1ページ 第1章基本的事項             1計画の策定趣旨 依存症はアルコールや薬物等の物質やギャンブル等(※1)の行為などの依存する対象に関わらず、本人の健康や社会生活に支障を生じるだけでなく、多くの場合家族等の周囲の人にも影響を及ぼします。また、早期の支援や適切な治療により十分に回復が可能であるにも関わらず、本人や家族、学校・職場・地域などの周囲の人々に依存症に関する知識や情報が十分に伝わっていなかったり、治療可能な医療機関や対応が可能な相談支援機関が乏しいといった理由により、必要な支援や治療を十分に受けられていない現状にあります。さらに、ひとつの物質や行為への依存に留まらず、他の様々な物質や行為にも依存する傾向がみられ、複数の依存症が合併する「クロスアディクション(多重嗜癖)」(※2)の問題も指摘されています。 こうした中、県では平成30年3月に「高知県アルコール健康障害対策推進計画」を策定し、アルコール健康障害に関する普及啓発、早期発見・早期治療のための仕組みづくり、相談から治療、回復に至る切れ目のない相談支援体制の構築に向けた取り組みを5か年にわたり推進してきました。また、令和4年10月に「高知県ギャンブル等依存症対策推進計画」を策定し、ギャンブル等依存症における「発症予防(一次予防)」「進行予防(二次予防)」「再発予防(三次予防)」の各段階に応じた対策に取り組んでいます。 この度、県ではアルコール健康障害やギャンブル等依存症に加え、薬物依存症なども含めた依存症対策を総合的に推進するため、それぞれの依存症の特徴を踏まえた包括的な計画を策定することとしました。 1ページの注釈  ※1ギャンブル等:ギャンブル等依存症対策基本法では、ギャンブル等を「法律の定めるところにより行われる公営競技(競馬・競輪・オートレース・モーターボート競争)、ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為」と定義しています。 ※2クロスアディクション:やめようと思いながらもやめることができない習慣を併発している状態で、多重嗜癖(たじゅうしへき)とも呼ばれます。薬物依存とアルコール依存、摂食障害と窃盗癖、アルコール依存とニコチン依存など多様な組み合わせがあります。 2ページ 2計画の位置付け 本計画は、アルコール健康障害対策基本法第14条第1項の規定及びギャンブル等依存症対策基本法第13条第1項の規定による都道府県計画を一体的な計画として定めるとともに、その他の依存症も含めた高知県における依存症対策の基本的な方針を示す基本計画として策定します。 また、本計画は、「高知県保健医療計画」、「高知県健康増進計画(よさこい健康プラン21)」、「高知県地域福祉支援計画」、「高知県薬物乱用対策五か年戦略」、「高知県自殺対策行動計画」等と調和のとれたものとします。 3計画の期間 本計画の期間は、令和6年度から令和11年度までの6年間とします。 4計画の進行管理等 この計画に基づく取組を着実に推進するため、計画の目標の達成状況や施策の進捗状況について、有識者等で構成される「高知県アルコール健康障害・依存症対策推進協議会」に報告して意見聴取を行いながらPDCAサイクルを回し、適切に進捗管理を行っていきます。また、県の日本一の健康長寿県構想推進会議でも依存症対策として、取組の進行管理を行います。 なお、国の基本計画等が見直された場合や、毎年度PDCAサイクルを回していく中で、必要に応じて内容を見直すこととします。 PDCAサイクルの図省略 3ページ 5関連施策との有機的な連携 アルコール健康障害及び各種依存症の対策に当たっては、関連問題に関する施策との連携が図られるよう、庁内関係各部局や行政機関、関係事業者、関係団体とも相互に必要な連絡・調整を行いながら推進します。