高知県公文書開示審査会答申第82号

公開日 2009年02月27日

更新日 2014年03月16日

高知県公文書開示審査会答申第82号

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諮問第82号


第1 審査会の結論

知事(以下「実施機関」という。)が、「県職員の倫理規則違反事件による職員処分について 懲戒処分に関する処分調書」(「県発注工事に係る県外検査での職員の倫理規則違反行為に対する処分について」と題する書面)(以下「本件公文書」という。)を、非開示とした決定は妥当である。

第2 異議申立ての趣旨

本件異議申立ては、異議申立人が平成13年12月3日付けで高知県情報公開条例(平成2年高知県条例第1号。以下「条例」という。)に基づき行った「県職員の倫理規則違反事件による職員処分について、審議(査)会の記録、提出資料、関係事業名、場所(県外)等処分対象が具体的に判る資料」の開示請求(以下「本件請求」という。)に対して、実施機関が平成13年12月18日付け13高人企起第22号で行った非開示決定の取消しを求めるというものである。

第3 実施機関の非開示決定理由等

実施機関が、決定理由説明書及び意見陳述で主張している非開示決定理由等の主な内容は、次のように要約できる。
 
(1) 開示請求までの経緯
ア 本県では、「職員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職務の遂行の公正さに対する県民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する県民の信頼を確保する」ことを目的として、高知県職員倫理条例(平成11年高知県条例第46号。以下「職員倫理条例」という。)が平成12年4月1日から施行されている。
 そして、職員倫理条例に基づいて職員が遵守すべき事項や禁止行為などを規定した高知県職員倫理規則(平成12年高知県規則第219号。以下「職員倫理規則」という。)が平成13年1月1日から、さらに、「職員倫理条例及び職員倫理規則等に違反した場合の懲戒処分の基準」(以下「懲戒基準」という。)が平成13年4月1日から施行されているところである。
イ このように職員の倫理に関する規程が制定される一方で、平成12年度に実施された監査委員による監査において、県外での工場検査に係る旅行命令が、受注業者が用意した自動車の利用を予定したものになっていたことから、受注業者との関係において疑惑を招くことのないよう、改善の指摘を受けた。
ウ 監査の指摘を契機として実態を把握するため、平成8年度以降に県外での工場検査を命じられた知事部局の職員を対象にして、所属長が聞き取り調査を行った。
エ 聞き取り調査等に基づき、県が発注した請負契約の中間検査のため職員が県外に出張した際に、利害関係者からの無償の役務の提供や供応接待を受けることを禁じた職員倫理条例及び職員倫理規則に違反する行為があったとして、平成13年11月30日付けで職員2名の戒告処分を行った。
そして、処分に当たっては、地方公務員法第29条に基づく懲戒処分を行う際の公表事項等を定めた「高知県職員の懲戒処分に関する公表基準」(以下「公表基準」という。)に基づき、対象職員の所属部局名、処分事由の概要、処分内容、処分年月日等を記者発表している。
オ この処分に関係して、異議申立人から、審査会の記録、提出資料、関係事業名、場所など処分対象が具体的に分かる資料の開示請求があった。
 
(2) 本件公文書
本件公文書は、上記(1)エの懲戒処分を検討するために開催された高知県職員懲戒委員会(以下「懲戒委員会」という。)に提出された「県発注工事に係る県外検査での職員の倫理規則違反行為に対する処分について」と題する書面である。
実施機関は、本件請求を受けた段階で請求者である異議申立人と話し合った上で、異議申立人が求める情報が記載されている公文書として本件公文書を特定し、「県職員の倫理規則違反事件による職員処分について 懲戒処分に関する処分調書」という件名を付して非開示決定を行った。
 
(3) 高知県情報公開条例等の一部を改正する条例(平成14年3月29日条例第6号)によ  る改正前の高知県情報公開条例(以下「旧条例」という。)第6条第2号該当性
本件公文書には、被処分者個人の内心に関する情報や処分対象となった非違行為の内容など、特定の個人に関する情報が記録されており、開示することにより被処分者を識別できると認められ、かつ、ただし書のいずれにも該当しない。
懲戒処分等の職員の身分取扱い上の処遇に関する情報は、その処分が公務上の行為についてなされたものであっても、個人の資質や名誉に関わる当該職員個人の情報であって、旧条例第6条第2号ただし書ウの職務の遂行に係る情報ではない。
 
