表紙 第3期高知県障害福祉計画 平成24年度〜平成26年度 平成24年3月高知県 はじめに 高知県では、障害のある人にとって必要な福祉サービスや相談支援などの提供体制が計画的に整備されるよう、障害者自立支援法に基づき、3年を1期とした高知県障害福祉計画を策定し、地域生活への移行や就労の支援といった取組を積極的に進めてきました。 こうした取組や関係の皆様のご協力により、地域での住まいの場となるグループホーム・ケアホームや、就労などを支援する事業所の整備が進み、サービスを利用される人も増加するなど、障害福祉サービスは着実に充実してきています。 その一方で、過疎化の進行する中山間地域における福祉サービスの確保や、発達障害など障害のある子どもへの支援の充実といった課題への対応が、これまで以上に求められています。 このため、平成24年度から平成26年度を計画期間とする第3期高知県障害福祉計画では、各地域において必要となる福祉サービスの確保や、障害のある子どもができるだけ早い時期から専門的な療育支援を受けられる体制の整備などについて、重点的に取り組むこととしています。 こうした取組を着実に進め、すべての障害のある人が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、「高知型福祉」の実現に向けて全力で取り組んでまいりますので、今後とも県民の皆様のご協力とご参加をお願い申し上げます。 最後に、この計画の策定にあたり、ご意見やご提言をいただきました「高知県障害者施策推進協議会」の委員の皆様をはじめ、関係者の方々に対しまして、心からお礼を申し上げます。 平成24年3月 高知県知事 尾ア 正直 目次 T 計画の趣旨等 1 計画策定の趣旨 1ページ 2 計画の位置づけ等 2ページ 3 計画策定にあたっての考え方 5ページ 4 基本的な方向 6ページ 5 区域の設定 7ページ U 障害のある人の動向 1 高知県の人口の推移 8ページ 2 各種手帳の交付状況等 9ページ 3 精神科病院入院患者数等 15ページ 4 特別支援学校(国・公立)・特別支援学級在籍児童生徒数等 16ページ                ・・・・・・・・・・16 V 地域移行や就労支援の目標設定 1 福祉施設の入所者の地域生活への移行 22ページ 2 入院中の精神障害者の地域生活への移行 25ページ 3 福祉施設から一般就労への移行等 29ページ W 障害福祉サービス等の円滑な推進 1 福祉サービス等の利用状況 33ページ  2 障害福祉サービスの量の見込み 54ページ 3 必要な見込量の確保等の方策 69ページ 4 地域生活支援事業 72ページ 5 指定障害者支援施設の必要入所定員総数 78ページ 6 指定障害福祉サービス等に従事する者の確保又は資質の向上のために講ずる措置 79ページ          ・・・・・・・・・・79 X 圏域ごとのサービス基盤整備計画   安芸圏域 81ページ   中央東圏域 89ページ   中央西圏域 97ページ   高幡圏域 105ページ   幡多圏域 112ページ Y 障害児支援について  1 障害児支援の基本的な視点 120ページ 2 障害のある子どもの動向 121ページ 3 障害児施設等の設置状況(通所系) 126ページ 4 障害児施設等の利用状況(通所系) 127ページ 5 療育福祉センターの状況について 129ページ 6 障害児支援施策の見直し 131ページ 7 障害児に係るサービス提供体制の整備 134ページ 8 今後の取り組み 141ページ 資料編 1 障害福祉サービス及び相談支援の体系について 145ページ 2 用語の説明 146ページ 3 アンケート調査結果の概要 152ページ 4 地域移行や就労支援の目標設定(市町村別内訳)171ページ 5 障害福祉サービスの量の見込み(市町村別内訳)173ページ 6 基本指針 187ページ 7 高知県障害福祉計画の策定経過 207ページ 8 高知県障害者施策推進協議会委員 208ページ 資料1ページ T 計画の趣旨等 1 計画策定の趣旨 地域での生活や就労などを支援するサービスの充実を通じて、障害のある人が地域で自立して暮らせる社会の実現を目指して、平成18年4月に障害者自立支援法が施行され、障害種別ごとに分かれていた制度の一元化や、市町村を実施主体とすることを基本とする仕組みなどへと変わり、「地域生活への移行」や「就労支援」といったことへの取り組みが一層求められることとなりました。 この計画は、同法89条に基づき、障害のある人にとって必要な障害福祉サービスや相談支援等の提供体制が計画的に整備されることを目的として策定するものです。 今回の策定にあたっては、平成21年度から平成23年度を計画期間とした第2期障害福祉計画の進捗状況等の分析や評価を行い、第2期計画における課題等を整理したうえで、国の基本指針に則して策定することとします。 