令和2年9月24日 令和2年9月県議会での知事提案説明

公開日 2020年09月24日

令和2年9月24日 令和2年9月県議会での知事提案説明

1 国の動向など

2 新型コロナウイルス感染症への対応

3 補正予算など
 (1)9月補正予算
 (2)今後の財政収支見通し

4 経済の活性化
 (1)新型コロナウイルス感染症による経済影響対策
 (2)産業振興計画の推進

  (地産の強化)
  (外商の強化)
  (関西圏との連携強化)
  (成長を支える取り組みの強化)

 (3)観光振興の取り組み

 (4)高知龍馬空港新ターミナルビルの整備

5 日本一の健康長寿県づくりなど
 (1)新型コロナウイルス感染症対策
  (社会福祉施設における感染症対策など)
 (2)日本一の健康長寿県構想の推進

6 教育の充実
 (1)学校における新型コロナウイルス感染症対策
  (学校支援プラットフォームの構築)
 (2)県立中学校夜間学級の開設
 (3)新たな知的障害特別支援学校の設置

7 南海トラフ地震対策など防災・減災対策の推進
 (1)南海トラフ地震対策
 (2)豪雨災害対策
 (3)消防防災ヘリコプターの運航体制

8 新たな管理型産業廃棄物最終処分場の整備

9 議案


 

 本日、議員の皆さまのご出席をいただき、令和2年9月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。

 ただ今提案いたしました議案の説明に先立ちまして、当面する県政の主要な課題についてご説明を申し上げ、議員の皆さま並びに県民の皆さまのご理解とご協力をお願いしたいと考えております。

 

1 国の動向など

 安倍前総理の辞任に伴い、今月16日、新たに菅内閣が発足しました。菅総理におかれては、「安倍政権が進めてきた取り組みを継承し、前に進めていく」との方針を示され、国難ともいうべき新型コロナウイルス感染症への対処を急ぐとともに、経済の再生、行政のデジタル化、地方の活性化などに取り組む考えを表明されています。政府においては、地方とのパートナーシップを一層重視し、引き続き、本県の県勢浮揚に向けた取り組みを力強く後押ししていただくことを期待するところです。

 県としましても、こうした国の動きを最大限に活用して、新型コロナウイルス感染症への対応はもとより、経済の活性化をはじめとする5つの基本政策と中山間対策など3つの横断的な政策を加速させてまいります。また、国の施策が本県の取り組みの一層の追い風となりますよう、時機を捉えた政策提言を積極的に行ってまいります。

 

2 新型コロナウイルス感染症への対応

 新型コロナウイルス感染症については、県内において昨日までに137例の感染が確認されております。4月末から約2カ月半の間、新たな感染がない状態が続いておりましたものの、7月13日の75例目以降、散発的に感染が確認され、先月には高知市内の障害者支援施設や親族間におけるクラスターも発生しました。

 その後、状況は徐々に落ち着き、今月12日以降、新たな感染者は確認されておりませんが、今後は季節性インフルエンザとの同時流行も懸念されます。このため、引き続き、検査体制の強化と医療提供体制の確保に努めてまいります。

 あわせて、感染防止対策をしっかりと講じながら、社会経済活動の回復との両立を図るとともに、あらゆる分野でデジタル技術の活用を促進するなど、社会の構造変化を踏まえた対策をさらに強化し、県経済を再び成長軌道に乗せるべく全力で取り組んでまいります。

 

3 補正予算など

(1)9月補正予算

 今議会では、主に新型コロナウイルス感染症への対応を図るため、総額306億8千万円余りの歳入歳出予算の補正並びに総額45億8千万円余りの債務負担行為の追加及び補正を含む一般会計補正予算案を提出しております。

 このうち、「感染予防、感染拡大防止」に関しては、次なる感染拡大の波に備え、検査協力医療機関の確保を通じた検査体制の充実をはじめ、入院病床の確保などによる医療提供体制の強化に取り組んでまいります。

