百七十一ページ 十二基本指針 障害福祉サービス及び相談支援並びに市町村及び都道府県の地域生活支援事業の提供体制の整備並びに自立支援給付及び地域生活支援事業の円滑な実施を確保するための基本的な指針 (平成十八年厚生労働省告示第三百九十五号、一部改正平成二十一年厚生労働省告示第二号) 障害保健福祉施策については、平成十五年度以降、措置制度から契約制度へと転換した支援費制度の下で、利用者数が飛躍的に増加する等サービス量の拡充が図られてきたところである。 しかしながら、居宅介護事業(ホームヘルプサービス等)等について未実施の市町村(特別区を含む。以下同じ。)がみられたほか、精神障害者に対するサービスは支援費制度の対象となっていなかったこともあって、その立ち後れが指摘されていた。また、長年にわたり障害福祉サービスを支えてきた福祉施設や事業体系については、利用者の入所期間の長期化等により、その本来の機能と利用者の実態が乖離する等の状況にあるほか、地域生活移行や就労支援といった新たな課題への対応が求められていた。さらに、障害者又は障害児(以下「障害者等」という。)の地域生活を支えていくために障害福祉サービスと並んで欠くことのできない相談支援体制についても、その整備状況に大きな地域格差がみられたところである。 障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号。以下「法」という。)においては、こうした状況に対応して、障害者及び障害児が、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスや相談支援等が地域において計画的に提供されるべく、福祉施設や事業体系の抜本的な見直しと併せて、市町村及び都道府県に対し障害福祉計画(法第八十八条第一項に規定する市町村障害福祉計画及び法第八十九条第一項に規定する都道府県障害福祉計画をいう。以下同じ。)の作成を義務付ける等、サービス体系全般について見直しが行われた。 百七十二ページ この指針は、福祉施設が新たなサービス体系への移行を完了する平成二十三年度末に向けて数値目標を設定するとともに、平成二十一年度から平成二十三年度までの第二期障害福祉計画を作成するに当たって即すべき事項を定め、障害福祉サービス及び相談支援並びに市町村及び都道府県の地域生活支援事業を提供するための体制の確保が計画的に図られるようにすることを目的とするものである。 第一障害福祉サービス及び相談支援の提供体制の確保に関する基本的事項 一基本的理念 市町村及び都道府県は、障害者等の自立と社会参加を基本とする障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の理念を踏まえつつ、次に掲げる点に配慮して、障害福祉計画を作成することが必要である。 1障害者等の自己決定と自己選択の尊重 ノーマライゼーションの理念の下、障害の種別、程度を問わず、障害者等が自らその居住する場所を選択し、その必要とする障害福祉サービスその他の支援を受けつつ、障害者等の自立と社会参加の実現を図っていくことを基本として、障害福祉サービスの提供体制の整備を進める。 2実施主体の市町村への統一と三障害に係る制度の一元化 障害福祉サービスに関し、実施主体を市町村を基本とする仕組みに統一するとともに、従来、身体障害、知的障害及び精神障害と障害種別ごとに分かれていた制度を一元化することにより、立ち後れている精神障害者等に対するサービスの充実を図り、都道府県の適切な支援等を通じて地域間で大きな格差のある障害福祉サービスの均てんを図る。 百七十三ページ 3地域生活移行や就労支援等の課題に対応したサービス提供体制の整備 障害者等の自立支援の観点から、地域生活への移行や就労支援といった新たな課題に対応したサービス提供体制を整えるとともに、障害者等の生活を地域全体で支えるシステムを実現するため、身近な地域におけるサービス拠点づくり、NPO等によるインフォーマルサービス(法律や制度に基づかない形で提供されるサービスをいう。)の提供等、地域の社会資源を最大限に活用し、提供体制の整備を進める。 二障害福祉サービスの提供体制の確保に関する基本的考え方 障害福祉サービスの提供体制の確保に当たっては、一の障害福祉計画の基本的理念を踏まえ、次に掲げる点に配慮して、数値目標を設定し、計画的な整備を行う。 1全国どこでも必要な訪問系サービスを保障 立ち後れている精神障害者等に対する訪問系サービス(居宅介護、重度訪問介護、行動援護及び重度障害者等包括支援をいう。以下同じ。) の充実を図り、全国どこでも必要な訪問系サービスを保障する。 2希望する障害者等に日中活動系サービスを保障 いわゆる小規模作業所の利用者の法に基づくサービスへの移行等を推進するとともに、希望する障害者等に日中活動系サービス(生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、療養介護、児童デイサービス、短期入所及び地域活動支援センターで提供されるサービスをいう。以下同じ。)を保障する。 3グループホーム等の充実を図り、入所等から地域生活への移行を推進 地域における居住の場としてのグループホーム(共同生活援助を行う住居をいう。以下同じ。)及びケアホーム(共同生活介護を行う住居をいう。以下同じ。)の充実を図るとともに、自立訓練事業等の推進により、入所等(福祉施設への入所又は病院への入院をいう。)から地域生活への移行を進める。 