82ページ 9補装具・日常生活用具について (1)補装具 補装具は失われた身体機能を補完又は代替する用具で、職業上その他日常生活での能率の向上、また、18歳未満のかたについては、将来、社会人として独立自活するための素地を育成・助長することを目的としています。そのため、給付については医師等専門職員、補装具販売・製作業者と連携を図り、身体の状況、性別、職業、教育生活環境等の諸条件が考慮されます。補装具費の支給を受けるには、その部位の身体障害者手帳を持っていることと、購入や修理の前に市町村役場へ申請することが必要です。(難病患者については、身体障害者手帳を所持していなくても制度の対象となる場合があります)また、購入することが原則ですが、かりうけによることが適当である場合(以下の①から③に限る)は、かりうけが可能です。①身体の成長に伴い、短期間で補装具等の交換が必要であると認められる場合②障害の進行により、補装具の短期間の利用が想定される場合③補装具の購入に先立ち、複数の補装具等の比較検討が必要であると認められる場合 なお、かりうけ対象の補装具は義し・装具、座位保持装置の完成用部品、重度障害者用意思伝達装置の本体、歩行器、座位保持椅子に限ります。 問い合わせ先:①市町村役場(10ページ参照)②高知県障害福祉課(電話番号088-823-9634) 補装具の種目・障害種別ごとの決定基準(18歳以上) ①本人の来しょによる更生相談所の判定に基づき市町村が決定するもの:肢体不自由関係は義し、装具、姿勢保持装置、オーダーメイド車椅子、電動車椅子。聴覚障害は補聴器。内部障害はオーダーメイド車椅子、電動車椅子。②医師の補装具費支給意見書による更生相談所の判定に基づき市町村が決定するもの:肢体不自由関係はオーダーメイド車椅子、重度障害者用意思伝達装置。聴覚障害者は補聴器。内部障害はオーダーメイド車椅子。③医師の補装具費支給意見書により市町村が判断のうえ決定するもの:肢体不自由関係は手押型以外のレディメイド車椅子、歩行器。視覚障害は矯正眼鏡、遮光眼鏡、弱視眼鏡、コンタクトレンズ、義眼。聴覚障害は人工内耳音声信号処理装置の修理。内部障害は手押型以外のレディメイド車椅子、歩行器。④補装具費支給申請書により市町村が判断のうえ決定するもの:肢体不自由関係は手押型レディメイド車椅子、一本つえを除く歩行補助つえ。視覚障害は視覚障害者安全つえ。内部障害は手押型のレディメイド車椅子、一本つえを除く歩行補助つえ。 その他留意事項 ①内部障害者については主治医の意見書が必要です。②各補装具費の支給対象となる病名、障害等級についてはお問い合わせください。(対象例)重度障害者用意思伝達装置:重度の両じょうかし及び音声・言語機能障害であって、重度障害者用意思伝達装置によらなければ意思の伝達が困難な者③介護保険対象のかたは介護保険サービスが優先されます。④車椅子、電動車椅子、歩行器については、原則として、病院や施設に入院、入所されているかたには交付されません。 補装具の種目・障害種別ごとの決定基準(18歳未満) ①指定育成医療機関の医師が作成する補装具費支給意見書に基づき、市町村が判断のうえ決定するもの(更生相談所に技術的助言を求める場合があります。):肢体不自由関係は義し、装具、座位保持装置、オーダーメイド車椅子、手押型以外のレディメイド車椅子、電動車椅子、歩行器、頭部保持具、座位保持椅子、起立保持具、排便補助具、重度障害者用意思伝達装置。視覚障害は矯正眼鏡、遮光眼鏡、義眼、コンタクトレンズ、弱視眼鏡。聴覚障害は補聴器。内部障害はオーダーメイド車椅子、手押型以外のレディメイド、電動車椅子、歩行器。②補装具費支給申請書により市町村が判断のうえ決定するもの:肢体不自由関係は手押型レディメイド車椅子、一本つえを除く歩行補助つえ。視覚障害は視覚障害者安全つえ。聴覚障害は人工内耳音声信号処理装置の修理。内部障害は手押型のレディメイド車椅子、一本つえを除く歩行補助つえ。 その他留意事項 ①内部障害児については主治医の意見書が必要です。 83ページ 申請方法(18歳以上の場合) ①補装具費支給申請書により市町村が決定するもの以外は、医学的判定や医師の補装具費支給意見書が必要です。 ②医学的判定では、補装具が必要かどうか、できあがった補装具が体にあうかどうか医師が判断します。 ③判定医療機関の医師の判定は無料ですが、その他の医療機関での医師の補装具費支給意見書には費用がかかる場合があります。(事前に予約が必要な医療機関があります) 申請方法(18歳未満の場合) ①補装具費支給申請書により市町村が決定するもの以外は、指定育成医療機関(52、53ページ)の医師の意見書が必要です。 