1ページの語句の説明 障害者自立支援法 第89条とは 「都道府県は、基本指針に即して、市町村障害福祉計画の達成に資するため、各市町村を通ずる広域的な見地から、障害福祉サービス、相談支援及び地域生活支援事業の提供体制の確保に関する計画を定めるものとする。」 国の基本指針とは 「障害福祉サービス及び相談支援並びに市町村及び都道府県の地域生活支援事業の提供体制の整備並びに自立支援給付及び地域生活支援事業の円滑な実施を確保するための基本的な指針」(平成18年6月26日 厚生労働省告示第395号) 資料2ページ 2 計画の位置づけ等 (1) 「高知県障害者計画」との関係 県は、障害者基本法に基づいて、障害のある人に対する取り組みの基本的方向を示す県行政の指針として、平成16年3月に「高知県障害者計画」を策定しています。 一方、この「高知県障害福祉計画」は、障害者自立支援法に基づき、3年を一期として策定される「障害福祉サービス等の確保に関する計画」であり、高知県障害者計画の実施計画的な位置づけとなるものです。(図T−2−1参照) (2) 計画期間と見直しの時期 「高知県障害福祉計画」は、平成18年度から平成20年度までを第1期の計画期間、平成21年度から平成23年度までを第2期の計画期間として策定しています。 今回の第3期障害福祉計画については、第2期障害福祉計画の進捗状況等を踏まえ、平成24年度から平成26年度までを計画期間として策定します。 なお、策定時点において、障害者自立支援法に代わる新たな福祉制度が国で検討されていることから、計画期間中に法の見直し等が行われた場合は、必要に応じて計画の内容を見直すこととします。 (3) 計画の推進体制 ○ 障害者施策は、障害保健福祉の観点からのみならず、雇用、教育、医療等を超えた総合的な取り組みが不可欠であり、障害の特性やライフステージに応じたきめ細やかで一貫したサービスが提供できるよう、関係部局・機関が連携し、総合的に取り組みます。 ○ 障害のある人に対する障害福祉サービスを地域の実情に応じて計画的に提供できるよう、市町村や事業者等の関係機関と連携を図りながら、施策の効果的な推進に努めるとともに、圏域ごとのサービス基盤整備計画に基づき、圏域単位での計画的なサービスの基盤整備を進めていきます。 ○ 障害のある人もない人も、共に暮らし、共に働く「共生社会」を実現していくためには、障害のある人自身や直接的な関係者のみならず、広く県民皆で考え、取り組んでいくことが必要であり、県民すべての参加や協力を得ながら、目標の実現に向け取り組んでいきます。 資料3ページ (4) 計画の達成状況の点検及び評価 高知県障害者施策推進協議会に計画の進捗状況を継続的に報告し、推進方策等について意見を求めます。 また、これらの内容についてはホームページ上で公開し、県民からの意見を募集し、次期計画に反映するよう努めます。 2ページ・3ページの語句の説明 共生社会とは 人間は一人ひとりがすべて異なる存在であり、この違いをかけがえのないものとして受けとめ、互いが理解し合い、共に生きる社会。 高知県障害者施策推進協議会とは 障害者施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項などを協議する組織で、障害のある人・学識経験者・障害福祉事業従事者・関係行政機関の職員などで構成されます。 高知県地域福祉部障害保健福祉課のホームページアドレスは http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/060301/ 資料4ページ 障害者計画と障害福祉計画 障害者計画は障害者基本法第9条第2項に規定 障害のある人に対する取組みの基本的方向を示す県行政の指針 県民や民間企業等に対して広く理解を求め、すべての県民の自主的・主体的な行動のための目標、指針 次期障害者計画は平成25年度から 障害福祉計画(第1期)は、平成18年度から平成20年度 障害福祉計画(第2期)は、第1期の実績等を踏まえて策定、平成21年度から平成23年度 障害福祉計画(第3期)は、第2期の実績等を踏まえて策定、平成24年度から平成26年度 資料5ページ 3計画策定にあたっての考え方 この計画は、障害のある人の自立と社会参加を基本とする障害者基本法の理念、高知県障害者計画の基本理念及び平成22年2月に策定した「日本一の長寿県構想」を踏まえて、次に掲げる点に配慮して策定します。 (1) 障害のある人もない人もともに安心して暮らせる社会の実現 ノーマライゼーションの理念のもと、障害のある人が移動やコミュニケーション、就労など必要な支援を受けながら、地域の住民の一人として、その人らしく暮らし、障害のある人もない人も、互いに尊重し、支え合えるような地域づくりを推進します。 (2) 地域生活移行や就労支援等の課題に対応したサービス提供体制の整備 障害のある人の自立支援の観点から、地域生活への移行や就労支援といった課題に対応したサービス提供体制を整えます。 (3) 「高知型福祉」の実現 高知県では、県民誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができる地域づくりに向けて、これまでの福祉という枠や概念を超えて、それぞれの地域の実態に即した、新しい福祉の形を地域で作り上げていく「高知型福祉」の実現を目指した取り組みを進めています。 障害者福祉においては、障害者が生き生きと暮らせる地域づくりに向けて、サービスが不足している中山間地域のサービス提供体制の充実や身近な地域で専門的な療育支援を行う体制づくりなどに重点的に取り組むこととしています。 日本一の健康長寿健康構想の図の説明 県民誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる高知型福祉の実現 こどもから高齢者、障害者などすべての県民が、ともに支え合いながら生き生きと暮らすことができる地域づくりを推進 高知型福祉その1 ともに支え合う地域づくり(新しい支え合いのかたち) 地域福祉計画等の推進 あったかふれあいセンターの機能強化 民生委員・児童委員活動の充実 福祉を支える担い手の育成と確保 自殺・うつ病対策の推進 ひきこもり自立支援対策の推進 高知型福祉その2 高齢者が安心して暮らせる地域づくり(元気イキイキ、みんな長生き) 介護予防と生きがいづくりの推進 地域包括ケアシステムの構築 介護サービスの充実・確保 福祉・介護人材の確保対策 高知型福祉その3 障害者が生き生きと暮らせる地域づくり(ともにかがやき、ともに暮らす) 障害福祉サービスの確保・充実 障害者の就労促進と施設利用者の工賃アップ 発達障害者への支援体制づくり 精神科医療の充実 高知型福祉その4 次代を担うこども達を守り育てる環境づくり(まち、むら、こどもたちでいっぱいに) 児童虐待への対応 少子化対策の推進 資料6ページ 4 基本的な方向 計画にあたっての考え方を踏まえ、障害のある人が生き生きと暮らせる地域づくりを目指して、次の方向を目指します。 1 身近な地域におけるサービスの確保 県内どこに住んでいても、在宅でも施設でも、すべての障害のある人が住み慣れた地域で、二十四時間三百六十五日安心して暮らせるよう、身近な地域で必要なサービスを確保します。 2 障害児支援の充実 すべての子どもが、その持てる能力や可能性を伸ばしていけるよう支援を行い、その自立と自己実現を図っていけるよう育成していくことが大切です。 特に障害のある子どもは、できるだけ早い時期から適切な支援を行うことが将来の自立と自己実現につながっていくことを踏まえ、子どもの将来の自立に向けて発達を支援します。 資料7ページ 5 区域の設定 障害福祉サービス等の実施に際しては、障害のある人が生活する「市町村」を基本的な単位として、きめ細かなサービスを提供することが必要です。しかしながら、市町村単位で実施することが困難な事業については、事業の内容やニーズに応じて、広域的な単位を設定し、地域間で格差が生じないようサービスの提供体制づくりを進めます。 この計画における、指定障害福祉サービス、指定地域相談支援又は指定計画相談支援の量の見込みを定める単位となる区域は、「高知県障害者計画」において設定している障害保健福祉圏(図T−5−1参照)とします。 ■ 図T−5−1 障害保健福祉圏の説明 圏域別人口(平成23年3月31日現在) 安芸圏域(2市4町3村:室戸市、安芸市、東洋町、奈半利町、田野町、安田町、北川村、馬路村、芸西村)、総数は五万五千二百四十四人、うち65歳以上は一万九千三百四十四人、65歳以上の割合は三十五パーセント 中央東圏域(3市3町1村:南国市、香美市、香南市、本山町、大豊町、土佐町、大川村)、総数は十二万五千百八十五人、うち65歳以上は三万七千二百六十五人、65歳以上の割合は二十九点八パーセント 中央西圏域(2市4町1村:高知市、土佐市、いの町、仁淀川町、佐川町、越知町、日高村)総数は四十二万七千四百三十四人、うち65歳以上は十万七千四百六十八人、65歳以上の割合は二十五点一パーセント 高幡圏域(1市4町:須崎市、四万十町、梼原町、津野町、中土佐町)総数は六万二千五百十七人、うち65歳以上は二万千九百五十三人、65歳以上の割合は三十五点一パーセント 幡多圏域(3市2町1村:四万十市、宿毛市、土佐清水市、黒潮町、大月町、三原村)総数は九万六千四十六人、うち65歳以上は三万六百六十八人、65歳以上の割合は三十一点九パーセント 合計(11市17町6村)総数は七十六万六千四百二十六人、うち65歳以上は二十一万六千六百九十八人、65歳以上の割合は二十八点三パーセント