4福祉施設から一般就労への移行等を推進 就労移行支援事業等の推進により、障害者の福祉施設から一般就労への移行を進めるとともに、福祉施設における雇用の場を拡大する。 百七十四ページ 三相談支援の提供体制の確保に関する基本的考え方 障害者等、とりわけ重度の障害者等が地域において自立した日常生活又は社会生活を営むためには、障害福祉サービスの提供体制の確保とともに、これらのサービスの適切な利用を支える相談支援体制の構築が不可欠である。このため、地域の実情に応じ、適切な相談支援が実施できる体制の整備を図るとともに、相談支援事業を適切かつ効果的に実施するため、事業者、雇用、教育、医療等の関連する分野の関係者からなる地域自立支援協議会(以下「地域自立支援協議会」という。)を設けるとともに、その在り方を明確に示すことが必要である。 その際、地域自立支援協議会は、関係者が抱える個々のケースに基づき、地域の課題について情報を共有しながら具体的に協議する場であることに留意する必要がある。例えば、障害児支援においては、障害児のライフステージに応じた適切な相談支援が行えるよう、一つの支援機関だけがニーズを抱え込まないように、関係機関のネットワークの在り方、地域支援体制の中軸となる相談支援体制の在り方について協議する場であることに留意する必要がある。 第二障害福祉計画の作成に関する事項 一障害福祉計画の作成に関する基本的事項 1作成に当たって留意すべき基本的事項 第一の一に掲げる障害福祉計画の基本的理念を踏まえるとともに、数値目標の達成に向けて実効性のあるものとするため、次に掲げる点に配慮して作成を進めることが適当である。 (一)障害者等の参加 障害福祉計画の作成に当たっては、サービスを利用する障害者等のニーズを適切に把握するほか、障害者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずる。 (二)地域社会の理解の促進 グループホーム等の設置等サービスの基盤整備に当たっては、障害及び障害者等に対する地域社会の理解が不可欠であり、障害福祉計画の作成に当たっては、障害者等を始め地域住民、企業等の参加を幅広く求めるほか、啓発・広報活動を積極的に進める。 百七十五ページ (三)総合的な取組 障害者等の地域生活への移行、就労支援等の推進に当たっては、障害保健福祉の観点からのみならず、雇用、教育、医療等の分野を超えた総合的な取組が不可欠であり、公共職業安定所、特別支援学校等の行政機関、企業、医療機関等の関連する機関の参加を求め、数値目標の共有化、地域ネットワークの強化等を進める。 2平成二十三年度の数値目標の設定 障害者等の自立支援の観点から、地域生活移行や就労支援といった課題に対応するため、障害福祉計画において必要な障害福祉サービスの量を見込むに当たっては、これらの課題に関し、福祉施設が新しいサービス体系への移行を完了する平成二十三年度を目標年度として、次に掲げる事項について、それぞれの数値目標を設定することが適当である。 (一)福祉施設の入所者の地域生活への移行 地域生活への移行を進める観点から、第1期障害福祉計画の作成時点(以下「第1期計画時点」という。)において、福祉施設に入所している障害者(以下「施設入所者」という。)のうち、今後、自立訓練事業等を利用し、グループホーム、ケアホーム、一般住宅等に移行する者の数を見込み、その上で、平成二十三年度末における地域生活に移行する者の数値目標を設定する。当該数値目標の設定に当たっては、第1期計画時点の施設入所者数の1割以上が地域生活へ移行することとするとともに、これにあわせて平成二十三年度末の施設入所者数を第1期計画時点の施設入所者数から7%以上削減することを基本としつつ、地域の実情に応じて目標を設定することが望ましい。 なお、施設入所者数の設定に当たっては、新たに施設へ入所する者の数は、ケアホーム等での対応が困難な者等、施設入所が真に必要と判断される者の数を踏まえて設定すべきものであることに留意する必要がある。 百七十六ページ (二)入院中の精神障害者の地域生活への移行 平成二十四年度までに受入れ条件が整えば退院可能な精神障害者(以下「退院可能精神障害者」という。)が退院することを目指し、そのために必要な自立訓練事業等の必要量を見込み、平成二十三年度末までの退院可能精神障害者数の減少目標値(平成十四年度における退院可能精神障害者数に基づき市町村及び都道府県が定める数)を設定する。これとともに、医療計画(医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の三第一項に規定する医療計画をいう。以下同じ。)における基準病床数の見直しを進める。 さらに、都道府県においては、「精神障害者地域移行支援特別対策事業」(平成二十年五月三十日付け障発第五十三万一号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知により実施する事業をいう。以下同じ。)による平成二十三年度末までの退院者数の目標値を定める。 (三)福祉施設から一般就労への移行等 福祉施設の利用者のうち、就労移行支援事業等を通じて、平成二十三年度中に一般就労に移行する者の数値目標を設定する。目標の設定に当たっては、第1期計画時点の一般就労への移行実績の4倍以上とすることが望ましい。また、福祉施設における就労支援を強化する観点から、平成二十三年度までに第1期計画時点の福祉施設の利用者のうち、2割以上の者が就労移行支援事業を利用するとともに、平成二十三年度末において、就労継続支援事業の利用者のうち3割は就労継続支援(A型)事業を利用することを目指す。 