31ページ 第5章 自殺対策の具体的取組 施策の体系 1自殺予防に向けた普及啓発の充実 (1)自殺に関する調査・分析 (2)普及啓発の実施 2自殺予防のための相談・支援及び心の健康づくり (1)包括的な支援体制の構築 (2)各分野における相談・支援 (3)民間団体への支援及び連携 (4)心の健康づくり 3自殺対策に関わる人材の育成及び資質の向上 (1)様々な分野でのゲートキーパーの養成 (2)地域保健スタッフの資質の向上 (3)民生委員・児童委員等への研修の実施 (4)介護支援専門員等への研修の実施 (5)地域生活支援者への研修の実施 (6)医療従事者への研修の実施 (7)自殺対策に関わる人への心のケア 4児童生徒の自殺予防 (1)自殺リスクの把握等 (2)SOSの出し方に関する相談支援 (3)児童・生徒等への相談支援 (4)教職員への普及啓発等 (5)自殺リスクの高い子どもへの対応 (6)子どもに対する精神保健医療福祉サービスの提供 5自殺未遂者へのケアと再度の自殺企図防止対策 (1)救急医療機関等との連携 (2)再度の自殺企図防止に向けた支援 6遺族等へのケアと支援施策の充実 (1)遺族等への心のケア (2)遺族等に対する支援施策の強化 32ページ 1自殺予防に向けた普及啓発の充実  (1)自殺に関する調査・分析 厚生労働省の人口動態統計及び警察による統計資料といった既存の自殺統計資料や指定調査研究等法人から提供される地域特性を分析したデータ、さらに自殺対策に関連する各関係機関が保有する資料を活用し、社会的要因を含む自殺の実態の把握に努め、本県の自殺予防対策に反映させていきます。 県は市町村の主体的な取組が推進されるよう、市町村自殺対策計画の見直しに必要な自殺データを収集し、各市町村へ提供します。 [障害保健支援課][精神保健福祉センター] (2)普及啓発の実施 ア自殺に関する正しい知識の普及啓発 自殺に関する正しい知識を普及する動画を作成し、県民に幅広く周知していきます。 メンタルヘルスの正しい知識の動画、現在の心の状態のチェック(こころの体温計)、困りごと別の相談窓口や自助グループの活動状況など、様々な情報やコンテンツを掲載した「メンタルヘルス総合サイト」を構築し、生きづらさを抱える人をはじめとした多くの県民にメンタルヘルスの重要性を啓発していきます。 自殺予防週間(9月10日〜16日)、自殺対策強化月間(3月)は、CM放送やSNS広告等様々な媒体を活用し、周知を強化します。 性的少数者は自殺念慮を持つ人の割合が高いことが指摘されており、その背景には無理解や偏見等があると考えられることから、偏見や差別をなくすために、多様な性についての理解を深める教育・啓発をするとともに、性的指向・性自認に関する相談窓口を周知します。 [障害保健支援課][人権・男女共同参画課] イ自殺に関する相談窓口の周知 自殺につながるおそれのある経済・生活問題や健康問題などの各種相談窓口について、総合サイトへの掲載、リーフレットの配布、SNSやマスメディアの活用など、年代や属性、相談内容等に応じた手段を用いて周知します。 [各相談窓口関係課] ウ高齢層への普及啓発 高齢者が一人で悩みなどを抱え込まず、周囲の人や相談窓口に相談できるように、新聞やテレビによる広報、新聞の折り込み広告などを活用して、自殺に関する正しい知識や相談窓口の普及啓発に取り組みます。 [障害保健支援課] エ若年層への普及啓発 若いうちから自殺予防についての理解の促進を図るため、動画やSNS広告など、より若年層に届きやすい方法で、効果的な普及啓発の取組を進めます。 [障害保健支援課] 33ページ オ働き盛りの世代への普及啓発 労働者の心の健康問題への誤解や偏見をなくすため、高知産業保健総合支援センターと連携し、自殺や自殺のリスクを高めるうつ病を始めとする精神疾患の正しい知識を普及啓発していきます。 [障害保健支援課] カ女性への普及啓発 広報誌やリーフレット、SNS等の様々な媒体を活用して、DV被害者や困難な問題を抱える女性のための相談窓口となる「女性相談支援センター」や、こうち男女共同参画センター「ソーレ」で実施する女性のための一般相談、法律及び心の健康の専門相談窓口を周知していきます。 [人権・男女共同参画課] KPI(評価指標) メンタルヘルスに関する情報発信ホームページの閲覧件数 出発点 令和5年度に構築 5年後目標 計画期間中累計100,000件(令和9年) 自殺に関する相談窓口の認知度 出発点42.7%(令和3年度) 5年後目標75%(令和9年度) 自殺に関する相談件数 @自殺対策推進センター A福祉保健所 B市町村 出発点総数648件/年(令和2年度) @255件/年(令和2年度) A129件/年(令和2年度) B264件/年(令和2年度) 5年後目標総数950件/年(令和9年度) @270件/年(令和9年度) A180件/年(令和9年度) B500件/年(令和9年度) 34ページ 2自殺予防のための相談・支援及び心の健康づくり  (1)包括的な支援体制の構築 生きづらさを抱えた人や家庭が地域で孤立することなく必要な支援が受けられるよう、住民にとって最も身近な自治体である市町村において包括的な支援体制が構築されていることが重要であり、県は、こうした市町村の体制づくりを支援していきます。 制度の狭間にある人、複合的な課題を抱え自ら相談に行くことが困難な人などを地域において早期に発見し、確実に支援していくため、属性を問わない相談支援、参加支援及び地域づくりに向けた支援を一体的に行う「重層的支援体制整備事業」などの施策との連携を図ります。 [地域福祉政策課][障害保健支援課] (2)各分野における相談・支援 ア生活困窮者、失業者への支援 複合的な問題を抱える生活困窮者の中に自殺リスクを抱える人が少なくない実情を踏まえて、生活困窮者自立支援法に基づく自立相談支援事業において包括的な支援を行うとともに、生活保護制度との一体的な実施や、自殺対策に係る関係機関等とも緊密に連携し、効果的かつ効率的な支援を行います。 「ジョブカフェこうち・ハローワーク高知若者相談コーナー」や「ハローワークジョブセンターほんまち」において、キャリアコンサルタントによる職業相談や、企業で実際に働くことでミスマッチを防ぐ「体験講習」などの職場定着支援を実施するなど、各種雇用対策を推進するとともに、失業に直面した際に生じる心の悩みなど様々な相談に対応します。 就職氷河期世代及びその家族には、テレビやインターネット等を活用した広報を強化し、支援対象者の掘り起こしを行います。さらに、チャレンジ応援団企業と就職氷河期世代の「出会いイベント」の開催等を通して参加者をジョブカフェが実施している職業体験等の支援へ誘導し、就職に?げていきます。また、福祉と就労の各支援機関や関係団体が参画する官民連携プラットフォームに必要な情報や知見を集約することで、それぞれの取組の強化や支援の輪の拡大を図り、社会参加・就職の実現を目指します。 [地域福祉政策課][雇用労働政策課] イ多重債務者への支援 多重債務者ができるだけ早く相談窓口を訪れることができるよう、県や市町村などの多重債務に関する相談窓口を周知するとともに、無料相談会を実施します。 相談窓口では、多重債務者が抱えている複合的な問題を法律専門家や専門機関と共有するなど、必要なサポートが行えるよう、体制の充実に取り組みます。 [県民生活課] ウ経営者に対する相談事業の実施 商工会や商工会議所、産業振興センター等と連携し、経営の危機に直面した中小企業を対象とした相談事業や、中小企業の一般的な経営相談に対応する相談事業を実施します。 [経営支援課] 35ページ エ高齢者、介護者への支援 高齢者の孤立を防ぐために、見守り体制や居場所づくりを推進することが重要です。そのため、県では、地域の見守り活動の協定事業者が、日々の活動の中で気づいた異変を民生委員等につなぐ地域の見守り体制を整えるほか、あったかふれあいセンター等の身近な地域での居場所づくりを推進します。 介護者の負担を軽減するため、地域包括支援センターやその他関係機関等との連携協力体制の整備、家族介護に関する研修の実施、介護者に対する相談機能の強化に向けた支援に取り組みます。 [地域福祉政策課][長寿社会課] オひきこもりの方への支援 福祉保健所単位で、教育、保健、福祉、市町村、若者サポートステーション、民間団体など関係機関によるひきこもり支援の広域ネットワークを構築します。併せて、ひきこもり地域支援センターが中心となり、研修会や講演会を通して市町村のひきこもり支援に必要な情報の普及啓発や人材育成を行い、市町村の相談支援体制の充実を図ります。 