第1回「対話と実行座談会」(保幼小の円滑な接続の推進について)

公開日 2020年01月20日

平成28年度 第1回「対話と実行座談会」

日時:平成28年10月20日(木曜日)10時55分から12時00分まで
場所:南国市立たちばな幼稚園
出席者:保幼小連携に携わっている方14名     

座談会要旨

1.保幼小連携プログラムについて
2.参加者の取組紹介と意見交換
3.知事まとめ


保育現場視察

開会

(県幼保支援課:溝渕課長)

 この座談会では、保幼小の連携の取組と保幼小の接続の取組の2つにしぼって皆さんの意見をお聞きします。
 最初に保幼小の連携の取組としまして、南国市の保幼小連携プログラムについて、ご説明をお願いします。

1.保幼小連携プログラムについて

(南国市教育委員会 学校教育課:尊田指導主事)

 南国市では保育所・幼稚園と小学校の円滑な接続を目指し、平成26年1月に南国市保幼小連携プログラムを発行し、平成26年4月から南国市全ての保育所・幼稚園と小学校がこの連携プログラムに基づいて連携を図ることになりました。

 その柱となるのが、保幼小連携モデルプランになります。

 この保幼小連携モデルプランの中心となる取組が2つございます。

 一つ目は、教育をつなぐという保幼小接続期のカリキュラムの実施です。小学校側はスタートカリキュラム、保育所・幼稚園側は年長時の後半からアプローチカリキュラムを南国市全体で行っています。

 小学校のスタートカリキュラムは、モデルプランの実施に際し、スタートカリキュラムの冊子を全部の小学校に配り、全ての小学校1年生に対して4月から5月にかけて、全52時間の指導案に基づいて実施していただいております。また、保育所・幼稚園側のアプローチカリキュラムとしましては、基本となるものを南国市保幼小連携プログラムにも載せておりまして、各園・所で実態に応じて作成して実施をしていただいているところです。 

 二つ目は、保育所・幼稚園と小学校の交流活動の充実です。保育所・幼稚園側と小学校側が互いに明確なねらいをもった交流活動をすること。そして、その交流活動を単発的に終わらせるのではなく、継続的な交流をすることを大切にしながら実施していただいております。その他にも、様々な連携の取組内容がこのプランには入っており、それぞれの小学校や保育所・幼稚園が工夫をしながら取組を進めているところです。

 

(知事)

 南国市の皆さんは、非常に進んだ取組をされているので、これから参考にさせていただきたいと思っているところです。

 私は、幼稚園の時に何をやっていたかよく覚えています。いつも遊んでいたな、こういう遊びをしていたなという覚えがありますし、小学校になって振り返った時に、何か授業を受けたのかな、どういう授業を受けていたのかな、あれで良かったのかなと思ったりもしました。

 考えてみれば、それぞれについて非常に深い「めあて」があって、それに従って自主的に、実は先生方に導いていただいていたんだなということに、気が付きました。

 ただ、本当に、幼稚園・保育所と小学校というのは、その授業の様子についても何にしても違う。小学校や中学校に最近よくお伺いさせていただいているんですが、今日、幼稚園に来させていただいたのは初めてで、本当に違いますよね。

 その違うところをどうやってうまく接続するように工夫をされているか。まさにこのアプローチカリキュラムとスタートカリキュラムの中身の工夫ですよね。工夫の中身を具体的に教えていただければと思います。

座談会1

 

2.参加者の取組紹介と意見交換

(国府小学校:畠山校長)

 このスタートカリキュラム、アプローチカリキュラム、それぞれが園・所、学校で実践しておりますが、私は、スタートカリキュラムの作成に関わらせてもらいました。その当時、今から2、3年前でしたが、小1プロブレムという問題が全国的に発生しておりまして、ちょうどその時、東京都で小1プロブレムを経験した学校、先生が半数を超していたという記事が記憶に残っております。

 一番の原因は、園・所と学校の違いです。違いは確かに大きいです。今日、最初の説明の時に、田村園長から「遊び」という言葉が何回かキーワードで出ていました。やはり園・所では遊びですね。中心生活が遊びから学びへ変わって行く時の大きな段差、違いを埋めようとするのが、このスタートカリキュラムでした。

 我々は、違いばかりに目を向けていたのですが、今日の園の活動を見ていましたら、違いだけではなくて重なりの部分、連続性の部分が、ものすごくありました。特に連続性の部分で、うちのグループで一番キーワードになったのが自主自立の部分です。遊びの中で子ども達が、自立性、自主性を身に付けていく部分は、小学校でも非常に大事にしていかなければならないため、連続性、あるいは重なりの部分を上手く授業の中でコーディネートしていって、違いの段差をなだらかなスロープにしていく。これが一つ、スタートカリキュラムとアプローチカリキュラムの大きな意味ではないかと思っております。

 保幼と小学校を細切れに考えるのではなく、連続性をもった教育、そういったものが今日の会の中で、私は一番の大事な意義ではなかったかと思っております。

 改めて今日、園の活動を見ていまして、小学校で学ぶことが本当にあるなと。逆に、小学校の方がここは負けているなと感じました。私の学校だけかもしれませんが、小学校の先生は、とにかく親切なんです。子ども達に本当に指導が多いんです。

 こちらの園の先生のように、なるだけ声かけせずに、子ども達の学びを尊重していく、そういったものが大事であるということを改めて考えさせてもらいました。

 

(知事)