支給のしくみ(代理受領方式の場合) ①利用者(申請者)から市町村に補装具費支給申請を行う。市町村は申請を受理後、更生相談所(指定育成医療機関)に意見照会、判定依頼を行う。更生相談所(指定育成医療機関)は、市町村に対し、判定書の交付、意見書の交付を行う。②市町村は利用者(申請者)に種目、金額など補装具費支給決定を行うとともに、申請者が適切な業者の選定に必要となる情報を提供する。③利用者(申請者)と補装具製作(販売)業者で契約を結ぶ。補装具製作(販売)業者は更生相談所(指定育成医療機関)に製作指導及び適合判定を受ける。④補装具製作(販売)業者は利用者(申請者)に製品を引渡す。⑤利用者(申請者)は補装具の購入・修理・かりうけ費用のうち自己負担額を補装具製作(販売)業者に支払う。⑥利用者(申請者)は補装具製作(販売)業者に代理受領に係る補装具支払請求書兼代理受領に対する委任状を提出する。⑦補装具製作(販売)業者は市町村に代理受領に係る補装具支払請求書兼代理受領に対する委任状を提出する。⑧市町村は補装具製作(販売)業者に補装具費の支払を行う。 ③にある適合判定とは、完成した補装具が身体に合っているか確認するもので、義し、装具、座位保持装置、電動車椅子、オーダーメイド車椅子が対象。 利用者負担 利用者負担については、定率一割負担と所得に応じた月額負担上限額が設定されています。原則、18歳以上の場合は本人又は配偶者のいずれかが、18歳未満の場合は保護者又はその世帯員のいずれかが一定所得以上(市町村民税所得割の最多納税者の納税額が46万円以上)の場合には補装具費の支給対象外となります。定率一割負担は補装具価格に応じて、月額負担上限額は所得に応じて設定されます。所得の区分は次のとおりです。①一般:37,200円②低所得(市町村民税非課税世帯):0円③生活保護:0円。 障害福祉サービス等と補装具給付の利用者負担の合計額が一定の額を超える場合には、高額障害福祉サービス費が支給されます。(詳細は24ページを参照。) 84ページ (2)日常生活用具 日常生活用具は在宅で生活している障害のあるかたが、日常生活を容易にするために使用する用具で、障害の種別や程度、年齢によって給付できる用具が異なります。給付を希望する用具がある場合は市町村役場へ相談してください。介護保険の対象となる人は、介護保険サービスが優先しますが、介護保険にない用具については、給付することができます。なお、用具の修理については対象となっていません。 対象者は次のとおりです。難病患者等を含む身体障害児しゃ、知的障害児しゃ、精神障害者。市町村が必要と判断した場合は、施設や病院で生活しているかたも対象となります。小児慢性特定疾患の児童については、総合支援法に基づく日常生活用具給付等事業が優先されます。 対象用具は、厚生労働省告示第529号平成18年9月29日に定められており、次のとおりです。厚生労働大臣が定める日常生活上の便宜を図るための用具とは、安全かつ容易に使用できるもので、実用性が認められるもの。日常生活上の困難を改善し、自立を支援し社会参加を促進するもの。製作や改良、開発にあたって障害に関する専門的な知識や技術を要するもので、日常生活ひんとして一般的に普及していないもの。以上の三要件を満たす、次の6種の用具をいう。①介護・訓練支援用具:特殊寝台や特殊マットなどの、障害者児の身体介護を支援する用具や、障害児が訓練に持ちいるいすなどであって利用者及び介助者が容易に使用でき、実用性のあるもの。②自立生活支援用具:入浴補助用具や聴覚障害者用屋内信号装置などの、障害者児の入浴、食事、移動などの自立生活を支援する用具であって、利用者が容易に使用でき、実用性のあるもの。③在宅療養等支援用具:電気式たん吸引器や盲人用体温計などの、障害者児の在宅療養等を支援する用具であって、利用者が容易に使用でき、実用性のあるもの。④情報・意思疎通支援用具:点字器や人口喉頭などの、障害者児の情報収集、情報伝達や意思疎通等を支援する用具であって、利用者が容易に使用でき、実用性のあるもの。⑤排泄管理支援用具:ストーマ装具などの障害者児の排泄管理を支援する衛生用品であって、利用者が容易に使用でき、実用性のあるもの。⑥きょたく生活動作補助用具(住宅改修費):障害者児のきょたく生活動作等を円滑にする用具で、設置に小規模な住宅改修を伴うもの。 利用者負担額については、市町村が独自で決めていますので、詳しくは申請先の市町村に確認して下さい。 日常生活用具の給付を受ける手続きは次のとおりです。①申請者は市町村へ申請書を提出します。(申請書は市町村にあります。)