令和3年9月22日 令和3年9月県議会での知事提案説明

公開日 2021年09月22日

令和3年9月22日 令和3年9月県議会での知事提案説明

1  新型コロナウイルス感染症への対応
  
(1)感染拡大防止の取り組み
  (2)社会経済活動の再開に向けた取り組み

2  補正予算など
  
(1)9月補正予算
  (2)今後の財政収支見直し

3  経済の活性化
  
(1)新型コロナウイルス感染症による経済影響対策
  (2)産業振興計画の推進
  (3)観光振興の取り組み
  (4)関西圏との経済連携の強化

4  日本一の健康長寿県づくり

5  教育の充実
  
(1)全国学力・学習状況調査結果と教育振興の取り組み
  (2)医療的ケア児への対応強化

6 南海トラフ地震対策など防災・減災対策の推進
  
(1)南海トラフ地震対策
  (2)豪雨災害対策

7 スポーツの振興

8 議案


本日、議員の皆さまのご出席をいただき、令和3年9月県議会定例会が開かれますことに厚くお礼申し上げます。

 

ただ今提案いたしました議案の説明に先立ち、当面する県政の主要な課題についてご説明を申し上げ、議員の皆さま並びに県民の皆さまのご理解ご協力をお願いしたいと考えております。

 

1 新型コロナウイルス感染症への対応

(1)感染拡大防止の取り組み

新型コロナウイルス感染症については、先月中旬以降、感染力の強いデルタ株の影響などにより新規感染者が急増し、連日過去最多を更新するなど、かつてない非常に厳しい局面を迎えました。

このため、先月19日には県独自の警戒ステージを5段階で最も高い「非常事態」に引き上げるとともに、高知市と南国市、香南市を対象に飲食店の営業時間短縮の協力要請などを行いました。さらに、先月27日には国のまん延防止等重点措置の適用を受け、県全域を対象とした不要不急の外出自粛など、追加の協力要請を行ってきたところです。

その後、県民の皆さま、事業者の皆さま、そして医療関係者の皆さまのご協力とご尽力により、先月末頃から県内の感染者は徐々に減少に転じ、病床占有率といった指標についても一定の改善が見られました。こうした実態を踏まえ、過剰な制約は解除し、感染状況に応じ、県として柔軟な対応を取ることができる枠組みが望ましいと考え、国に対して重点措置の解除を要請した結果、今月12日をもって重点措置の適用は解除されております。

さらに、重点措置の終了後も、飲食店への営業時間短縮要請を高知市に限定するなど集中した対策を講じることで感染者の減少が続き、今月16日には警戒ステージを「特別警戒」に引き下げました。現在、新たな感染者は昨日までの直近7日間で47人となるなど、一段と減少しており、各指標についても多くが「特別警戒」の水準を下回っていることから、感染状況を踏まえながら警戒ステージのさらなる引き下げも検討しております。

一方、いまだ19都道府県に緊急事態宣言が発令されている中、感染のリバウンドを防ぎ、収束に向けた傾向をより確実なものとするためには、もうしばらくの間、気を緩めることなく行動抑制を図っていただくことが重要です。このため、感染拡大地域との往来自粛の要請や高知市の飲食店への営業時間短縮要請については今月26日まで継続してまいります。

引き続き、感染拡大防止対策をしっかりと講じるとともに、次なる感染拡大局面に備え、医療提供体制の強化やワクチン接種の推進に全力で取り組んでまいります。

 

(医療提供体制の強化など) 

感染拡大に備えた取り組みのうち、医療提供体制の強化については、今回の感染者急増を受け、入院病床として66床を追加し、最大292床を確保しました。軽症者などが療養する宿泊施設についても、新たな施設の追加により最大284室を確保しております。こうした病床や施設の大幅な拡充に加え、今後のさらなる感染拡大への備えとして、臨時医療施設の設置についても県医師会などと検討を進めてまいります。

また、先月中旬以降の感染拡大局面では、感染者の急増を受けて宿泊療養施設の収容能力が逼迫する状況となりました。このため、発熱のある軽症患者や単身の患者といった、感染者の中でもより宿泊療養の必要性が高い方が入所できるよう、無症状の方などに自宅での療養をお願いしたところです

