高知県商業振興ビジョン・フォローアップ2002

公開日 2002年04月27日

はじめに

1 背景・趣旨

 近時の本県の商業環境は、郊外型大規模小売店舗の展開、通信販売やITの活用によるインターネット販売の普及、交通インフラの整備に伴うより広域的な流通環境への変化、県民(消費者)の商品に対する意識や考え方の多様化等に伴い、大きく変化してきています。
 また、過疎化の進行や人口の高齢化も大きな影響を与えており、県民の消費動向は、これまでの商店街中心からより多様性に富んだものとなってきています。こうした状況下における、消費動向を把握するため、平成12年度には「県民消費動向調査」を実施しました。
 このたび、この調査結果と商業環境を取り巻く状況変化を踏まえ、高知県商業振興ビジョンである「高知県商業パワーアッププラン21」(以下「プラン21」という。)のフォローアップを行うものです。

2 位置づけ及び手法

 現行プラン21は、平成8年3月に策定されたもので、本県の商業振興の基本的な理念、方向性を指針として示しています。策定後6年を経過し、21世紀を迎えた現時点でも指針の基本的な理念、方向性は大きく変わってはいないものの、この間、国においては、「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律」(以下「中心市街地活性化法」という。)の制定、中小小売業の保護を目的とする大規模小売店舗法から周辺地域の生活環境の保持を目的とする大規模小売店舗立地法への法律改正があり、又、県においては、中山間地域等商業振興総合支援事業の創設等にみられるように、地域の実情に応じた新たな商業振興策が図られています。今回のフォローアップ作業においては、こうしたプラン21策定後の本県商業環境の変化を踏まえるとともに、策定後に実施した施策等を盛り込むことで、項目内容の追加と修正を行い、今後の指針とするものです。

3 目標年次

 2002年度を初年度とし2006年度までの5年間を、このフォローアップの設定期間とします。
 また、今後社会経済状況等の変化に応じ、適宜見直しをすることとします。

基本コンセプト

地域の特性に応じた商業機能づくり

近時の県下の商業を取り巻く環境は、

  • 過疎、高齢化の進行、交通インフラの整備とそれに伴う地域間の格差の拡大
  • 小売業における大規模小売店舗の展開
  • 情報化の進展

 など、日々変化の波がおしよせています。そうしたなかで従来のように、単に「商店街の振興」という視点だけでは今日の商業振興を図ることは困難となってきています。
 県下各地域、各商店街にはそれぞれの置かれた状況、環境、歴史、文化の違いなどがあり、おのずとその振興施策の方向性も異なったものになるとともに、「県民消費動向調査」(平成13年1月)結果に見られるようにその商圏構造や消費者の消費動向にも変化が見られます。まさに商業機能の充実を図るうえで、各地域の特性・実情に応じた展開が求められています。
 平成11年4月からは、財団法人高知県産業振興センターが本県の産業振興における中核的支援機関である中小企業支援センターとして機能しており、積極的な活用も期待されています。
 また、市町村合併の進展や、地域経済活動の広域化などに対応するため、既存商工団体の機能の強化と合併等による広域化が必要となっています。

 これらを踏まえ、このたびのフォローアップに当たっては、基本コンセプトを、「地域の特性に応じた商業機能づくり」とし、方向として下記の施策に取り組んでいきます。

 ○街づくりの視点と生活者の利便性向上の視点に立った商業振興

 ○情報化の推進による商業振興

 ○中小卸売業の体質強化による商業振興

 ○商工団体の機能アップによる商業振興

 ○中小企業支援センターを活用した商業振興


施策展開の方向

街づくりの視点と生活者の利便性向上の視点に立った商業振興

(1) 現状と課題


 近年の車中心のライフスタイルの定着や交通インフラの整備などに伴い、生活者の行動範囲が拡大し、広域的な視点に立った商業地づくりが必要となってきています。このようななか、かつて市町村の中心であった商店街が、量販店の出店の影響や駐車場不足等の商業環境整備の遅れ等によって衰退しつつあり、商店街のあり方やその振興策が問い直されていると言えます。また、都市部においては郊外型大規模小売店舗の進出等に伴い、街づくりの視点も含め中心市街地商店街をどのように維持・活性化していくのかが課題となっています。

