。
 少子化対策の観点からも、さらには女性の活躍促進という観点からも、働きながら子育てしやすい環境のさらなる充実ということが、喫緊の課題として求められているものと考えています。少子化対策推進県民会議の皆さまをはじめ、様々な民間の皆さまとのネットワークを生かして、この取り組みをさらに充実させていきたいと思いますし、さらに厳しい環境にある子どもたちへの対策を充実させるためにも、高知版ネウボラの取り組みについてさらなる加速化をしていかなければならないと考えているところです。
 教育改革の観点からは、総合教育会議のスキームのもとで、引き続き教育改革に全力を上げていきたいと考えています。学力向上の面では、例えば公立中学校の学力も、高知市以外ではほぼ全国平均並という、もともとの目標を達成できるまでの状況になってまいりました。今後、高知市における学力向上の対策をしっかり図っていくことが、大きな課題となってまいります。県教委と市教委の皆さま方との連携をさらに強化し、高知市における学力向上対策に全力を上げていきたいと思っています。さらに、いじめ、不登校、中途退学をはじめとして、非常に厳しい環境にある子どもたちへの対策は、さらなる対策が待ったなしの課題として求められている状況にあります。地域地域において、段階に応じて、子どもたちをしっかりとバックアップできるような体制をつくることができるかどうか。地域の教育関係者の皆さまとも連携しながら、そうしたネットワークをしっかりつくるように努力をしていきたいと考えているところです。
 そういう中において、教員の皆さまの働き方改革をしっかり進めていくことも大変重要な課題になってまいります。校務支援システムを導入していくことなどを通じて、具体的な形で、教員の皆さま方の働き方改革を実現できるように、子どもたちと向き合う時間を十分確保できるような取り組みを進めていきたいと考えています。
 スポーツ振興に関してですが、高知県は、残念ながら昨年も国体は全国最下位でした。これで5年連続最下位ということで、私といたしましても大変残念であります。しかしながら、全高知チームを結成して臨んだチームは、かつてない成績を上げることができるなど、改善の兆しも見え始めているものと思っています。しっかりと、全高知チームの取り組みをバックアップできますように、また、地域地域でできるだけ多様なスポーツ、自分に合ったスポーツに出会う機会をつくり出していくことができますように、スポーツの様々な施策について、さらなる充実が求められる年だと考えています。
 スポーツ振興による効果は、健康面の効果、教育面の効果、さらにスポーツツーリズムを含めて大変裾野が広いわけでして、これらスポーツ振興の取り組みをさらに強化をしていかなければならないと考えています。
 災害対策の取り組みについてですが、まず南海トラフ地震対策について、これまで第3期の南海トラフ地震対策行動計画に基づいて、取り組みを進めてまいりました。例えば、津波からの避難対策について、避難路、避難場所、1,445ヵ所が建設され、さらに津波避難タワーにつきましても、概ね当初計画の115基に近い建設が終わろうとしているところです。今後は、発災直後の命を守る対策について、より難易度の高い課題に、しっかりと挑戦していかなければならないだろうと考えているところです。
 海辺にある福祉施設への対策をどうしていくか。さらには、在宅の高齢者の皆さま方の対策をどうしていくか。災害時の要支援者の皆さま方に対する対策をどうしていくかなどについて、より具体的な対策を地域地域で進められるような形で、第4期行動計画に向けて、対策を強化していきたいと考えているところです。
 さらに、その他の課題もございます。命を守る対策について、例えば、より一層耐震化を進めていくためにはどうするべきか。さらには、火災対策をどうしていくのか。それぞれ充実が求められるところです。そして命をつなぐ対策、生活を立ち上げる対策。また、応急期の対策、復旧・復興期の対策についても、より具体的に前に進めていくということが大事だろうと考えています。応急期の機能配置計画のさらなる充実。さらに言えば、復興期をにらんだ、それぞれの青写真の策定。そういう取り組みなどにも踏み出していくことを通じて、さらに南海トラフ地震対策を充実させていきたいと考えています。
 そういう中で、非常に重要な点として、この度の政府のワーキンググループにおいて報告書が提出されました臨時情報の取扱いについて、本県としては、この臨時情報を、命を守るための貴重な情報として、縦横に生かしきりたいと考えているところです。南海トラフ地震に関する臨時情報を十分に生かすことができるような対策をしっかり進めていきたいと考えています。
 災害対策の第2点目、非常に重要なこととして豪雨災害対策を今年度もしっかり進めていかなければならないと思っています。昨年は豪雨災害によって高知県内でも多くの被害が出ました。今年はそのような災害が起こらないことを願っていますけれども、やはり災害対応として、最悪に備えた準備をしっかり進めていくことが大事だと考えているところです。冬こそ夏の備えをということで、豪雨災害対策推進本部を通年で立ち上げて、年間を通して対策を進めることとしたところです。
 まずはこの1月、2月、3月、4月において、この夏に備えた対策を着実に進めていきますとともに、来年度以降につきましても、やらなければならない箇所は膨大にありますけれども、しっかりと優先順位付けをして、災害に強い県土づくりを進められるように、それぞれの対策を進めていきたいと考えています。併せて、この災害対策の観点、さらには産業振興の観点も踏まえ、諸々のインフラ整備について、国の国土強靱化の流れを追い風としてしっかりと生かしていきながら、さらに対策を進めていきたいと考えているところです。
 最後になりますけれども、残念ながら高知県の人口は、減少傾向にあります。残念ながら高齢者世代の方が14才以下の若い世代よりも2倍多いという状況。昭和50年代から既に出生率は2を下回って、少子化の傾向がもう何十年も続いてきた結果として、そういう状況にあるわけです。結果として、しばらくの間、人口の自然減は避けがたい状況にあります。しかしながら、人口が減っていく中にあっても、かつてのように、同じように経済を縮ませるのではなくて、確実に経済を拡大傾向に持っていくことを通じて、県民の皆さま一人一人の暮らしを守っていくことが大事だと考えているところです。
 幸い足元の高知県経済は拡大傾向にあります。この流れを確実なものとして、お一人お一人の暮らしを守り、そして少なくても人口の社会減を大幅に改善できるように今年度も県勢浮揚を目指して全力を上げてまいりたいと考える次第です。
 今年も県勢浮揚を目指して、全力で頑張ってまいります。県民の皆さま方のご指導、ご鞭撻のほど心よりよろしくお願い申し上げます。県民の皆さま方の今年のご多幸を心よりご祈念申し上げまして、私の年頭の所感とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

