第一章 ともに支えあう地域づくり 写真 タイトル「仲間」 作「林美佳」 十三ページ 第一節 心のバリアフリー 「ノーマライゼーション」の実現のためには、県民一人ひとりが、障害や障害のある人について正しく理解し、障害のある人もない人も、お互いに人格と個性を尊重しながら、豊かな心を持って、行動することが必要です。 一 啓発広報活動と交流の促進 【現状と課題】 県では障害者週間(※十九)(十二月三日〜十二月九日)に開催する「障害者週間の集い」などの催しや、テレビ・ラジオ、新聞などマスメディアを通じた広報啓発活動を行い、障害や障害のある人に対する県民の理解促進に取り組んできました。また、小中学校や地域においても、特別支援学校(※二十)の児童生徒との交流及び共同学習や、障害者団体とボランティアの交流など、相互理解を深める取り組みを行ってきました。 しかし、ホテルや飲食店で補助犬同伴の人が入店を断られる事例も見られますし、精神障害について正しい理解が十分にされていないのが現状です。また、難病や障害の特性が分かりにくい発達障害、高次脳機能障害(※二十一)についても、あまり理解が進んでいません。 十三ページの語句の説明 (※十九)障害者週間 障害者基本法に定められた一週間(十二月三日から十二月九日まで)のことで、国民の間に広く障害者福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害のある人が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めることを目的として、それまでの「障害者の日」(十二月九日)に替わるものとして設定されました。この期間を中心に、国、地方公共団体、関係団体等では様々な意識啓発に係る取り組みをしています。 (※二十)特別支援学校 障害のあるこどもたちが専門的な教育を受ける場で、視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由・病弱の障害別により学校が分かれています。 (※二十一)高次脳機能障害 頭部外傷、脳血管障害等による脳の損傷の後遺症等として生じた記憶障害、注意障害、社会的行動障害などの認知障害等を指し、このため、日常生活や社会生活への適応が困難になる障害をいいます。 十四ページ グラフ 障害のある人への周りの人の理解の説明 平成二十四年高知県障害児者等アンケート調査より 全体五千七百四十七人 進んでいる十九点五パーセント、進んでいるが不十分三十七点一パーセント、まったく進んでいない七点四パーセント、わからない二十九点六パーセント、不明六点四パーセント 身体障害のある人千五百七十二人 進んでいる二十点二パーセント、進んでいるが不十分四十点二パーセント、まったく進んでいない六点九パーセント、わからない二十三点零パーセント、不明九点七パーセント 知的障害のある人二千九百七十二人 進んでいる十五点零パーセント、進んでいるが不十分三十七点六パーセント、まったく進んでいない七点四パーセント、わからない三十三点零パーセント、不明七点零パーセント 精神障害のある人千三百三十六人 進んでいる二十六点九パーセント、進んでいるが不十分三十一点三パーセント、まったく進んでいない八点八パーセント、わからない二十九点六パーセント、不明三点四パーセント 難病患者二百六十五人 進んでいる二十一点五パーセント、進んでいるが不十分四十六点零パーセント、まったく進んでいない九点四パーセント、わからない十八点一パーセント、不明四点九パーセント 発達障害のある人七百四十人 進んでいる十点七パーセント、進んでいるが不十分五十四点三パーセント、まったく進んでいない十点一パーセント、わからない二十二点二パーセント、不明二点七パーセント 高次脳機能障害のある人 進んでいる十七点一パーセント、進んでいるが不十分三十七点一パーセント、まったく進んでいない十点五パーセント、わからない三十二点四パーセント、不明二点九パーセント グラフ 障害のある人への周りの人の理解の説明 平成二十四年度県民意識調査結果より 進んでいる十三点八パーセント、進んでいるが不十分四十八点四パーセント、まったく進んでいない七点二パーセント、わからない二十八点五パーセント、不明二点一パーセント 平成二十四年度に高知県が障害のある人や家族に対して行った高知県障害(児)者等アンケート調査では、障害のある人への周りの人の理解について、「進んでいるが不十分」または「まったく進んでいない」と答えた人が回答者の五割近くを占めていました。