 平成10年7月に中心市街地活性化法が施行されたことにより、「市街地の整備改善」と「商業等の活性化」を総合的・一体的に推進する「まちづくり」の視点に立った商店街の整備が図られるようになりました。まちづくりにおいては、地域住民のコンセンサスを得ながら進めることが大切な要素であり、全国の先進事例や成功事例等も参考にしながら、県内事情に適合した施策を推進していく必要があります。また、中心市街地商店街においては、郊外型大規模小売店舗の進出の影響が大きいことから、商店街の商業環境の改善や大型店との「差別化」による商業振興が求められていると言えます。

 高知県の大多数を占める中山間地域等においては、過疎化や高齢化の進行と共に、商業に従事する後継者難という問題があり、商業機能の維持すら困難な情勢となりつつあります。さらに、移動手段の中心が車になっている世帯は多少遠方であっても価格や品揃えで優位に立っている近隣の量販店を利用するなど、地元商店街の衰退をさほど不便にも感じていない傾向が見られますが、有効な移動手段を持たない高齢者等にとっては、日常生活の利便性にも支障をきたす事態も見受けられるようになりつつあります。

 県においては、中山間地域等の商店街の振興と商業機能の維持を図ることを目的に平成11年度から中山間地域等商業振興総合支援事業を新たに創設し、地域の実情に応じた効果的な施策を積極的に推進しているところですが、即効性と有効性に優れた具体的な取り組みは見い出せていない状況にあります。

 商業機能の維持に関しては、過疎化や後継者不足など、商業分野を越えた地域的な課題の影響も大きいことから、地元市町村や関係商業団体等の協力も得ながら商業者の意欲を喚起する仕組みづくりも検討していく必要があります。

 これら多くの課題がありながらも、商業振興は、最終的には商業者自らの「熱意とやる気」にかかっていると言えます。平成12年度に行った消費者アンケートにおいても、閉店時間や品揃え、接客サービスの改善等を求める消費者の声も多いことから、商業者自らによる積極的な取り組みを期待し、県としてもやる気のある商業者・商店街を積極的に支援していきます。

(2) 地域の分類


こうした現状と課題に対し、県下の地域を以下の二つに分類し、地域の特性に応じた商業機能づくりをめざしていきます。

1)中心市街地

中心市街地活性化法に基づく総合対策事業による商店街の振興を図ることにより商業の活性化をめざす地域
(中心市街地活性化法に基づくTMO構想策定市町村)

2)中山間地域等

中山間地域等商業振興総合支援事業により、地域商業の活性化や商業機能の維持をめざす地域

ア)商店街の振興を中心にした対策が必要な地域
(販売力係数おおむね0.6以上の市町村)

イ)商店街の振興に加え商業機能の維持の視点からも対策が必要な地域
(販売力係数おおむね0.6未満の市町村)