<記者からの質疑応答>

知事の去就について
(野間・時事通信記者)
 先月の記者会見の際にもお伺いしたんですけれど、知事ご自身の去就について、お伺いしたいんですが、今のところ今年の抱負というのをお話していただいたんですけれど、ご自身の去就についてはいかがでしょうか。

(知事)
 私の去就については、12月の議会でもお話をさせていただいたとおりでして、当面1月、2月、3月と予算編成、さらには議会審議に没頭しなければならないと思っていますし、併せて、4月、5月、6月と新年度の施策をしっかり定着させていくように、いわゆるロケットスタートを切るべく努力をしないといけない、いわば県政に専念しなければならない時期だと考えています。
 前回、2期目から3期目に向けての去就を明らかにさせていただいたのも、6月議会でしたけれども、概ねそれぐらいの時期ぐらいまでは、次期の去就について云々せず、県政に専念させていただければと思っているところです。

県政浮揚に向けて
(大野・高知新聞記者)
 今年どんな年にしたいというか、ひと言でいうキャッチフレーズみたいなものは、考えられていますか。

(知事)
 一言で言うと、「県勢浮揚に向けての歩みをより確実なものにしたい」という思いです。それぞれの政策について、一定効果が見えてきたものもありますけれども、やはり道半ばだなと感ずるものもありますし、勢いがまだまだ弱いなと感じるものもあります。地産外商の取り組みを始めた当時に比べれば、随分と改善が見られる部分も多いと思いますが、もともと厳しい条件からスタートしているということもあって、まだまだ取り組まなければならないことは多いなと心から思っています。
 大事なことは、先々に向けてこの方向で歩んでいけば大丈夫だという道筋をしっかり示せるようなところまでいけるかどうかということではないかと思ってきました。
 そういう意味において、先ほども申し上げましたが、例えば経済の面では、人材をしっかり確保できるような道筋をしっかりつけていく。さらには、新たな付加価値を創造し続けるような状況を高知県内各地につくり出していく。そういうことをしっかり根付かせていくことができればと思います。
 また、福祉の面では、高知版の地域包括ケアシステムづくりです。もっと言うと、地域地域の実情に応じた保健・医療・福祉のネットワークづくりということが非常に大事だろうと思います。こういう方向で進んでいけば、先々にわたって着実にそういうネットワークは進化していくだろうなという方向性を示すところまで持っていけるかどうかが非常に大事だと思っています。
 正直なところ、去年こういう思いでありましたけれど、去年から今年にかけて、そういう取り組みを進めてきて、その取り組みの上に立って、さらに平成31年度の新たなそういう政策群が構築できていければいいなと思っています。今そういう意味では、かなり活発に部局の皆さんとも議論をさせていただいています。

