高知県公文書開示審査会答申第163号

公開日 2012年09月24日

更新日 2014年03月16日

高知県公文書開示審査会答申第163号

諮問第163号


第1 審査会の結論

 知事が「南国市片山■■番■建物を平成10年1月に移転した関係書類(家引き業者の住所・氏名・設計書等)」を不存在とした決定は、妥当である。

第2 異議申立ての趣旨

 本件異議申立ての趣旨は、異議申立人が平成22年6月20日付けで高知県情報公開条例(平成2年条例第1号。以下「条例」という。)に基づき行った「南国市片山■番■建物を平成10年1月に移転した関係書類(家引き業者の住所・氏名・設計書等)」の開示請求に対し、知事(以下「実施機関」という。)が平成22年7月2日付けで行った不存在決定を不服として、当該決定の取り消しを求めるというものである。
なお、当審査会は、異議申立人に確認を行ったところ、開示を求める関係書類は、「家引き業者の住所・氏名・設計書等」の( )に括られている文書であり、それ以外の関係書類はすでに開示され入手しているとのことであった。したがって、本件開示請求に係る対象文書は、関係書類のすべてではなく、上記の限定された文書(以下「本件公文書」という。)である。

第3 実施機関の不存在決定理由等

 実施機関が、決定理由説明書及び意見陳述で主張している不存在決定理由等の主な内容は、次のように要約できる。
本件公文書は、平成9年度に南国市が、高知県高知空港特別対策事業費補助金(以下「本件補助金」という。)の交付を受けて実施した南国市片山■番■建物(以下「本件建物」という。)の接する南国市道の改良工事(以下「本件工事」という。)の関係書類に含まれていると思われる。
そこで、本件工事に関係する書類の保存期間は、高知県公文書規程(昭和39年12月28日訓令第64号。以下「規程」という。)第38条別表第3に定められた5年であり、その保存期間を過ぎているものの、実施機関において本件補助金の関係書類が事務の参考資料として保存されていたため、これらの現在保存される書類を精査したが、本件公文書は含まれておらず、存在しなかったため、不存在決定を行ったものである。

第4 異議申立人の主張

 異議申立人が異議申立書で主張している主な内容は、次のように要約できる。
 本件建物の移転は、高知県(当時の高知空港整備事務所)と相談して移転したものであるため、南国市は無関係であり、南国市は書類を作成していないが、本件工事の実施に係る請負代金は本件補助金に含まれているのであるから、本件建物の移転に関する関係書類は、高知県が保有しているはずである。

第5 審査会の判断

1 南国市からの意見聴取について
 実施機関から聴取した結果、本件公文書は、南国市が本件工事において高知県に本件補助金の交付を申請した際の関係書類に含まれると思われるので、当審査会は、答申を行うにあたり、本件補助金に係る事業を実施した南国市から意見聴取を行った。
 本件公文書に関して南国市から意見を聴取したところ、本件補助金の関係書類は、南国市文書編さん保存規程(昭和36年7月1日訓令第4号)に定める保存期間の5年を経過しており、既に廃棄しているため、本件建物の移転に係る書類は保持していない。
 また、当時の担当職員も退職等により在職しておらず、本件建物の移転に係る経緯は不明であるとのことであった。
2 本件公文書の不存在について
 本件公文書の保存期間は規程により5年と定められており、すでに保存期間を過ぎているが、実施機関が本件補助金の関係書類を事務の参考資料として保存していたため、当審査会は、当該関係書類の提出を求め、本件公文書の存否を調査した。
 しかしながら、これらの関係書類には、本件工事に関するものが含まれていたものの、家引き業者を特定する本件公文書を発見するには至らなかった。
よって、本件公文書について不存在とする実施機関の主張には不合理なところは認められず、本件不存在決定は妥当であると判断する。
なお、異議申立人は、本件建物について高知県と交渉して移転した旨を主張しているが、その交渉に関する書類等も関係書類には含まれていなかった。
3 異議申立人のその他の主張について
異議申立人が意見書に記載している、本件補助金に工事代金を含めて請求しているとか、本件建物に固定資産税が課された件については、当審査会はこれを審査する権限を有しておらず、それらは当審査会の判断をするところではない。

第6 結論

 当審査会は、本件公文書を具体的に検討し、高知県公文書開示審査会規則第4条第3項に基づき、冒頭の「第1 審査会の結論」のとおり判断した。

第7 審査会の処理経過

当審査会の処理経過は、次のとおり。

年月日 処理内容
平成22年8月9日 ・ 実施機関から諮問を受けた。
平成22年8月16日 ・ 実施機関から決定理由説明書を受理した。

平成22年12月20日
(平成22年度第1回第二小委員会)

・ 実施機関から意見聴取を行った。諮問の審議を行った。
平成23年1月25日
(平成22年度第2回第二小委員会)
・ 諮問の審議を行った。
平成23年2月10日
(平成22年度第3回第二小委員会)
・ 諮問の審議を行った。
平成23年3月29日
(平成22年度第1回公文書開示審査会全体会)
・ 答申案の検討を行った。
平成23年5月27日 ・ 答申を行った。

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