
取水施設

取水イメージ
室戸市では、陸上にポンプピットを設けて取水管を海底に敷設する、陸上型というシステムが利用されています。
日本各地で設置されている海洋深層水取水施設で稼働中のものはほとんどがこの陸上型ですが、沖縄県糸満市や岩手県宮古市の沖合などでは、船舶による洋上での取水も行われています。-
アクア・ファーム
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取水地
1989年に開設した海洋深層水研究所の取水口の設置水深は320メートルでしたが、1995年に増設し、344メートルと2ヶ所になりました。
また2000年に開設しました室戸市の取水施設「アクア・ファーム」は374メートルです。
高知県海洋深層水研究所 | 室戸海洋深層水アクア・ファーム | |
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取水管長 | 2650メートル | 3125メートル |
取水量 | 920トン/日(2本合計) | 4000トン/日 |
取水深度 | 320メートル・344メートル | 374メートル |
取水管内径 | 125ミリメートル | 270ミリメートル |
これらは、いずれも室戸岬東側の陸棚斜面を水深700~1000メートルの深さから湧昇している深層水を汲み上げています。正しくは、ポンプ室までは水圧で海水が上がってきますので、それを送り出すということになります。
取水管は硬質ポリエチレンでできており、外側は鉄線で補強されています。
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取水管断面(鉄線鎧装硬質ポリエチレン管)
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取水口(1/8模型)
ポンプピットは、地下へ埋め込まれたような形になっており、ポンプは地下12~13メートルの位置にあります。
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ポンプピット(前)貯水槽(後)
: 高知県海洋深層水研究所
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ポンプピット
:アクア・ファーム
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ポンプピット内部
:アクア・ファーム
脱塩施設

淡水化装置
海洋深層水を飲めるようにするためには、塩分などを取り除かなくてはなりません。 アクア・ファームでは逆浸透膜(RO膜)方式の淡水化装置で脱塩が行われています。
逆浸透膜方式とは、「溶媒(純水)は通すけれど、溶質(物質)は通さない」という半透膜の性質を利用し、淡水を作り出す方法です。
A:半透膜を境界として塩水と純水を入れると、純水は膜を透過して塩水側に移動する。
B:純水の移動が停止した時の水頭差が浸透圧となる。
C:塩水側に浸透圧以上の圧力をかけると塩水中の水が逆に移動する。
逆浸透の原理
アクア・ファームでは、脱塩水、濃縮水(脱塩された水の残り)、原水が企業等に給水されています。
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給水設備(脱塩水・濃縮水)
:アクア・ファーム
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給水設備(原水)
:アクア・ファーム

海洋深層水関連商品
ここで給水された深層水は、ミネラルウォーターや、食品、化粧品などに加工され私達の手もとへ届くのです。