(大野・高知新聞記者)
 道半ばということもおっしゃいましたし、去年から確かに県勢浮揚の道筋、要するにいい形でいいレールが敷かれて、そこに乗っかっていって、巡航で行けるようにしたいっていうことをずっと、常々おっしゃっていますけれども、それができた。あるいは一定このままでいい感じで中期・長期見通せるんだなという手応えみたいなものは、今感じてらっしゃいますか。

(知事) 
 感じている分野もありますし、感じてない分野もあります。ある意味、危機感を抱いている分野もあれば、一定手応えを感じられる分野もあるかと思っています。地産外商の分野においては、随分と進んだところもありますけれど、ただ、もう一段、中山間において、対外的な経済活動の交流が活発に行われるようになっていかないと、中山間に若者が住み続けられるということにはなっていかないので、かなりチャレンジングなことだと思っていますけど、この2月1日から自然・体験型観光キャンペーンもスタートしようという、挑戦をしているわけです。
 これはライバルも多いし、さらに観光のための諸インフラも十分に整っているとは言えない状況の高知県の中山間地域で、どこまでの挑戦ができるかということですけど、幸いにも、例えば土佐の観光創生塾などの取り組みを通じて見ていると、新たに45件ぐらい今回の自然・体験型観光キャンペーンを通じて、観光商品を創出したいとおっしゃっている塾生の皆さんがおいでになるそうです。これは、塾といっても事実上の新たなスキームを構築するための実践的なプロジェクトです。そういう形で、地域地域において、いろいろと自然・体験型観光キャンペーンをやろうというと、それに乗って一緒にやろうという人がたくさん出てきているという傾向はいいことだと思います。
 何とか、自然・体験型観光キャンペーンなどを軌道にのせて、中山間において、いろんな活発なものが生み出されていくような土壌をつくることができればと思っています。

(大野・高知新聞記者)
 続投の意欲があるような言い方に受け止めますけど、どうですか。

(知事)
 去就はまだ申し上げません。それともっと言いますが、県知事の仕事は、辞める前日まで全力を上げるべきものだと思います。そうでなければならない。常に先々まで睨んで仕事をしていくことが大事だと思っていまして、今後もそういう姿勢で頑張りたいと思います。

平成を振り返って
(石井・NHK記者)
 平成最後の年頭所感になるかと思います。それで敢えて伺いたいんですけども、平成の時代というのは知事にとっても就職をされて、知事になられてという、いわゆる社会人としての歩みをされてきた時代かなと思うんですけど、そこをちょっと振り返ってみて、少し長い時代ですが、いろいろあったと思うんですが、いかがでしょうか。

(知事)
 私は平成3年に就職して、それからずっと基本的には公務の職場にいさせていただいているんですけれど、ある意味、日本全体が大きな転換期にあって、その転換期の中で、いろんな新たな時代を展望した産みの苦しみを経験し、そして新たな活路を見いだそうとしているという時代なんだろうと思っています。いわゆる右肩上がりの時代がずっとあって、しかしながら、追いつき追い越せの時代から、ある意味、日本も世界の各国と肩を並べるようになってきて、その中において、自らの道を切り開いていかないといけなくなった。そういう時代がきた。これが平成の時代。さらに言えば、人口もどんどん増えていき、地方から都市部へという形での大きな産業の構造転換が起こり、そういうことを通じた経済成長がほぼ安定的に行われていくという時代から、新しいものを生み出さなければ経済成長ができない時代に転換してきたということです。
 いろいろな意味で、自ら立つということを経験しなければならなかった。それを実現しなければならなかったというのが、平成の時代だと思います。それに伴っていろんな苦しみもあったと思いますけども、バブル景気の崩壊からリーマンショックを経て、今は日本経済は力強く回復の傾向にあります。まだまだ地方までという形にはなっていないのかもしれませんけれども、そういう傾向にある。高知も平成の時代は、基本的にずっと右肩下がりで、経済も推移してきました。特に平成10年以降ぐらいは、大変厳しかったわけですけれども、そういう中において、何とかこの5、6年ぐらいは、拡大傾向を維持できるようになってきているわけでして、ある意味、自ら立って、そして自ら道を切り開いていく。時代を新たに切り開こうとする状況に立っているのが、今の状況だと思います。そういう時代の経験、そのために生みの苦しみをし、時代を切り開いてきたというのが、平成の時代だと思います。
 そういう意味においては、大変大きな時代の転換期だったと思います。自ら時代を切り開いてきた。そして、例えば経済成長などにしても自立的な歩みを初めようとしている。この流れをいかに確実なものにできるかということは、高知県にとってもそうですし、また日本にとっても大きな課題であり続けるということではないのかと思います。
 それともう1点、この平成の時代は、大変大きな災害がたくさんありました。改めて日本が災害大国だということを実感させられた、そういう時代だったんだろうと思います。阪神大震災あり、東日本大震災あり、いろんな意味で私どもとして考えさせられることは多かったと思っています。災害対策については、やっぱり最悪の事態に目を向けて、それにしっかりと備えていくということが非常に大事な姿勢だと思います。私も、平成の時代、阪神大震災や東日本大震災などが起こる前、災害対策の予算などを一部担当していたこともありましたけれども、震災前は、必ずしも最悪に備えるという形にはなっていなかったのではないかと思います。
 私が知事に就任させていただいたときもまだ、県にしても国にしても、まだまだ最悪に備えるという形にはなってなかった。しかしながら、先の東日本大震災の惨状も経て、いろんな形で法改正もなされて、最悪に備えるという形で、大きく国の防災対策も進んできましたし、また県もそれに合わせて、対策を強化してきているところだと思います。ある意味、非常に大きな災害が起こった分、その災害からは多くのことを学んだ時代ということも言えるのではないのかと思います。