 確かに、ケンカが起こった時、先ほど園長先生にも教えていただきましたが、小学校だったらどうしますか。私達の時は、ケンカしていたら、「ケンカしたらいかん」と怒られましたけど、今はケンカする中でいろいろと学ばせていくことが大事なんですか。

 今、言われた連続性の部分。連続しているなと思われる部分、重なっているなと思われる部分というのは、どういうところか具体的にもうちょっとご教示いただけたら幸いです。自主自立とおっしゃいましたが、そういった部分でしょうか。

 

(国府小学校:畠山校長)

 小学校の先生は、まず声がけをしがちなんです。いろいろな事案が起こった場合、まず、子ども達に考えさせる、その仕掛けを教師がいかに仕向けていくか。考える中で子ども達が何を学ぶか。それが、やはり小学校の一番大事なところではないかと。教師が最初に答えを言ってしまうと、その時、子どもは納得するかもしれませんが、それでは子ども達の育ちはないと思います。

 考えて、悩んで、そして最後、答えを自分なりに学んでいく。それがやはり一番の小学校の大事な学びの中身ではないかと思っておりますので、そういう考える態度、学んでいく態度を自分で培っていくという部分が、連続性の中では大事になってくるのではないかと思います。

 

(知事)

 なるほど。ありがとうございます。

 では、中ノ内先生、お願いいたします。

 

(久礼田小学校:中ノ内教頭)

 本校久礼田小学校での保幼小連携の取組を2つご紹介したいと思います。

 まず、本校は143名の児童で、1年から6年までの担任6名、支援学級の担任2名の計8名と、養護教諭、教頭、校長の11名です。

 この11名で、校舎のすぐ隣の久礼田保育所にご協力いただいて、夏休みに入ってから、校長含めて体験にお伺いしております。半日体験で、その目的というのが「理解をする」というキーワードで、まず入学する新入児の理解です。それから、保育所がどのようなご指導をなさっているか理解をする。そういった理解を目的にご協力いただいて、半日行かせていただいています。決して保育所の日々の流れを邪魔するということではなく、寄り添わせていただいて園児の動き、それから先生の動きを見せていただいて活動するというところです。

 これにあたっては、学校長と所長さんが連絡を取り合って、私達も通常の勤務がありますので、夏休みという長い休み期間になるわけです。私も行った時に、やはり戸惑いもあって、多分右往左往していますが、当然、学級担任さんは粛々と日頃の活動をされています。

 子どもが声をかけてくれて、一緒に虫捕りをしようということになりました。園の中に大きい木があって蝉がいっぱいとまっています。気がついたら私が一番夢中になっていました。空中に飛んでいる蝉をプッと捕るのが昔から得意だったんですが、それを披露しましたら、園児が凄く喜んで、「僕にも捕って、私にも捕って。」ということですぐに仲良くなれました。

 網を使いまして蝉を捕る、そういうところが園児と仲良くなって寄り添うことができまして、あっという間の半日で、収穫がありました。

 すぐ隣ですので、駐車場を通りますと、「教頭先生」って声をかけてくれる園児もいます。本当に短い時間だったのですが、いろいろな理解が深まったと思います。戻って来て、「名前で呼んで声をかけてくれる。」と申している教員もおりました。

 やはり、新入児となる園児を理解するというところでは、受け取る側としては、しっかりした受け皿で、できるところもあるのかなという感触をもっています。ただ、これは距離的なこともありますし、システム的なこともありますので一様にはいかないと思いますが、私達は幸せなことに、保育所のご理解と近さもあり、実現した次第です。

 もう一点は、これからのことですが、小学校のひと教室を開放しまして、新入園児のお子さんに使っていただいて、小学校に慣れていただくという時間も持てたらどうかと。ただ、課題もありまして、どのような内容で過ごしてもらうかというところでも、今後、保育士と学校で相談をしなければいけないと考えております。

 

(知事)

 なるほど。

 やはり、名前を覚えてもらったりするというのは良いのでしょうね。

 

(久礼田小学校:中ノ内教頭)

 大きいですね。私達も名前を覚えますので、具体に誰々ちゃんとか、兄弟、姉妹が小学校におりますから、「妹さんだったよね、弟さんだったよね。」と声がけができるので、園児はすごく良い顔で話を一緒にしてくれます。

 

(知事)

 ひと教室を開放するというのも良いアイディアでしょうね。その中身はこれからですか。

 

(久礼田小学校:中ノ内教頭)

 これから、保育所と相談をして無理のない範囲でやっていければと思っています。

 ちなみに、保育所に行った時に、養護教諭が歯磨きのやり方をちょっと話したり、1年の担任が鉛筆の持ち方を過重負担にならない程度にちょっと伝えたりすると、すごく興味・関心をもって上手に聞いてくれていたという報告がございます。

 

(知事)

 なるほど。ありがとうございました。

 青木先生、お願いします。

 

(久礼田保育所:青木保育士)

 夏休みに先生方が来てくださって、やはり保育所の子どもにとって学校の先生というのはすごく憧れがあって、「あ、学校の先生が来た、来年行くんだから、よく見られたい。」、「頑張っている姿を見てもらいたい。」という気持ちも芽生えてきます。夏休み中だったのでプールを一緒にしたり、蝉捕りをしたり、折り紙を作ったりということも、子どもにとってすごくプラスになったと思います。

 学校に行きたい、小学生になるんだという子どもの期待感がすごく膨らんで、その中で鉛筆の持ち方を教えていただいたり、授業をしていただいたりということで、子どもの目も本当にキラキラ輝いて、普段、私が話している時よりもっと集中して、話を聞いていました。