 次に、「経済影響対策」に関しては、「事業の継続と雇用の維持」、「経済活動の回復」、「社会の構造変化への対応」という3つの局面に対応し、生活が困窮している方への生活福祉資金貸付金などを拡充するほか、あらゆる分野におけるデジタル化を推進するとともに、今回の事態を契機とした地方への新しい人の流れを本県へ呼び込めるよう施策を強化してまいります。

また、引き続き、感染拡大防止や経済影響対策に機動的に対応できるよう、予備費を増額計上しております。

 このほか、インフラ整備を加速するため、公共事業にかかる国費の内示増に対応した予算などを計上しております。

 

(2)今後の財政収支見通し

 県の財政運営においては、常に中期的な展望の下、財政規律を維持しつつ、県民サービスの確保と県財政の健全化を同時に実現することが重要であります。こうしたことから、昨年度の決算状況や今後の歳入の見込みなどを踏まえ、今後6年間の中期的な財政収支について試算を行いました。その結果、今後の大規模事業などに必要な経費のほか、社会保障関連経費の増加による影響を見込んでも、安定的な財政運営に一定の見通しをつけることができております。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症による税収などへの影響はなお予断を許さず、今後も十分に留意していく必要があります。また、本県の財政運営は地方交付税制度など国の動向に大きく左右されるところです。

 このため、引き続きこれらの動向を注視しつつ、国に対し、一般財源総額の確保などについて積極的に政策提言を行ってまいります。あわせて、施策の有効性や効率性を高められるよう、事務事業のスクラップアンドビルドの徹底や行政のデジタル化などに取り組んでまいります。

 

4 経済の活性化

 続いて、県政運営の現状に関し、まず、経済の活性化についてご説明申し上げます。

 

(1)新型コロナウイルス感染症による経済影響対策

 本県経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、観光関連産業をはじめ、飲食業や第一次産業など様々な分野で打撃を受けております。6月以降、国を挙げて経済活動の回復に向けた取り組みが進められてきたこともあり、一部に持ち直しの動きが見られるものの、感染症の収束が見通せない中、本格的な回復にはまだ時間を要するものと考えております。

 県といたしましては、これまで「事業の継続と雇用の維持」に向けた対策に力を入れて取り組むとともに、「経済活動の回復」に向けた取り組みを段階的に進めてまいりました。今後はこれらの取り組みを継続しつつ、「社会の構造変化への対応」に一層の重点を置いた経済対策を展開してまいります。

 

 まず、「事業の継続と雇用の維持」については、消費の落ち込みにより経営が悪化している畜産農家や養殖業者の生産活動に係る経費を支援するとともに、県内製材工場の在庫を災害時の応急仮設住宅用の木材として備蓄するなど、第一次産業への支援を一段と強化いたします。また、公共交通機関や障害者就労継続支援事業所などの事業継続を支援してまいります。

 次に、「経済活動の回復」と「社会の構造変化への対応」については、まずは県内の消費拡大、需要喚起を図るため、6月から「食べて!遊んで!高知家応援プロジェクト」を実施しており、食などに関する様々なキャンペーンを通じて、多くの県民の皆さまに地産地消へのご協力をいただいているところです。

 また、7月には、こうした地産地消の機会を広く知っていただこうと、県内のメディア各社が中心となり「高知家応援プロジェクト推進協議会」が設立されました。県としても、協議会としっかりと連携し、引き続き地産地消の取り組みを盛り上げてまいります。

あわせて、観光面では、県の「観光リカバリー戦略」に基づくキャンペーンなどの施策をさらに強化し、観光需要の早期回復に向けて取り組んでまいります。

 また、感染防止を図りながら本県経済を持続的な成長軌道に乗せていくためには、各事業者における非接触、非対面といった新しい生活様式への対応や、デジタル化など社会構造の変化への対応が重要なポイントになると考えております。このため、食品加工業者や農林水産事業者、宿泊施設などの新しい生活様式への対応に向けた設備投資を支援するとともに、自然体験型観光拠点施設の整備を推進いたします。

 加えて、デジタル技術の活用は、感染防止に資するとともに生産性向上にもつながることから、各産業分野のデジタル化をさらに加速してまいります。県庁においてもテレワークやウェブ会議など業務のデジタル化を一層進めるとともに、市町村の情報通信基盤の整備を支援いたします。 