(4) 旧条例第6条第6号ア該当性
本件公文書には、事情聴取などを通じて把握された処分対象者の心情、行動のすべてが記載されており、公開が前提となると、ありのままの事実を聴取できなくなることから、今後の懲戒事案の事実調査及び公正な処分を決定するうえで、著しい支障を生じる。
懲戒処分を行うための調査においては、強制捜査権限が与えられていないため、被処分者本人及び関係者からの任意の事情聴取を中心に事実関係や心情を明らかにさせている。
処分事案の中には、刑事事件のように警察の捜査によって概ね事実関係が明らかになるものもあるが、それ以外は、本人や関係者からの事情聴取によらなければ心情や事案の背景はもちろんのこと、事実関係も十分に明らかにならない場合が多い。
刑事事件についても、懲戒権者は捜査情報を入手することはできないことから、事実関係を明らかにする上で事情聴取は不可欠であり、聴取は、ありのままの事実を述べてもらえるよう、その内容を公開しないことを前提に行っており、開示することになれば、関係者との信頼関係を損なうことになる。
また、聴取内容が公開されることが前提となれば、次のことなどが容易に予想される。
ア 関係者への心理的負担を増大させ、特に、被処分者にとって不利益となる事実や、処分を受けるおそれのある事実などをありのままに述べることに消極的になるなどして、懲戒処分等の内容を決定するに当たって必要とされる具体的、客観的な情報が十分に得られなくなる。
イ 被処分者が供述内容が公開されることを憂慮し、結果として十分な弁明を行うことができなくなり、公正な処分を行う上で支障が生ずる。
 
(5) 開示の方法
本件公文書に記載されている大部分の情報は、旧条例第6条第2号及び第6号アに該当し、非開示とすることができる情報である。そして、非開示とすることができる情報とその余の情報は、分解困難な態様の記載がされていることから、仮に、本件公文書のうちから非開示とすることのできる情報を分離し、その余の部分を開示するとしても、開示できる部分は極めて限定されたものとなる。
したがって、このような部分開示を行っても、異議申立人が主張しているような職員倫理条例等に違反する行為の実態を明らかにするという本件請求の趣旨に沿うことができないことは明らかであって、条例第7条の定める「公文書の中の非開示情報とその他の部分を容易に、かつ、公文書の開示の請求の趣旨を損なわない程度に分離できるとき」という要件に該当しないものである。

第4 異議申立人の主張

異議申立人が異議申立書、意見書及び意見陳述で主張している異議申立ての主な内容は、次のように要約できる。
 
(1) 本件公文書の開示の必要性
本件公文書は、職員倫理条例及び職員倫理規則違反として最初に処分を受けた事例の事実経過が分かる唯一の公文書である。
異議申立人は、県民の知る権利として、どのような違法行為が行われたのか、なぜ倫理事件として処分されたのか等、県職員間でいまだに改善されない法規無視や、ばれなければ何をしてもよい、都合の悪いことは隠すという体質をただすために開示請求を行った。
職員倫理条例は、前文において「職員は、県民全体の奉仕者であって、その職務は県民から付託された公務であることを深く自覚し、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」とし、そして「自らを厳しく律するとともに、常に研さんに励み、県民の付託に応えるよう努めなければならない。」と定めている。
この規定を十分理解しているはずの職員が、県民の目の届かないところでは、公然と公私混同による私利私欲の追求や権限行使の対象者から贈与を受けていたとされる事実は、従前より漫然と放置されていたと解するのが県民の常識である。監査の過程で偶然発覚したのか、上司は慣例として放任していたのかどうかという問題こそまさに職員倫理条例、職員倫理規則に照らして明らかにされる必要がある。それは組織としての問題であり、個人の問題に矮小化すべきではない。
本件公文書の開示は(個人名等の一部を除いたとしても)、この意味で職員の倫理観、法的感覚と自覚、組織の対応の在り方を事実として県民が知ることにより、職員倫理条例及び職員倫理規則をより実効あらしめるため不可欠のものである。
職員倫理条例及び職員倫理規則のいう「職務」が、県民の付託によるものとするならば、付託した県民にこそ、事実と問題の背景責任の所在と処分の在り方について、可能な限り情報を開示するのが実施機関の責務である。
 
