知事訓示(令和元年12月9日)

公開日 2019年12月09日

濵田知事 訓示

令和元年12月9日(月曜日) 正庁ホール

【動画】知事訓示

 皆さま、おはようございます。
 12月7日付けで高知県知事に就任いたしました濵田省司でございます 。皆さま、向こう4年間どうかよろしくお願いいたします。

 まず、今回の選挙で私が訴えてきたことについて、改めまして皆さまに知っていただきたいということで、簡単に申し上げたいと思います。
 私が今回の知事選挙に臨むにあたりまして、故郷高知をもっと元気にしたい、そしてもっともっと多くの若い子たちが帰って来られる、そして実際に帰って来るような高知にしたい、そのために、私の行政経験も役立てて、高知にご恩返しがしたい、そういう想いを訴えて参りました。
 そして、そのための処方箋は、これまで3期12年間の尾﨑県政の中で、大きな方向性がしっかりとはっきりと示されてきましたので、その尾﨑県政を継承し、さらに発展させていくという立場でこの選挙を戦ってまいりました。具体的には、高知を元気にしていくためには、大きく言って三つの目指すべき姿があると思います。

 一つ目は何といっても仕事です。活き活きと仕事ができる高知。それでなければ高知は元気にならないと思います。その点は、まさしく尾﨑県政のもとで一丁目一番地として、地産外商という理念を掲げて産業振興計画が作られ、これを着々と実行して、確かな成果が上がってきております。その路線を引き続き継承し、発展をさせる、ということだと思います。
 二つ目は、高知に住んでいる方々が活き活きと生活ができる、そういう高知でなければ、元気な高知にはなりません。そのためには、教育、子育て支援といった分野、あるいは日本一の健康長寿県づくり、こういった分野について、尾﨑県政で取り組んだ流れをしっかりと継承し、さらに発展させていくことが必要であると思います。
 三つ目は、安全安心で便利な県土を実現していくことだと思います。南海トラフ地震対策、最近の豪雨・台風災害対策、こういったものにしっかりと目配りをし、必要な整備を行うこと、そして高速道路網など県民の利便性あるいは産業振興のための基盤づくりをしっかり進めていくということが3本目の柱として必要だというふうに思っております。

 こうした尾﨑県政の継承を図っていくことに加えまして、私は今回の選挙戦で、1つは、特に私の今までの経験を活かして、県政のレベルアップを図りたいということを申し上げてきました。例えば、大阪での勤務経験を生かして、経済活力が高まっている大阪、関西圏の活力を高知に取り込みたい、そういうことも申し上げてきました。
 また、総務省消防庁での勤務経験を生かして、特にソフト面での防災対策の充実化を図りたいと申してまいりました。また、私が立候補を表明して3ヶ月あまり、県内各地を回って色々な県民の皆さまと対話をする中で、新しい課題として気付き、またこうした展開をしていきたいと述べたものもございました。
 例えば、ひきこもり、発達障害、そういった非常に厳しい環境にある子どもたちへの支援を強化していくということ。あるいは、特に最近の豪雨災害、台風災害を見ました時に、中小河川の排水対策、こういうものをもっと早急に進めていかなければならないということであります。こういった問題についても、県民の皆さまにお話をし、約束をしてまいりました。これにつきましては、今後、皆さま方との協議の場で、あるいはもちろん県議会の場で大きな方針をお話しながらさらに進めてまいりたいと思っております。どうか皆さまには、この意を汲んでいただいて、是非これを具体化していくということにお力添えをいただきたいということで心からお願いを申し上げます。