 さらに、コロナ禍を契機とした「都会から地方へ」という新しい人の流れを強力に本県に呼び込み、移住や企業誘致につなげるため、その受け皿となるシェアオフィスなどの整備を推進してまいります。

 

(2)産業振興計画の推進

 第4期産業振興計画については、感染症の影響による事業の進捗の遅れを取り戻すべく、オンラインを活用した移住相談会や外商の商談会などの新たな手法も取り入れながら、「地産の強化」、「外商の強化」、「成長を支える取り組みの強化」という3つの施策群の取り組みを全力で進めているところです。

 

(地産の強化)

 まず、「地産の強化」に関しては、各産業分野において担い手不足を克服し、生産性を高めるとともに、社会の構造変化にも対応するため、「デジタル技術と地場産業の融合」などに取り組んでおります。

 このうち農業分野では、環境制御技術にAIやIoTなどの先端のデジタル技術を融合させた「Next次世代型こうち新施設園芸システム」の開発を進めており、作物の生育情報や収量、出荷データなどといった様々な情報の収集と分析を行うデータ共有基盤「IoPクラウド」の開発に先月から着手したところです。

今後は、令和4年度からの本格運用に向けて、IoPクラウドで活用するデータの収集を開始するとともに、これらのデータを活用して営農支援などを行う基盤を本年度中に構築します。加えて、水産業分野で構築を予定しているデータベースとの連携についても検討を行うこととしております。

 あわせて、離れた場所からハウス内の監視や環境制御を可能とする機器の開発などにも取り組み、第一次産業分野におけるSociety5.0の実現につなげてまいります。

また、商工業分野などにおいても、デジタル技術を活用して生産性の向上を進めるとともに、付加価値の高いサービスを創出していくことが重要であります。

 例えば全国規模の企業では、ICタグを活用したレジや在庫管理の自動化のほか、飲食における注文から支払いまでが顧客のスマートフォン内で完結するシステムの導入などが進んでおります。一方で、地方の中小企業などにとってデジタル化はハードルが高く、実際、県内の企業からは「導入の方法や効果が分からない」といった声も多く聞くところです。

 このため、公募により選定した県内企業に対し、県が計画策定や具体的なデジタル技術の導入、人材育成を総合的に支援することを通じて、県内の各事業者がデジタル化に取り組むきっかけとなるモデル事例を創出したいと考えております。

 さらには、この取り組みの過程で得られた効果などを県内全域へと横展開し、事業者のデジタル化に向けた機運の醸成を図るとともに、生産性の高い産業構造への変革を図ってまいります。

 

(外商の強化)

 次に、「外商の強化」に関しては、感染症の影響で国内外の展示商談会が相次いで中止又は延期される中、厳しい状況にある食品事業者の外商活動を支援しております。具体的には、インターネット上での販売サイトの構築を支援するほか、オンラインを活用した商談機会の確保を進めるなど、非接触、非対面での販路拡大に取り組んでいるところです。

 さらに今後は、新たな消費者ニーズに対応した保存性の高い商品などの開発に向けた機器の整備を支援するとともに、工業技術センターにおいても新たな機器を導入し、商品開発への支援を強化します。

 あわせて、コロナ禍を契機に、より高度な衛生管理が求められていることを踏まえ、これまで取り組んできた県版HACCPの認証取得に向けた研修の実施などに加え、衛生管理の向上に必要な設備投資を支援してまいります。

 

(関西圏との連携強化)

 本県と関西圏との経済連携に向けた取り組みについては、関西の経済界の方など8名をメンバーとする「関西・高知経済連携強化アドバイザー会議」を立ち上げ、今月2日に第1回目の会議を開催いたしました。

 今回の会議では、まず県側から、関西圏との経済連携の強化に向けた戦略の柱として「観光推進」、「食品等の外商拡大」、「万博・IRとの連携」の3つのプロジェクトの方向性をお示ししました。アドバイザーの方々からは、「コロナ禍による生活や価値観の変化をチャンスと捉え、先手を打った取り組みが重要」といったご意見や、観光推進に関し「今なぜ高知なのかをシンプルに発信していくイメージ戦略が重要」といったご意見など、各プロジェクトに対して多くのアドバイスをいただいたところです。