その後、感染者が減少し、施設の収容能力も十分確保できたため、家庭内での感染拡大防止などの観点から、今月16日以降の新規感染者については、入院又は宿泊療養施設での受け入れを原則とする方針に戻しております。

一方で、やむなく自宅で療養される方については引き続き健康面、生活面での支援を行うとともに、今後の感染急拡大によって再度自宅療養をお願いする事態も想定し、必要な体制を整えてまいります。

 

(ワクチン接種の推進)

次に、ワクチン接種については、市町村において7月末に65歳以上の高齢者への接種が概ね完了し、現在、高齢者以外の方への接種が進められているところです。今月20日時点で、接種対象となる12歳以上の方の2回目接種率は、64パーセントを超えており、11月末には概ね希望者全員の接種が完了するものと考えております。

一方、高齢者を優先して接種を行ってきた市町村が多いことから、年代別の接種率は、40歳代で45パーセント、30歳代で35パーセント、20歳代以下で28パーセントとなっており、年齢が若くなるほど低い状態にあります。加えて、全国的に第5波と言われるこの度の感染拡大では、県内の新規感染者の約9割が50歳代以下であり、中でも20歳代以下が約5割を占めるなど、若い世代の感染が深刻になっております。このため、若い世代の方にも積極的に接種していただけるよう、ワクチンの発症予防効果や重症化リスクの低減効果、副反応などに関する正しい知識について、あらゆる機会を通じて発信してまいります。

また、本年7月に開設した県営の大規模接種会場では、今月5日までの第1クールで約7千3百人の方を対象に職域接種を実施し、現在第2クールの接種を行っています。今月11日の接種分からは対象を県内にお住まい16歳以上の方とするなど、対象者の拡大を図っており、引き続き、県全体の接種の加速化を後押しできるよう取り組んでまいります。

 

この度、全国知事会において、私は新型コロナウイルス緊急対策本部のワクチンチームリーダーに就任しました。早速、今月11日に開催された全国知事会の本部会議においてワクチンに関する緊急提言を取りまとめ、政府のワクチン担当である河野国務大臣に対し、ブースター接種や接種証明書の発行などに関する現場の課題をしっかりと訴えました。

今後とも、各都道府県知事とさらに連携を深め、国への提言活動などを重ねることにより、国と地方が一丸となってワクチン接種が円滑に進むよう努めてまいります。

 

(2)社会経済活動の再開に向けた取り組み

今月9日に開催された政府の新型コロナウイルス感染症対策本部会議において、ワクチン接種の進展を見据え、行動制限緩和の基本方針が決定されました。この基本方針では、「ワクチン・検査パッケージ」や飲食店の第三者認証を活用した飲食、イベント、人の移動などに関する行動制限の緩和について、考え方が示されたところです。県においても、こうした政府の動向を踏まえながら、社会経済活動の段階的な再開に向けて必要な施策を進めてまいります。

 

(高知家あんしん会食推進の店認証制度)

感染防止対策に取り組む飲食店を県が認証する「高知家あんしん会食推進の店認証制度」については、先月4日より受付を開始して以降、今月19日までに1,651件の申請をいただき、急ぎ認証を進めているところです。

 こうした中、先般、政府が示した行動制限緩和の方針では、飲食分野において、緊急事態措置や重点措置の区域であっても、第三者認証を受けた飲食店については営業時間の制限を緩和するといった提案がなされています。この提案を踏まえれば、自治体が独自に行う営業時間短縮の要請に関しても同様の取り扱いが想定されるところです。このため、できるだけ多くの店舗が速やかに認証を取得できるよう取り組むことが重要だと考えております。

感染防止対策が整った全ての店舗での認証を目指し、制度の周知に一層努めるとともに、現地調査員の増員など事務局の体制強化を行い、認証手続きのさらなるスピードアップを図ってまいります。

 

2 補正予算など

(1)9月補正予算

今議会では、主に新型コロナウイルス感染症への対応を図るため、総161億円余りの歳入歳出予算の補正並びに総額4億円余りの債務負担行為の追加及び補正を含む一般会計補正予算案を提出しております。