また、県民を対象にした県民意識調査においても、同様の回答が五割以上を占めており、多くの人が障害や障害のある人に対する理解が進んでいないと感じています。 また、理解が進まない理由としては、いずれの調査でも「障害を正しく理解していないから」が最も多くなっています。 十五ページ グラフ 障害のある人への周りの理解が進まない理由の説明 平成二十四年高知県障害児者等アンケート調査より 障害が正しく理解されていないから六十九点九パーセント、周囲の人との交流が少ないから四十点三パーセント、周囲の人から特別視されるから三十七点四パーセント、障害や難病について無関心だから二十六点三パーセント、行政等の啓発が少ないから二十二点九パーセント、その他四点零パーセント、不明三点二パーセント グラフ 障害のある人への周りの理解が進まない理由の説明 平成二十四年度県民意識調査結果より 障害を正しく理解していないから四十点八パーセント、障害のある人を特別視しているから十四点零パーセント、障害や難病に無関心だから九点八パーセント、障害のある人との交流が少ないから二十二点五パーセント、行政等の啓発が少ないから六点八パーセント、わからない二点八パーセント、その他零点九パーセント、不明二点四パーセント 障害のある人もない人も、ともに支え合い、安心して、いきいきと暮らせる「共生社会」を実現するためには、県民一人ひとりが障害や障害のある人に対する正しい理解を深めることが重要です。 また、障害のある子どもとない子どもが共に学んだり、交流の機会を設けたりするなどして、幼少期から互いに認め合い、思いやる心を育むことも大変重要です。 地域においては、ふれあいや交流の場を一層充実することが求められていますし、障害のある人自らが自主的・主体的に、社会活動に参加することも大切です。 十六ページ @障害及び障害のある人についての正しい理解の促進 「障害者週間の集い」などの催しや、テレビ・ラジオ・新聞などマスメディアを通じた広報啓発活動を引き続き行うとともに関係機関のホームページを充実するなど、障害や障害のある人に対する県民の関心を高め、理解を促進します。特に発達障害を含む精神障害や高次脳機能障害、難病に関する啓発活動を強化します。 A公共サービス従事者の障害のある人に対する理解の促進 障害福祉等に関する諸制度が変遷するなかで、より身近な存在となった市町村の職員をはじめ、障害のある人の安全・安心な暮らしに関わる公共サービス従事者(警察官、消防官など)、教育関係者の障害や障害のある人についての正しい理解を促進します。 意思疎通の手段について、選択の機会が確保されるよう、啓発していきます。 B啓発広報活動に対する支援 障害者団体、福祉団体等が主体的に行う啓発広報活動を支援します。 C学校教育等における福祉教育と交流の推進 小中学校や高等学校の児童生徒の社会福祉に対する理解を深めるために障害のある人や高齢者との交流や体験学習を充実します。また、特別支援学校に在籍する児童生徒の居住地域の小中学校との交流に関するガイドラインを整備して、交流及び共同学習を積極的に進めるなど、相互理解の取り組みを一層進めます。 D地域における交流の推進の促進 民生委員・児童委員を中心とした地域住民が、障害や障害のある人に対する正しい理解を持ち、障害のある人の見守りや障害のある人との交流ができるよう、民生委員・児童委員に対する研修や啓発を行います。 高知県ボランティア・NPOセンター等によりボランティアに関する情報提供を行うとともに、ボランティアコーディネーター(※二十二)の育成やスキルアップを通じて、障害のある人とボランティア団体のマッチング(※二十三)強化を図り、両者の交流及び相互理解を促進します。 十六ページの語句の説明 (※二十二)コーディネーター 福祉サービスを合理的、効果的に提供するために連絡・調整する専門職のことをいいます。 (※二十三)マッチング 事業所等からの求人に対して、求める要件に合った希望を持つ人材を見つけ出し、両者を繋ぎ合わせて仲介をすることです。 十七ページ E身体障害者補助犬(※二十四)の普及・啓発 身体障害者補助犬の給付を受けるための手続きや訓練等について広報し、身体障害者補助犬の普及を図るとともに、ホテル・飲食店など業種別団体等に対し、身体障害者補助犬に関する理解と対応について、周知徹底と啓発強化を図ります。 十七ページの語句の説明 (※二十四)身体障害者補助犬 視覚、聴覚、肢体に障害のある人の日常生活をそれぞれに支える盲導犬、聴導犬、介助犬の総称です。「身体障害者補助犬法」では、身体障害のある人が公共的施設、公共交通機関等を利用する場合において、身体障害者補助犬を同伴することができることなどを定めています。 