(3) 施策の方向

1)中心市街地
郊外型大規模小売店舗と中心市街地等との回遊性の確保
 シャトルバスの運行等により消費者の回遊性を高め、郊外大型店と中心市街地の共存を図りながら消費者の利便性の向上をめざします。
駐車場及び街路、ファニチャー類等の整備
 中心市街地活性化基本計画やTMO構想に基づく市街地再開発にあわせて駐車場を整備し、来街者の利便性を向上させるとともに、街路灯等の整備による良好な空間と景観を創出することにより、来街者にとって明るく楽しいまちづくりを進めます。
空き店舗対策・テナントミックス事業等による商店街の集約化の推進
 空き店舗を活用し、商店街に不足する業種・業態を整備することによって商店街の販売機能を集約し、消費者の利便性の向上をめざします。
地場産品等のアンテナショップ・直販店の誘致
 空き店舗の活用の一環として各市町村の地場産品の広告宣伝や試験販売を行うとともに、直販店を開設して「まち」と「いなか」の交流と活性化をめざします。
郊外型大規模小売店舗との差別化の創出
 商店街の利便性を向上させるとともに、地域住民が主人公であるとの視点に立った街づくりを行うことで「人と人との触れあい、街を歩く楽しさ」の創出や、日曜市など人が集まる場所・催事等との一体感の形成、専門店街の形成や個性ある品揃え等により大型店舗との差別化の創出をめざします。
個性ある商店街づくり
 商店街の歩んできた、これまでの歴史を尊重しつつも、これからの商店街のあり方を充分に議論し、それぞれの商店街に見合った整備をめざします。また、商店街の持つ、庶民性、歴史、人情味の豊かな接客サービスの提供能力に磨きをかけることで、近隣住民(消費者)の商店街利用を促進させるとともに、商店街の活性化に向けて次代を担う若手後継者の育成をめざします。
観光商業の振興
 中心商店街の近隣に存する観光資源を有効に活用し、観光客をターゲットにした販売戦略の樹立、受け入れ態勢の整備などを通じ、顧客の拡大を図るとともに、商店街そのものを観光資源ととらえて魅力と個性のある商店街の整備をめざします。
2)中山間地域等
宅配、移動販売や公共サービスとの連携による生活利便性の確保
 移動手段として車を利用できない高齢者等の生活の利便性を確保するため、宅配等による商業機能の維持をめざします。その際、必要に応じ福祉サービスなど他の分野との連携も検討し、総合的な生活支援の向上と効率化をめざします。
地域資源を活かした特産品の開発及び販売体制の整備促進
 特産品の開発により、地元資源の有効活用と地域の知名度の向上を図り、販売体制の強化などによる雇用の拡大をめざします。
 また、観光資源を活かした販売戦略を検討するとともに、消費者と生産者の距離感を縮めるなど安心・信頼感の向上によって継続的な販売体制の確立をめざします。
観光地等の情報発信拠点の整備及び県外客の誘致促進
 地域資源を有効に活用し観光客等への販路を拡大するため、商工団体を中心に情報発信拠点を整備するとともに、地域の観光資源を開発・整備し商店街との結びつきを魅力のあるものにすることをめざします。
地域コミュニティーの核となる商業機能の充実
 地域住民が自由に利活用できるコミュニティー施設等を商店街に整備することにより、地域住民にとって商店街が身近に感じられ、また住民に支えられる商店街づくりをめざします。
コミュニティービジネスの導入
 商品の販売にとどまらず、商店街として地域住民のあらゆるニーズを捉えながらサービス提供していくコミュニティビジネスの導入を検討します。また、その取り組みを図るなかで、改めて商店街の位置付けを考え、商店街の持つ機能と役割を地域の中で認知してもらえるよう努めます。
農林水産業等他産業との連携
 商業分野のみの振興はあり得ないとの認識のもとに、地域特産品の開発と販路の確立など、他産業とも有機的に連携した地域おこしの取り組みをめざします。
広域的な取り組み
 これまでの市町村の枠にとらわれない、より広域的な視点に立った連携を深めることで、各商店街等の機能の充実、補完を行います。
 その為にも、商工団体の合併・広域化をめざします。

情報化の推進による商業振興

(1)現状と課題


 近年、コンピューターや携帯電話等が急速なテンポで普及しており、それを媒体とするインターネットの普及も予想以上のスピードで進展しています。また、今後も大量高速通信網の整備と並行する形で、さらなる高度情報化の進化、拡大が見込まれており、お茶の間のテレビがコンピューター化し、ショッピングなどが簡単に楽しめることも、現実的になってきています。
 この様に、いわゆる「IT革命」の進展に伴い、新たなビジネスチャンスが生じていることから、多くの商業者が様々な形で情報化の波に乗るべく、その活用を図っています。

 しかしながら、情報化の推進が販売促進や経営管理について、大いに貢献している事業者がある一方で、積極的に取り組んだ結果としてIT効果が全ての悩みを解決してくれる、金を生んでくれるという幻想から醒めてしまった事業者も少なからずいることも、また現実となりつつあります。
 また、こうした流れにはまったく関与しておらず、いまだに情報化には無縁な事業者も、小規模事業者を中心に数多くあると見込まれます。