これらの数値目標を達成するため、市町村及び都道府県の障害保健福祉担当部局は、都道府県の労働担当部局、教育委員会等の教育担当部局、都道府県労働局等の関係機関等との連携体制を整備することが必要である。 その際、都道府県ごとに、就労支援の関係者からなる障害者雇用支援合同会議を設け、障害福祉計画の数値目標の達成に向けた取組の推進等、統一的に施策を進めていくことが考えられる。 百七十七ページ なお、将来的には、各都道府県が定める障害保健福祉圏域(以下「圏域」という。)ごとに同様の取組を行うことが望ましい。 また、これらに加えて、就労支援について、障害保健福祉施策と労働施策の双方から重層的に取り組むため、都道府県の障害保健福祉担当部局は、都道府県の労働担当部局及び都道府県労働局と連携して、別表第一の上欄に掲げる事項について、平成二十三年度の数値目標を設定して取り組むことが適当である。 なお、福祉施設から一般就労への移行等のみならず、離職者の再チャレンジを促すような支援や、特別支援学校卒業者に対する就職の支援、障害者に対して一般就労や雇用支援策に関する理解の促進を図ること等、障害者雇用全体についての取組を併せて進めることが望ましい。 さらに、都道府県が「工賃倍増5か年計画」(平成十九年七月六日付け障発第七十万六千四号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知に基づき作成された計画をいう。)を作成した場合は、平成二十三年度の目標工賃等の概要について都道府県障害福祉計画(法第八十九条第一項に規定する都道府県障害福祉計画をいう。以下同じ。)上に記載し、周知を図ることが適当である。 また、福祉施設等における障害者の雇用の確保について、「重点施策実施5か年計画」(平成十九年十二月二十五日障害者施策推進本部決定)において、「国は、公共調達における競争性及び公共性の確保に留意しつつ、福祉施設等の受注機会の増大に努めること」とされていること、地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)の改正により、随意契約が可能な場合として、地方公共団体が障害者支援施設等から役務の提供を受ける契約を追加したこと等、官公需に係る福祉施設の受注機会の拡大が求められていることから、障害福祉計画において、官公需に係る福祉施設の受注機会の拡大について記載し、取組を進めることが望ましい。 百七十八ページ 3障害福祉計画の作成のための体制の整備 障害福祉計画の作成に当たっては、障害者等を始め幅広い関係者の参加を求めて意見の集約の場を設けるとともに、@市町村及び都道府県の関係部局相互間の連携、A市町村、都道府県相互間の連携を図るための体制の整備を図ることが必要である。 (一)障害福祉計画作成委員会等の開催 障害福祉計画を地域の実情に即した実効性のある内容のものとするためには、サービスを利用する障害者等を始め、事業者、雇用、教育、医療等の幅広い関係者の意見を反映することが必要である。このため、こうした幅広い分野の関係者から構成される障害福祉計画作成委員会(以下「作成委員会」という。)等意見集約の場を設けることが考えられる。この場合において、法第八十八条第六項及び第八十九条第五項においては、障害者基本法第二十六条に基づく地方障害者施策推進協議会を設置している場合には、その意見を聴かなければならないとされていることから、同協議会を活用することも考えられる。 (二)市町村及び都道府県の関係部局相互間の連携 障害福祉計画の作成に当たっては、労働担当部局、保健衛生担当部局、地域振興担当部局、住宅政策担当部局等の関係部局及び教育委員会等の教育担当部局並びに都道府県労働局等の関係機関と連携して作業に取り組む体制を整備し、協力して作成することが必要である。 (三)市町村と都道府県との間の連携 市町村は、住民に最も身近な基礎的な自治体として、法の実施に関して一義的な責任を負っており、これに伴って、都道府県は、市町村の方針を尊重しつつ、市町村の行う事業が適正かつ円滑に実施されるよう、市町村に対する支援を行うことが求められる。特に、障害福祉サービスを提供するための福祉施設の整備等に関しては、広域的調整を図る役割を有している。 このため、障害福祉計画の作成に当たっては、市町村と都道府県との間で密接な連携を図ることが必要であり、市町村は、都道府県による広域的調整との整合性を図るため、都道府県と意見を交換することが必要である。また、都道府県は、地域の実情に応じた障害福祉サービスの提供体制の整備を進める観点から、都道府県としての基本的考え方を示すとともに、圏域を単位として広域的な調整を進めるために、関係市町村との協議の場を設ける等、適切な支援を行うことが望ましい。 百七十九ページ 4障害者等のサービスの利用実態及びニーズの把握 障害福祉サービスの必要な量を見込む等の際は、地域における障害者等の実情及びニーズを的確に把握することが必要である。 このため、現在のサービスの利用実態について分析を行うとともに、地域の実情に応じ、アンケート、ヒアリング等によるニーズ調査を行うことが適当である。なお、ニーズ調査については、郵送によるアンケート、障害種別・年齢別に対象者を選択してのヒアリング、障害者関係団体からのヒアリング等様々な方法が考えられるが、地域の実情、作業日程等を勘案しつつ、適切な方法により実施することが考えられる。 5事業者の新体系への移行希望の把握 法により障害福祉サービス体系が新しいサービス体系に再編されることに伴い、必要に応じて都道府県が中心となって、いまだ新しいサービス体系へ移行していない事業者に対して調査等を行い、新しいサービス体系への移行内容、移行時期等について把握するものとする。