 次に、県政運営の基本姿勢について、大きく2点目の柱として申し上げたいと思います。これも今回の選挙で、私は、共感と前進という2つのキーワードを県政運営の基本姿勢として掲げていきたいということを申し上げてきました。尾﨑県政は対話と実行がキャッチフレーズでございました。考え方は全くこれと同じでありますけれども、その対話と実行の先に目指すところをキャッチフレーズとして取り入れた発展系として、私なりに共感と前進というキーワードを提唱したつもりでございます。
 共感は、県民の皆様との対話を通じまして、県民の皆さまと県庁で働く職員一人一人の気持ちを一つにして、言い方を変えれば、県民の皆さまの共感をいただきながら県政の運営をしていく、それが目指すべき姿ということであります。
 また、前進は、課題解決に向けて施策の実行によって一歩でも二歩でも前に進んでいく、前進をしていく、結果にこだわる、成果を出していく、そういう行政を実現したいということであります。大変失礼な例えになりますが、行政に関しては、いわゆるやったふりの行政になっていないかというお叱りをいただくことがままあるかと思います。そういうことではなくて、成果を出していく、結果を出していくということにこだわりたいということが、前進に込めた意味でございます。

 こうした県民の皆さまと共に歩んでいく県政を進めていきたいということが、共感と前進の基本理念であります。現実に私も3ヶ月間、県内各地を回った中で、特に地産外商、あるいは中山間地域の振興、こういった課題のもとで、言わば尾﨑県政の中で、尾﨑知事あるいは県庁の皆さまに、心に火を灯された県民の方々が本当に一生懸命取り組んでいただいて、新しい物やサービスの試行錯誤をして、作り出して、創意工夫でもって新しいものを作る。そしてそれを外に売りこんでいく。一生懸命、挑戦をしている姿、また、その夢を語る姿、私は県内各地を回って、そういった姿が本当に心強いと思いましたし、ここにこそ高知の未来があるというふうに確信をいたしました。
 ぜひこの県民の皆さまとの協働、県民の皆さまの色々な形があると思いますが、個々の県民の皆さまもあると思いますし、また色々な事業を行われる団体の方々との協働、こういったものもあると思います。県民の皆さまとの協働、協力して働く、これを、尾﨑県政のもとでも強調されたと思いますけれども、引き続き、皆さまの中の中心の一つの考え方として、維持をしていただきたい、進めていただきたいというふうに思います。
 これこそが、尾﨑県政のもとで、経済の活性化、色々な経済指標がV字回復で上向きになってきたところの原動力であると思うからであります。

 3点目に、市町村との連携ということに関しましても、特に意を用いていただきたいと思います。分権時代でありますので、県と市町村は対等と協力という関係でありますけれども、やはり現実には中山間地域、あるいは町村部で行財政の体制的にも、まだまだサポートが必要なものがたくさんあると思います。
 市町村の皆さんと真摯に話し合いをして、県として求められる必要なサポートはしっかりしていく、こういった体制、そして一緒に市町村の皆さんとやっていくという姿勢、これが是非とも必要だというふうに思っております。
 大きな3番目の柱の話として、今後の仕事の進め方につきまして、私自身が気をつけている5つのキーワードでありますが、私も30年余り公務員生活をして参りましたので、皆さまと共有できればというふうに思います。

 一つ目のキーワードは透明性ということであります。これは私が20数年前に福岡県で勤務した時の経験に基づくキーワードであります。
 当時、福岡県はいわゆるカラ出張問題で、全国一の不正額を出しまして、県庁が存立の危機と言われるぐらいの大騒動でありました。当時の福岡県庁の職員の意見の中には、残業手当が規定通り出ない、あるいは、いろんな懇談会の経費のように、本来必要なのに予算化されていない経費がある。そういう中で、カラ出張というのも一種の必要悪だと、半ば開き直る意見もありましたけれども、ある幹部職員の方から言われました言葉、「しかし、君、それを出るところに出て、説明をして、県民の皆さまの納得が得られるのかい。」と言われたときに、私は、「まさしくそういうことだな」と思いました。色々言い訳的なこと、あるいはいろんな忸怩(じくじ)たる思いがあっても、やはり出るところに出てしっかり説明ができるかどうか、透明性がある行政と言えるかどうかということの試金石だと思います。
 こうしたことが大事だと思いましたし、この事件を通しまして、私は昔からやっていたことでも、あるいはみんなでやっていたことでも、やっぱり駄目なものは駄目という世界はやはりあると。今、コンプライアンスが非常に厳しくなっておりますが、そうした中で、この透明性、しっかりと県民の皆さまに説明ができるという、この透明性の確保というのは、皆さまにも、第1の基盤としてしっかりと考えていただきたい、保持していただきたいと思います。こうした透明性がある県政を行うことが、県民の皆さまの信頼を得て、共感の県政を実現していくための、非常に必要不可欠な最低条件であるというふうに思うわけであります。