 情報化推進の成果について、その成否をわける要因は様々ですが、成果の上がっていない要因としては、事業者の身の丈に合わない無理な情報化を行った場合や、組織の一部が情報化に前向きでなく、そのため今までのシステムが変えられないケース、情報化を取り入れたものの、管理のサイクル「計画−実行−評価ー計画の見直し」が機能しなかったケース、あるいは情報化のリード役を外部の専門家等他人任せにしたケースや、専門家を上手く取り入れることなどができなかったケースなどが考えられます。

 いずれにしても、高度情報化の進展はめざましく、一方で消費低迷が続くなか、ライバルとの競争が激化しており、少なくとも経営管理面における情報化は、こうした競争に生き残る上で、避けては通れない時代になっています。

 また、販売促進面では、顧客が店舗に来店しないで成り立つ商取り引きの一つとして、これまではカタログ販売等が中心でしたが、今後はインターネットの活用による商取り引きが活発になるものと思われます。また、実際に店舗に来店した顧客が、店舗内のコンピュータを使って、店舗に置いていない商品も注文できるシステムを構築するなど、小規模店舗における取扱商品や商圏の制約を、情報化の推進を図ることで解消している商業者もでてきており、まさに「知恵比べ」の時代になっています。

(2)施策の方向

1)商業者の経営資源、情報化にかかる知識と、技術レベルにあった取り組み

 情報化の推進によって、今まで以上に店舗に来店しなくてもできる商売が成り立つようになる一方で、依然として、手触りや風合い、香り、色彩、鮮度など、実際に手に取って、自分の感性で選びたい商品や、日常の食材など、購入と同時に手元におく必要のある商品も多いことも現実です。また、この様な商品を扱っている店舗にあっては、ITの活用は、情報発信することでいかに多くの消費者を来店させることができるかが、重要になってきています。
 この様に販売促進面での情報化は、それぞれの店舗で商品にあった取り組みが必要な上に、数多くの情報のなかから、自分の店舗の情報をいかに消費者の目にアピールさせるかと言う一定の技術的な要素、工夫した取り組みが必要となっています。

 一方、経営数値を把握するうえで必要な財務管理、資金繰り管理、仕入、在庫管理、顧客管理などの経営マネージメントの面にあっては、情報化の取り組みは不可欠な時代となっており、客観的に数値で経営を管理していく体制は、競争激化の中で生き残っていくための重要なアイテムという認識が求められています。

  また、一方で情報化の推進を図るうえで、保有する情報化への知識、技術とあまりにもかけ離れた高度なレベルを求めると、中途での挫折の要因となる可能性が高いと考えられ、専門家の支援を上手く取り入れるなどにより、「ステップバイステップ」の取り組みが必要です。

2)情報化に関する経営環境の変化に対する敏感な対応

 小売業界では、商品仕入にあたり、卸売業界の情報化の進展に伴い、仕入先からEDI(電子受発注)への取り組みを求められるケースが増大しており、こうした流れは、今後さらに増加してくることが考えられます。
また、情報発信の主体は、今まではコンピューターが主役を演じていましたが、段々に携帯電話の活用へと移行しており、プライバシーの保護という課題を残しているものの、お買い得情報の発信などの顧客の囲い込みを行う上で、今後更に携帯電話が商業面での情報化の中心になると考えられています。
 さらに、取引先である卸売業界の情報化に対応する必要が生じていることから、好むと好まざるにかかわらず情報化への取り組みが不可欠となる場合が多くなってくると考えらます。また、情報発信の手法の変化など短サイクルで進化する情報システムなどに対応して行くためには、情報化に関する経営環境の変化に、常にアンテナを高くしておく必要があります。

3)情報化による「達成したい目的」の明確化

  情報化の推進によってどう変わりたいのか、また何を目的に情報化の推進をするのが明確でなければ、情報化の推進は行ったものの結果として効果がなかったというケースが多くなると考えられます。
 単に、目的を明確にと言っても漠然としていますが、経営戦略上「自社の弱みを克服するには?」「自社の強みをさらに強化するには?」など一定の方向性を持った観点で、目的を絞り込んで行くことが重要です。

 また、単に「従来、経営面で行いたくてもコスト上の問題で出来なかったことについて、情報化を図ることで可能になるのでは?」という視点でとらえてみるのも、目的を明確にする上で一つの方策だと考えられます。この観点で目的を探ると、コスト面に関して、メリットの出てくるケースが多くなると考えられます。