このうち、「感染予防、感染拡大防止」に関しては、新型コロナウイルスの感染拡大に備え、入院病床や宿泊療養施設を追加で確保するなど医療提供体制を強化するとともに、生活物資の配布などを通じて自宅療養者の健康面、生活面を支援してまいります。

次に、「経済影響対策」に関しては、感染症の影響が長期化し、厳しい状況にある事業者への雇用維持に係る給付金を拡充いたします。また、生活に困窮している方を支援する生活福祉資金について、特例貸付の申請受付期間延長に必要な原資の積み増しを行います。あわせて、鉄道事業者の事業継続や障害者就労継続支援事業所が取り組む新たな事業展開を支援いたします。

このほか、農業や水産業などのデジタル化のほか、県内企業のデジタル人材の確保に向けた取り組みを強化するとともに、グリーン化に係る新技術や新製品の研究開発を支援します。

こうした取り組みに加え、引き続き感染拡大防止や経済影響対策に機動的に対応できるよう、予備費を増額計上しております。

 

(2)今後の財政収支見通し

県の財政運営においては、中期的な展望の下、財政規律を維持しつつ、県勢浮揚と県財政の持続可能性の両立を図ることが重要です。このため、昨年度の決算状況や今後の歳入の見込みなどを踏まえ、今後6年間の中期的な財政収支について試算を行いました。その結果、今後の大規模事業などに必要な経費を見込んでもなお、安定的な財政運営に一定の見通しをつけることができております。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症による影響もあり、当面は予断を許さない財政状況が続くものと予想されます。また、本県の財政運営は地方交付税制度など国の動向に大きく左右されるところです。

このため、引き続きこれらの動向を注視しつつ、国に対し、地方の一般財源総額の確保などについて積極的に政策提言を行います。あわせて、事務事業のスクラップアンドビルドや行政のデジタル化を推進し、施策の有効性や効率性をさらに高めてまいります。

 

3 経済の活性化

続いて、基本政策の取り組みについてご説明申し上げます。まず初めに、経済の活性化についてであります。

(1)新型コロナウイルス感染症による経済影響対策

新型コロナウイルス感染症拡大の第5波が本県にも及び、度重なる飲食店への営業時間短縮の要請や移動の自粛、さらにはまん延防止等重点措置適用の影響などから多くの事業者がこれまでになく厳しい状況にあります。

こうした中、営業時間短縮要請に伴う協力金の支給単価の引き上げや、前金払いによる早期給付など、これまで以上に手厚い対策を行ってまいりました。しかしながら、コロナ禍の影響の長期化、深刻化を踏まえると、さらなる事業者支援が必要であると判断しました。

このため、宿泊、飲食業やその取引先など、より厳しい状況にある事業者には一層手厚く支援できるよう、雇用維持臨時支援給付金についてもう一段踏み込んだ形で拡充し、より多くの事業者を支援してまいります。

これまで以上に事業者に寄り添い、精一杯汗をかきながら、何としてでもこの難局を乗り越えていけるよう必要な対策を講じてまいります。

 

(2)産業振興計画の推進

 産業振興計画につきましては、本年度、第4期計画の戦略の方向性である「ウィズコロナ・アフターコロナ時代への対応」を意識して、「デジタ化」、「グリーン化」、「グローバル化」という3つのキーワードに関連する施策について強化を図り、全力で取り組んでいるところです。

 

 

ア デジタル化の取り組み

1つ目のキーワードである「デジタル化」に関しては、各産業分野においてデジタル技術導入による生産性向上や省力化などの取り組みを着実に進めております。

 

(第一次産業分野におけるデジタル化)

まず、農業分野では、Next次世代型こうち新施設園芸システムの開発に向けて、本年4月からデータ共有基盤IoPクラウドの試行運用を行っているところです。この中で、ハウス内の環境データや気象データなどに加え、新たに県内全域の出荷データの収集を先月開始しました。今後は、クラウドに集積される様々なデータを比較分析し、営農支援に役立てることができるよう指導員の育成に一層努めます。あわせて、現在、クラウドの試行運用に協力をいただいている生産者と共に、活用面での課題抽出を行っております。得られた課題を踏まえ、機能の拡充を図りながら、来年度中の本格運用を目指してまいります。