 二つ目のキーワードは進化、エボリューションということであります。
 これは非常に簡単に言いますと、時代がどんどん変わっているわけで、行政も進化をしていく、それにつれて変化をしていかなければならないということでございます。
 一方で、行政は安定性とか継続性が大事に思われるところがあります。やはり、昨日の行政サービスを受けた方、あるいは去年行政サービスを受けた方と、今年の行政サービスが大きく違うということで、公平性に問題があるということは確かにありますし、過去の前例によく学んで物事を処理していく、このことは大事だと思いますが、やはり時代は変化しておりますから、これにあわせて行政自身も変わっていかないと県民の皆さんの共感も得られないというふうに思います。
 特に幹部職員の皆さまにおかれましては、一般の職員に比べますと、そうした決断をしっかりとしていくだけの権限、あるいは責任をお持ちであります。時代にあわせた進化、この点は、ぜひとも心に留めていただきたいと思います。

 3点目のキーワードといたしまして、使命、ミッションということでございます。
 行政の使命、これはもう少し平たく言い換えますと、自分の今やっているこの仕事は何のためにやっているのか、このことを絶えず自問自答する。こういうプロセスをぜひ持っていただきたいということでございます。行政の仕事は、とかくその仕事自体が自己目的化するという罠に陥りやすいという思いが私にはございます。
 例えば、健康づくりの啓発のためにイベントをする、啓発、県民の意識を高めることが本来の目的であるはずなのに、いつの間にかイベントそのものが目的になってしまっていないかとか、そういった自問自答をよくしていただきたい。
 そして時代の変化の中で、その方法論としてのイベントが、イベントではなくて、例えばインターネットやSNSの活用など別の方法でできるのであれば、見直しをしたり、あるいは新しい形に衣替えをしたりといったこともぜひ考えていただきたい。
 その意味で、本当に今の仕事は何のためにやっているのか、どう県民の皆さまに役に立っているのかということを絶えず問い直すということは、非常に私は大事なことだと思っています。

 4点目が、挑戦ということでございます。こうした進化をしていくためには、前進をしていくためには、現状を保っていくだけでは、これは達成できません。やはり、そこにリスクを取って挑戦をしていくということが是非とも必要だというふうに思います。
 よく私は仕事をするときに、同僚に対して、宝くじも買わなきゃ当たらないからね、と言うことがあります。宝くじが当たる確率でしか成就しない仕事というのはあまりないかもしれませんけれども、やはりそこに夢を持って、新しいことを成し遂げていこうとすれば、やはり挑戦というものが是非とも必要だということを申し上げたいと思います。

 最後の5点目として、想像力を持って仕事をしていく、これはイマジネーションの方の想像ということであります。
 我々人間はどうしても他の人、例えば行政の相手方であったり、関係者であったり、そういった方とやりとりをする中で、暗黙のうちに相手も自分と同じようなことを考えている、同じ発想で物を考えているはずだ、行動するはずだと、これは暗黙のうちにそうした思い込みに走りがちなところがあると思います。しかし、やはり長年行政をやって参りますと、そこに結構なギャップが現実にある場合が多いというふうに思います。
 ぜひ、行政の相手方、あるいは関係する方々、さらに言えば、全国の関係する方々に、自分がやろうとしていることが、どういうインパクトを与えるのか、相手はどう思うのか、ということを、想像力を働かせて先手先手を打っていく、手を打っていくということに、意を用いていただければというふうに思います。

 以上が私自身がやろうとしていて、なかなか現実には難しい面もある、5つのキーワードでございますが、ぜひこの仕事の進め方を皆さまにも共有をいただいて、そして共感と前進の県政、県民の皆さまとともに、結果を出して、前へ進んでいく県政、これを皆さまとぜひ一緒にやっていきましょう。
 そうお願いをいたしまして、私の今回のご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

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