 すごく刺激にもなったと思いますし、保育所の中には椅子に座って、ひとつの方向に向いてという機会が、まだ4月、5月というのは少なく、私が子どもを集めて話をするというタイプが多くなっています。それを学校の先生に来ていただいて、学校のように椅子を並べて1人の先生の話を聞くという体験をすることだけでも、すごく子どもにとっては、「あ、学校なんだ、こういうふうにするんだね。」ということが身をもってわかって、すごく良かったなと思います。

 その後、食事の後に歯磨きをしているんですが、「保健の先生がこうやって、やってくれたよね。」「10回ずつやるんだね。」とか、子ども同士で覚えていて、それを実行しているのを見るとただ聞いただけでなく、その後も継続していることがすごく良かったなと思っています。是非また来年も続けていっていただければ、保育所としてはありがたいと思います。

 

(知事)

 ちなみに、アプローチカリキュラムを実行されていますか。

 

(久礼田保育所:青木保育士)

 本格的に実行するのは9月からになります。

 

(知事)

 これからスタートしていくのですか。

 

(久礼田保育所:青木保育士)

 9月か10月のスタートになります。

 

(知事)

 そういうことになるんでしょうね。そのアプローチカリキュラムを行っていくにあたって、小学校の先生と8月くらいに1回、顔合わせとかしていただいたりしていると、やはり違ってくるものでしょうか。

(久礼田保育所:青木保育士)

 そうですね。キリンの部屋というのを作っていただいているのは、もう去年から聞いていましたので、早くお伺いしたいんですが、どうしても学校の授業の間に行くのもどうかと思っています。行った部屋でどういうふうな活動をするかなども今後の課題になってきますが、やはり行きやすい、気軽に学校に行きたいという気持ちを子どもに持ってもらうのは、すごくいいんじゃないかと思います。

 この間、運動会がありまして、その運動会のお手紙も1年生のお部屋に持って行った時に、すごく迎え入れてくれたというか喜んでくださったので、そういう細かい小さいことをつなげていくのが大事なことだと思います。また、お店屋さんごっこなどの案内も持っていきたいと思います。

 

(知事)

 ちなみに、小学校と保育所が隣り合っているのですか。

 

(久礼田保育所:青木保育士)

 久礼田小学校の体育館を挟んですぐ隣です。

 

(知事)

 なるほど。その地の利もうまく活かしておられるわけですね。

 

(久礼田保育所:青木保育士)

 そうですね。

 

(知事)

 今、南国の小学校と幼稚園・保育所は隣が多いですか。

 

(南国市教育委員会:竹内教育次長)

 いや、そんなこともないです。遠くはないので、やはり中学校ブロックでいろいろな研究授業を行うなどの連携をするということはやっております。

 

(知事)

 ひとつの単位が中学校ブロックですか。

 

(南国市教育委員会:竹内教育次長)

 4中学校ブロックあります。

 

(知事)

 なるほど。ありがとうございました。

 それでは、高橋先生、お願いします。

 

(奈路小学校:高橋教頭)

 本校の取組の前に、アプローチカリキュラムで、幼稚園・保育所で取り組んでくださっているということがすごく大事なことだと感じています。

 今の時期は多分、本当に遊びに没頭するということを本日の公開の時のように、自分の興味を持ったことなどに没頭する、集中するというところから、カリキュラムにありましたように、友達と協力したり一緒にやっていこう、それから、クラスで、同じ学年で一つのことをやり遂げていこうということでやってくださっていることが、すごく小学校としてはありがたいと感じています。

 実は、自分の子どもが小学生2人で、それぞれ幼稚園と保育園の先生に担任してもらっていまして、幼稚園とか保育所でやられていたことが、「あ、このことだったんだな。」と保護者の時にはなかなかわからなかったことが、今になって、同じ北陵中学校ブロックで勤めていて、よくわかるようになったと思っています。

 そうしたもとで小学校は取り組まなければいけないですが、今、子ども達の様子を見ると、例えば我慢をするとか、嫌なことでも取り組むとか、友達と折り合いをつける、そういったところがなかなか難しいお子さんもいらっしゃいます。

 アプローチカリキュラムの中でも、徐々に自分達で自主的にやっていく、話し合ってどういうことを頑張ろうねということをやってくださっているのも、自分も子どもの姿を通して見てきていますが、自分の子どもを見ても我慢することができないところもあります。そこもまた、それぞれの保育所とか幼稚園でやられていることを、今日、3グループでも話し合ったように、交流する機会があれば、小学校としてもありがたいと思います。

 本校は小規模特認校制度を受けており、いろいろな保育所・幼稚園から入学して来るという状況がございます。これは本校だけではなく、いろいろな学校で、今、保護者の方の就労の状況なども様々ですので、必ずしも地元の保育所・幼稚園に行っていないという子どもさんがたくさんいます。それぞれの保育所・幼稚園では、やはり少しずつ考え方ややり方が違うところもありますので、そうした横のつながりも、また、これは南国市だけではなく、高知市から入学されるお子さんもいますので、これからそうしたところもあったらありがたいと思っています。

 本校は、やはりいろいろな価値観をもっているお子さんが入学して来るということで、主体的な活動の中でスタートカリキュラムでやっているように、自分達が話し合ったりして決めていくことなどの折り合いがつき難いこともあります。

 そうした中で、本校は複式の授業もありますので、1年生・2年生で一緒にスタートカリキュラムを行い、2年生は1年生でやった時の繰り返しにはなりますが、2年生が姿を見せたり、こういう時にはこうやって解決するんだよということを話し合ったりする。そういったことが1年生にとっては重要な機会になっていると思っています。