(石井・NHK記者)
 今のお話の中にあったかもしれないですけど、ご自身の生き方ですとか考え方に最も影響を与えたというか、最もご自身、印象に残る出来事というのは何かありますか。なかなか一つあげるのは難しいかもしれませんが。

(知事)
 やっぱり一番衝撃的だったのは東日本大震災です。東日本大震災の当日、私はこの部屋にいてテレビでずっと様子を見ていましたが、本当に唖然とする思いでした。それから1ヵ月少しぐらいして、実際に被災地を訪問させていただいて、いろいろ見させていただきましたけれど、あの惨状は、一生忘れることはできないと思います。現地に行って、いろいろ様子を見させていただいて腹をくくったというか、本県も地震対策というのを抜本的に強化しないといけないと、心から思いました。併せて、国に対しても、根本的に考え方を改めて対策を強化してもらうように働きかけていこうとも思いました。南海トラフ地震対策特別措置法ができたり、大震法にかかわる一連の諸事項についての議論が本格的に進んだりとか、着実に災害に備えよという方向で取り組みが進んでいると思いますので、その方向をしっかり生かしていくことができればと思います。

これまでの任期を振り返って
(石井・NHK記者)
 もう1点、平成という時代は、知事が高知県知事になられてという時代でもあったかと思うんですけれども、いろいろな思いを持って知事を志されたときと比べて、この11年間、任期中の到達度と言いますか、その点というのはどのようにご評価されますか。