また、畜産分野においては、デジタル技術の活用を通じて、畜産農家の経営基盤強化とさらなる増頭の実現に取り組んでまいります。具体的には、繁殖農家において雌牛の状態を常時監視し、発情や分娩の兆候を速やかに農家に通知する装置や、映像により24時間牛の状態を確認することで事故を早期発見するシステムなどの導入を支援します。

次に、林業分野では、航空レーザー測量による情報を活用した県内全域の森林資源情報のデータ化が本年度中に完成する予定です。さらには、森林クラウドの導入により、森林資源情報や所有者情報をはじめとする森林に関する様々なデータを自治体や林業事業体などの関係者間で共有してまいります。こうしたデータを効果的に活用し、路網や伐採計画の作成、所有者の同意取得の効率化を図ることで、施業の集約化や原木生産の拡大が一層進むよう取り組んでまいります。

水産業分野では、生産、流通、販売の各段階においてデジタル化を図る高知マリンイノベーションの取り組みを進めております。本年7月には、水温や赤潮プランクトンの発生状況、漁場の予測といった情報を一元的に管理するデータベースを構築したところです。現在、データベースに集約した情報を漁業者や民間企業、研究機関などに分かりやすく提供するシステムの開発に取り組んでおります。また、センサーを活用して自動で餌やりを行うシステムや、魚の大きさを水中で自動測定するシステムの導入など、養殖業の生産性向上に向けたデジタル技術の活用を新たに支援してまいります。

 

(デジタル人材の確保)

商工業分野では、県内の中小企業がデジタル化に取り組む上で、知識や技術を有するデジタル人材の確保が大きな課題となっております。このため、高知デジタルカレッジによる県内の人材育成に加え、IT・コンテンツネットワークを通じた県外からの人材誘致などを進めているところです。

こうした中、現在、大都市部を中心に、社員の副業や兼業を認める企業や、自らのスキルを地方の企業で生かしたいという方が増えております。このような状況を踏まえ、大都市部の企業に在籍したまま副業や兼業という形で地方の中小企業のデジタル化に携わっていただける方をターゲットに、県内企業とのマッチングを強化することとしました。

具体的には、副業や兼業の希望者と県内企業のマッチングを図る専用サイトを作成し、SNS広告などを活用しながら周知を行いたいと考えております。さらに、首都圏のプログラミングスクールと連携したマッチングイベントの開催や、企業の人事担当者を対象としたモニターツアーの実施などに取り組みます。こうした施策の展開を通じて大都市部の豊富なデジタル人材を一層本県に呼び込み、県内企業のデジタル化を後押ししてまいります。

 

イ グリーン化の取り組み

2つ目のキーワードである「グリーン化」に関しては、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、脱炭素化への具体的な道筋を示すアクションプランの策定に取り組んでいるところです。

先月25日には、有識者などで構成する「高知県脱炭素社会推進協議会」を開催し、アクションプランの骨子案をお示ししました。委員の皆さまからは、「本県の中小企業が全国的な生産流通過程に組み込まれている中で、どのようにカーボンニュートラルの要請に応えていくのかという視点が必要」、「県民一人ひとりが取り組むことのできる具体策の提示が必要」といったプランに盛り込むべき視点や施策に関する貴重なご意見、ご提案をいただきました。

今後はこうしたご意見などを踏まえ、「高知県らしさ」という視点を大切にしながら、年度内にアクションプランを策定するとともに、具体的な施策の拡充や強化、さらには新たな取り組みについて検討を進めてまいります。

あわせて、国における2030年度の温室効果ガス削減目標の引き上げの根拠となる具体的な施策の議論も踏まえながら、年度内に本県の削減目標の引き上げを行います。

 

(森林吸収源対策の推進)

また、森林率日本一を誇る本県がカーボンニュートラルの実現を目指す上では、適切な森林資源の整備により森林の持つ二酸化炭素吸収機能を最大限発揮させるとともに、炭素の貯蔵効果がある木材の利用を進めることが重要です。しかしながら、林業事業体からは、「森林整備に必要な林業就業者が不足している」といった声を伺っており、担い手の確保が急務となっています。このため、市町村とも連携し、新たに林業事業体における就業前の実地研修を支援いたします。