 大きな学校でも、それぞれ異学年の交流ということでは、先輩にとっては下の子に見せるということで育つ部分もありますし、1年生にとっては先輩の姿を見て、先生が教え込むのではなく、学ぶところがある。そういったところが本校の特色でもありますし、大きな学校でも大事にしているところかなと感じています。

 

(知事)

 小学校1年生が入学して来た時に、先輩方、いろいろお世話をしますよね。確か、掃除に来てくれた覚えが僕もあるんです。多分、小学校1年生の一番の不安な気持ちというのは、子ども達が多分一番わかっていることもあるのかもしれません。

 どれくらいの学年同士で交流するんですか。1年生と6年生ですか。それとも2年生ですか。

 

(奈路小学校:高橋教頭)

 その学校によって違いますが、本校は本当に小規模で、全校児童が26名ですので、一緒にやるというところがございます。

 ある時、保育士から聞いたことがあるんですが、保育所では、年長さんとして下のお子さんの世話をするなど、例えば給食の配膳にしても、お手伝いに年長さんは行っている。ところが、1年生に入ったら、今度はお客様扱いで、6年生が手伝いに来る、これ、おかしいんじゃないでしょうかというお話です。

 やはり育っているところはきちっとそれを伸ばしてあげないといけないし、不安な部分とか、知事がおっしゃられたように何か声がけなどが欲しいところにはするということ。そういったところでも、もっと保育所や幼稚園からのご意見とか、こういうところが育ってきているということを小学校も聞いておかなければいけないと思います。

 

(知事)

 確かに、年長さんで、お兄ちゃん、お姉ちゃんだったのに、お客様扱いにされると、せっかく伸びてきているところは残念というところがあるかもしれません。なるほど、わかりました。ありがとうございました。

 では、窪田先生、お願いします。

 

(白木谷小学校:窪田教諭)

 白木谷小学校に今年、赴任しまして2名の1年生を担任しています。前任校の長岡小学校でも1年生を担任することが多かったので、今日、たちばな幼稚園の保育を見せていただいたのですが、机があって、椅子があって、椅子に座って勉強するという時間が多い学校と幼稚園は大きく違っていると思います。

 子ども達は、すごく楽しみに学校に来てくれます。学校をうんと大好きになってもらいたい。慣れて、いきいきと活動してもらいたいと思っていますが、それがやはり大きな違いなので、急にこの時間で終わりということがないようにすればと思います。

 机があるということと、45分間のチャイムで動かないといけないということが違いだと思うんです。今日ずっと、活動を延々と楽しそうに長くやられていますが、学校はやはりチャイムがありますので、もう次はこの時間だよという時に、「ああ、先生、つまらん。」という言葉があってドキッとすることがあります。それをすごく気をつけてやる時に、尊田先生も言ってくれましたスタートカリキュラムを使って授業をするようにしていますが、これがとても有効だと感じています。

 急にピチっと終わるのではなくて、「遊んだね。次、これを絵に描いてみようかね。」と学級会や生活、図工とか組み合わせて授業を行うようにしています。

 もう一つは、この45分間、なかなか集中が難しい児童もいます。ずっとするんじゃなくて、細切れに45分を構成しています。最初に、教科書で本読みますという時間をとっていて、それから次、字の練習が始まると、例えば「あ」のつくものを集めてみようということで、教室を自由にうろうろしていいという時間を多くとっています。教室中から席を立って集めてきて、それから、また次の段階へ、今度は「良い姿勢で字を書くよ。」というので、席に着いて書くようにというように授業の構成を工夫しています。

 「先生、友達が少ない。」と寂しがったり、「誰もいない」とすごく不安がっていましたが、白木谷小学校の全校児童数は24名で、とっても1年生のお世話をしてくれるので、皆で遊んだり、教えてもらったりして学習をしています。

 

(知事)

 ありがとうございました。

 スタートカリキュラムで、その授業の中で幼稚園・保育所との接続を意識した45分間にしているわけですね。

 

(白木谷小学校:窪田教諭)

 はい、そうです。

 

(知事)

 なるほど。ちょっと立って自由に動いても良い時間をつくったりするんですね。

 

(白木谷小学校:窪田教諭)

 そうです。国語の場面でも視覚的支援で、その場面によって私は絵を黒板に貼っていますが、次はどの場面か取りに行ってみようって、ちょっと立ってうろちょろしながら絵を貼りに行って、場面の構成が理解できるようにしています。

 

(知事)

 スタートカリキュラムの中身というのは、それぞれ、大体ひとつのモデルがあるのですか。

 

(南国市教育委員会 学校教育課:尊田指導主事)

 はい。

 

(知事)

 その中に先ほど先生が言われたようなお話も書き込まれているんですか。

 

(南国市教育委員会 学校教育課:尊田指導主事)

 はい。1時間の詳しい指導案が52時間分入っています。

 

(知事)

 なるほど。さらに先生方のそれぞれの工夫があるのですね。

 ちなみに、スタートカリキュラムというのは52時間相当で、何ヶ月間ですか。

 

(南国市教育委員会 学校教育課:尊田指導主事)

 4月の入学式の次の日から5月の終わりくらいまでですが、教科の学習と並行してやります。1日5時間ある中の2時間はスタートカリキュラムで、あとは国語・算数というふうに、このスタートカリキュラムはいろいろな教科が混じっておりますので、こればかりをやるというものではありません。あとの残りの時間は教科学習をして、段々と5月の終わりになるにしたがって、ほとんど1日が教科の学習になっていきますが、最初はこのスタートカリキュラムの占める割合が1日の中で多くなっております。