ひきこもり状態にある人の社会参加を支援することを目的に設置する居場所づくりなど、ひきこもり支援の強化を図ります。 [地域福祉政策課][精神保健福祉センター] カひとり親家庭への支援 子育てと生計の維持を一人で担い、様々な困難を抱えている人が多いひとり親家庭を支援するために、「母子・父子自立支援員」が、子育てなど生活一般についての相談に対して、個々に寄り添った相談支援を実施しています。 ひとり親家庭支援センターにおいて、就業や生活支援など様々な相談支援を行うとともに、必要に応じて適切な支援機関につなげるなど、ひとり親家庭の総合的な支援を行います。 悩みを気軽に相談できるよう、ひとり親家庭相談支援アプリのチャット相談を行い、必要に応じて電話や対面による支援や適切な支援機関へのつなぎを行います。 [子ども家庭課] キ厳しい環境にある子どもたちへの支援 貧困の状況にある子どもが抱える様々な問題は自殺のリスク要因となるため、子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づき実施される施策と自殺対策との連携を深めます。また保護者に対して、市町村や自立相談支援機関等の相談窓口を通じ、一人ひとりの状況に応じた生活や住まい、就業に関する各種相談支援を行います。 児童虐待は、子どもの心身発達と人格の形成に重大な影響を与えるため、児童虐待に対する市町村及び児童相談所の相談支援体制を強化するとともに、社会的養護の充実を図ります。 社会的養護の下で育った子どもに対して、継続した自立支援を効果的に進めるために、退所後の生活や就労、居住等の支援の充実を図ります。 生活困窮世帯等で、各町村在住の中学校卒業時及び高等学校中途退学時の進路未定者等に対し、生活習慣の改善に関する助言等を行いながら、学習支援等を行うとともに、高等学校に在籍する生徒に対し、若者サポートステーションと学校が連携し、社会的自立に向けて在学中からきめ細かな支援を行います。 [子ども家庭課][生涯学習課] 36ページ ク若者への支援 思春期・青年期において精神的不調を抱える人、自傷行為を繰り返す人や被虐待経験者等の深刻な生きづらさを抱える人については、保健、医療、福祉、教育、労働等の関係機関・関係団体が連携・協働しながら、それぞれの専門性を生かした適切な相談支援に取り組みます。 就労や失業などから生じる心の悩みへの相談対応、ひきこもり状態にある人の社会参加や居場所づくりなどへの支援を他機関と連携して取り組みます。 社会的自立に困難を抱える若者を支援するため、若者サポートステーションにおいて、個別相談やカウンセリングをはじめ一人ひとりの状況に応じて、修学や就職に向けた支援を行います。 [精神保健福祉センター][地域福祉政策課][生涯学習課] ケがん患者、慢性疾患患者等に対する支援 がん相談支援センターやこうち難病相談支援センターなどで、治療や療養生活に関する様々な悩みや不安等の相談に対応します。また、医療機関をはじめ関係機関と連携し、患者同士の交流や必要な情報提供を行うなど、切れ目のない支援について更なる充実に取り組みます。 [健康対策課] コ妊産婦への支援 母子健康手帳交付時に、市町村子育て世代包括支援センターに配置された母子保健コーディネーター等が母子健康手帳別冊等を用いて産後に起こりやすい心の変化を説明する等、支援が必要な妊婦に対して早期から継続的な支援を行うとともに、妊産婦の家庭や地域での孤立感の解消を図り、心身のケアや育児のサポートの拡充が図れるよう支援を行います。 心身の不調が生じやすい産後にきめ細かい支援が受けられるよう産後ケア事業の充実等を図り、必要なサービスにつなげる取組を行います。 出産後間もない時期の産婦に対して、すべての産婦が産婦健康診査を受診するよう周知啓発に努め、受診時に「エジンバラ産後うつ病質問票」等による問診を実施し、医療機関と市町村が連携してメンタルヘルス対策を実施できるよう支援を行います。 [子育て支援課][医療政策課] サ困難な問題を抱える女性への支援 こうち男女共同参画センター「ソーレ」において、女性のための一般相談、法律及び心の健康の専門相談窓口を設け、問題の解決に向けた支援を行います。 高知家の女性しごと応援室においては、働きたいと考えている女性の就労相談や就業中の女性が抱える仕事に関する悩み相談の窓口を設け、きめ細かな支援を行います。 