 今後、こうしたご助言も踏まえて検討を深め、来月には第2回目のアドバイザー会議を開催して戦略の骨格をお示しし、改めてご意見を伺いたいと考えております。その上で、さらに具体的な施策にまで落とし込み、本年度中に新たな戦略を策定いたします。

 

(成長を支える取り組みの強化)

 次に、「成長を支える取り組みの強化」のうち、移住促進に関しては、感染症の影響で対面の移住相談やイベントの開催が困難となったことなどもあり、先月末時点の移住者数は前年同期比87パーセント、相談者数は63パーセントにとどまっております。

 一方で、今回のコロナ禍を契機に、これまでの働き方や暮らし方などが見直され、地方暮らしへの関心が高まることが期待されます。

 このため、今後は本県への新しい人の流れを創出するべく、ウィズコロナ、アフターコロナにおける人々の働き方、暮らし方、過ごし方のニーズに対応した受け皿の整備を進めるとともに、より効果的な情報発信の強化に取り組む必要があると考えております。

具体的には、都市部企業の地方展開の受け皿となるオフィスや、地方でテレワークを実践する個人向けのコワーキングスペースなどを備えた拠点施設を高知市中心部に整備するとともに、市町村が行うシェアオフィスの整備への支援を行います。あわせて、新しい生活様式に対応したお試し滞在施設の整備や移住者向け住宅の整備を促進いたします。

 さらに、都市部の企業や人材に対する効果的な情報発信とアプローチを図るため、オンラインを活用した移住相談やイベントを実施するとともに、ターゲットに応じた情報発信の強化などに取り組んでまいります。

 その際には、地域間競争に打ち勝つことができるよう、自然や食などの観光資源、産学官連携による新事業展開への支援、移住促進・人材確保センターを中心としたオール高知体制によるきめ細かなフォローアップといった本県独自の強みを最大限に生かして、他県との差別化を図ってまいります。

 こうした一連の施策をスピード感を持って推進することにより、都市部からの企業の誘致を図るとともに、地方への移住希望者を着実に本県に呼び込んでまいりたいと考えております。

 

(3)観光振興の取り組み

 次に、観光分野では、感染症の全国的な拡大に伴い、本年4月、5月には主要な県内観光施設の利用者数が前年と比べ約9割減少し、宿泊施設の利用も大幅に落ち込むなど、大きな打撃を受けております。

 このため、6月12日から県内向けの宿泊割引事業を開始し、その後も中四国、全国に対象を広げ、段階的に誘客の取り組みを実施してまいりました。さらに、7月22日からは、国の事業に連動する形で交通費用を助成する本県独自の「観光リカバリーキャンペーン」をスタートしております。

 このキャンペーンの開始後、新足摺海洋館「SATOUMI」には2カ月で8万人を超える来館者にお越しいただき、周辺の観光施設における利用者増加の後押しになっておりますほか、県内宿泊施設の利用状況も一時期に比べると上向いてきており、本県の観光需要は徐々に回復に向かいつつあると捉えております。

 今後は、本県観光需要の早期回復を図り、この基調をさらに伸ばしていくため、「観光リカバリー戦略」に基づく取り組みを一層強化してまいります。中でも、「観光リカバリーキャンペーン」については、開始から2カ月で2万件を超える交通費用助成の申し込みをいただくなど好評を得ており、11月にも既存の予算額を上回ることが見込まれます。来月からは国の「Go To トラベル」の対象に東京発着の旅行が追加される予定となり、より多くの方々の来県が期待できることから、こうした需要にも対応するべく、関連の補正予算案を今議会に提出しております。

また、コロナ禍において全国的に多くの方が自然が多い地域への旅行を希望しているというニーズを踏まえ、「リョーマの休日」キャンペーンを引き続き令和4年3月まで実施することといたしました。