 

(知事)

 なるほど。

 4月、5月くらいの2ヶ月間くらいで慣れてきますか。スタートカリキュラムの時間の長さといいますか、期間の長さといいますか、個人差もあるでしょうけど。

 

(南国市教育委員会 学校教育課:尊田指導主事)

 はい。個人差もあります。今年はなかなか難しかったです。

 でも、昨日、ちょうど授業研でして、2名の子どもに対してズラーっと先生が囲んでくれたんです。やはり、本当に集中が難しい子どもで、私もドキドキしたんですが、昨日はずっと45分間、授業に集中できまして、最後のまとめまでノートに書くことができまして、私もすごく嬉しかったり、すごく成長を感じたりしました。

 2ヶ月で急にすっとできるというものではありませんが、やはりこうやって見ていく時に成長しているなと感じることがあります。

 

(知事)

 ありがとうございます。

 ちなみに、2ヶ月にしたのはどうしてですか。

 

(南国市教育委員会 学校教育課:尊田指導主事)

 県外などでは、4月だけとかいろいろございます。

 

(知事)

 むしろ長いということですか。

 

(南国市教育委員会 学校教育課:尊田指導主事)

 はい。教育センターで3年前に研究がありまして、その時に作ったものを活用しておりますので、高知県ではこの4、5月で52時間くらいでいこうということで、それをたたき台にして作っております。

 

(知事)

 なるほど。確かに理にかなっているんでしょうね。五月病などと言ったりしますものね。4月、5月をクリアできれば良いということですね。勉強になります。ありがとうございます。

 では、長野先生、お願いします。

 

(北陵中学校:長野教頭)

 小中の連携につきましては、ここに集まっている岡豊小学校・国府小学校・久礼田小学校・奈路小学校・白木谷小学校と5つの小学校から来ているんですが、それぞれ規模が違いますので、今、話があったように、複式の学校であったり、40人くらいの生徒が来たりします。慣れるために4月には宿泊の研修があります。2泊3日で野市青少年センターで行うのですが、中学校の学習とか生活について宿泊を通して勉強します。それがまず中学校に入ってからなのですが、その前にまず12月に1日体験をしてもらいます。そのあと、1月に本校の先生方が小学校へ授業をしに行きます。

 

(知事)

 ちなみに、小学校6年生の12月ですね。

 

(北陵中学校:長野教頭)

 はい。6年生の12月です。それから6年生の1月。今度は中学校の方から先生方が出前授業に行きます。各小学校に行って1時間くらいの授業をします。そういった形で中学校の授業や生活に慣れてもらう、知ってもらうということを行なっています。

 本校の生徒は、学力も厳しいんですけども、小学校で仲間作りができているため、すごく男女の仲が良く、友達同士の仲もすごくいい。全く問題がないわけでないのですが、そういうところが本校の特徴だと思います。

 

(知事)

 ありがとうございます。

 どのような出前授業をするのですか。

 

(北陵中学校:長野教頭)

 小学校側に「どんな授業が必要ですか。」というところから聞くのですが、こちらから、「こういう先生が、こういう教科がありますからどうですか。」ということを示して、この時間帯はこの先生が空いているということで、何人かの教科の先生をお知らせして、その中から選んでいただくということが多いです。

 

(知事)

 小学生にとってみれば、やや背伸びした感じの授業をあえてしてみる、そんな感じなのですか。

 

(北陵中学校:長野教頭)

 そうですね。

 

(知事)

 xとかyとか。

 

(北陵中学校:長野教頭)

 そういうのもあるかもしれません。

 

(知事)

 なるほど。

 それから、宿泊をして仲良しになるようにと、そういうプログラムをあえて組んでおられるということなんですね。中1のわりと早い段階ですか。

 

(北陵中学校:長野教頭)

 はい。これは、すぐ4月に行うようにしています。これは多分、南国市内全ての中学校で行うようにしています。

 

(知事)

 青少年センターでやるのですか。

 小学校から中学校になると、そもそも先生が授業ごとに替わったりして、多分、子どもにとってはちょっと先生との距離が遠くなるような感じが出てくると思うのですが、そのあたりを寂しがったりするものでしょうか。

 確かに小学校の時というのは、先生が一緒に幼稚園・保育所もそうでしょうけど、一緒にアサガオの種をまいたり一緒に観察してくれたりします。先生は、ずっと一緒という感じがありますが、中学校になってくると、もう一段大人の関係になってきますね。やはり、そういう中で、子ども同士の人間関係づくりとかすごく、気を遣われるんでしょう。

 わかりました。ありがとうございます。

 それでは、坂本先生。お願いします。

 

(北陵中学校:坂本教諭)

 私からは、幼小中連携の学力向上推進研究会のことについて簡単に報告させていただきます。

 北陵中学校区は、小学校5校と北陵中学校と希望が丘分校、そして、たちばな幼稚園とで組織する幼小中連携学力向上推進研究会が定期的に開かれています。代表者会も定期的に行われていて情報交換をしているということです。