今後は、林業大学校での担い手育成と併せて、研修を実施する林業事業体を拡大していくことにより、林業就業者の育成、確保を図り、適切な森林管理による再造林の推進や原木生産の拡大などを加速させてまいります。

 

 

ウ グローバル化の取り組み

>3つ目のキーワードである「グローバル化」に関しては、食品分野において、コロナ禍による飲食店需要の落ち込みや物流の停滞などがあったものの、昨年の輸出額は前年を上回る16億2千万円となりました。現地商社とのネットワークを生かし、各国に先駆けて経済回復が進んだ中国を中心に、水産物や土佐酒などの輸出を進めてきたことが成果につながったものと考えております。

今後も、こうした海外の動きに迅速に対応できるよう、ニーズに対応した商品の開発や衛生管理の向上など、地産の強化を図ります。加えて、重点市場であるアメリカ、ヨーロッパ、中国に配置している食品海外ビジネスサポーターを活用し、現地商社と連携した販路開拓や展示会への出展を進めるなど、食品輸出のさらなる拡大に取り組んでまいります。

 

(3)観光振興の取り組み 

次に、観光分野では、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ本県観光需要の早期回復を目指した取り組みを進めております。宿泊事業者や観光関連事業者が行う感染防止対策への支援に加え、昨年7月からは感染状況を踏まえつつ、旅行者への交通費用助成をはじめとする観光需要喚起策を展開してまいりました。しかしながら、いわゆる第5波による感染拡大を受けて、再び、観光需要喚起策の休止を余儀なくされるなど、依然として厳しい状況が続いています。

こうした中、政府においてコロナ禍での行動制限緩和に関する方針が示されるなど、今後の社会経済活動の再開に向けた動きも出てきております。近い将来、一気に観光需要が高まることも考えられることから、時機を逸することなく反転攻勢のスタートダッシュが切れるよう、観光需要喚起策の準備や誘客戦略の見直しなどを進めてまいります。

>具体的には、まず、観光客の交通費用を助成する「観光リカバリーキャンペーン」と、県内観光を促進する「観光トク割キャンペーン」について、感染状況を見極めた上で、適切な時期に再開できるよう準備を進めているところです。

また、本県を舞台としたアニメーション映画「竜とそばかすの姫」は、今月12日時点で動員数429万人、興行収入59.5億円の大ヒットを記録しております。いわゆる聖地巡礼という形で、仁淀川流域をはじめとする映画のモデルとなった場所へ多くの方が訪れており、さらなる誘客が期待されます。加えて、来月からは、JRグループの協力の下、四国4県が連携した「四国デスティネーションキャンペーン」が始まります。このキャンペーンと連動し、冬場には、高知城において、大規模なイルミネーションイベントの実施を予定しているところです。こうした一連の動きが、厳しい環境が続く本県観光の後押しとなるよう、地域の皆さまや観光関連事業者の方々と連携を図ってまいります。

さらに、アフターコロナの観光需要をしっかりと取り込んでいくためには、旅行者のニーズやスタイルなど、マーケットの変化を捉え、先んじて対策を講じることが重要です。このため、関係する皆さまのご意見をいただきながら、誘客戦略の見直しを進めてまいります。

このほか、広域観光組織が行う各地域の実情に合わせた観光需要喚起策や、オンラインツアーの造成といった新たな旅行ニーズに対応した取り組みに対する支援制度を創設し、県全体で観光需要の早期回復に向けた態勢の強化を図ってまいります。

 

(4)関西圏との経済連携の強化 

関西圏との経済連携の強化については、コロナ禍で活動が一定制限される中、本年3月に策定した戦略に基づき、各プロジェクトの取り組みを進めており、具体的な成果も生まれつつあります。

このうち、「観光推進」については、大阪観光局などと連携した広域周遊ルートづくりや誘客の促進などに取り組む中、12月に大阪市で開催される人気のイルミネーションイベントにおいて、本県観光をPRする場を設けることとしました。

「食品等の外商拡大」については、量販店への販売拡大を目指し、セールス活動の対象となる企業の約4割にあたる90社への外商活動を積極的に展開した結果、新たに商品が採用されるなど成果を上げつつあります。