 あわせて、旅行者の方々に安心して本県観光を楽しんでいただけるよう、新しい生活様式に対応した宿泊施設や屋外観光施設の環境整備を進めるとともに、ワーケーションなどの新たな旅行スタイルに対応した受け入れ環境の磨き上げを行ってまいります。

 また、来年度は、JRグループと連携して四国を一体的に売り込む「四国デスティネーションキャンペーン」の開催が予定されております。これらも追い風に、本県の強みである歴史、食、自然の観光資源を最大限に生かしたプロモーションを展開し、本県へのさらなる誘客につなげてまいります。

 

(4)高知龍馬空港新ターミナルビルの整備

 高知龍馬空港新ターミナルビルの整備については、国際チャーター便の増便や国際定期便の誘致に必要な空港施設の機能強化を図るため、本年度に建物の設計を行い、令和4年夏に供用を開始する計画で進めてまいりました。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症が世界的に収束していないことに加え、国際航空路線の需要回復は2024年頃になるとの見通しを関係団体が示していることなどを踏まえ、今回、整備については一旦立ち止まり、再開の時期を見定めるべきとの判断をいたしました。

 なお、新ターミナルビルは、外国人旅行者の誘致拡大などに不可欠な施設であると考えており、引き続き、就航に前向きな感触を得ている海外の航空会社との協議の状況や、国際航空路線の需要回復の動きを見極めながら、整備の再開について検討を行ってまいります。

 

5 日本一の健康長寿県づくりなど

 次に、日本一の健康長寿県づくりなどの取り組みについてご説明申し上げます。

 

(1)新型コロナウイルス感染症対策 

 新型コロナウイルス感染症については、先ほど申し上げましたとおり、現在のところ感染状況は落ち着いているものの、依然として予断を許さない状況にあります。このため、次の感染拡大の波に備え、さらなる検査体制の強化と医療提供体制の確保に取り組んでまいります。

まず、検査体制については、先月から、県民の皆さまが身近な医療機関を通じて検査を受けられる新たなスキームを開始したところです。

 この新たなスキームでは、医師の判断で検体を採取し、民間の検査会社に検査を依頼する医療機関を「検査協力医療機関」と位置づけ、発熱などの症状を有する方が診察から検査までをワンストップで受けられるようにいたしました。これまでに県内の109医療機関にご協力をいただけることとなりましたが、今後は、季節性インフルエンザの流行期においても適切な診療や検査が実施できるよう、さらに検査協力医療機関の確保が必要となってまいります。このため、地域の医師会とも相談をしながら、より多くの医療機関に協力を要請してまいります。あわせて、特殊勤務手当の支給に対する補助の枠組みを広げ、検査協力医療機関の職員もその対象にしたいと考えております。

 次に、医療提供体制については、国が6月に示した推計患者数に対応できるよう、入院患者を受け入れるための病床として現在192床を確保するとともに、軽症者などが療養する宿泊施設の確保も進めているところです。

 また、病床確保のための空床補償については、事態の長期化に伴い、当初の想定を上回る費用が見込まれることから、予算を増額し、引き続き必要な病床数の確保に取り組んでいくこととしております。

 

(社会福祉施設における感染症対策など)

 先月、高知市内の障害者支援施設において、利用者と職員合わせて20人の集団感染が発生した際には、サービスの中止などには至らなかったものの、全国では、社会福祉施設内の集団感染によって事業の継続が困難となった事例が発生しております。

 こうした状況を踏まえ、今後、本県において集団感染が発生した場合でもサービスが継続できるよう、社会福祉施設などによる相互応援のネットワークを広げてまいります。

このほか、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行を見据え、重症化のリスクが高い高齢者の方などがインフルエンザの定期予防接種を受ける際の自己負担額を無償化する取り組みを、市町村とも連携して来月1日から開始いたします。

 

(2)日本一の健康長寿県構想の推進

 第4期日本一の健康長寿県構想については、数値目標を明確に定めた3つの柱を立て、「県民の誰もが住み慣れた地域で、健やかで心豊かに安心して暮らし続けることのできる高知県」の実現を目指し、それぞれの施策を進めております。