(知事)
 平成20年度の1年間は、ずっと対話と実行座談会ということで県内各地、34市町村を回らせていただいて、それぞれで2時間か3時間ぐらいずつ、住民の皆さまと対話をして議論をさせていただく機会を持たせていただきました。そのとき、各地域で「もう高知は駄目になる」という意見を、各産業分野それぞれからたくさん言われました。ひと言で言えば、「どうするつもりか」ということです。うちのこの地域でも林業はなくなるけど、どうするつもりか。この地域においても、もう農業はまもなく誰もやらなくなるけど、どうするつもりかとか。観光などについても、全然観光客は来なくなっているんだけど、これはどうするつもりかとかですね。
 そういうご意見というのは非常に多かった。ある意味、非常に大きい質問が多かったということを覚えています。ですから、私自身も、本当にこれは大変なんだなということを当時つくづく実感しました。そのとき、いろいろ伺わせていただいた意見や、またさらに庁内での議論などを経て産業振興計画を作って、ひと言でいうと、内向きの経済ではなく外に開かれた経済をつくらなければならないと思ってこれまでずっと挑戦を続けてきたところです。
 最初、アンテナショップをつくるという話をしたときには大議論がありました。東京でお店をつくることだけに留まるつもりは決してなく、実際には、民間の事業者の皆さま方の売り込みをお手伝いする機能が非常に大きいんですが、そのためにも拠点としてアンテナショップをつくろうという話をしたところ、大反対の議論は、たくさんありました。アンテナショップを開いて最初の年に、外商公社がお手伝いして取れた契約の件数は、年度途中からではありましたけれど444件でした。これは正直厳しいなと思いました。なかなか県外へ向かって打って出ていくというのは、大変だということを実感しました。
 それから観光の面でも、前の知事さんのときからやることは決めていたものですが、私が知事になって3ヵ月後ぐらいに、「花・人・土佐であい博」をやったとき、その年の観光入り込み客数が確か310万人もいかなく、前の年とほとんど変わりませんでした。旅行エージェントとかに行って、私がこれを売り込みさせていただいても、「いや、応援しません」とはっきり言われたり、いろんな意味で、これは厳しいものだなと思ったことを本当に忘れられません。
 そういうときに比べれば、例えば、地産外商公社がお手伝いをして取れた件数も9,000件を超えるとか、さらに、観光入込客数も当時の310万人に対して440万人、大河ドラマ放送の年を超えるなど、いろいろな意味において、物事は随分進んできたなとは思っています。ただ、まだまだ中山間地域も含めて、さらなる対策を講じていくことで、中山間地域に若者が根付いていけるような、そういう高知県を目指していかなければならないということは、本当に強く痛感しているところです。
 いきなり、そこまで1年、2年で到達するというのはあり得ませんが、この道を歩んでいけば、確実にそういう時代はやってくるということが展望できるような政策をしっかり考え出して、作り上げて、皆さんと実行させていきたい。このことは、非常に大事だと思っています。多くの皆さんからもお知恵もいただき、そのお知恵を生かさせていただきながら、そういう道筋を目指して努力をさらに重ねたいと思っています。
 昨年度から今年度にかけてもそういうつもりで、予算編成にも臨んできましたが、今年度から来年度に向けてもその点をより強化できるように、しっかり頑張りたいと思っています。

(石井・NHK記者)
 新しい時代に当たって、これまでもいろいろお話いただきましたけど、改めて、高知県の可能性として知事ご自身がお感じになっている部分と、あるいは政治家尾﨑正直としてどうやって関わっていきたいかという部分をお聞かせいただけますでしょうか。

(知事)
 残念ながら、長いこと高知県は、本来持てる強みを十分に生かしきることができず、結果として、経済面などにおいてもいろいろと衰退してきたところは否めないと思います。例えば、江戸時代には魚梁瀬スギを縦横に生かして、大阪の町に土佐堀という堀ができるぐらい、それぐらい過去には経済活動をやっていました。持てる物を縦横に生かして、対外的に開かれた経済をつくって、土佐藩を栄えさせてきた。そういう取り組みをしてきたわけです。
 ところが戦後になって以降、残念ながら高知の場合は、持てる強みの源泉たるところの中山間からこそ真っ先に若者がいなくなって、そういう強みを生かすことができずにずっときているという側面は、否めないと思っています。臨海型の工業団地を造ることが、強みを生かすことにつながるような地域もありますでしょう。そういう地域は戦後栄えてきました。例えば瀬戸内もそうですし、太平洋ベルト地帯と言われる地域などもそうだと思いますが、高知の場合は、その流れには乗ることはできなかった。その分、逆に生かせたらよかったはずの中山間地域は衰退していって、そういう強みも生かすことができなかったということだろうと思っています。
 地産外商の取り組みというのは、地に産する物を生かして外へ商う。本来持てる強みを生かすということだと思っています。第一次産業その関連産業群、自然を生かした観光、歴史も我々の強みですけど、食もそうでしょう。こういう私たちが持てる強みを生かし切ることでもって、持続的な経済成長を成し遂げていくというルート。これはある意味、田舎の、地方の経済成長の一つのモデルということになるのではないかと思っています。こういうものがしっかり確立されて、それぞれの地域においてそれぞれの強みを生かして、それぞれの地域が発展していくことのできるような、そういう日本になれればいいなと思います。
 高知においては、まずはこの中山間の様々な強みを生かした地産外商、観光振興の取り組みにしっかり道筋をつけていくことで、持てる強みを生かして、自立的な発展のできる、そういう高知県というのを目指す。そういうことをぜひ実現したいと思います。

県民との距離感について
大山・高知新聞記者)
 知事の選挙もありますし、県議選というのもあるかと思います。その中で、長年知事をやってこられて、当初諦めを感じているような部分も感じられたかもしれませんが、対話と実行をやってきた、その中で、県民と県政との距離というのは縮まったとお考えでしょうか。どんな距離感で接しているとお考えでしょうか。