「万博・IRとの連携」については、大阪・関西万博のパビリオン出展事業者をはじめとする関係者に対して、時機を逸することなく、県産木材などの活用に向けた提案活動を進めてまいります。

また、来月には、関西の経済界の方々や行政関係者で構成する「関西・高知経済連携強化アドバイザー会議」を開催することとしております。会議でいただいたご意見を踏まえ、施策のさらなるバージョンアップを図るなど、戦略に掲げる令和5年度の目標達成に向けて、しっかりと取り組んでまいります。

 

4 日本一の健康長寿県づくり

次に、日本一の健康長寿県づくりの取り組みについてご説明申し上げます。

 第4期日本一の健康長寿県構想については、数値目標を明確に定めた3つの柱を立て、それぞれの施策を進めております。

 

(血管病重症化予防対策)

1つ目の柱の「健康寿命の延伸に向けた意識醸成と行動変容の促進」については、血管病重症化予防対策として、昨年10月から透析予防強化プログラムの取り組みを進めており、46人の糖尿病性腎症患者の方々への生活指導を実施してまいりました。その結果、患者の約半数において腎機能の維持、改善が認められております。

引き続き、対象者を新たに追加した上で検査データの分析を行い、PDCAをしっかりと回しながら、透析導入時期の延伸といった具体的な成果につなげてまいります。

 

(高知家@ラインの横展開)

2つ目の柱の「地域で支え合う医療・介護・福祉サービス提供体制の確立とネットワークの強化」については、デジタル技術を活用した在宅療養体制の充実に向け、「高知家@ライン」の普及に取り組んでおります。

昨年度まで実施したモデル事業では、「高知家@ライン」の活用を通じ、医療や介護といった関係者間で患者の身体状況の変化に関する情報共有が図られ、一体的なサービス提供につながるなど、一定の成果が確認できました。

本年度は他地域への横展開を図るべく、高知大学医学部と協働し、在サービス関係機関に対して参加の促進や連携体制の構築に向けた働きかけを積極的に行っているところです。加えて、システム操作を簡単に行えるよう動画を活用した操作説明などの普及策を講じた結果、先月末時点で187施設が参加することとなりました。

今後も、様々な工夫を凝らしながら「高知家@ライン」の県内全域への普及を図り、一体的、効率的な在宅療養体制の整備を加速してまいります。

 

(自殺予防対策の推進)

次に、自殺予防対策の取り組みでは、今年の自殺者数が昨年に比べると増加しており、憂慮すべき状況にあります。全国的にも同様の状況であることから、新型コロナウイルスの感染拡大の長期化に伴う孤独や孤立が、増加の原因の一つになっていると考えられます。

このため、様々な困難を抱える方が一人で悩みを抱え込まないよう、本年度の啓発事業を大幅に拡充いたします。テレビやSNSなど様々なメディアを効果的に活用して切れ目なく相談窓口の周知を行い、適切な支援へつなげることにより、孤独や孤立の解消、さらには自殺予防を進めてまいります。

 

(高知版ネウボラの推進) 

3つ目の柱の「子どもたちを守り育てる環境づくり」については、高知版ネウボラの取り組みにおいて、本年度は特に、各市町村の母子保健、児童福祉、子育て支援、教育といった部門間の連携強化などを進めているところです。

本年7月には、子育て家庭の様々な相談に対応し、部門間の連携強化にも資する「子ども家庭総合支援拠点」の設置を促進するため、先進自治体から実践を学ぶオンラインセミナーを開催し、21の市町村及び広域連合に参加いただきました。さらに、希望する市町村に対して、アドバイザーがオンラインで助言や指導を行う取り組みも始めております。

 また、先月末に開催した少子化対策推進県民会議の部会では、「子育て中の方に加え、子育て前の世代における子育て支援サービスの認知度をより一層向上させることが必要」とのご意見をいただきました。このため、各種サービスの充実と合わせ、周知の強化について検討を進め、子育てに対する安心感をさらに向上させてまいります。

 

(ひとり親家庭への支援の充実) 