この場合、市町村は、その実施に当たって協力することが適当である。 6区域の設定 都道府県障害福祉計画においては、指定障害福祉サービス(法第二十九条第1項に規定する指定障害福祉サービスをいう。以下同じ。)又は指定相談支援(法第三十二条第1項に規定する指定相談支援をいう。以下同じ。)の種類ごとの量の見込みを定める単位となる区域(法第八十九条第2項第1号に規定する都道府県が定める区域をいう。以下同じ。)を定めるものとされており、各都道府県は、他のサービスとの連携を図る観点から、圏域を標準として当該区域を定めることが必要である。 百八十ページ 7住民の意見の反映 障害福祉計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、障害者等を含む地域住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずることが必要である。この場合、作成委員会等の設置に際して、公募その他の適切な方法による地域住民の参画、インターネット等の活用によるパブリックコメントの実施、公聴会(タウンミーティング)の開催、アンケートの実施等様々な手段により実施することが考えられる。 8他の計画との関係 障害福祉計画は、障害者計画(障害者基本法第9条第2項に規定する都道府県障害者計画及び同条第3項に規定する市町村障害者計画をいう。)、地域福祉計画(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第百七条に規定する市町村地域福祉計画及び同法第百八条に規定する都道府県地域福祉支援計画をいう。)、医療計画その他の法律の規定による計画であって障害者等の福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものとすることが必要である。 また、市町村障害福祉計画(法第八十八条第1項に規定する市町村障害福祉計画をいう。以下同じ。)については、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第2条第4項に規定する市町村の基本構想に即したものとすることが必要である。 二 市町村障害福祉計画の作成に関する事項 市町村障害福祉計画において定める事項は、次に掲げる事項その他の別表第二に掲げる事項とする。 1各年度における指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な量の見込み及びその見込量の確保のための方策 (一)各年度における指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な量の見込み 平成二十三年度までの各年度における指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの実施に関する考え方及び必要な量の見込みを定める。 その際には、別表第三を参考としつつ、現在の利用実績等に関する分析、障害者等のサービスの利用に関する意向、事業者の新体系への移行希望等を勘案しつつ、地域の実情を踏まえて設定することが適当である。 (二)指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な見込量の確保のための方策 指定障害福祉サービス又は指定相談支援の事業を行う者の確保に関する方策を定める。 百八十一ページ この場合において、指定障害福祉サービス又は指定相談支援の事業を行う意向を有する事業者の把握に努めた上で、広く情報提供を行う等により多様な事業者の参入を促進する等の工夫を図ることが適当である。 特に、訪問系サービスについては、障害者等の地域生活を支える基本事業であるため、各市町村において事業を実施する事業所を最低一か所確保できるよう努める必要がある。また、指定相談支援の事業を行う事業所についてもその確保に努める必要がある。なお、小規模町村等において訪問系サービスや相談支援を行う事業所を確保できない場合は、介護保険制度における訪問介護事業所や居宅介護支援事業所に対して、法に基づく居宅介護事業所としての指定を取るよう促すなどの工夫が必要である。 (三)圏域単位を標準とした指定障害福祉サービスの見通し及び計画的な基盤整備の方策 施設入所者や退院可能精神障害者の地域生活への移行その他地域における課題を踏まえ、これらの課題への対応が立ち後れている市町村においては、必要となる指定障害福祉サービスの基盤整備を着実に行うために都道府県との協働により計画的に指定障害福祉サービスの基盤整備を行うことが必要である。 このため、このような市町村においては、都道府県が第二の三の1の(三)によりサービスの種類及び量の見通し並びに整備計画を作成する際には、協働により作成作業を行うとともに、当該整備計画等において関連する内容を市町村障害福祉計画に反映することが必要である。 2市町村の地域生活支援事業の実施に関する事項 市町村の地域生活支援事業の実施に関して、地域の実情に応じて、次の事項を定める。 (一)実施する事業の内容 (二)各年度における事業の種類ごとの実施に関する考え方及び量の見込み (三)各事業の見込量の確保のための方策 (四)その他実施に必要な事項 百八十二ページ 三都道府県障害福祉計画の作成に関する事項 都道府県障害福祉計画において定める事項は、次に掲げる事項その他の別表第四に掲げる事項とする。 