 年に1回合同研修会がありまして、そこでは、全体で研修、講演を聞くことや、それぞれの部会に分かれて、国語・社会・数学・理科・英語・保健体育と、基本的生活習慣部会というのがあり、それぞれ話し合いを持ちます。たちばな幼稚園さんは、基本的生活習慣部会に所属して参加していただいて、大体、中学校などは日頃、幼稚園教育などには触れる機会は少ないんですが、その会の時にたちばな幼稚園から幼稚園の現状であるとか、子ども達の現状であるとか、成果と課題などを報告してもらって、それをもとにして中学校でも基本的生活習慣の見直しであるとか、生徒個々の育ちの足元といったことを見つめ直す機会にしているところです。

 やはり学力というのは、基本的生活習慣がしっかり定着してのものだと、本当につくづく感じることです。また今後も、そういう交流を密にさせてもらって、学校でも基本的生活習慣の定着を図っていきたいと思っています。

 今日も勉強させてもらって本当に良かったです。

 

(知事)

 ありがとうございました。基本的生活習慣の定着があってこその学力、本当にそう思います。

 基本的生活習慣が定着しているかどうかというのは、やはり幼稚園の指導法を見ていると、中学校の教育に、指導方法にも活かしていけるということですか。

 

(北陵中学校:坂本教諭)

 はい。やはり、基本的生活習慣というのは、自然に身に付くものではないと思います。周囲が型にはめるとかリズムに乗せるとかというのもあるかも知れませんが、自分の生活を律する力が根底で育ってないと、なかなか基本的生活習慣は、「持続的にいくつになっても統制できる力」というのは、身につかないと思います。そういうところを今日、たちばな幼稚園を参観させていただきまして、自分達の中から自主性とか自立性とかを作り出していくところを、やはり、うまく連携する必要があると思います。小学校でも中学校でも、環境が違うし、年頃も変わってくる、難しい年頃になってくるので、方法とか支援の仕方は変わってくると思うのですが、やはり自治力というか自主的な力を上手く育てるということを学校でも研究していかないといけないと、つくづく思います。

 そういう力が自分の基本的生活習慣を統制するとか、ひいては学力をつけていくというところにつながっていくんだと思うのですが、本校は学力が非常に厳しい状況なので、頑張っていきたいと思います。

 

(知事)

 確かに、自らを律する力とか、そういうものの基本の基本をまさに学んでいるのが、この幼稚園・保育所の時代ということになるんでしょうね。

 自由にずっとケンカさせていて、いつまでもケンカし続けると、やはりいけないなと。「折り合いもつけなければならないものなのだな。」ということを、段々と子どもが学んでいくというのは確かにそうでしょうね。逆に言うと、幼稚園の先生方が中学校に行って、いろいろ子どもの生活指導についてアドバイスされるとか、そういう機会はありますか。

 

(たちばな幼稚園:田村園長)

 特にアドバイスという偉そうな感じではないんですが、先ほど言っていただいた北陵ブロックの学力向上推進委員会のプロジェクトにかかわらせてもらっていますので、その中で園の実情とか、園が子ども達の課題や実態に応じて取り組んでいることをお話しする中で、まさに中学校でも共通するものがあるという話を聞いたりしています。

 やはり、その話を聞くと、私共の園を卒園した子ども達もお世話になっていますので、短期間で身に付くものではなくて、ずっとやり続けていかなくてはいけないものもあるし、そういう課題を聞いたうえで、幼児期でここを頑張っておかなければいけないということとか、幼稚園の中だけではなくて、保護者にも啓発をしていって、幼児期にこういうことをきちんと身につけておくことが大事だというような話を中学校の実態を踏まえて話すと、保護者も先の見通しを持つことにもなります。中学校に行かせていただく機会に、そういう話が小学校・中学校の先生とできて、今ここで大事にしていなくてはいけないことは何かということと、大事にしていることを小学校、中学校とさらに続けていってもらうことが、また大事ということがわかってきますね。

 先ほどの自立とか自発、少し、知事も触れていただいたイザコザや、ケンカの場面もまさにそれで、今日も3歳児が怪獣、ゴジラとかを倒す中で、これは僕のゴジラだと言い張って聞かない。私だってしたい、僕だってしたいと言う。そこで、先生が一緒にこうしたらいいよじゃなくて、「困ったね、〇〇君もしたいよね、そうやってやられて痛かったよね、困ったね。」と、一緒に困ったねと言いながら、じゃあ、先生が困ったって言ってるから皆が困っているのかなって、先生に抱きつきながら、ちょっとお友だちの顔色を見て、「あ、本当だ、困ってる。」とか、「僕がしたかったら誰々ちゃんもしたいんだね。」ということに気付くようになります。その時間にすぐにはいかなくて、そういうことを何回か繰り返していく中で、高橋教頭先生がおっしゃったような折り合いをつけるとか、ちょっと我慢してみるとかいうことができるようになります。そして、我慢して一緒に友達とやったら、ああ楽しかったとか、何かそういう経験をまさに大事にしながらやっていくんですよね。

 でも、3歳児とかも仲良しができたら、絶対この仲良しを誰にも邪魔されたくないというところがあるので、皆と仲良くしなさいじゃなくて、仲良しが見つかってよかったねという気持ちを大事にしながら、いろいろな機会をとらえて、気付いたり、折り合いをつけたり、我慢したり、譲ったり、譲ってもらったりして、また嬉しかったという経験を積み重ねていきます。そこから仲間関係をつくっていったり、自分を律するとか、意欲的、主体的というところがしっかり小学校、中学校の学びにつながっていくんだと思います。

 北陵の小学校・中学校の先生といろいろな話をさせていただいたり、白木谷小学校・奈路小学校とはフレンドリープランといって、子ども達の交流も年に何回かずっと続けていますので、そういうところでは、すごく互いの教育の違いの理解というところも深めていけるんじゃないかと感じています。