(2) 旧条例第6条第2号該当性
 本件の対象事例は、職員の公務遂行に直接関わる違法行為であり、私生活上の権利を侵すことはなく全面開示が当然である。
 これは、個人の資質や名誉ではなく、職場の資質や県職員の公務についての名誉と信用の失墜行為の問題である。個人の名誉と言うなら、旅行命令時に誤りのないよう適正に指導すべきであり、組織ぐるみの怠慢な事務について本件公文書が個人の問題としているか、組織上の問題として捉えているかの識別は重要である。個人の名誉のためにも事実関係の記録は公にし、他の職員の資質向上に資する必要がある。
 また、公表基準では停職以上の処分は非処分者の氏名を明らかにするとなっている。それならば、処分のレベルによって「個人の資質、名誉」はどう変化することになるのか、この重要な問題が素通りとされたままの処分は不当である。
 
(3) 旧条例第6条第6号ア該当性
 これは、情報公開とは別の次元の問題である。公務遂行を法規に沿って行っているかどうかの調査を、任意を理由に拒否するとすれば、職員採用時点からの職員教育に問題があり、公開されるから本当のことが言えないということが容認されるならば、職場の規律は存在しないも同然である。もし、疑いがあっても事情聴取に応じないならば、その事実からは職員としての資質の是非が問われなければならない。
 また、本件の場合、書類上の旅費関係資料、行動表(日程表)の客観的資料から違法性は立証できるのであり、現に監査委員は書類審査の段階でこれを指摘していることから、職務遂行上の違法行為を上司や同僚がかばい合う場合や改ざん等がない限り摘発は不可能ではない。
 まして、実施機関自身の公開基準で、処分事由は公開するとされているのであるから、実施機関の弁明は矛盾に満ちたものである。
 さらに、学校での体罰等に職員が係わった行為を公開している他県の例では、氏名を除き公開しても、以後の事務遂行に支障が生じたとの報告はなされていない。
 
(4) 公開の公益性
本件対象事例は、明らかに職務遂行上の契約相手方からの供応接待に当たり、背任行為(汚職)である。職員倫理条例及び職員倫理規則以前に地方公務員法違反事件として処理されるべきである。本件公文書は、この点がどう聴取されたか等の重要な観点が明らかになるものであり、公開することの公益性が優位にあることは間違いない。
 
(5) 開示の方法
本件公文書は全面非開示のため、書類の様式、記載事項、取扱い職員等が全く不明である。開示請求された公文書に索引をつけ、非開示部分については適用される非開示規定と適用理由を付記して提示することが最低限必要である。
 少なくとも本件公文書の作成及び決裁を行った職員の氏名、日時等は非開示情報ではなく、処分を受けた職員の氏名とは別に部分開示は可能である。
 部分開示をしても意味がないなどということは、実施機関側の言うことではない。今までも、全面非開示だった公文書が、答申等を受けて後に開示度が広がった前例があることは、実施機関も知っているはずである。

第5 審査会の判断

(1) 本件公文書
本件公文書は、職員の県外出張における職員倫理条例及び職員倫理規則の違反行為を理由とする懲戒処分を検討するために開催された懲戒委員会に提出された、「県発注工事に係る県外検査での職員の倫理規則違反行為に対する処分について」と題する書面である。
この書面は、所属長からの報告書や本人への事情聴取などを基に担当課によってその案文が作成され、懲戒委員会に諮ることについての決裁を受けた上で、最終的に同委員会に提出されたものであり、上記決裁を受けた回議書は含まれていない。
本件公文書は、「1 被処分者」、「2 事案の概要」、「3 事実関係」、「4 判断」の各項目から構成され、また、参考として、職員倫理条例、職員倫理規則及び懲戒基準について職員に周知した方法を記載した書面が添付されている。
各項目に記載されている情報は次のとおりである。
ア 「1 被処分者」
  被処分者の所属、職名、氏名、生年月日、自宅住所、採用年月日
イ 「2 事案の概要」
 懲戒処分の対象となった事案の概要。平成13年11月30日付けで処分を行った際に記者発表した資料の「2 処分事由の概要」と、ほぼ同様の内容である。
ウ 「3 事実関係」
 被処分者に対する事情聴取等に基づく検査日程、交通手段、検査内容、昼食及び懇親会、旅行経路の変更についての細かな事実認定並びに被処分者の弁明
エ 「4 判断」
 本事案における、中間検査、利害関係、行為の違法性、旅費の清算及び処分の量定についての実施機関の判断。
 