(知事)
 県民の皆さまとはできる限り対話をさせていただきたいと思いますし、さらに日々、例えば、対話と実行行脚でなくても、私も結構お酒飲めますので、県民の皆さんといろんな会で杯も酌み交わさせていただいて、お話もさせていただくところです。幸い、年齢も若いので、いろいろな方、特に年配の皆さんなんかにも、いろいろ物も言っていただきやすい存在ではあるのかなと思っています。とにかく、県民の皆さまから距離が離れていくようだと政治家としてよろしくないと思いますので、ぜひ、この距離感をできる限り近づけられるように、いろいろ意図的に努力したいと思っています。

官民協働について
(大山・高知新聞記者)
 取材する中で見ていて、距離はかなり近いんだろうと思うんですが、見方によっては、知事がやってくれることではないかという期待感というのは、県民に対する期待感というのは、大きくなっているんじゃないかと見ているんですけど、県民からどんなふうに見て欲しいと、知事としてどんな知事として見て欲しいか。余り頼られ過ぎるというのも、去年から民間の力をということを言ってこられていますし、それは余りいい形ではないだろうと思いますが、どんなふうに見てほしいと考えていますか。

(知事)
 あまり頼られ過ぎるという感覚はありません。引き続き怒られることも多いですし、数少なく褒めていただける場面でも、確実にもっと頑張れというメッセージがこもっている場合が多いと思うので。ですから、頼られているという感じはないんだろうと思います。ただ、厳しい状況だったからこそ、特に平成20年、21年ぐらいに意識したのは、官民協働の中にも官が引っ張っていくようなことも非常に大事という側面もあったと思いますが、だんだん一定時期を経ていくに従って、同じ官民協働の中にも、より民間主導型のものの分野が増えていて、官はより厳しいフロントに移行していくということが大事なんだろうと思います。高知のようなところは官民協働で取り組んでいかなければならないと思いますけど、官の位置やウエイトは、その状況に応じて変化させていかないといけないと思っています。そういう意味で、いろいろ経済活動が活発になっているところについては、できる限り県ではなくて民間の皆さんに前面に出ていただくようなスキームを組んでいくことが大事だろうと思います。
 だから、あまり目立たないかもしれませんが、去年ぐらいから、県が補助金を出すだけではなく、銀行の融資とかに直結していくような、いろんな取り組みなんていうのも結構、後押しさせていただくような政策をしています。例えば、事業戦略づくりを後押しするとか、経営計画づくりを後押しするとか、さらには一連の計画を作って、ものづくり補助金を申請するんですが、その後ろに保証付きの融資を誘導できるようにするなど、こういう一連のスキームは、基本的には民間活力の活発化を目指したものだと思っていまして、いわゆる単純な補助金行政とは違うはずです。そういうウエイトというのは、だんだん高めていけるようにと考えているところです。

高知県経済の動向
(大山・高知新聞記者)
 知事になられたときにイメージした高知県の姿というものは、もちろんあったかと思うんですが、その中で先ほどから成果が出ている部分であったり、まだ道半ばというか、途中の部分があるというふうにお話されましたが、全体として見たときに、方向性としてはいい方向に行っているという自信というのはおありだと思うんですが、どこら辺の形までいっているというふうにお考えでしょうか。

(知事)
 1期目の時に申し上げていたのは、県勢の下降傾向を何とか押しとどめるところまでいきたい。2期目の時は、何とかこの県勢の下降傾向にあったものを上昇傾向に転じたいという話をさせていただいたつもりです。3期目になって、上昇傾向をいかに確実なものにできるかということをお話させていただいてきたところです。そういう意味において、1期目は、ずっと下降傾向にあったものを何とか止めるぐらいのところまでこられたんじゃないか。2期目において、2期目というのが平成27年度までになりますから、20年度から27年度の実質GDP成長率が4.3%のプラスと。一人当たり県民ベースでいけば11%と、全国平均の2倍ぐらいになっているはずです。そういう意味では、上昇傾向に転ずるということは、何とかできているんじゃないかと思います。
 ただ、問題は3期目のこの3年間、まだいろんな統計データが出てこないものもありますけれども、この部分において、この傾向が先々にわたって確実だと言えるところまで持っていけているかどうかです。3期目に、県民の皆さまにこういうことをしたいと申し上げてきたことが、確実なものにできるかどうか。この30年度、31年度も非常に大事になってくるだろうと思っています。