  この様に、情報化を導入する前提として、自社の事業に関して、常に問題意識(強みや弱みなど)を持ちあわせておく必要があることは、言うまでもありません。
 さらに、情報化の推進を図ることで組織そのものが変わることから、組織全体が情報化推進の目的について、理解を深めなければなりません。

 また、情報化へのリード役を経営者が担うことで、効果を上げているケースも多く、目的達成へ向けて、経営者自身の「どう変わるかへの意志(思い)の強さ」が求められています。

4)各種情報化に関する公的な支援事業の有効活用

 経営者のIT知識の不足や、経営者を支援する人材不足などが障害となり、難しいと思っていた情報化の推進を、専門的な支援機関等を活用することにより、円滑に行えるケースが多くみられます。

  情報化に関する支援に関しては、各種研修、セミナーの受講、アドバイザーの紹介、融資など、多様な支援策が(財)高知県産業振興センターをはじめ、各中小企業支援機関、商工団体、政府系金融機関等に用意されています。
  また、県においても融資などの支援策を講じています。
  事業を行っている方々が、情報化についての相談窓口がわからない場合、まず(財)高知県産業振興センターへ相談を行えば、必ずそれぞれの状況に応じたアドバイスが受けられるシステムになっています。
 このように、公的な支援を今後も積極的に行っていきます。

 また、近年「ITコーディネーター」という資格を持ったアドバイザーが誕生しています。この「ITコーディネーター」は経営戦略面から経営者と一体となって情報化を構築し、さらに構築過程における執行管理(計画ー実行ー評価ー計画の見直し)から最終の成果が出ているかの評価まで、一貫して支援するアドバイザーです。
 今後は、「ITコーディネーター」につきまして、民間活用や育成支援に努めていきます。

中小卸売業の体質強化による商業振興

(1)現状と課題


 卸売業の現状は、商業統計によると、全国、高知県とも平成6年以来、年間販売額、店舗数、従業員数とも減少傾向が続いています。企業規模の大型化に伴い大手卸売業はもとより中小卸売業をも巻き込んだ合併連携の進展や流通経路の短縮化(卸売業の中抜き)の動きが、さらに加速されています。特に、経営資本が充実している大手卸売業が、情報技術(IT)を駆使して従来の卸機能の強化に加えて、新たな付加価値サービスの提案に取り組むなど、中間卸売業をとびこえ、直接各小売店への支援体制を整備してきています。
 このような環境のなかで、中小卸売業が生き残りを図っていくためには、経営資源の強化を図ることはもとより、流通段階のどの段階を担うのかを見極めたうえで、卸売業同士や製造業・小売業との連携を視野に入れた、自社の特性を活かした卸機能の充実強化に努めていくことが必要となっています。

(2)施策の方向

1)大手卸売業との統合連携
自社の経営資源に特徴が無いと判断される場合は、大手卸売業の傘下に入ることや大同団結を行うことで生き残りを図り、また経営資源に特徴があると判断される場合は、その特徴を活かした大手との連携策を模索することが必要です。
2)中小卸売業同士の連携
 大手卸売業に対応するためには、商品供給体制の整備や物流の効率化へ前向きな取り組みが重要であり、このため、お互いの経営資源を集中し、共同仕入や共同配送等の取り組みを行うことで、小売業に対する支援強化に努めることが必要です。
3)独自の経営ノウハウの構築
 自社独自の知識と経営ノウハウを活用し、付加価値を高めた製品の加工や開発あるいはビジネスモデルの構築に取り組むことが必要です。
4)卸機能の見直しと再生
 従来の小売業への支援機能(商品情報提供、棚割提案、販促支援等)の強化に加え、 製造業への支援機能の強化が求められています。特に中山間地域等で特徴ある製品を製造している業者等への消費者情報の提供や販売チャンネルの開拓支援等を積極的に行い、新たな取引拡大を図ることが必要です。
5)新業態への進出
 卸売業が生き残りを図るうえでは、製造業や小売業など異業種との連携強化の取り組みが必要です。
 卸売業自らが創造し新商品を開発することや、消費者を対象としたホールセールクラブやキャッシュアンドキャリー、あるいは卸しデポ(地域への配送拠点倉庫の設置:中山間地域想定)等の新業態進出への取り組みが必要です。
6)情報化の推進
 オンライン受発注システムの導入やEDIシステム の活用の取り組みをさらに強化することが必要です。また、インターネット販売への進出を図ることや県内の卸売業や全国の卸団地等とのネットワーク形成を通じて、商品調達力や情報収集力を高め、小売業、製造業への高度な提案機能や情報提供機能の強化を図ることが必要です。