1区域ごとの各年度の指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な量の見込み及びその見込量の確保のための方策 (一)各年度における指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な量の見込み 区域ごとに平成二十三年度までの各年度における指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの実施に関する考え方及び必要な量の見込みを定める。 その際には、市町村障害福祉計画における数値を区域ごとに集計したものを基本として、これを更に都道府県全域で集計した結果が、都道府県障害福祉計画における見込みの数値と整合性がとれるよう、都道府県は、市町村と調整することが必要である。 また、法施行以前に、障害福祉サービスが未実施であった市町村におけるサービスの確保や、立ち後れている精神障害者に対するサービスの充実に留意することが必要である。 (二)指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な見込量の確保のための方策 指定障害福祉サービス又は指定相談支援の事業を行う者の確保に関する方策を定める。 この場合において、指定障害福祉サービス又は指定相談支援の事業を行う意向を有する事業者の把握に努めた上で、広く情報提供を行う等により多様な事業者の参入を促進する等の工夫を図ることが適当である。 (三)圏域単位を標準とした指定障害福祉サービスの見通し及び計画的な基盤整備の方策 施設入所者や退院可能精神障害者の地域生活への移行その他地域における課題を踏まえ、これらの課題への対応が立ち後れている地域においては、必要となる指定障害福祉サービスの基盤整備を着実に行うために都道府県と市町村が協働により計画的に指定障害福祉サービスの基盤整備を行うことが必要である。 このため、このような地域においては、圏域単位を標準として、地域における課題を整理した上で、平成二十三年度において障害者等の支援に必要となる指定障害福祉サービスの種類及び量の見通しを明らかにすることが必要である。加えて、当該見通しを達成するために新たに必要となる指定障害福祉サービスを実施する事業所数(訪問系サービスを実施する事業所数を除く。以下同じ。)を見込むとともに、年次ごとの事業所の整備計画(以下「整備計画」という。)を作成することが必要である。なお、サービスの種類及び量の見通し並びに整備計画の作成に当たっては、別表第四に掲げる事項に留意しつつ作成することが必要である。また、作成された整備計画等の内容は、関係する市町村障害福祉計画に反映し、都道府県と市町村が一体的に取り組むことが必要である。 百八十三ページ (四)退院可能精神障害者の地域生活への移行促進 退院可能精神障害者の地域生活への移行を促進するため、市町村と協働して「精神障害者地域移行支援特別対策事業」を実施するとともに、本事業による平成二十三年度末までの退院者数の目標値を踏まえ、平成二十一年度から平成二十三年度までの各年度の退院者数の目標値を設定するとともに、当該目標値を踏まえ必要となる各年度の指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの量の見込みを定める。 2各年度の指定障害者支援施設の必要入所定員総数 平成二十三年度までの各年度における指定障害者支援施設(法第二十九条第一項に規定する指定障害者支援施設をいう。以下同じ。)の必要入所定員総数については、別表第三を参考としつつ、設定することが適当である。 百八十四ページ 3指定障害福祉サービス及び指定相談支援に従事する者の確保又は資質の向上並びに指定障害者支援施設の施設障害福祉サービスの質の向上のために講ずる措置 指定障害福祉サービス、指定相談支援及び指定障害者支援施設の施設障害福祉サービス(以下「指定障害福祉サービス等」という。)の提供に当たって基本となるのは人材であり、国、都道府県、市町村及び指定障害福祉サービス等の事業者は、指定障害福祉サービス等に係る人材の養成、提供されるサービスに対する第三者による評価、障害者等の権利擁護に向けた取組等を総合的に推進することが重要である。こうした取組を効果的に実施するためには、地域の実情に応じ、指定障害福祉サービス等の事業者、雇用、教育、医療等の関連する分野の関係者等を含めた地域自立支援協議会等のネットワークを構築し、関係者の連携の下、取組を進めることが必要である。 (一)サービス提供に係る人材の研修 人材の養成については、サービス提供に係る責任者及び専門職員の養成のみならず、サービス提供に直接必要な担い手の確保を含め、指定障害福祉サービス等に係る人材を質量ともに確保することが重要である。 法の下では、サービス提供に係る専門職員として、サービス管理責任者及び相談支援専門員を、指定障害福祉サービス及び指定相談支援の事業者ごとに配置することとしており、これらの者に対する研修を実施することとしている。また、サービスの直接の担い手である居宅介護従業者の養成等についても、重度訪問介護従業者養成研修等を実施することとしている。 都道府県は、それぞれの研修を計画的に実施し、指定障害福祉サービス等に係る人材の確保又は資質の向上に関する総合的な施策に取り組むことが必要である。このため、都道府県は、研修の実施方法、実施回数等を定めた研修計画を作成するとともに、研修受講者の記録の管理等を行うことが必要である。 