 

(知事)

 坂本先生も田村先生もありがとうございました。

 確かに保幼小にとどまらず保幼小中にするというのもいい機会ですね。なるほど、これは素晴らしい。

 ありがとうございました。大変参考になりました。

 佐竹先生、お願いします。

 

(岡豊保育園:佐竹保育士)

 今日は参観をさせていただきありがとうございました。

 いろいろと話があった中で共感はすごくあります。

 私は保育園の保育士として勤務していますが、やはりここは幼稚園ということで、幼稚園と保育園の取組の違いとか、子どもの姿が違っている場面もたくさん見られたので、それを受け入れる学校側というのも、そこは戸惑いもあったり、ちょっと大変さも感じたりするのかなというのを感じたことでした。

 やはり、そういうことを埋めていくためには、なめらかな接続ということで、いろいろと工夫しながら保育園と小学校の交流の場を大切にしてもらいます。隣に岡豊小学校があり、1日体験入学をはじめ、小学校の1年生が保育園に出向いてくれて劇を見せてくれたり、楽器演奏をしてくれたりして、年に3回、小学校との交流を行っています。また、次は学校に行って、年長児が小学校1年生の教室で手作りおもちゃの交流をしたりしています。そうした交流を通して子ども達も、「あ、次はこんな1年生になれるんだ。」と期待いっぱいにすごく楽しみな気持ちも膨らんで、いい交流になっています。

 また、アプローチカリキュラムも作成して、気になる子どもさんについて、就学前と就学直後の2回の情報交換の場も設けてもらっていますが、学校に行ってからの子どもの心の弱さとか、気持ちの揺れとかというのも感じたりすることがあり、もう少し保育側と小学校側と密に、隣だからこそ気軽に情報交換できる場もすごく大事にしていけたらと思います。

 そして、2年ほど前は、学校側の先生達も夏休みを利用して、子ども達の様子も見てくれて、年長児のクラスに入って体験もし、子どもの姿や保育士がどのようなことを大事にしているかというのを汲み取ってくださる機会もありました。この2年間、ちょっと遠のいていまして、先ほど、久礼田小学校の教頭先生もおっしゃったように、そういう場はとても大事だなというのは感じます。

 また、私達も学校の授業はどのようにしているのか、学校の先生がどんな思いがあって、どういう授業展開をしているか、子どもはどういうふうに育ってもらいたいかというのを直に感じ、見る、そういう保育士側が学校に出向いて、どういうふうな姿を大事にしながら小学校につなげていくかというところも、これから大事にしていけたらなと。学校側と密に情報共有、交換できるような場をたくさん設けていけたらなと、書面だけでなく、そういった交流が大事かなと思いました。

(知事)

 ありがとうございました。

 やはり、幼稚園と保育所、いろいろ違いがありますよね。

 佐竹先生、ありがとうございました。

 保幼小の連携、小学校との接続というのを考えた時に、やはり保育所独特のご苦労ということってあるんでしょうか。もし、そういうところがあったら教えていただければなと思います。

 長野先生、お願いします。

 

 

(国府保育所:長野所長)

 やはり保育所は遊び中心で、まるごと遊びの中でこういう力を付けていくとか、小学校に向けて、こんな遊びがこんな力になるとか、幼稚園は、目指すところは一緒と思いますが、園によっても、幼稚園・保育所によってもまた違ってくると思います。

 小学校の連携で工夫しているところは、行事を見てもらったり、保幼小の連携の会はもちろんですが、夏休み前に小学校に行って1年生とプール交流もしています。それから、去年は1年生の担任の先生に夏休みに保育所に来てもらって保育1日体験をしてもらって、子どもが昼寝をしている時に、5歳の担任と1年生の担任が、こんなところを気を付けて保育をしているとか情報交流の場を持てたことがすごく良かったと思います。また是非、継続してもらったら良いと思います。

 そして、就学児健診までに小学校に行って、1年生と交流ゲームなど、交流をしています。子どもは、学校はどんなところだろうって不安になると思いますので、交流をして、学校に慣れていくこともすごく大事になってくると思います。1年生も顔見知りの子どもが来たら、「あ、来た、〇〇君。」と手を振ってくれて、年長の子も安心して入学を迎えていると思います。

 また、普段、気になったことや聞きたいことは、校長先生に電話をして、こんなところはどう?と情報交換、情報共有をしています。

 

(知事)

 なるほど。ホットラインがあるということですね。

 

(国府保育所:長野所長)

 はい。また、支援が必要な子どもさんについて支援シートを入学前に送るのですが、子どもがパニックになる時は、こんな手立てが有効だったということなども具体的に書いて送るようにしています。事前に小学校と話し合いができて支援シートを書くことができたら、すごく良いと思いますが、まだそこまでは至っていません。

 

(知事)

 ありがとうございました。

 交流ゲームというのは、例えばどういうゲームをやりますか。

 

(国府保育所:長野所長)

 自己紹介したり、学校探検、スタンプラリーみたいな感じで学校めぐりを行ったり、年によって若干中身が変わってきますが、1年生に企画してもらいます。

 

(知事)

 その支援シート、実際に書かれているものを実際に見てもらったりすると全然違ってくるでしょうね。支援シートというのはスタートしたんですけど、もう一段、そこでそういうものを先に見ていただいて交流していただくか、その逆かもしれませんが、支援シートプラス実際の交流というのがあると、すごく充実するでしょうね。