女性相談支援センター(配偶者暴力相談支援センター)においては、様々な困難を抱える女性の悩みやDV被害に関する相談を受け、自立に向けた支援を行い、問題の早期発見と解決を目指します。 思春期相談センター「PRINK」では、女性の身体に関する相談電話を設置するとともに、女性の産婦人科医師による面接相談日を設け、女性特有の悩みや不安の解決に向けた支援を行います。 思いがけない妊娠で悩んでいる人に対して、いつでも相談でき、相談者の気持ちに寄り添い、困り事の解決に向けて支援を行う民間団体が実施する「にんしんSOS相談」の取組を支援します。 [人権・男女共同参画課][子育て支援課][子ども家庭課] 37ページ シ性犯罪・性暴力被害者等への支援 性犯罪、性暴力の被害者の精神的負担軽減のため、ワンストップ支援センター(性暴力被害者サポートセンターこうち)において、性犯罪・性暴力被害者等に対して電話・面接相談、付き添い支援、情報提供等のきめ細かい支援を行います。 女性被害相談電話「レディースダイヤル110番」等の相談窓口に関する広報を効果的に実施し、性犯罪被害者が情報を入手する際の利便性の拡大を図ります。 [県民生活課][警察本部県民支援相談課] ス人権に関する相談、インターネット上の自殺予告事案等への対応 人権啓発センター等において、県民からの人権に関する様々な相談について問題解決のための助言や、適切な専門機関につなげるなどの支援を行います。 インターネット上の自殺予告事案に対し、迅速に対応するとともに、自殺を推奨したり誘発につながるような有害情報の排除について、プロバイダなどの事業者に協力を働きかけていきます。また、インターネット上で、「死にたい」などの自殺をほのめかすようなキーワードを検索した場合に、相談窓口の紹介を含む自殺防止メッセージを表示し、ハイリスク者に直接アプローチすることで自殺を未然に防ぎます。 自殺のおそれのある行方不明者等について、関係機関と連携して早期発見、保護に努めます。 [警察本部人身安全対策課][警察本部生活環境課][人権・男女共同参画課][障害保健支援課] (3)民間団体への支援及び連携 自殺対策を進めていくうえで、生活困窮者の支援や依存症予防の啓発等に取り組んでいる民間団体との連携は不可欠であることから、民間団体が実施する取組を支援するとともに、連携強化を図ります。 県内で唯一、ボランティア活動で傾聴を中心とした電話相談を行っている高知いのちの電話協会について、ホームページやパンフレット等により県民への周知を図るとともに、相談体制の充実に向けて支援を行います。 [障害保健支援課] (4)心の健康づくり ア職場におけるメンタルヘルス対策 福祉保健所において、地域産業保健センターや商工会等の地域の関係機関と連携して、メンタルヘルスに関する健康教育を実施するなど、産業保健と地域保健が連携して職域での取り組みを推進します。 実効あるハラスメント(パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント及び妊娠・出産等に関するハラスメント等)対策を推進するため、全ての事業所においてハラスメントがあってはならないという方針を明確にし、相談窓口の設置等の措置が講じられるよう、高知労働局と連携しながら周知を行います。 [福祉保健所][雇用労働政策課] 38ページ イ地域における心の健康づくり 精神保健福祉センターでは、心の健康相談や精神科医療に関する相談、社会復帰相談をはじめ、アルコールや薬物、思春期、ひきこもり等の専門的な相談など、様々なメンタルヘルスに関する相談に対応し、必要に応じて産業保健や教育機関、医療機関と連携を図りながら、地域における心の健康づくりを推進します。 福祉保健所では、精神障害者やその家族、地域住民に対し、生活の中で困っていることや、ひきこもり、認知症、医療や社会復帰などの様々な相談について、精神科医師による相談の機会を設け、適切な医療につなげるとともに、家族や支援者に支援のあり方について助言を行っています。 [精神保健福祉センター][福祉保健所] ウ精神科救急医療の提供 県は、24時間対応できる精神科救急輪番体制を継続するとともに、夜間や休日に精神症状が急に悪化した時にも精神科医療を提供できるよう精神科救急情報センターを設置しています。 [障害保健支援課] エ大規模災害時における被災者の心のケア 大規模災害時には被災者は深刻なストレスを抱えることとなるため、発災直後から中長期にわたり孤立防止や心のケアに取り組むことが必要です。また、被災者のケアにあたる行政や関係機関の支援者も大きなストレスを抱えることから、研修会を通して被災者及び支援者自身の心のケアの必要性について理解を促します。 被災地域において適切な災害保健医療活動が行えるよう災害派遣精神医療チーム(DPAT)の体制整備を図ります。 [障害保健支援課] 39ページ KPI(評価指標) (1)包括的な支援体制の構築 包括的な支援体制を整備している市町村 出発点6市町(令和4年度) 5年後目標24市町村(令和6年度) (2)各分野における相談・支援 生活困窮者自立支援プラン作成率 出発点24.4%(令和3年度) 5年後目標50.0%(令和5年度) 生活困窮者自立支援プラン作成件数 出発点778件(令和3年度) 5年後目標1,440件(令和5年度) あったかふれあいセンター整備箇所数(拠点及びサテライト) 出発点346箇所(令和4年度) 5年後目標350箇所(令和5年度) ひきこもりの新規相談件数 出発点284件/年(令和3年度) 5年後目標300件/年(令和5年度) ひきこもりの市町村プラットフォームの構築 出発点22市町村(令和3年度) 5年後目標30市町村(令和5年度) ひとり親家庭支援センターにおける相談件数 出発点691件(令和3年度) 5年後目標1,350件(令和5年度) 子ども家庭総合支援拠点の設置 出発点12市町村(令和3年度) 5年後目標27市町村(令和5年度) 若者サポートステーション事業進路決定率 出発点32.6%(令和5年1月) 5年後目標40%以上(令和5年度) 産後ケア事業利用者数(利用者数/出生数) 出発点9.6%(令和3年度) 5年後目標15%(令和5年度) 配偶者等からDV被害を受けた者のうち、どこか(だれか)へ相談した者の割合 出発点男性29.2%、女性56.3%(令和元年度) 5年後目標男性40%、女性70%(令和6年度) 高知家の女性しごと応援室の就職者数 出発点231人(令和2年度〜令和3年度) 5年後目標1,000人(令和2年度〜令和6年度) 検索連動型広告クリック数 出発点754回/月(令和4年12月) 5年後目標2,000回/月(令和9年度) (3)民間団体の活動への支援及び連携 自殺対策事業費補助金を活用している民間団体数 出発点14団体(令和4年度) 5年後目標14団体以上(令和9年度) (4)心の健康づくり 職域のメンタルヘルスに関する動画の視聴回数 出発点R5年度動画作成 5年後目標36,000回(令和9年度) 自分の職場がメンタルヘルス対策が行われていると回答する県民の割合 出発点不明 5年後目標アンケートを実施して設定 40ページ 3自殺対策に関わる人材の育成及び資質の向上  (1)様々な分野でのゲートキーパーの養成 県では、弁護士、司法書士等、多重債務問題等の法律問題に関する専門家、住民の健康状態等に関する情報に接する機会が多い医療関係者、児童生徒と日々接している教職員、職場で職員の健康を管理する職員、大学生等、ゲートキーパーとしての役割が期待される人について、自殺予防に関する必要な基礎的知識の普及を図り、周りの人の異変に気づいた時には適切に対応できるよう、ゲートキーパーの養成を進めていきます。 [障害保健支援課][精神保健福祉センター] (2)地域保健スタッフの資質の向上 市町村や福祉保健所における心の健康問題に関する相談機能を向上させるため、保健師等の地域保健スタッフや地域包括支援センター等の職員に対し、心の健康づくりや自殺予防についての研修を実施し、相談に対し適切に支援ができる体制づくりを推進します。 [精神保健福祉センター] (3)民生委員・児童委員等への研修の実施 地域福祉の向上に努める民生委員・児童委員に対して、心の健康づくりや自殺予防についての研修を実施し、住民主体の見守り活動を支援します。 [地域福祉政策課] (4)介護支援専門員等への研修の実施 介護支援専門員等の介護事業従事者を対象に「高齢者こころのケアサポーター養成事業」を実施し、心の健康づくりや自殺予防に関する知識、傾聴の技法を学び、高齢者の心の健康づくりとうつ病の早期発見につなげることのできる人材を育成します。 [障害保健支援課] (5)地域生活支援者への研修の実施 アルコール健康問題やギャンブル障害等の依存症は、うつ病等との関連が深く自殺のリスクを高める要因となるため、早期支援・早期介入が重要です。そのため、潜在的な依存症患者に対応する機会がある生活保護ケースワーカーや市町村保健師等の地域生活支援者を対象に研修を実施し、依存症患者を早期支援・早期介入につなげることのできる人材を育成します。 [障害保健支援課] (6)医療従事者への研修の実施 かかりつけの医師等を対象にうつ病に関する知識の習得や診療技術の向上、精神科医師との連携等を目的とした研修を実施し、一般診療科を受診した人の中から、うつ病の可能性がある人を早期に発見し、専門医へつなげる取組を推進します。 がん患者、慢性疾患患者等の心理的ケアに対応できるよう、医療従事者等にゲートキーパー研修の受講を促すなど、心の健康づくりや自殺予防に関する知識の普及を図り、適切な対応ができる人材を育成します。 [障害保健支援課] 41ページ (7)自殺対策に関わる人の心のケア 自殺対策に従事する人の心の健康を維持するため、自殺対策に従事する支援者に対して、相談対応技能やセルフケアスキルの向上のために心のケア研修を実施します。 関係機関による自殺対策ネットワーク会議を行い、各機関の自殺対策従事者が孤立せず相互に相談し合える体制づくりを推進します。 各相談機関による事例検討会を実施し、複雑困難な事例や自殺既遂事例の事後対応(ポスト・ベンション)へのスーパーバイズを行います。 悩みを抱える人を支援する家族や知人等を含めた支援者が心の健康を維持していけるよう、個別面接や集団への教育による心のケアを実施します。 [精神保健福祉センター] KPI(評価指標) WEB研修受講者数 出発点なし 5年後目標計画期間中累計20,000人以上(令和9年度) ゲートキーパー養成人数(集合研修) 出発点累計約4,500人(令和3年) 5年後目標累計8,500人以上(令和9年度) ゲートキーパー養成に取り組む市町村数 出発点16市町村(令和3年度) 5年後目標値全市町村(令和9年度) 42ページ 4児童生徒の自殺予防  (1)自殺リスクの把握等 各学校において、児童生徒の登校後の気持ちの変化を教員が早期に捉え、支援につなげるための「きもちメーター」を活用し、支援の必要な児童生徒へ迅速かつ適切な対応を行います。 [人権教育・児童生徒課] (2)SOSの出し方に関する教育等 学校における教育活動全体を通じて、児童生徒が命の大切さを実感できる教育や生活上の困難・ストレスに直面したときの対処方法を身に付けるための教育を推進するとともに、児童生徒の自殺予防につながるSOSの出し方教育を推進します。 [人権教育・児童生徒課][精神保健福祉センター] (3)児童・生徒等への相談支援 全公立学校に配置したスクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)が児童生徒や保護者への面談を行うとともに、校内支援会に参加して、教員とともに支援を要する児童生徒への効果的な支援に組織的に取り組んでいきます。 心の教育センターにおいて、専門性の高いSCやSSW等による面接・電話・メール相談、また、土日開所やサテライトセンターの開設、困難事案に対する各学校への助言の実施等、支援の充実を図っていきます。 少年サポートセンター等において相談対応を行い、居場所づくりや性被害等の被害少年の支援活動を行うことで、問題の早期発見、早期対応に努めます。 相談者がいつでも相談できるよう、24時間SOSダイヤルやSNSを活用した相談体制を整え、児童生徒が活用できるよう周知するとともに、心の教育センターを窓口として、学校や関係機関と連携した対応が、適切に行われる体制づくりを推進します。 [人権教育・児童生徒課][警察本部少年課] (4)教職員への普及啓発等 教職員が、自殺の要因になりうるいじめや不登校等、リスクが高いと考えられる児童生徒のSOSに早期に気づくための方法、気づいた後の対応方法等について学ぶことができるよう、研修資料を作成・配布し、教職員の理解を促進します。 SCが、教職員自身のカウンセリングマインドを向上させる研修等を実施し、資質の向上を図ります。 