 一つ目の柱の「健康寿命の延伸に向けた意識醸成と行動変容の促進」については、血管病重症化予防対策として、透析導入が数年後に予測される患者の方に対し、医療機関と市町村が連携して強力に保健指導を行い、透析導入時期を少しでも遅らせることを目指す新たなプログラムを作成しました。

 このプログラムに基づき、来月からは、県内3つのモデル地域において、患者ごとに減塩や水分管理などを徹底する取り組みを開始いたします。令和5年までに糖尿病性腎症による新規透析導入患者数を108人以下にするという目標に向け、しっかりと成果を出せるよう取り組んでまいります。

 また、先月には、県内外の有識者の参加を得て、本県における糖尿病予防の取り組みに対する検証などを行っていただく「糖尿病発症・重症化予防施策評価会議」を開催いたしました。

 第1回目となる今回の会議では、本県のこれまでの施策や取り組みについて評価をいただくとともに、ポピュレーションアプローチや重症化予防を効率的に推進する具体的な方策などについて助言をいただいたところです。今後、こうしたご意見を重症化予防などの取り組みに反映させるとともに、その結果を次回以降の評価会議において分析、検証いただき、より効果的かつ効率的な施策の実施につなげてまいります。

 

 二つ目の柱の「地域で支え合う医療・介護・福祉サービス提供体制の確立とネットワークの強化」については、在宅療養体制のさらなる充実に向け、本年度新たに設置した「在宅療養推進懇談会」を7月末に開催したところです。委員の方々からは、住まいの確保と連動した在宅療養環境の整備やICTの活用による高齢者の見守りなど、在宅療養を進めるための新たな施策について幅広い視点からご意見をいただきました。今後、さらに議論と検討を深め、在宅での療養を希望される方が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、新たな施策につなげてまいります。

 また、ひきこもりの人への支援の充実に向けては、民生委員・児童委員のご協力を得て、県内におけるひきこもりの実態把握調査を実施いたしました。本調査により、ひきこもりの状況は特に都市部において表面化しづらいこと、長期間にわたりひきこもっている人が比較的多いこと、高齢の親と同居する、いわゆる8050問題を抱える世帯が多いことなどが改めて浮き彫りになったところです。

 さらに今月15日には、県内の関係機関や有識者、家族会の方で構成する「ひきこもりの人等に対する支援のあり方に関する検討委員会」を開催し、「調査結果を踏まえて支援体制などを強化すべき」とのご意見をいただきました。これらを基に、関係機関が連携した包括的な支援体制の構築や、個々のひきこもりの人の状況に応じた多様な社会参加に向けた支援の充実など、具体的な強化策について検討してまいります。

 

 三つ目の柱の「子どもたちを守り育てる環境づくり」については、妊娠期から子育て期まで切れ目なく、総合的な支援を行う高知版ネウボラの取り組みを推進しております。

このうち、発達障害のある子どもへの支援については、臨床心理士や言語聴覚士などの専門職を、市町村が実施する乳幼児健診に派遣する取り組みを今月からスタートさせたところです。引き続き市町村との連携の下、子どもたちが早い段階から適切な支援を受けられるよう取り組んでまいります。

 

6 教育の充実

 次に、教育の充実に関する取り組みについてご説明申し上げます。

 

(1)学校における新型コロナウイルス感染症対策

 県内の各学校においては、3月から5月にかけて長期にわたる臨時休業が実施され、この間の学習の遅れを取り戻すために夏休みを2週間程度短縮し、現在も学校行事を精選するなど様々な工夫を行いながら、授業時間数を確保しようと努力されています。

 例年とは大きく状況が異なるものの、何より子どもたちが安心して学校生活を送れるようにすることが重要であります。このため、「学びを取り戻す」、「子どもたちの心に寄り添う」、「学校等における感染を防ぐ」、「再度の感染拡大に備える」という4つの方針の下、市町村などとも連携しながら取り組みを進めております。

 まず、「学びを取り戻す」取り組みについては、教員研修の約半数を中止又はオンデマンド研修に見直し、教員が子どもたちに向き合う時間を確保するとともに、教員や学習支援員の追加配置を行うなどして指導体制の充実を図っております。