十八ページ 第2節 障害のある人の権利擁護の推進 障害のある人が安心した暮らしをするためには、障害を理由として、差別されることや権利利益が侵害されることがあってはなりません。 1 障害のある人の権利擁護 【現状と課題】 国は、障害者権利条約の締結に必要な国内法の整備に取り組んでおり、平成二十三年六月には障害者虐待防止法が、また、同年八月には社会的障壁の除去に合理的な配慮をしなければならないことを規定した改正障害者基本法が成立しました。さらに障害者差別禁止法の制定に向けて検討が進められています。 平成二十四年度の高知県障害(児)者等アンケート調査によれば、二十五点九パーセントの人が、障害を理由とした権利侵害(虐待を含む)を感じた経験があるという結果がでました。 グラフ 権利侵害(虐待含む)を感じた経験の説明 平成二十四年高知県障害児者等アンケート調査より 全体五千七百四十七人 よく感じる四点九パーセント、ときどき感じる二十一点零パーセント、ほとんどない二十二点六パーセント、まったくない十七点一パーセント、わからない二十六点九パーセント、不明七点四パーセント 身体障害のある人千五百七十二人 よく感じる五点零パーセント、ときどき感じる二十二点五パーセント、ほとんどない二十三点六パーセント、まったくない十七点二パーセント、わからない二十点五パーセント、不明十一点二パーセント 知的障害のある人二千九百七十二人 よく感じる三点七パーセント、ときどき感じる二十一点零パーセント、ほとんどない二十点五パーセント、まったくない十三点一パーセント、わからない三十三点六パーセント、不明八点一パーセント 精神障害のある人千三百三十六人 よく感じる八点一パーセント、ときどき感じる二十一点三パーセント、ほとんどない二十二点五パーセント、まったくない二十二点四パーセント、わからない二十一点九パーセント、不明三点九パーセント 難病患者二百六十五人 よく感じる四点五パーセント、ときどき感じる二十四点九パーセント、ほとんどない三十点二パーセント、まったくない二十点四パーセント、わからない十二点五パーセント、不明七点五パーセント 発達障害のある人七百四十人 よく感じる四点六パーセント、ときどき感じる二十五点五パーセント、ほとんどない二十八点八パーセント、まったくない九点六パーセント、わからない二十七点六パーセント、不明三点九パーセント 高次脳機能障害のある人百五人 よく感じる一点零パーセント、ときどき感じる十二点四パーセント、ほとんどない二十九点五パーセント、まったくない十九点零パーセント、わからない二十八点六パーセント、不明九点五パーセント 障害を理由とした差別の禁止や権利侵害の禁止、障害のある人の安心した暮らしのために取り除くべき社会的障壁について、広く啓発していくことが必要です。 十九ページ @障害のある人の権利擁護 障害を理由とした差別の禁止や権利侵害の禁止、障害のある人の安心した暮らしのために取り除くべき社会的障壁について、広く啓発していきます。 障害のある人の意思決定を支援するため、相談支援体制の充実・強化や成年後見制度(※二十五)の利用を促進します。 A虐待防止 高知県障害者権利擁護センター(※二十六)が、市町村障害者虐待防止センター(※二十七)をはじめ、医療、福祉、司法等の関係機関や団体などと連携し、障害のある人の虐待防止の取り組みや、虐待の早期発見・早期対応、虐待を受けた人の支援、養護者への支援を行います。 B消費者としての障害者保護 障害のある人の消費者としての利益の擁護と増進を図るため、障害特性に応じた適切な方法で情報提供及び啓発活動を行います。 C選挙等における配慮 選挙公報の発行にあたっては、可能な限り点字版や音声版の配布を行います。 また、障害のある人が円滑に投票できるよう、障害特性に応じた情報提供を行うとともに、投票所の施設や設備について必要な整備を図るよう、市町村に要請します。 十九ページの語句の説明 (※二十五)成年後見制度 認知症高齢者、知的障害のある人、精神障害のある人など、意思能力がない、又は、判断能力が不十分な成年者のために、金銭管理や身の回りの世話のための契約等の法律行為全般を行って、これらの人の保護と支援を行う制度です。 (※二十六)障害者権利擁護センター 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律に基づき、使用者による虐待に関する通報等を受理するとともに、虐待を受けた障害者や養護者の支援のため、相談や情報提供、市町村に対する助言、障害者虐待防止のための啓発、広報を行うことを目的として県が設置する機関のことをいいます。 (※二十七)市町村障害者虐待防止センター 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律に基づき、障害者虐待に関する通報等を受理するとともに、虐待を受けた障害者の保護や養護者の支援、障害者虐待防止のための啓発、広報を行うことを目的として市町村が設置する機関のことをいいます。 二十ページ 第三節 地域で支え合う仕組みづくり 障害のある人が、地域で安心して暮らしていくためには、地域住民の力や地域の資源を活用した、支え合いの仕組みが必要です。 一 新たな支え合いの仕組み 【現状と課題】 本県は、全国に先駆けて人口減少や高齢化が進み、特に中山間地域では、過疎化の進行により集落機能が低下するなど、これまで地域が担ってきた支え合いの力が弱まっています。また、こうした地域においては、全国一律の仕組みでは必要なサービスが提供されにくい状況となっています。 そのため、地域住民の支え合い(共助)の意識を高めるとともに住民主体の活動を「行政」が継続して支援するための仕組みづくりが必要です。 犯罪の被害にあわずに安全で安心して暮らせる地域社会を目指して、「高知県犯罪のない安全安心まちづくり推進計画」を策定し、市町村や事業者等による障害のある人の見守り活動や犯罪被害にあわないための情報提供に取り組んできました。今後も障害のある人等の見守りや、情報提供を行っていく必要があります。 県内におけるひきこもり(※二十八)の若者の実態は把握できていませんが、平成22年7月に内閣府が公表した「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」では、調査対象となった全国の15歳から39歳の若者のうち、広義のひきこもりの割合は、1.79%となっています。ひきこもりの原因は様々ですが、発達障害を含めた精神疾患が背景にある場合があり、早い段階から保健・医療・福祉・教育等の専門家による連携した支援が必要です。 二十ページの語句の説明 (※二十八)ひきこもり ひとつの疾患や障害を表すのではなく、長期にわたって社会に参加できず、生活の場がせばまった状態をさす言葉です。精神疾患が原因の場合とそうではない場合の大きく二つに分けられます。「社会的ひきこもり」は「二十代後半までに発症し、六カ月以上自宅にひきこもって社会参加しない状態が持続しており、精神障害が第一の原因とは考えられないもの」と定義されています。 二十一ページ @あったかふれあいセンター(※二十九)の機能の充実 地域のニーズや課題に対応した小規模多機能支援拠点としての活動に加え、障害のある人をはじめ、地域で支援を必要とする人を早期に把握し、必要な支援やサービスにつなぐなど、暮らしを維持・確保するため、中山間地域等の課題に対応した新たな支え合い活動を行う拠点としての機能の拡充を進めます。 図 あったかふれあいセンター事業実施箇所(平成二十五年二月現在)の説明 資料 地域福祉政策課 南国市一か所、土佐市一か所、須崎市一か所、宿毛市二か所、土佐清水市一か所、四万十市三か所、香美市一か所、東洋町一か所、奈半利町一か所、安田町二か所、北川村一か所、馬路村一か所、芸西村一か所、本山町一か所、大豊町一か所、土佐町一か所、大川村一か所、いの町一か所、中土佐町三か所、佐川町一か所、越知町一か所、日高村一か所、津野町一か所、四万十町二か所、大月町一か所、三原村一か所、黒潮町二か所 二十一ページの語句の説明 (※二十九)あったかふれあいセンター 高齢者や障害のある人など誰もが集える場としての「集い」を中心にした活動のほか、見守りや訪問活動のなかで高齢者の生活課題などに対応した生活支援サービスの提供を行うなど、地域の実情やニーズに対応した、小規模ながら多機能な支援を行う拠点をいいます。 二十二ページ A住民参加による新たな支え合いの仕組み 近所での助け合いなど、地域での支え合いの仕組みを作るため、地域の実情や課題を住民と共有し、支え合いの意識づくりを図っていきます。また、あったかふれあいセンターや集落活動センター(※三十)などの地域の拠点を中心として、地域住民はもとより、市町村や民生委員・児童委員、老人クラブなど、地域のマンパワーを活かし、官民協働で地域の生活課題に応じた支え合いの仕組みづくりを進めます。 B地域安全活動の強化 「高知県犯罪のない安全安心まちづくり推進計画」に基づき、障害のある人等の見守り活動の推進と、障害のある人等の安全をテーマとした情報提供に引き続き取り組みます。 