百八十五ページ (二)指定障害福祉サービス等の事業者に対する第三者の評価 指定障害福祉サービス等の質の向上のための方策として、事業者から提供されるサービスについて、第三者による評価を行うことも考えられる。社会福祉法第七十八条において、社会福祉事業の経営者は、自らその提供する福祉サービスの質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより、常に福祉サービスを受ける者の立場に立って良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努めなければならないこととされているところであり、都道府県は、事業者の求めに応じて、適切な第三者評価が実施できるような体制の整備を行い、第三者評価の制度を積極的に活用するよう支援することが望ましい。 (三)障害者等に対する虐待の防止 指定障害福祉サービス等の事業者は、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため、責任者を置く等の必要な体制を整備し、従業者に対して、研修を実施する等の措置を講じるように努めることが必要である。 都道府県や市町村においては、地域自立支援協議会を活用すること等により、福祉事務所、児童相談所、精神保健福祉センター、障害者及び障害児団体、学校、警察、法務局、司法関係者、民生委員、児童委員、人権擁護委員等から成るネットワークの構築、障害者等に対する虐待の未然の防止、虐待が発生した場合の迅速かつ適切な対応、再発の防止等について定めたマニュアルの作成等虐待防止に向けたシステムの整備に取り組むことが重要である。 また、市町村においては、住民からの虐待に関する通報があった場合にどのような対応を行うのか関係者の合意による対応システムについて検討しておくことが必要であり、例えば、そのために地域自立支援協議会を活用することも想定される。 百八十六ページ 4都道府県の地域生活支援事業の実施に関する事項 都道府県の地域生活支援事業の実施に関して、地域の実情に応じて、次の事項を定める。 (一)実施する事業の内容 (二)各年度における事業の種類ごとの実施に関する考え方及び量の見込み (三)各事業の見込量の確保のための方策 (四)その他実施に必要な事項 四その他 1障害福祉計画の作成の時期 第2期障害福祉計画は、平成二十一年度から平成二十三年度までの3年間における指定障害福祉サービス等の量の見込み等について定めるものであることから、平成二十年度中に作成することが必要である。 なお、法附則第三条の規定により、第2期障害福祉計画期間中に法の見直し等が行われ、それに伴い、策定された第2期障害福祉計画を変更することがある。 2障害福祉計画の期間及び見直しの時期 障害福祉計画は、3年を一期として作成することとする。 なお、第3期障害福祉計画については、平成二十三年度中に平成二十四年度から平成二十六年度までを期間として作成することとする。 3障害福祉計画の達成状況の点検及び評価 障害福祉計画は、各年度において、サービスの見込量のほか、地域生活への移行が進んでいるか、一般就労への移行が進んでいるか等の達成状況を点検、評価し、この結果に基づいて所要の対策を実施することが必要である。 4障害福祉計画の公表 市町村は、市町村障害福祉計画を作成するときは、あらかじめ都道府県の意見を聴くこととする。また、市町村障害福祉計画を定めた際には、遅滞なく公表するとともに、これを都道府県知事に提出することが必要である。 都道府県は、都道府県障害福祉計画を作成したときは、遅滞なく公表するとともに、これを厚生労働大臣に提出することが必要である。 百八十七ページ 別表第一福祉施設から一般就労への移行等に関する数値目標の設定 一就労移行支援事業の利用者数 都道府県の障害保健福祉担当部局は、福祉施設の利用者の一般就労への移行等の目標が達成できるよう、平成二十三年度までに現在の福祉施設の利用者のうち、2割以上の者が就労移行支援事業を利用することを目指す。 二公共職業安定所経由による福祉施設の利用者の就職件数 都道府県の障害保健福祉担当部局は、都道府県労働局と連携して、就労移行支援事業者等と公共職業安定所との円滑な連携を促し、平成二十三年度において、福祉施設から一般就労への移行を希望するすべての者が公共職業安定所の支援を受けて就職できる体制づくりを行う。 三障害者の態様に応じた多様な委託訓練事業の受講者数 都道府県の障害保健福祉担当部局は、都道府県の労働担当部局及び都道府県労働局と連携して、福祉施設から一般就労への移行を促進するため、平成二十三年度において、福祉施設から一般就労へ移行する者のうち、必要な者がその態様に応じた多様な委託訓練を受講することができるよう、その受講者の数値目標を設定する。 四障害者試行雇用事業の開始者数 都道府県の障害保健福祉担当部局は、都道府県労働局と連携して、福祉施設から一般就労への移行を促進するため、平成二十三年度において、障害者試行雇用事業(障害者雇用の経験の無い事業主等に対し、障害者雇用に対する理解を深め、障害者雇用に取り組むきっかけ作りを行う事業をいう。以下同じ。) について、福祉施設から一般就労に移行する者のうち、当該事業を活用することが必要な者が活用できるよう、その開始者の数値目標を設定する。 五職場適応援助者による支援の対象者数 都道府県の障害保健福祉担当部局は、都道府県の労働担当部局及び都道府県労働局と連携して、福祉施設から一般就労に移行する者の職場適応を容易にするため、平成二十三年度において、職場適応援助者(障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第二十条第三号に規定する職場適応援助者をいう。