 コロナ禍により経済状況が厳しさを増す中、その影響を受けやすいひとり親家庭の方々に対しては、支援制度や相談窓口などの情報を容易に把握できる環境を整え、確実に支援につなげていく必要があります。このため、新たにWEBアプリを活用し、ひとり親家庭の方々がスマートフォンなどからいつでも必要な支援情報にアクセスできる仕組みを構築するとともに、行政からプッシュ型で必要な情報を届けられる態勢を整えます。

 また、ひとり親家庭等自立促進計画の本年度末の改定に向けて、現在、約8,200世帯を対象に経済状況や子どもの養育状況などの実態調査を行っており、この結果を踏まえて、さらに必要な支援策を検討してまいります。

 

5 教育の充実

次に、教育の充実に関する取り組みについてご説明申し上げます。

 

(1)全国学力・学習状況調査結果と教育振興の取り組み

先月末に公表された「令和3年度全国学力・学習状況調査」の結果によりますと、本県の小中学生の学力は、前回の平成31年度からさらに改善が見られました。小学校は引き続き全国上位に位置し、また、中学校は全国平均に達していないものの、着実に全国平均に近づきつつあります。特に、国語については、前回と比べ、全国の平均正答率との差が小学校で2ポイント、中学校で0.9ポイント向上し、全国順位も小中学校ともに過去最高となりました。

児童生徒の皆さんの努力はもとより、コロナ禍においても各学校、教職員がチーム学校として組織的に授業改善に取り組んでこられたことが、こうした成果につながったものと考えております。

第2期教育大綱においては、小学校の学力について全国上位を維持し、さらなる上位を目指していくとともに、中学校の学力について全国平均以上に引き上げることを基本目標としております。また、不登校など生徒指導上の諸課題についても、その状況を全国平均にまで改善させることとしております。これらの目標達成に向けて、引き続きチーム学校の取り組みを推進するとともに、デジタル教材を備えた学習支援プラットフォームや1人1台タブレットといったデジタル技術を効果的に活用し、子どもたち一人ひとりの理解度に合わせた最適な指導を実現できるよう取り組んでまいります。

また、本県の教育振興を成し遂げていく上では、県内の児童生徒の約半数を抱える高知市との連携が必要不可欠であります。新型コロナウイルス感染拡大の影響で例年より遅れておりますものの、来月には私と高知市長に加え、県市の教育長による会議を開催し、学力向上、不登校対策、幼児教育と保幼小連携の取り組みをテーマに協議を行うこととしております。この会議において、高知市と課題認識を共有するとともに、今後の連携のあり方などについて意見交換を行い、関連施策のさらなる強化を図ってまいります。

 

(2)医療的ケア児への対応強化

 恒常的に痰の吸引などの医療的ケアが必要な子どもたちの健やかな成長を図るとともに、その家族の離職防止に資することなどを目的として、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が本年6月に成立し、今月18日に施行されました。本県では、この法律の成立に先立ち、本年4月に重症心身障害児者・医療的ケア児等支援センター「きぼうのわ」を設置し、医療的ケア児とそのご家族からの様々な相談に応じるほか、コーディネーターの派遣調整や活動のサポートなどを行っているところです。

 また、学校における医療的ケア児の円滑な受け入れ態勢の整備を図るため、本年度中に特別支援学校の医療的ケア実施体制ガイドラインを小中学校でも活用しやすい内容に改定することを予定しております。加えて、学校に配置している看護師と教職員とがチームとして医療的ケア児の支援にあたるなど、一層の対応力の強化を検討してまいります。

 

6 南海トラフ地震対策など防災・減災対策の推進

次に、南海トラフ地震対策をはじめとする防災・減災対策の取り組みについてご説明申し上げます。

 

(1)南海トラフ地震対策

南海トラフ地震対策については、本年度までの3年間を計画期間とする第4期南海トラフ地震対策行動計画において11の重点課題を設定し、それぞれに掲げる目標の達成を目指して全力で取り組みを進めているところです。

このうち、住宅の安全性の確保については、3年間で4,500棟という目標を上回るペースで耐震化が進捗しております。また、津波避難対策についても要配慮者などの安全な避難の確保に向け、本年度末までに新たに9基の津波避難タワーが完成する見込みとなっております。

