高知県公文書開示審査会答申第85号

公開日 2009年02月27日

更新日 2014年03月16日

高知県公文書開示審査会答申第85号

〈概要版へ〉

諮問第85号


第1 審査会の結論

知事が、「前田川流域の浸水状況(受付番号130064、13高用管起000132にて開示)の作成年月日、作成者(部所、または民間企業名、民間企業であれば依頼した部所)が分かるもの」を、不存在とした決定は妥当である。

第2 異議申立ての趣旨

本件異議申立ては、異議申立人が平成13年12月22日付けで高知県情報公開条例(平成2年高知県条例第1号。)に基づき行った「高知県知事に行った公文書開示請求(受付番号130064、13高用管起000132)にて、前田川流域の浸水状況の開示があった。この表の作成年月日、作成者(部所、または民間企業名、作成が民間企業者であれば依頼した部所)が分かるもの。」の開示請求に対し、知事(以下「実施機関」という。)が平成14年1月21日付けで行った「前田川流域の浸水状況(受付番号130064、13高用管起000132にて開示)の作成年月日、作成者(部所、または民間企業名、民間企業であれば依頼した部所)が分かるもの」の不存在決定の取消しを求めるというものである。

第3 実施機関の不存在決定理由等

実施機関が、決定理由説明書及び意見陳述で主張している不存在決定理由等の主な内容は、次のように要約できる。

1 諮問に至った経緯
(1) 平成13年11月5日   開示請求
「平成11年1月28日、高知県知事が建設大臣に事業認定申請(10用第910号)を行った。事業申請書の4.事業の認定を申請する理由及び事業計画書4.事業の施行を必要とする公益上の理由(1)本体事業に、『近年においても、特に当該地域の上流部においては、ごく最近の98年高知豪雨をはじめとして、小規模ながらも同様の被害が相次いでいる』と述べられている。上記理由を記載するため、前田川を責任として(個々の家屋の溝の排水不良を除く)発生した災害のデータ。」(以下「災害のデータ」という。)
(2) 平成13年11月19日  開示決定  「台風17号災害の記録」及び「前田川流域の浸水状況」
(3) 平成13年12月22日  開示請求  「前田川流域の浸水状況の表の作成年月日、作成者が分かるもの」
(4) 平成14年1月21日   不存在決定 (同上)
(5) 平成14年4月5日    異議申立て (平成14年1月21日の不存在決定に対するもの)
(6) 平成14年5月29日   開示決定した「台風17号災害の記録」及び「前田川流域の浸水状況」の表は、誤った公文書の特定により、開示決定されていたものであることが判明
(7) 平成14年6月26日   (1)の開示決定に対する「台風17号災害の記録」及び「前田川流域の浸水状況」の表の開示決定を取り消し、不存在決定
(8) 平成14年8月6日    「前田川流域の浸水状況の表の作成年月日、作成者が分かるもの」についての不存在決定に対する異議申立ての取下げを依頼していたが、了解を得られなかったため、審査会に諮問した
本件異議申立ては、前段に異議申立人が(1)の開示請求を行い、これに対し(2)のとおり開示決定を行った公文書に対して、異議申立人から開示した公文書の内容確認のために、(3)のとおり開示請求がなされたものである。(3)の開示請求に対し、(4)のとおり行った不存在決定について、(5)のとおり異議申立てがなされたものである。
 その後の調査により、異議申立人が行った(1)の開示請求について、(2)で開示決定した公文書は、(6)のとおり、誤った公文書を特定したものであることが判明したため、(2)の開示決定を取り消し、(7)のとおり不存在決定を行っている。
本件異議申立ては、(2)で誤って開示決定された公文書の作成年月日、作成者が分かるものという(3)の開示請求に対して行った、(4)の不存在決定に対するものである。(2)の開示決定は、すでに(7)のとおり取り消し、不存在決定を行っている。このため、(8)のとおり異議申立ての取下げを依頼したが、了解を得られなかったため、審査会に諮問をしたものである。
2 「前田川流域の浸水状況」の表について
  「前田川流域の浸水状況」の表は、平成12年11月17日付けで異議申立人から高知河川事務所長あてに提出された質問状に対して、平成13年5月11日付けの高知河川事務所長からの回答文書に添付されているものである。
  上で述べた質問状に回答するために、当時の高知河川事務所の担当者が、高知市総務課河川防災係から災害データを入手し、河川第二班で「前田川流域の浸水状況」の参考資料としてのたたき台を作成したことは判明している。
  「前田川流域の浸水状況」には作成年月日等を示す記載がなく、また、他に明確に作成年月日、作成者の確定ができる公文書も存在していない。
  当時の職員に確認をしたが、担当者は作成した時期を正確に記憶しておらず、また、開示された「前田川流域の浸水状況」と、担当者がたたき台として作成した「前田川流域の浸水状況」が同一であるかどうか、また、作成者がだれであるかは、時間の経過もあり確認はできなかった。
  以上のことから、1の(4)の不存在決定のとおり、作成年月日、作成者が分かる公文書は存在しないことが明らかとなった。