(2) 適用条例
本件公文書は平成13年4月1日以降に作成され、本件請求は平成13年12月3日になされたものであることから、非開示理由の適用に当たっては、旧条例第6条が適用される。
 
(3) 旧条例第6条第2号該当性
 本号は、条例第3条後段の「個人に関する情報が十分に保護されるように最大限の配慮をしなければならない。」との規定を受け、原則公開の情報公開制度の下にあっても、特定の個人を識別することができる情報は、非開示とすることを定めている。
これは、個人のプライバシーを最大限保護するため、プライバシーであるか否か不明確な個人に関する情報も含めて、特定の個人を識別することができると認められる情報は、本号ただし書ア、イ及びウに該当する情報を除き開示してはならないとするものである。
なお、公務員に関しては、職務の遂行に係る情報に含まれる職名及び氏名は、本号ただし書ウに該当し開示されることとなるが、個人のプライバシーの保護に関しては、公務員も個人として保護されるべきプライバシーは有すると解される。
異議申立人は、本件の対象事例は、職員の職務の遂行に直接関わる違法行為であり、私生活上の権利を侵すことはなく全面開示が当然であると主張している。
しかしながら、懲戒処分については、処分を行う任命権者の行為は職務遂行情報であるが、処分を受ける側からすれば、原因となった行為が職務に関係するしないにかかわらず、処分を受けたこと自体は「職務の遂行」ではなく、被処分者個人の資質や名誉にかかわる当該個人固有の情報というべきものである。
したがって、本件公文書中の、処分を受けた者の所属、職名、氏名をはじめ、他の情報と組み合わせることにより処分を受けた者を識別できる情報は、当該被処分者に係る「個人に関する情報」であると認められ、本号本文に該当し、かつ、ただし書のいずれにも該当しない。
 
(4) 旧条例第6条第6号ア該当性
本号は、県又は国等が行う事務事業のうち、開示することにより、実施の目的が失われ、又は公正若しくは円滑な遂行に著しい支障を生ずること等が客観的に明白である情報は、非開示とすることを定めたものである。
実施機関は、懲戒処分を行うための調査においては、強制的権限が与えられていないため、被処分者本人又は関係者からの任意の事情聴取を中心に事実関係や心情を明らかにさせていくことから、公開が前提となると、被処分者本人や関係者への心理的負担を増大させるなど、ありのままの事実が聴取できなくなり、今後の懲戒事案の事実調査及び公正な処分の決定に著しい支障を生ずるとして、本号の該当性を主張している。
しかしながら、被処分者本人への事情聴取が一定の権限を持った組織として行われるものであることを考えた場合には、その聴取が任意であるからといって、公開が前提となるとありのままの事実を聴取できなくなるとの実施機関の主張については、より具体的な支障の説明が必要である。
また、仮に、関係者から事情聴取を行う場合には、公開が前提となると、関係者がありのままの事実を述べにくくなるということは一定考えられなくもないが、本件公文書の中にはそのような関係者からの事情聴取に基づくと思われる記述は見受けられない。
したがって、うえの実施機関の主張は、事情聴取における一般的な支障を述べるにとどまっており、具体的な支障や事情聴取によらなければ事実の調査及び公正な処分に著しい支障を生ずることについての十分な説明がなされていないことから、この主張だけでは本号の該当性を認めることはできない。
 