避難所の確保については、本年3月末時点で、県内全域における発災1週間後の想定避難者である21万7千人分を確保いたしました。しかしながら、市町村単位でみると、高知市を含む7市4町で充足できていないことから、近隣市町村などと広域避難に向けた調整を進めているところです。

受援態勢の強化については、発災時に県外からの支援を円滑に受け入れるための受援計画の策定を進めており、本年度末までに県では40計画、市町村では14業務の計画策定の完了を目指してまいります。

また、現在、こうした取り組みと並行して、来年度から始まる第5期計画の策定を進めています。策定にあたっては、第4期計画における取り組みや成果をしっかりと分析、総括した上で、明らかになった課題への対策を反映させるとともに、より明確な成果指標を設けたいと考えております。

「命を守る」、「命をつなぐ」対策については、死者数を限りなくゼロにすることを目指して引き続きそれぞれの取り組みを強力に推進します。加えて、計画策定やハード整備が完了したものについては訓練などによる検証を行い、実効性の確保に努めてまいります。「生活を立ち上げる」対策については、早期の復旧や復興、生活再建に向けて対策を充実するなど、さらなる強化を検討してまいります。

 

 

(2)豪雨災害対策

本年7月から先月にかけて、大雨による河川の氾濫や土砂災害などが全国的に多発し、特に静岡県熱海市では、盛り土が影響したと考えられる土石流災害により多くの方が命を失うなど、甚大な被害が発生しました。

本県では、現在、国から示された「盛土による災害防止のための総点検」の方針に基づき、市町村と連携しながら、危険な盛り土箇所の点検を早急に進めており、その結果について年内を目途に中間取りまとめを行う予定です。あわせて、点検の過程で災害の危険性を有する盛り土の存在が判明した場合には、各法令に従い、工事停止命令や是正勧告など必要な措置を講じます。

また、近年、激甚化、頻発化している自然災害に対し、これまでも県内各地において河川改修や土砂災害対策といった防災、減災対策を強力に進めてまいりました。こうした取り組みを積み重ねてきたことが今般の大雨において本県の被害が比較的少なかった要因の一つだと考えております。

引き続き、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」など、有利な財源を活用したハード整備に加え、浸水想定区域の公表や要配慮者の避難体制の強化といったソフト対策を進めるなど、安全で安心して暮らすことができる県土づくりに全力で取り組んでまいります。

 

7 スポーツの振興

次に、スポーツの振興についてご説明申し上げます。

先日閉幕しました東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、選手たちの活躍する姿が多くの感動をもたらしました。

本県出身の4人の選手につきましても、オリンピックでは、飛び込みの宮本葉月選手が5位入賞、パラリンピックでは、車いすラグビーの池透暢選手が2大会連続の銅メダルを獲得、バドミントンの藤原大輔選手も銅メダルを獲得、さらにはカヌーの小松沙季選手が準決勝進出を果たされました。選手の皆さんが懸命にプレーする姿は、私たち県民だけでなく、世界中に勇気や希望を与えてくださいました。選手をはじめ、選手を支えてこられた関係者の皆さまに敬意を表しますとともに、深く感謝申し上げます。

また、大会前の7月には、新型コロナウイルス感染症対策をしっかり講じた上で、チェコ共和国とシンガポール共和国の2カ国、5競技の選手団58人の事前合宿を受け入れ、大会に向けた調整を支援してまいりました。これにより、スポーツを通じた交流などで築いてきた両国との関係性が一層深まったと考えております。

今大会が本県にもたらしたスポーツへの関心の高まりや交流の成果をレガシーとして、合宿の受け入れや県内大会への選手の招致、関係国との相互交流などをさらに進め、スポーツの振興や地域の活性化につなげてまいります。

 

8 議案 

続きまして、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げます。

まず予算案は、令和3年度高知県一般会計補正予算など2件です。

条例議案は、高知県税条例の一部を改正する条例議案など4件です。

その他の議案は、権利の放棄に関する議案など10件です。

報告議案は、令和2年度高知県一般会計歳入歳出決算など28件であります。

 

以上をもちまして、議案提出にあたっての私からの説明を終わらせていただきます。

何とぞご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

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