以下同じ。)による支援について、福祉施設から一般就労に移行する者のうち、必要な者が支援を受けられるよう、その数値目標を設定する。 また、平成二十三年度末までに障害者雇用納付金制度に基づく職場適応援助者助成金の対象となる職場適応援助者が全国で八百人養成されることを目指して、都道府県の労働担当部局においても、障害保健福祉担当部局とも連携し、その計画的な養成を図ることとする。 六障害者就業・生活支援センター事業の支援対象者数等 都道府県の労働担当部局及び障害保健福祉担当部局は、都道府県労働局と連携して、福祉施設から一般就労に移行した者の職場定着を図るため、平成二十三年度において、福祉施設から一般就労に移行するすべての者が、就労移行支援事業者と連携した障害者就業・生活支援センター(障害者の雇用の促進等に関する法律第三十四条に規定する障害者就業・生活支援センターをいう。以下同じ。)による支援を受けることができるようにすることを目指す。これらを含め、地域における就業面及び生活面における一体的な支援をより一層推進するため、障害者就業・生活支援センターを拡充し、中長期的には、すべての圏域に一か所ずつ設置することを目指す。 百八十八ページ 別表第二 一市町村障害福祉計画の基本的理念等 市町村障害福祉計画に係る法令の根拠、趣旨、基本的理念、目的及び特色等 二平成二十三年度の数値目標の設定 障害者について、施設入所者及び退院可能精神障害者の地域生活への移行、福祉施設の利用者の一般就労への移行等を進めるため、この基本指針に即して、地域の実情に応じて平成二十三年度における数値目標を設定すること。 三各年度における指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な量の見込み及びその見込量の確保のための方策 @各年度における指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な量の見込み 別表第三を参考として、平成二十三年度までの各年度における市町村ごとの指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの実施に関する考え方及び必要な量の見込みを定めること。 A指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な見込量の確保のための方策を定めること。 四市町村の地域生活支援事業の実施に関する事項 市町村が実施する地域生活支援事業について、地域の実情に応じて、次の事項を定めること。 @実施する事業の内容 A各年度における事業の種類ごとの実施に関する考え方及び量の見込み B各事業の見込量の確保のための方策 Cその他実施に必要な事項 五市町村障害福祉計画の期間及び見直しの時期 市町村障害福祉計画の期間及び見直しの時期を定めること。 六市町村障害福祉計画の達成状況の点検及び評価 各年度における市町村障害福祉計画の達成状況を点検及び評価する方法等を定めること。 百八十九ページ 別表第三 一居宅介護、重度訪問介護、行動援護、重度障害者等包括支援 居宅介護、重度訪問介護、行動援護、重度障害者等包括支援 現に利用している者の数、障害者等のニーズ、退院可能精神障害者のうち居宅介護等の利用が見込まれる者の数、平均的な一人当たり利用量等を勘案して、利用者数及び量の見込みを定める。 二生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援(A型)、就労継続支援(B型)、療養介護、児童デイサービス、短期入所 日中活動系サービス全体の見込量 次の@及びAを勘案して、利用者数及び量の見込みを定める。 @現に利用している者の数、障害者等のニーズ、特別支援学校卒業者数の今後の見通し等を勘案して見込んだ数から、一般就労に移行する者の見込数、地域活動支援センターの利用者見込数を控除した数 A退院可能精神障害者のうち日中活動系サービスの利用が見込まれる者の数 生活介護 現に利用している者の数、障害者のニーズ等を勘案して、利用者数及び量の見込みを定める。 自立訓練(機能訓練) 現に利用している者の数、障害者のニーズ、施設入所者の地域生活への移行の数値目標、平均的なサービス利用期間等を勘案して、利用者数及び量の見込みを定める。 自立訓練(生活訓練) 現に利用している者の数、障害者のニーズ、施設入所者の地域生活への移行の数値目標、退院可能精神障害者のうち自立訓練(生活訓練)の利用が見込まれる者の数、平均的なサービス利用期間等を勘案して、利用者数及び量の見込みを定める。 百九十ページ 就労移行支援 現に利用している者の数、障害者のニーズ、福祉施設の利用者の一般就労への移行の数値目標、特別支援学校卒業者等新たに就労移行支援事業の対象者と見込まれる者の数、退院可能精神障害者のうち就労移行支援事業の利用が見込まれる者の数、平均的なサービス利用期間等を勘案して、利用者数及び量の見込みを定める。 就労継続支援(A型) 現に利用している者の数、障害者のニーズ等を勘案して、利用者数及び量の見込みを定める。 設定に当たっては、平成二十三年度末において、就労継続支援事業の対象者と見込まれる数の3割以上とすることが望ましい。 就労継続支援(B型) 現に利用している者の数、障害者のニーズ等を勘案して、利用者数及び量の見込みを定める。 