経験の浅い養護教諭の勤務校や養護教諭未配置校に、経験豊富な退職後の養護教諭をスクールヘルスリーダーとして派遣し、児童の心の不調や早期発見・早期対応が実施できるよう、学校保健の充実を図ります。 性的少数者は自殺念慮を持つ人の割合が高いことが指摘されており、その背景には無理解や偏見等があると考えられることから、教職員に対して理解を促進するため、研修等を行います。 [人権教育・児童生徒課][保健体育課][精神保健福祉センター] 43ページ (5)自殺リスクの高い子どもへの対応 児童生徒の自殺や自殺未遂があった際には、SCや心の教育センターのカウンセラーによる当事者や家族、友人等に対する心理的ケアが適切に行われる体制を整えます。 学校での自殺や自殺未遂のあった事案に、緊急学校支援チームを派遣し、具体的な対応等について、専門的な見地から助言を行い、事後対応が適切に行われるよう支援を行います。 児童生徒の家族に自殺や自殺未遂があった場合は、SCを派遣するなど、自死遺児等に対する支援を行います。 [人権教育・児童生徒課][私学・大学支援課] (6)子どもに対する精神保健医療福祉サービスの提供 子どもの心の診療ネットワーク事業における拠点病院(高知大学医学部附属病院)で子どもの心の問題に関する相談に対応しています。今後、それぞれの地域で対応ができるよう、機関間のネットワークづくりや関係機関に対する研修に取り組みます。 [障害福祉課] KPI(評価指標) SCやSSWを活用した校内支援会を年10回以上実施している割合 出発点 小学校70.6%(令和3年度) 中学校77.7%(令和3年度) 高等学校81.1%(令和3年度) 5年後目標 小学校90%以上(令和5年度) 中学校95%以上(令和5年度) 高等学校100%(令和5年度) 支援が必要な子どもについての情報共有など、SSWのカウンターパートとして児童福祉部署を位置づけている市町村の割合 出発点91.4%(令和3年度) 5年後目標100%(令和5年度) 44ページ 5自殺未遂者へのケアと再度の自殺企図防止対策  (1)救急医療機関等との連携 自殺未遂者に対応する機会の多い救急医療機関等において、自殺未遂者にリーフレットやカード等を配布して、今後の地域での支援について説明を行い、同意が得られた人には、精神保健福祉センターや福祉保健所等が早期に関わり、自殺につながる様々な問題解決に向けた支援を行います。 救急医療機関や精神科医療機関に対して、行政との意見交換の場を設け、未遂者や家族等に必要な地域支援やケアの提供に関する課題を共有し、福祉保健所圏域ごとの自殺未遂者支援の体制づくりを推進します。 [精神保健福祉センター][福祉保健所] (2)再度の自殺企図防止に向けた支援 自殺未遂者やその家族等に対し、救急医療機関を退院した後も、地域で必要な支援やケアが切れ目なく提供されるよう支援体制の構築を推進します。 自殺未遂者に対して再企図防止と生きることの包括的な支援が展開されるよう、自治体や医療機関の支援者を対象とした研修や事例検討を実施し、対応力の向上を図ります。 [精神保健福祉センター][福祉保健所] KPI(評価指標) 福祉保健所での自殺未遂者支援体制 出発点2圏域(安芸、幡多)(令和4年度) 5年後目標全圏域(令和9年度) 45ページ 6遺族等へのケアと支援施策の充実  (1)遺族等への心のケア 身近な人を自死でなくされた人は、自分を責めたり、家族や友人にも悲しい気持ちを言えず、一人で抱え込んでしまうことがあるため、精神保健福祉センターと自死遺族が協働し、遺族支援を推進します。 遺族同士が安心して想いを語り、胸に抱える苦しみや悩みを分かち合い、互いに支え合える場「自死遺族の集い」を行政主体だけでなく、当事者が主体的に開催できるように支援を行います。さらに自死遺族支援に対する社会の理解を促進するための「自死遺族講演会」を実施するとともに、「自死遺族交流会(サテライト開催)」を実施します。 [精神保健福祉センター] (2)遺族に対する支援 遺族の相談に対して適切な支援が提供されるよう支援体制を整備するとともに、遺族のための相談窓口や「自死遺族の集い」等の情報を掲載したリーフレットを作成して、遺族と接する機会の多い関係機関や団体に配布し、情報提供を行います。 [精神保健福祉センター] KPI(評価指標) 自死遺族の集いの開催 出発点年12回開催(令和4年度) 5年後目標設定なし(令和9年度)