 ありがとうございました。

 最後に、津村先生。お願いします。

 

(たちばな幼稚園:津村教諭)

 今日はありがとうございました。一番勉強させてもらっています。

 先ほどからアプローチカリキュラムとかスタートカリキュラムの話を聞かせてもらいながら、始まったばかりなんですが、時間を意識できるように、「皆で誕生日会のプレゼントを作るから、4になったら片付けようね」と時計を出してみたりしています。まだ、時計を見る子どももいれば、言わないとなかなか気付かない子もいます。でも、小学校に上がる頃には、自分で見通しをもって生活できるようになってほしいなという願いを持ちながらやっています。

 45分間座るのも、とても長いとは思うんですが、年が明けて段々入学が近づいてくると、少し長い絵本を読んでみるなど、楽しく座れるようなことを考えながらやっていこうと思っています。

 アプローチカリキュラムで、私がすごく取り組みやすく思っているのが、先ほどから出ている学力向上で中学校の先生に会うなど、フレンドリープランで、白木谷小学校や奈路小学校の先生との雑談が一番です。いろいろな資料で検討するのも勉強になるんですけど、「いやいや、掃除の仕方は一休さん拭きじゃなくて、こう、横で拭いてるよ。」などと聞いて、そんなことをお部屋に帰ったら、「小学生拭きっていうんだって。」とか「こんな拭き方もやってみよう。」とか。

 

(知事)

一休さん拭きですか。

 

(たちばな幼稚園:津村教諭)

 一休さん拭きはバランスが大事で、幼稚園は一休さん拭きで拭いていたのですが、広い所は、一休さん拭きにして、狭い所は小学生のようにカクカク拭きでやってみようとか、鉛筆の持ち方は、なかなか難しいけど、「三角鉛筆を出したら比較的持ちやすくなりますよ。」などと言ってもらったら、早速出してみようかなとか、教えるのではない生活の中で、ちょっと小学校生活を感じることが具体的にできるので、少し小学校のやり方や物を取り入れながら、アプローチカリキュラムに組み込んでいくというのを、毎年除けたり足したりしながらやっているところです。

 

(知事)

 ありがとうございました。

 その有意義な雑談はどういう場でしていますか。

 

(たちばな幼稚園:津村教諭)

 夏休みなどに、テーマをもって研修するんですが、その後に、今年の計画の話し合いや情報交流の場ももっていただいたりとかしているので、その時に行っています。

 

(知事)

 一言でいうと、よく交流していく中で、いろいろな知恵が生まれていくということですね。ありがとうございました。

 田村先生、追加でありますか。

 

(たちばな幼稚園:田村園長)

 たちばな幼稚園は多い時には、小学校10校ぐらいに分かれて行くんです。南国市全域に分かれていますが、一番近い小学校は久礼田小学校でなかなか隣接している保育所と小学校のような関わりはできません。

 でも、その中で、私が校長会に参加させてもらったり、所属長会といって学期に1回、保育所・幼稚園・小学校・中学校の所属長が一同に会する会の中で情報交換をしたり、そういう連携もいいのではないかと思います。

 北陵中の学力向上の会に行くのが始まった時に、私どもの職員は小学校や中学校の先生に対する敷居が高くて、「園長、私達が学力向上の会に行く、何か意味とかメリットはあるんでしょうか。」というような素直な意見もあったのですが、行き続けようという話をしていく中で、互いの顔が見える連携というのがとても収穫だったと思います。

 先ほど、雑談と言いましたけど、親しくなったのでいろいろな話がその会合の中だけの、今日はこういうテーマでこんな話をしましょう、こういう学習をしましょうということ以外にも、「先生、こういうことがあってね。」とか、「それからね、こんなふうにしたらいいんじゃないでしょうかね。」という話が、すごく有意義な話だと思います。

 そういう互いの顔が見える連携ができだしているというところが、すごく有意義なことだと思っています。是非続けていって、お互いが話をしやすいようになって、すぐに電話をしたり、すぐに出かけて行って声をかけたり、そこがまさに本当に連携の第一歩であるし、互いの教育観や保育観を理解しながら、お互いの良さも理解しながらやっていくということがすごく大事なことじゃないかと思います。

 南国市の子どもをこうやって育てようという気持ちでつくったものが、このプログラムだと思いますので、そこに向けて皆で頑張って行きたいと今日改めて思いました。

座談会2

(知事)

 津村先生も田村先生もありがとうございました。

 本当に保幼小の連携が進むように良い仕掛けをされているんですね。これからの我々の取組にも活かさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。

 

3.知事まとめ

(知事)

 皆さん、大変有意義なお話を聞かせていただいてありがとうございました。保幼小の連携、もっと言うと保幼小中の連携を今後さらに進めていくために、私共として、もう一段上のプログラム化といいますか、そういうことをしていかなければならないと思っているところです。やはり、キーワードとして、先ほど田村先生も言われましたが、できる限り良き交流が図られるような仕掛けをいろいろなところに組み込んでいくことが大事であると、つくづく感じたところです。

 今日、南国市の皆様、課長さんもおいでいただいていますが、大変進んだ取組を勉強させていただき、お知恵をいただいた思いでございます。そのお知恵を我々の政策にさらに活かさせていただきたいと考えております。

 今日は大変ご多忙の中、ありがとうございました。授業もある中で大変ご面倒をおかけしたと思いますが、大変勉強になりました。ありがとうございました。

 たちばな幼稚園の皆様には特にお世話になりました。ありがとうございました。

 

閉会

 

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