「念願のオール高知県産ワインの生産へ~井上ワイナリーの挑戦~」

公開日 2021年03月28日

 

令和2年度 地域の皆さんの活動(地域支援企画員からの報告)

香南市の取り組み(物部川ブロック)

1.高知でブドウを育てよう!

 井上ワイナリーのワイン事業は、平成26年、親会社である井上石灰工業株式会社の育種部門によるワイン用ブドウの栽培からスタートしました。
 雨が多い高知県の気候はブドウ栽培にとって恵まれた条件ではありませんが、雨よけ棚栽培を導入し、豊富な日照量や温暖な気候等、高知の豊かな風土を活かしたブドウ栽培を両立しています。
 そうして県内各地で栽培されたブドウは、現在は収穫後島根県と山梨県の醸造施設に運ばれ、醸造→瓶詰の工程を経てワインになり、井上ワイナリーブランドのワイン(TOSA山北、TOSA手結、TOSA稲生など、ブドウ畑のある地域の名前がつけられています)として販売されています。

ブドウ畑

 

2.どこで手に入るの?

 井上ワイナリーのワインは現在、会員制販売及び南国市と香南市のふるさと納税で返礼品として取り扱われているほか、県内外の土佐料理店・旅館・ホテルや高知県のアンテナショップ「まるごと高知」などで販売していますが、県外の酒卸業や小売店、県出身者が経営する飲食店や旅館・ホテルからの引合いが増えており、その需要に応えるためにブドウ畑の拡大を進めてきました。その結果、6,000リットル(醸造免許の取得に必要なワイン醸造量)分のブドウ(約10トン)が確保できる目途がたち、令和2年4月に念願の自社醸造施設の建設に着手しました。
 建物は令和3年2月に完成し、令和4年5月にグランドオープンを予定しています。

醸造施設スケッチ

 

3.念願のオール高知県産ワインの生産へ!

 自社の醸造施設が完成することにより、唯一外部委託していた醸造工程も内製化し、ブドウの栽培から醸造、販売と、すべての工程が高知県内で完結する体制が整います。オール高知県産ワインの誕生です。
 また、南国市と香南市に展開している自社の畑だけでなく、梼原町、佐川町、香美市で耕作放棄地をブドウの圃場として活用し、収穫したブドウを自社醸造施設で醸造する計画を進めています。
 今後も様々な市町村の耕作放棄地にブドウ畑を展開し、県内各地の風土を活かした地域性のあるワインを醸造し、県内外へ発信していくことを目指しています。
 その他にも、
 ◆高知の特徴ある食材や地域食材を使ったグロサリー商品の開発
 ◆ワイナリー見学と周辺観光施設等をパックにした旅行商品の開発
 ◆ブドウの栽培・収穫体験等の農業体験型ワイン会やイベントの企画
 などなど、たくさんの計画を進めているところです!

 

4.井上ワイナリーが目指すところ

 井上ワイナリーでは、こうした様々な取り組みを通じて、県内各地で特産のワインが楽しめる環境を作り出し、「土佐ワインバレー」とも呼べる県内産ワインを楽しむ文化を醸成しながら、観光誘客や遊休地の活用にもつなげていこうとしています。
 県内各地でご当地ワインが楽しめるようになり、「高知と言えばワイン!」と呼ばれる日もそう遠くないかもしれません。

ワインイメージ

 

5.地域支援企画員としての関わり

 この高知県産ワインの生産拡大及びブランド化の推進の取り組みは、物部川地域アクションプランに位置付けられており、香南市や香南市商工会と連携し、課題解決に向けた支援を行っています。
 平成30年度は、醸造施設建設に向けた市場調査や醸造技能習得のための研修の実施とプロモーションビデオの作成について、産業振興推進総合支援事業費補助金(ステップアップ事業)や産業振興アドバイザー事業活用の際のサポートを、令和2年度は醸造施設建設への産業振興推進総合支援事業費補助金(一般事業)活用の際のサポートを行いました。

 「ワイナリー事業を通じて雇用創出、地域おこし、観光振興に貢献していきたい」という井上ワイナリーの取り組みを、今後も引き続き支援していきたいと思います。

 

【この記事に関するお問い合わせ】
 香南市地域支援企画員 電話:0887-57-3260

 

この記事に関するお問い合わせ

高知県 産業振興推進部 産業政策課

所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
電話: 企画調整担当 088-823-9333
成長戦略担当 088-823-9049
地域産業担当 088-823-9334
ファックス: 088-823-9255
メール: 120801@ken.pref.kochi.lg.jp
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