はじめに 高知県では、平成十六年三月に「高知県障害者計画〜ともに地域で安心して暮らすために〜」を策定し、「ノーマライゼーション」の基本理念のもと、障害のある人への支援の取組を進めてまいりました。 この間、障害のある人に向けた福祉制度は、障害者自立支援法の施行と、その後の度重なる改正、さらに障害者総合支援法の成立など、めまぐるしく変化してきました。 また、「障害者権利条約」の趣旨に沿った障害者施策の推進を図るため、障害者基本法の改正をはじめ、様々な分野で施策の見直しも進められています。 一方、本県では、全国に先行して人口減少や高齢化が進行しており、特に、本県の多くを占める中山間地域での高齢化、過疎化の急速な進行に伴って、これまで地域が担ってきた支え合いの力が弱まってきている状況です。 このため、県では、「日本一の健康長寿県構想」を策定し、すべての県民の皆様が、住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らし続けることができる「高知型福祉」の実現を目指した取組を進めております。 このような変化に対応するとともに、「日本一の健康長寿県構想」とあわせ、障害のある人もない人も、ともに支え合い、安心して、いきいきと暮らせる「共生社会」の実現を目指して、新しい「高知県障害者計画」を策定しました。 この計画では、「希望する場所で生活するための支援」や「障害特性に応じた支援」、「ライフステージに応じた支援」、「社会全体のバリアフリー化の推進」に加え、南海トラフ巨大地震対策の強化などの「安全・安心な地域づくり」の五つの視点を持ちながら、「日本一の健康長寿県構想」や利用者が必要とする福祉サービスの提供のための数値目標を定めた「障害福祉計画」と一体的に取組を進めていくこととしています。 この計画の目標である「共生社会」を実現するためには、県民の皆様をはじめ、市町村や障害者団体など関係の皆様と力を合わせて取り組んでいくことが大切ですので、今後とも、ご理解とご協力をお願いいたします。 そして、障害のある人もない人も「高知で暮らしてよかった」と心から思える高知県にしていきたいと考えております。 最後に、計画の策定にあたり、貴重なご意見やご提言をいただいた「高知県障害者施策推進協議会」の委員の皆様をはじめ、ご協力いただきました関係者の方々に心から感謝を申し上げます。 平成二十五年三月 高知県知事 尾崎 正直 写真 タイトル「遥」 作「宮崎美香」