 次に、「子どもたちの心に寄り添う」取り組みについては、スクールカウンセラーなどによる相談支援体制を充実させ、子どもたちの心のケアに努めているところです。

 また、「学校等における感染を防ぐ」取り組みについては、引き続き、国が示す衛生基準の周知徹底を図るとともに、各学校が取り組む消毒や換気などの感染防止対策をしっかりと支援してまいります。

 

(学習支援プラットフォームの構築) 

 さらに、「再度の感染拡大に備える」取り組みについては、休業時においても学びを継続できるよう、オンライン学習の実現に向けて「1人1台タブレット」などの整備を加速しているところです。

 今後、本年度内に「高知県版学習支援プラットフォーム」を構築し、これまで県教育委員会が作成してきた学習教材をデジタル化した上で、児童生徒が学力に応じて利用できるようにするとともに、蓄積した学習履歴を基に一人ひとりの理解度に応じた最適な指導を実践できる環境を整えてまいります。

 また、こうした環境を最大限に活用して、障害などのある子どもたちの個々の特性に応じた学習支援を行うほか、不登校の児童生徒についても柔軟に学習機会を確保するなど、よりきめ細かく個別支援の充実を図ってまいります。あわせて、教材準備や採点などの業務負担を大幅に軽減し、教員の働き方改革にもつなげてまいります。

 

(2)県立中学校夜間学級の開設

 本県初となる県立中学校の夜間学級については、来年4月から「高知国際中学校夜間学級」として、現在の高知江の口特別支援学校の校舎を活用して開設することとなりました。

 この夜間学級の設置により、国籍や年齢に関わらず、様々な理由により義務教育を受けられなかった方や、十分に学校に通えなかった方の学び直しの機会が広がるものと考えております。

今後、来月からの生徒の募集開始に向け、広く周知を行うとともに、入学する生徒が互いに学習意欲を高め合うことができる教育環境の整備を進めてまいります。

 

(3)新たな知的障害特別支援学校の設置

 県中央部の知的障害特別支援学校に通学する児童生徒は、年々増加傾向にあり、特に山田特別支援学校においては、普通教室の不足に伴い特別教室を転用して対応するなど、狭あい化が大きな課題となっております。

 このため、有識者やPTAの方などによる検討委員会において、速やかな課題の解決に向けて議論を重ね、取りまとめられた提言を基に検討を行ってまいりました。その結果、現在の高知江の口特別支援学校の校舎を活用して、50人規模の新たな知的障害特別支援学校を設置する方針が県教育委員会において決議されたところです。

 今後、令和4年4月の開校を目指して、校舎の改修などの準備を進めてまいります。

 

7 南海トラフ地震対策など防災・減災対策の推進

 次に、南海トラフ地震対策をはじめとする防災・減災対策の取り組みについてご説明申し上げます。

 

(1)南海トラフ地震対策  

 南海トラフ地震対策に関しては、第4期行動計画に基づき、ハードとソフトの両面から着実に施策を進めているところです。

 このうち、住宅の耐震化については、市町村と協力して補助制度の拡充や事業者の育成に取り組んできた結果、本年6月時点の補助申請件数が前年同期の1.2倍になるという高い水準で進捗しております。こうした状況を踏まえて、耐震化をさらに加速させるべく、今議会に関連の補正予算案を提出しております。

 また、ソフト面では、自力での避難が困難な高齢者や障害者の方などが迅速に避難できるよう、一人ひとりに応じた避難計画の策定に取り組んでいるところです。具体的には、沿岸5市のモデル地区での取り組みによって得られたノウハウを活用し、沿岸19市町村全てでワーキンググループを立ち上げ、各市町村と共に個別計画の策定を進めております。

 計画策定にあたっては、要配慮者一人ひとりの事情を把握しているケアマネジャーに関わっていただくことが効果的であることから、こうした福祉職の方々に理解を深めていただくための研修会の開催などを行うとともに、実効性を高めるための避難訓練の実施にも取り組んでまいります。

