高知県公文書開示審査会答申第147号

公開日 2009年02月27日

更新日 2014年03月16日

高知県公文書開示審査会答申第147号

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諮問第147号


第1 審査会の結論

知事が、「高知空港特別対策事業の平成7年度事業開始当初の事業費の総額及び負担者がわかる書類」を不存在とした決定は、妥当である。

第2 異議申立ての趣旨

 本件異議申立ての趣旨は、異議申立人が平成17年7月28日付けで高知県情報公開条例(平成2年高知県条例第1号)に基づき行った「高知空港特別対策事業の平成7年度事業開始当初の事業費の総額及び負担者がわかる書類」(以下「本件公文書」という。)の開示請求に対し、知事(以下「実施機関」という。)が平成17年8月8日付けで行った不存在決定の取り消しを求めるというものである。

第3 実施機関の不存在決定理由等

 実施機関が、決定理由説明書及び意見陳述で主張している不存在決定理由等の主な内容は、次のように要約できる。
 本件開示請求は、高知空港周辺対策事業及び高知空港特別対策事業の当初の事業費の総額及び負担者がわかる書類に対して行われた。いずれの事業も高知空港の滑走路延長事業(2,000メートル→2,500メートル)の際に、地元対策として、県が補助金を支出し、南国市が事業主体となって実施したものである。
 高知空港周辺対策事業については、事業実施前に、全体事業費並びに県及び52市町村の負担割合を決定していたことから、事業開始当初の計画が存在し、当該文書は既に開示している。
 一方、高知空港特別対策事業は、滑走路延長事業を実施するにあたり、障害となる事案に対し、個別に対応するために順次事業を実施したもので、県が毎年補助金交付要綱を策定し、事業主体である南国市の行う事業に対して補助金を支出したものである。このため、高知空港特別対策事業が始まった当初には、全体の事業費総額、事業費の負担者がわかる書類は存在しない。
 なお、異議申立人に対し、各年度の事業費の実績を集計した資料を情報提供する旨申し入れたが、あくまで当初の事業計画が欲しいのであって、実績の資料は要らないとの回答があった。

第4 異議申立人の主張

 異議申立人が異議申立書で主張している異議申立ての主な内容は、次のように要約できる。
 高知空港特別対策事業は、予算化せず、毎年、補助金交付要綱を策定し、事業を実施しているということだが、一般的に地方公共団体が事業を実施する場合には、資金計画・期間・事業内容等を決定して行うものと思われる。

第5 審査会の判断

1  国の高知空港の滑走路延長事業の際に、地元対策として、高知空港周辺対策事業(平成10年度から14年度まで)と、高知空港特別対策事業(平成7年度から15年度まで)が実施された。
 本件文書は、このうち、特別対策事業における平成7年度事業開始当初の事業費の総額及び負担者がわかる書類である。
 実施機関は、周辺対策事業については、空港利用者が県下全域にわたることから、各市町村にも負担してもらったため、事業実施前に南国市を除く52市町村と県との負担割合などを定めたが、一方、特別対策事業については、県が毎年度補助金交付要綱を策定し、南国市の実施する事業に対して補助金を支出したものであるから、事業が始まった当初には、全体の事業費の総額及び負担者がわかる書類は作成していないと主張している。
 異議申立人は、県が特別対策事業を実施する場合、事業実施当初に、その資金計画・期間・事業内容等が定められているはずであると主張している。
2  異議申立人が主張するように、確かに、あらかじめ事業計画を作成し、事業を実施するのが通例であると考えられる。
 しかしながら、実施機関からの意見聴取によると、高知空港特別対策事業は、単一の事業ではなく、航空機騒音対策、上水道の整備、ハウスの移転対策、公民館の駐車場整備、代替地対策、電波障害対策等の地元地権者からの要望に対して行われた事業の総称である。県と南国市が、地元地権者等と協議し、その年度で実施可能な事業と事業量を決定したものを、南国市が事業主体となって事業を実施し、県も決定した事業と事業量に対応した補助金交付要綱を毎年度策定し、補助を行ってきた。こうした多種多様な事業について、地元地権者等との協議が完了したものから順次実施するという事業の進め方から、平成7年度事業開始当初には、全体の事業費の総額及び負担者がわかる書類は作成していないとのことである。
 以上の実施機関が本件公文書について不存在とする説明には不合理なものはなく、したがって、実施機関が行った不存在決定は妥当であると認められる。

第6 結論

 当審査会は、本件部分開示決定について具体的に検討し、最終的には高知県公文書開示審査会規則第4条第3項の規定による多数決により、冒頭の「第1 審査会の結論」のとおり判断した。

第7 審査会の処理経過

当審査会の処理経過は、次のとおり。

年月日 処理内容
平成17年9月27日 ・ 実施機関から諮問を受けた。
平成17年10月7日 ・ 実施機関から決定理由説明書を受理した。
平成18年8月7日
(平成18年度第3回第一小委員会)
・ 実施機関からの意見を聴取した。
平成18年9月5日
(平成18年度第4回第一小委員会)
・ 諮問の審議を行った。
平成18年9月25日
(平成18年度第5回第一小委員会)
・ 諮問の審議を行った。
平成18年11月28日
(平成18年度第3回公文書開示審査会)
・ 諮問の審議を行った。
平成18年12月12日 ・ 答申を行った。

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