第4 異議申立人の主張

異議申立人が異議申立書及び意見書で主張している異議申立ての主な内容は、次のように要約できる。
 本件決定を取り消し、開示することを求める。
1 実施機関の決定理由説明書によると、「前田川流域の浸水状況」は、異議申立人が平成12年11月17日付けで高知河川事務所長に出した質問状に対し、平成13年5月11日付けで高知河川事務所長が回答した参考資料であるとしている。よって、作成年月日は平成13年5月11日、作成者は作成日現在の高知河川事務所長であると考える。
2 公文書開示制度は、県行政を説明するためのものである。異議申立人は、本件請求をする前段で、事業認定申請書の「近年においても、特に当該地域の上流部においては、ごく最近の98年高知豪雨をはじめとして、小規模ながらも同様の被害が相次いでいる」の文言を、当時の作成者が、どのようなデータから記載を行ったのかを知るために、災害のデータの開示請求を行っている。その時点で実施機関は、「前田川流域の浸水状況」等を開示決定すべきではなく、「虚偽を事業認定申請理由とし、作文であった」と述べ、不存在決定を行うべきであった。そうすれば、本件開示請求や、その決定に対する異議申立てを行うことにならなかったのである。
 事業認定申請がなされ、争いが発生しているのに、浸水状況の資料を当時は作成していたが、現在はないとは、何ということか。事業認定申請書作成のための資料を保管していなければ、記載事実の信憑性がなく、創作、作文と決めつけられてもやむを得まい。県民に対して納得のいく説明はできるのでしょうか。

第5 審査会の判断

1 本件異議申立てについて
本件異議申立ては、実施機関が、土地収用法第16条の規定に基づき行った事業認定申請書について、第3の1の(1)のとおり異議申立人が行った、「災害のデータ」の開示請求に対し、第3の1の(2)のとおり「前田川流域の浸水状況」の開示決定があったことが前提になっている。
第3の1の(3)の開示請求は、第3の1の(2)で開示された「前田川流域の浸水状況」の作成年月日、作成者(部所、または民間企業名、作成が民間企業者であれば依頼した部所)が分かる公文書の開示請求であり、第3の1の(4)のとおり、第3の1の(3)に対して不存在決定したことに伴い、異議申立てがなされたものである。
2 公文書不存在決定の妥当性について

(1)当審査会は、高知河川事務所会議室において審査を行い、当時の関係者の意見聴取及び書類調査を行った。

異議申立人は、「前田川流域の浸水状況」は、異議申立人が平成12年11月17日付けで高知河川事務所長に出した質問状に対し、平成13年5月11日付けで高知河川事務所長が回答した参考資料であることから、作成年月日は平成13年5月11日、作成者は作成日現在の高知河川事務所長であると主張しているので、以下検討する。
(2)不存在決定通知書及び意見陳述によると、「前田川流域の浸水状況」は、平成12年11月17日付けで異議申立人から高知河川事務所長あてに提出された質問状に対する、平成13年5月11日付けの回答文書の参考資料として作成されたものであり、当時の河川第二班の担当者が「前田川流域の浸水状況」のたたき台として作成したことが判明している。

当時の河川第二班長と担当者の説明では、異議申立人から質問状が提出された時点で、高知市総務課防災係に依頼して、数値の入った資料などを電話や訪問をして収集し、その中の前田川の数値を分かりやすいようにまとめて作成したものが「前田川流域の浸水状況」である。当時の河川第二班の班長以外の班員が手分けをして、質問状に回答するために「前田川流域の浸水状況」の表のたたき台として作成したことが確認できた。
しかし、上で述べた「前田川流域の浸水状況」のたたき台として作成されたものと、異議申立人からの質問状に対する回答文書の参考資料として作成された「前田川流域の浸水状況」が同一であるかどうかの確認はできなかった。このため、「前田川流域の浸水状況」の作成年月日及び作成者は判明しなかった。
 また、「前田川流域の浸水状況」の作成年月日及び作成者が分かる電磁的記録を含む公文書も、発見できなかった。
したがって、実施機関が行った不存在決定は、妥当であると認められる。

第6 結論

当審査会は、本件不存在決定について具体的に検討し、最終的には高知県公文書開示審査会規則第4条第3項の規定による多数決により、冒頭の「1 審査会の結論」のとおり判断した。
 なお、当審査会の岡村会長、稲田委員、溝渕委員及び山下委員は、現在の高知県収用委員会委員又は当該案件に関する事業が実施されていた当時の高知県収用委員会委員であったことから、本件の審査には加わっていない。

第7 審査会の処理経過

当審査会の処理経過は、次のとおり。

年月日 処理内容
平成14年8月6日 ・ 実施機関から諮問を受けた。
平成14年8月30日 ・ 実施機関から決定理由説明書を受理した。
平成14年10月7日 ・ 異議申立人から決定理由説明書に対する意見書を受理した。
平成15年 9月11日 
(平成15年度第4回第三小委員会)
・ 実施機関からの意見陳述及び諮問の審議を行った。
平成15年10月14日 
(平成15年度第5回第三小委員会)
・ 高知河川事務所において関係者の意見聴取及び書類調査を行った。
・ 諮問の審議を行った。
平成15年11月26日 
(平成15年度第7回第三小委員会)
・   諮問の審議を行った。
平成15年12月15日 
(平成15年度第7回公文書開示審査会)
・   諮問の審議を行った。
平成16年2月25日 ・ 答申を行った。

この記事に関するお問い合わせ

高知県 総務部 法務文書課

所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
電話: 法令担当 088-823-9329
法人指導・行政不服審査担当 088-823-9160
訴訟担当 088-823-9619
公文書担当 088-823-9045
情報公開・個人情報担当 088-823-9156
ファックス: 法令、法人指導・行政不服審査、訴訟 088-823-9128
公文書、情報公開・個人情報 088-823-9250
メール: 110201@ken.pref.kochi.lg.jp
Topへ