設定に当たっては、区域内の就労継続支援(B型)事業所における工賃の平均額(事業所が、利用者に対して、事業収入から事業に必要な経費を控除して支払う金額の平均額をいう。)について、区域ごとの目標水準を設定することが望ましい。 療養介護 現に利用している者の数、障害者のニーズ等を勘案して、利用者数及び量の見込みを定める。 児童デイサービス 現に利用している者の数、障害児のニーズ等を勘案し、市町村地域生活支援事業で実施される障害児を対象とした事業との役割分担を踏まえた上で、利用者数及び量の見込みを定める。 短期入所 現に利用している者の数、障害者等のニーズ、平均的な一人当たり利用量等を勘案して、利用者数及び量の見込みを定める。 百九十一ページ 三共同生活援助、共同生活介護、施設入所支援 共同生活援助、共同生活介護 福祉施設からグループホーム又はケアホームへの移行者について、施設入所者の地域生活への移行の数値目標が達成されるよう、現に利用している者の数、障害者のニーズ、退院可能精神障害者のうち共同生活援助又は共同生活介護の利用が見込まれる者の数等を勘案して見込んだ数から、利用者数及び量の見込みを定める。 施設入所支援 第1期計画時点の施設入所者数を基礎として、施設入所者の地域生活への移行の数値目標数を控除した上で、ケアホーム等での対応が困難な者の利用といった真に必要と判断される数を加えた数から、利用者数及び量の見込みを定める。 なお、当該見込数は、平成二十三年度末において、第1期計画時点の施設入所者数の7%以上を削減することを基本としつつ、地域の実情に応じて設定することが望ましい。 四相談支援 相談支援 障害福祉サービス(施設入所支援、自立訓練、共同生活援助、共同生活介護及び重度障害者等包括支援を除く。以下この項において同じ。)の利用が見込まれる者のうち、自ら障害福祉サービスの利用に関する調整が困難な単身の障害者等計画的なプログラムに基づく支援が必要と認められる者の数を勘案して、利用者数及び量の見込みを定める。 百九十二ページ 別表第四 一都道府県障害福祉計画の基本的理念等 都道府県障害福祉計画に係る法令の根拠、趣旨、基本的理念、目的及び特色等 二平成二十三年度の数値目標の設定 障害者について、施設入所者及び退院可能精神障害者の地域生活への移行、福祉施設の利用者の一般就労への移行等を進めるため、この基本指針に即して、地域の実情に応じて、平成二十三年度における数値目標を設定すること。 特に、福祉施設の利用者の一般就労への移行等の数値目標を達成するため、労働担当部局、教育委員会等の教育担当部局、都道府県労働局等の関係機関等と連携して、次に掲げる事項について障害者雇用の推進に関する数値目標を設定して、実現に向けた取組を定めること。 @公共職業安定所経由による福祉施設の利用者の就職件数 A障害者の態様に応じた多様な委託訓練事業の受講者数 B障害者試行雇用事業の開始者数 C職場適応援助者による支援の対象者数 D障害者就業・生活支援センター事業の支援対象者数等 三区域の設定 指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの量の見込みを定める単位となる区域を定めた場合に、その趣旨、内容等を定めること。 四各年度における指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な量の見込み及びその見込量の確保のための方策 @市町村障害福祉計画を基礎として、平成二十三年度までの各年度における指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの実施に関する考え方及び必要な量の見込みについて、区域及び都道府県全域で定めること。 A指定障害福祉サービス又は指定相談支援の種類ごとの必要な見込量の確保のための方策を定めること。 百九十三ページ 五圏域単位を標準とした指定障害福祉サービスの見通し及び計画的な基盤整備の方策 @障害福祉サービスの利用状況や供給体制について、国民健康保険団体連合会へ委託する自立支援給付の支払に関するデータの分析等により的確に把握すること。 A障害者等のニーズを踏まえ、必要な住まい、訪問系サービス、日中活動の拠点が適切に整備されているかという視点から課題を整理すること。 B@及びAを踏まえ、障害者等の支援に必要となる指定障害福祉サービスの種類及び量の見通しを作成すること。加えて、当該見通しを達成するために新たに必要となる指定障害福祉サービスを実施する事業所数を見込むとともに、年次ごとの事業所の整備計画を作成すること。 六各年度の指定障害者支援施設の必要入所定員総数 平成二十三年度までの各年度における指定障害者支援施設の必要入所定員総数を定めること。 七指定障害福祉サービス等に従事する者の確保又は資質の向上のために講ずる措置 指定障害福祉サービス等に従事する者及び相談支援専門員等の確保又は資質の向上のために実施する措置に関する事項を定めること。 八都道府県の地域生活支援事業の実施に関する事項 都道府県が実施する地域生活支援事業について、地域の実情に応じて、次の事項を定めること。 @実施する事業の内容 A各年度における事業の種類ごとの実施に関する考え方及び量の見込み B各事業の見込量の確保のための方策 Cその他実施に必要な事項 九都道府県障害福祉計画の期間及び見直しの時期 都道府県障害福祉計画の期間及び見直しの時期を定めること。 十都道府県障害福祉計画の達成状況の点検及び評価 各年度における都道府県障害福祉計画の達成状況を点検及び評価する方法等を定めること。