民間事業所、高知県民生委員児童委員協議会連合会、県との三者による地域の見守り活動に関する協定を進めるなど、官民共同による地域の見守り活動を促進します。 Cひきこもりの人への支援 ひきこもり地域支援センター(※三十一)を中心としたネットワーク体制を強化し、保健・医療・福祉・教育・就労等の各関係機関が連携し、ひきこもりの人に適切な支援を行います。 ひきこもりの段階に応じた社会参加のための居場所づくりに取り組み、ひきこもりの本人及び家族の社会からの孤立を防ぎます。 二十二ページの語句の説明 (※三十)集落活動センター 地域住民が主体となって、旧小学校や集会所等を拠点に、地域外の人材等を活用しながら、近隣の集落との連携を図り、生活、福祉、産業、防災などの活動について、それぞれの地域の課題やニーズに応じて総合的に地域ぐるみで取り組む仕組みのことです。 (※三十一)ひきこもり地域支援センター ひきこもりの人とその家族からの相談に応じ、適切な関係機関へつなぐなど「地域の第一次相談窓口」としての機能を担うとともに、関係機関からなる連絡会の開催による連携強化、ひきこもりに関する普及啓発等の情報発信を行うため、精神保健福祉センター内に設置している機関のことです。 二十三ページ 二 地域を支える担い手づくり 【現状と課題】 障害のある人が地域で安心して生活するためには、公的サービスだけではなく、地域住民のマンパワーを活かした支え合いの活動も大きな役割を果たします。このため、地域福祉の担い手となるボランティアの育成や、その活動基盤づくりに取り組むことが重要です。 市町村社会福祉協議会は、民生委員・児童委員、社会福祉施設等の社会福祉関係者やボランティアグループなどの団体、組織及び地域住民の参加・協力のもと、地域福祉を推進する中核団体として、ふれあいサロンや独居高齢者への配食サービス、ボランティア学習など、地域の実情やニーズに応じた活動を展開しています。小規模な市町村社会福祉協議会も多く、組織体制の強化が課題ですが、住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、市町村社会福祉協議会の役割がますます重要になっており、活動の活性化を図ることが必要です。 アンケート結果の説明 ボランティア活動に参加したことがありますか 平成十五年度県民意識調査結果より 参加したことがある十点三パーセント、参加したことはないが機会があれば参加したい五十一点五パーセント、参加したことがなく今後も参加したいと思わない二十二点四パーセント、無回答十五点八パーセント 平成二十四年度県民意識調査結果より 参加したことがある三十八点七パーセント、参加したことはないが機会があれば参加したい十八点六パーセント、参加したことがなく今後も参加したいと思わない五点九パーセント、参加したことがなく今後はわからない三十点八パーセント、不明五点九パーセント 十年前に比べると、「参加したことがある」と答えた人が三点七倍に増えました。 二十四ページ 平成二十三年度末にはNPO法人の数が二百八十にまで増加し、障害者支援の活動も活発に行われるようになりましたが、多くの団体で人材や活動資金の確保が課題となっています。 また、地域社会の一員である企業についても、より一層、社会貢献に対する認識を高めるよう、NPO法人との連携等に取り組む必要があります。 @ボランティアの育成 高知県ボランティア・NPOセンターが実施する県民のボランティアに対する意識向上を図る「ボランティアフェスティバル」の開催等を支援し、ボランティアの育成に取り組みます。 Aボランティア活動を支える基盤づくり 市町村のボランティアセンターを支援するとともにボランティアの力がより効果的に発揮されるよう、地域のボランティアコーディネーション機能を高める研修を行う「高知県ボランティア・NPOセンター」を支援し、ボランティア活動を支える基盤を強化していきます。 B市町村社会福祉協議会の活動の活性化 県社会福祉協議会と連携し、地域福祉活動計画(※三十二)の策定と実践活動を通じた活動の活性化を図るとともに、地域福祉の拠点の活動や地域支援ワーカーの育成を通じて、活動の強化を図ります。 県社会福祉協議会を通じて市町村社会福祉協議会の運営体制を強化し、職員への研修機会の提供を進めます。 二十四ページの語句の説明 (※三十二)地域福祉活動計画 社会福祉協議会が、地域住民やボランティア団体、NPO、社会福祉事業所などに呼びかけて、相互に協力して福祉課題の解決に取り組むための活動・行動計画です。