 さらに、発災時に県外からの支援を円滑に受け入れるための受援態勢の強化については、県において、医療支援チームの受け入れや応急給水活動に係るマニュアルなど12の計画を新たに策定することとしており、本年度は、このうち4つの策定に向けて関係機関との協議を進めているところです。

 また、市町村における応援職員の受け入れ調整、物資配送拠点の運営、住家被害認定など8つの業務については、現時点で計画を策定できていない団体があることから、県として、市町村の課題を踏まえた支援を行っております。さらには、訓練などを通じて、県及び市町村の計画について検証と見直しを行い、その実効性を高めていく必要があると考えております。

 先月開催した県と高知市との連携会議においても、要配慮者支援対策や受援態勢の強化に向けた施策の方向性を確認したところであり、引き続き、各市町村の課題に対応しながら取り組みを進めてまいります。

 

(2)豪雨災害対策

 近年、全国各地で台風や豪雨による甚大な被害が相次いでおり、今後も降雨量の増加や水害の激甚化、頻発化が懸念されることから、部局横断的に対策を推進しているところです。

 特に治水対策に関しては、本年度、国が新たに創設した地方債の制度も最大限活用して、河川の浚渫や改修などを加速しております。

 また、ソフト面では、氾濫した場合に甚大な被害が予測される鏡川や松田川など4つの県管理河川において、住民の円滑かつ迅速な避難につながるよう、想定される最大規模の降雨が発生した場合の浸水想定区域図を先月までに公表しました。さらに、県内全てのダムにおいて、大雨が予測される際、発電などの目的で貯水している水を事前に放流し、少しでも洪水調節容量を増やすことができるよう、関係利水者と治水協定を締結したところです。

 引き続き、県民の皆さまが安全で安心して暮らせる県土づくりに向けて、あらゆる対策に全力で取り組んでまいります。

 

(3)消防防災ヘリコプターの運航体制

 本県では、地震や風水害時における被災者の救出をはじめ、水難や山岳遭難事故、山林火災などに迅速に対応するため、平成8年に消防防災航空隊を発足させ、直営で消防防災ヘリコプターの運航を行ってまいりました。

 しかしながら、操縦士の途中退職などがあり、安定的な運航要員の確保が大きな課題となっていたところです。また、令和4年4月からは消防庁の基準で操縦士2人体制による運航が義務づけられ、これまで以上に操縦士の確保が困難となってまいります。

 このため、運航体制の安定性、継続性、経費などの観点から検討を重ねた結果、直営ではなく、県が機体を保有した上で民間事業者に運航を委託することが妥当であるとの結論に至りました。今議会には、消防庁から貸与を受ける機体の委託運航のための予算案を提出しております。

 今後、年内に委託先を決定した後、令和4年度から順次、委託運航を開始できるよう準備を進めてまいりたいと考えております。

 

8 新たな管理型産業廃棄物最終処分場の整備

 次に、新たな管理型産業廃棄物最終処分場の整備についてご説明申し上げます。

 佐川町における施設整備に向けては、環境アセスメントなどの調査や周辺安全対策の取り組みに並行して、地域振興策の取りまとめを進めております。

 7月には住民説明会を開催し、地質調査の結果や長竹川の増水対策をはじめとする周辺安全対策の状況などについて説明をさせていただきました。

 また、先月28日には県と佐川町との連携会議を開催し、町からは、住宅裏の斜面対策をはじめとする防災力の向上や、公民館の整備といったコミュニティ活性化への支援など、地域振興策について具体的な要望をいただきました。現在、こうした要望への対応について、庁内のプロジェクトチームを中心に検討を行っているところです。

 引き続き、加茂地区の皆さまはもとより、佐川町、佐川町議会、さらには、県内市町村や関係団体などのご理解とご協力を賜りながら、施設の整備や地域振興策などを着実かつ丁寧に進めてまいります。

 

9 議案

 続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。

 まず予算案は、令和2年度高知県一般会計補正予算などの3件です。

 条例議案は、高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案など7件です。

 その他の議案は、県有財産の取得に関する議案など4件です。

 報告議案は、令和元年度高知県一般会計歳入歳出決算など24件であります。

 以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。

 何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

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