(大山・高知新聞記者)
 拡大傾向を確実なものにするという先には、どんなものがありますか。

(知事)
 自らの持てる強みを生かして、自立的にいろいろと新しい付加価値を見いだされ続けていくような経済をつくるということ。もっと言えば、中山間地域の地域地域で若い人がいろいろ活発に創意工夫を続けていっていろんな事業が生まれてくるような、高知県をつくっていくことだろうと思っています。集落活動センター、第一次産業関連の産業振興しかり、それから今度は自然・体験型観光ですけど、そういうことをうまく成し遂げていくことができればと思います。そういう取り組みを通じて、例えばUターンだったりIターンだったり、移住者の皆さま方が増えてきて、結果として中山間で若い人たちがそれぞれ自らの志、夢に応じて事業を展開できているということになっていくことを目指したいと思っています。

(大山・高知新聞記者)
 そうなったときというのは、知事の牽引力というのは、ある程度、民間で回り出したというのは。

(知事)
 それはいつも申し上げているように、最終的には例えば産業振興計画などは、「そんなの昔あったっけ?」ぐらいになるのが、1番の理想だと思います。県の取り組みというのは、ある意味踏み台のようなものだと思います。

大川村議会議員の兼業禁止規定の緩和について
(清野・朝日新聞記者)
 個別の質問なんですけどよろしいですか。地方自治にかかわることなので。大川村の兼業の話なんですけど、議員の兼業禁止規定を緩和するような条例が議会内で議論されていますけれども、ああいう動きについて、知事としてどんなふうにご覧になってらっしゃるのか、お聞かせください。

(知事)
 二つです。中山間において、政治参加が活発になっていくためにも、できる限りハードルは下げていただく方向というのは大事だと思います。まだまだ議論する必要がありますけど、国においても検討会があって、報告書を出されたりしています。あれでは不十分と言われる方も多いとは思いますけれども、やはりそういう方向が明確に、アジェンダに上ったということは重要な意義がある動きではないかと思っています。引き続き県としても取り組みたいと思います。
 2点目ですけど、やはり根治対策は地域に若者がいることだと思います。大川村も、大川村プロジェクトというのをずっとやられてきて、県も一緒に展開させていただいてきたところですけれども、そういう対策をより具体的に前に進めることができないか。このことはもっと力を入れないといけないと思います。今まで、大川村のはちきん地鶏の振興の取り組みや黒牛の振興の取り組みなど、いろいろしてきたところですが、今度の自然・体験型観光の取り組みを通じて、観光振興ということも目指していくことになろうかと思います。
 早明浦ダム湖の活性化の取り組みなどとも相まって、具体的なプロジェクトが進んでいくことで、若い人が一人一人と増えていく状況をつくり出せるようにしたいと思っています。

(清野・朝日新聞記者)
 今後、村の方から県には、相談が何回かあるかと思うんですけども、もしかしたら、もっとあるかもしれませんが、これまで県は大川村に対して、この問題に関してはちょっと引いて、問題があるんじゃないかみたいなことをおっしゃっていましたけども、今後関わり方としてはどういうふうにしていくおつもりですか。

(知事)
 引いているつもりは全くありません。大川村と県で一緒に検討会を開いて、一緒に政策提言をし、さらに大川村プロジェクトを加速してきたわけです。もし引いていると思われる向きがあるとすれば、県としては、どちらかというと、村総会は本当に実効的に機能するんだろうかということは、言わせていただいてきましたけれども、ただ、村総会も検討せざるを得なくなるような窮状に対して、片や規制緩和を求める、そういう法的な対策を求めること、振興策を求めることということについては、寄り添って対応させていただいてきたつもりですし、今後もそういうスタンスになると思います。

消費税率引き上げについて
(高田・日本経済新聞記者)
 今年の大きな予定としては消費税率の引き上げということが10月にありますけれども、軽減税率の導入とかでやや混乱もありますけども、県としては、どういうところに県経済に目配りをしていかなければいけないというふうに

(知事)
 何だかんだといって所得が低い方が多い中において、消費税によって、さまざまなダメージが生まれるかもしれない。そのための、さまざまな対策を取られているわけですけども、本当にそのダメージを受けやすい皆さん方に対して、しっかりそういう対策が本県として進んでいくかどうか。このところの目配りというのは、非常に大事になってくるんだろうと思っているところです。
 県経済全体を活性化させていくような取り組みは、引き続きやっていかないとはいけませんが、消費税によるダメージを大きく受ける層の皆さま方に対する目配りは高知にとっては特別に大事だろうと思っています。
 よく気を付けないといけないのは、例えばポイント還元とかですけれども、例えば中山間の中であまりカードを使っていなかったりする場合にはどうするんだろうかなどです。そういうところの目配りは、我々にとっては非常に大事だろうと思っていまして、そこは十分に議論したいと思います。