②市町村は、手帳の内容やご本人の状態をお聞きし、必要かどうかを判断し、必要と認めた場合は決定通知書と一緒に「日常生活用具給付券」を申請者にお渡しします。③市町村は、納品業者に日常生活用具を注文し、納品業者は日常生活用具給付券と引き替えに、申請していた日常生活用具を申請者に渡します。このとき併せて、申請者は自己負担額を納品業者に支払います。 85ページ 以下は、日常生活用具の参考例です。(市町村によって給付できる種目が異なりますので、ご注意ください。) 介護訓練支援用具 対象者:下肢又はたいかん機能障害もしくは知的障害、種目:特殊マット 対象者:下肢又はたいかん機能障害、種目:特殊寝台、特殊尿器、入浴担架、体位変換器、移動用リフト、訓練いす(障害児のみ)、訓練用ベッド 自立生活支援用具 対象者:下肢又はたいかん機能障害、種目:入浴補助用具、便器 対象者:平衡機能又は下肢もしくはたいかん機能障害、種目:T字杖・棒状のつえ、歩行支援用具、移動・いじょう支援用具 対象者:平衡機能又は下肢もしくはたいかん機能障害、てんかん発作等により頻繁に転倒する知的障害児しゃ、精神障害者、種目:頭部保護帽 対象者:じょうし障害又は知的障害(がくれい児以上で訓練をおこなっても自ら排便後の処理が困難な人)、種目:特殊便器 対象者:じょうし障害、種目:自動ページめくり機 対象者:障害種別に関わらず火災発生の感知及び避難が困難なもの、種目:火災警報器、自動消火器 対象者:視覚障害者又は知的障害(視覚又は知的障害者のみの世帯及びこれに準ずる世帯で日常生活上必要と認められる世帯)、種目:電磁調理器 対象者:視覚障害、種目:歩行時間延長信号機用小型送信機 対象者:聴覚障害(聴覚障害者のみの世帯及びこれに準ずる世帯で日常生活上必要と認められる世帯)、種目:聴覚障害者用屋内信号装置 在宅療養等支援用具 対象者:腎臓機能障害等、種目:透析液かおん器 対象者:呼吸器機能障害又は身体障害児しゃであって、必要と認められる人、種目:ネブライザー(吸入器)、電気式たん吸引器、動脈けっちゅう酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター) 対象者:医療保険における在宅酸素療法を行う人、種目:酸素ボンベ運搬しゃ 対象者:在宅で人工呼吸器等を使用している呼吸機能障害者又は身体障害児しゃであって、災害時等に必要と認められる人、種目:人工呼吸器使用者用発電機 対象者:視覚障害(視覚障害者のみの世帯及びこれに準ずる世帯で日常生活上必要と認められる世帯)、種目:盲人用音声式体温計、盲人用音声式体重計、盲人用音声式血圧計 86ページ 情報・意思疎通支援用具 対象者:咽頭摘出者、種目:人工咽頭 対象者:音声言語機能障害又は肢体不自由しゃであって、発声・発語に著しい障害を有する人、種目:携帯用会話補助装置 対象者:聴覚障害児しゃ又は発声・発語に著しい障害を有する人であって、コミュニケーション、緊急連絡等の手段として必要と認められる人、種目:聴覚障害者用通信装置 対象者:聴覚障害児しゃであって、本装置によりテレビの視聴が可能になる人、種目:聴覚障害者用情報受信装置 対象者:視覚障害かつ聴覚障害(盲ろう)、種目:双ほうこう無線よびだし器 対象者:盲ろう、視覚障害、種目:点字ディスプレイ 対象者:視覚障害、種目:点字器、点字タイプライター、視覚障害者用ポータブルレコーダー、視覚障害者用活字文書読あげ装置、視覚障害者用拡大読書器、盲人用時計、点字図書、視覚障害者用読書支援機器、視覚障害者用ワンセグラジオ 対象者:視覚障害又はじょうし障害、種目:情報・通信支援用具 対象者:視覚障害又はりょうじょうし障害(通常の入力装置での入力及び操作が困難な人)、種目:パソコン特殊入出力装置 対象者:視覚障害(公共施設等で共同利用する場合)、種目:視覚障害者用ワードプロセッサー 対象者:聴覚障害又は外出困難(障害者のみの世帯及びこれに準ずる世帯)、種目:福祉電話(貸与) 対象者:聴覚障害又は音声障害もしくは言語障害で、電話では意思疎通が困難な人(障害者のみの世帯及びこれに準ずる世帯)、種目:ファックス(貸与) 排泄管理支援用具 対象者:ストーマぞうせつ者、種目:ストーマ装具 対象者:高度の排便機能障害者、脳原生運動機能障害かつ意思表示困難しゃ、高度の排尿機能障害者(紙おむつは3歳以上)、種目:紙おむつ等(紙おむつ、せんちょう用具、サラシ・ガーゼ等衛生用品) 対象者:高度の排尿機能障害者、脊髄損傷等による排尿障害を有する障害者、種目:しゅうにょう器 きょたく生活動作補助用具 対象者:下肢、たいかん機能障害又は乳幼児期以前の非しんこう性の脳病変による運動機能障害(移動機能障害に限る)を有する人、種目:住宅改修費