(5) 公開の公益性
異議申立人は、本件対象事例を、職員倫理条例及び職員倫理規則以前に地方公務員法違反事件として処理されるべきであって、公開することの公益性を主張している。
公益上の理由による開示については、旧条例第6条本文ただし書において、非開示情報であっても、開示しないことにより保護される利益に明らかに優越する公益上の理由があると認められるときに開示することが定められている。
この場合、公益性の判断に当たっては、非開示にすることにより保護される利益の性質及び内容を考慮し、これを不当に侵害することがないようにしなければならず、とりわけ、個人の人格的な利益その他憲法上保障されている権利利益については、慎重に判断することが必要である。
懲戒処分については、実施機関は行政としての一定の説明責任を果たすために自ら公表基準を定めて一定の事項を公表しており、今回の処分についても、処分を受けた職員の所属部局名や処分事由の概要などは明らかにされていることから、すでに公表されている以上の個人情報を開示する公益性は認められない。
 
(6) 開示の方法
ア 異議申立人は、仮に処分を受けた職員の氏名が非開示となる場合においても、少なくとも本件公文書の作成及び決裁を行った職員(管理職)の氏名、日時等は非開示情報ではないとして、旧条例第7条に規定する部分開示を主張している。
 ところが、(1)で述べたように、本件公文書には異議申立人が部分開示を主張するような情報はそもそも記載されていない。
 また、各項目ごとに記載内容を見ると、「2 事案の概要」には平成13年11月30日付け記者発表資料の「2 処分事由の概要」とほぼ同様の内容が記載されていることから、この項目については開示することが可能であると認められる。
 しかしながら、「1 被処分者」の記載内容は、被処分者を直接に識別できる個人情報であり、「3 事実関係」及び「4 判断」においても、被処分者の姓名や職名など本人を直接識別できる情報や、検査日程や検査地など他の旅行命令簿等と組み合わせることにより被処分者を識別できる情報が、その他の情報と容易に分離できない状態で記載されていることから、これらの項目の記載内容については、全部を非開示としてもやむを得ない。
 したがって、本件公文書を開示するとしても、開示できる部分は「2 事案の概要」の記載内容、他の項目名及び参考資料のみとなり、これらの部分を開示しても本件請求の趣旨を満たすことにはならないと判断する。
イ 次に、異議申立人は、本件公文書は全面非開示のため、書類の様式、記載事項、取扱い職員等が全く不明であることから、開示請求された公文書に索引をつけ、非開示部分については適用される非開示規定と適用理由を付記して提示することが最低限必要であると主張している。
 確かに、公文書の特定に際して実施機関と異議申立人との間で打ち合わせが行われたとはいえ、少なくとも公文書非開示決定通知書のうえでは、本件公文書に記載されている情報についての説明がなされていないことから、異議申立人は本件公文書の性質や様式さえも全く知り得ず、公文書の件名だけからその内容を想像せざるを得ない状態に置かれている。
 このことから、実施機関には、今後、たとえ非開示決定を行う場合であっても、対象公文書の性質や記載項目などの情報について、非開示情報を開示することとならない範囲で、可能な限り説明するといった配慮が望まれる。

第6 結論

当審査会は、本件公文書を具体的に検討し、最終的には高知県公文書開示審査会規則第4条第3項の規定による多数決により、冒頭の「1 審査会の結論」のとおり判断した。

第7 審査会の処理経過

当審査会の処理経過は、次のとおり。

年月日 処理内容
平成14年1月22日 ・ 実施機関から諮問を受けた。
平成14年10月7日 ・ 実施機関から決定理由説明書を受理した。
平成14年12月2日 ・ 異議申立人から決定理由説明書に対する意見書を受理した。
平成14年12月12日
(平成14年度第7回第二小委員会)
・ 実施機関の職員及び議申立人の意見陳 述を聴取した。
・ 諮問の審議を行った。
平成15年1月7日
(平成14年度第8回第二小委員会)
・   諮問の審議を行った。
平成15年1月31日
(平成14年度第10回第二小委員会)
・   諮問の審議を行った。
平成15年2月26日
(平成14年度第12回第二小委員会)
・   諮問の審議を行った。
平成15年3月19日
(平成14年度第13回第二小委員会)
・   諮問の審議を行った。
平成15年4月15日
(平成15年度第1回第二小委員会)
・   諮問の審議を行った。
平成15年6月11日
(平成15年度第2回公文書開示審査会)
・   諮問の審議を行った。
平成15年9月29日 ・ 答申を行った。

この記事に関するお問い合わせ

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