(高田・日本経済新聞記者)
 あと1点、知事としては、今後の社会保障費が膨らむ中で、消費税率さらに引き上げの論議もありますけども、その辺はどのように今後の消費税については。

(知事)
 私も全国知事会の社会保障常任委員長もさせていただいていて、社会保障の持続可能性を高めていくための取り組みは、非常に大事だと思っています。国民皆保険とか、さらには充実した医療ということをしっかり守っていきながら、併せて、社会保障の持続可能性を深めていくような施策を展開していくことが大事だと思っていまして、そういう意味においても、保健・医療・福祉サービスが県民の皆さまが求めておられることに、もっとベストマッチするような形で政策展開をしていくことは、高知の場合にも大事だろうと思います。
 QOLを高めていく形で、例えば医療を充実させていくことが必要な地域もあれば、もしかしたら、福祉分野の対応を充実させていくことが重要だと考えられる地域もあったりする。それぞれの地域のニーズに最も合った形に構成をしていくことで、QOLを向上させていきながら、無駄も省き、そしてまた、足らざるところはしっかり補う形でもっとも効果的かつ効率的な社会保障制度にしていかなければならないと思います。
 具体的には、さっき申し上げた地域包括ケアシステムづくりが非常に大事だと思います。もっと言えば、病院完結型医療から地域完結型医療への転換が非常に求められる時代なんだと思います。高知もそういうところが多いわけで、医師会の先生方を含め、いろいろご指導いただいていますけど、そういうご指導もいただきながら、対策をしっかりと進めていくようにしたいと思っています。
 因みに47都道府県、それぞれ多分事情は違うと思うんですけど、今、全国知事会の中で健康立国宣言に基づいて、お互い良いところを学び合って、横展開しようという取り組みを進めています。こういう取り組みを通じて、各県がお互い良い点を学び合いながら、それぞれの事情に合った、より効果的かつ効率的な制度をつくっていくことで、社会保障の持続可能性も高められるようになっていければと思います。ぜひそういう取り組みを進めたいと思います。

(高田・日本経済新聞記者)
 さらなる増税を前提とはしないということですか。

(知事)
 さらなる増税の前に、まずはこの秋の増税もある中において、それぞれ効果的かつ効率的な社会保障制度づくりということについて、各都道府県としてもしっかり努力することが大事ということかと思います。

平成30年を振り返って
(大野・高知新聞記者)
 1年を振り返っての部分で一言お伺いしたいのですが、とても忙しかったんじゃないかと思うんですが、その点はどうでしょう。

(知事)
 そうですね、とても忙しかったですね。ものすごく去年は忙しかったです。

(大野・高知新聞記者)
 そういう期を重ねると、経験を積まれることもあるし、高知県のためにもなるというところで務めているところもあるし、それが発信に結びついて高知の取り組みにつながってるという、そういう効果もありながらと思うんですけど、内と外の内政と外交のバランスというものの難しさというのを感じたりすることってありますか。

(知事)
 基本的にはいろいろ知事会の仕事とか、政府の委員会の委員の仕事、県の仕事に事実上関連するような仕事は、多く引き受けさせていただいているつもりです。例えば、ナショナル・レジリエンス懇談会の委員、さらには中央防災会議のワーキンググループの委員だったりするので、結果、国土強靱化や臨時情報に関わる法改正について、発言ができて、これは高知県にとっても生かすことができるものだと思っています。
 例えば、全高速(全国高速道路建設協議会)の会長もやらせていただいていますけど、これは高知県の高速道路の整備にも、間違いなくプラスだと思って取り組ませていただいていますし、全国知事会の社会保障常任委員長というのは忙しいですけど、こちらについても、やっぱり我々高知としても、課題が多くしっかり取り組まなければならない課題も多いわけですが、他方で非常に制約条件も多くて、辛い側面も多い。こういう実情をこの委員会を通じて全国レベルで届けていくということにも、なっていくわけです。そういう意味において、国関係のそういう仕事をしっかりこなしていきながらも、併せて、これが県のためにもなっていっているということかと思っています。
 ただ物理的に行ったり来たりというのが多いので、そういう意味では体力的には大変ですし、物理的な時間の制約もあって秘書官はみんな苦労していると思いますけど、主にはテレビ会議とかを生かして対応をしてきたところですし、これからもそうできればと思います。

(大野・高知新聞記者)
 庁内のガバナンスが疎かになりはしませんか。

(知事)
 そんなことは全くないと思います。副知事もおいでになりますし、それは全くないと思います。

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