商工団体の機能アップによる商業振興

(1)現状と課題


現在、県内には6商工会議所、43商工会、商工会連合会があり、小規模事業者の経営支援にあたっています。

 しかし、経営指導員が1人以下(2商工会は0人)の商工会が27団体、2人の商工会が11団体、3人の商工会等が8団体と、3人以下の団体が92%を占め、多様な事業を実施するための体制としては充分なものとは言えない状況にあり、また、近年、各商工団体の地区内の商工業者数は年々減少していることから、経営指導員の設置基準等からも各商工団体の増員は困難な状況にあります。

 国・県の中小企業施策の転換、事業者ニーズの多様化に伴い、創業支援・経営革新支援や情報化支援等の新たな事業が求められていることなどから、商工団体に求められている役割はますます高度化・多様化してきており、現体制ではそのニーズに答えることが困難になってきています。

 小人数体制の商工会(特に1人地区)では、

  1. 過疎化、高齢化の進行、消費動向の変化等による商工会の業務や役割の拡大などの多様なニーズに対応できていないこと
  2. 代替の経営指導員がいないため、経営指導員が一時的に日常業務を離れ、研修等を通じての資質向上を図ることが困難であること
  3. 複数の経営指導員を比較して相対的に評価することができないことから、経営指導員の能力・実績を適正に評価することができていないこと

等の課題を抱えています。

 消費者の消費動向の拡大や地域経済活動の広域化が進み、また、現在進められている市町村合併の動きも加わって、地域経済圏の拡大が進行していることから、これらの課題はさらに大きなものとなっています。

(2)施策の方向

1)商工会の広域合併に向けた調査・研究の推進

 会員のニーズの多様化、高度化及び地域経済の広域化、消費者の消費動向の拡大に伴い個々の現状の商工会だけでは対応が困難な状況が多くなってきていることから、各地域の実情を踏まえた広域連携の方法や合併についての考え方、具体的な取り組みについて調査・研究を行います。
  実施期間:平成13年度から3年間

2)若手後継者等の育成

 幹事商工会議所及び県連合会が商工会等に設立している青年部又は女性部の活動の推進を図るため、また、商工団体の広域合併を推進するため経営改善普及に資する事業を行います。

3)経営指導員等の資質の向上のための研修の充実

 経営指導員等に求められる業務全般に関する幅広い対応能力と、特定の専門分野についての能力を併せ持つ人材の育成という観点から、研修事業の充実を図ります。

中小企業支援センターを活用した商業振興

(1)現状と課題


 中小企業基本法の改正(1999年)に伴い、新しい中小企業施策として各県に中小企業支援センターが設置され、高知県においては、(財)高知県産業振興センター(高知市布師田・分室:宿毛市)が、県内中小企業のあらゆる経営課題について相談を受け、支援等を行っていく「高知県プラットフォームサービス」を実施しています。
しかしながら、商業分野においては、その活動内容を充分に活かしているとは言えない面があります。

(2)施策の方向

産業支援・商工団体との連携強化

 商業振興においても、中小企業支援センターの相談支援体制を有効に活用し、経営課題への対応を早期に行っていく必要があります。また、こうした相談支援体制を実効あるものとする為には、県下の商工会議所、商工会、商工会連合会の経営指導員等が橋渡しの機能を果たすなど中小企業支援センターとの連携を強化することが求められています。
 県としては、中小企業支援センターの機能が有効に活用されうよう商業者のニーズの把握や、課題の抽出、整理等への取り組みや支援を継続するとともに、商業者にとって中小企業支援センターが身近な存在であることを積極的に紹介していきます。

終わりに

 21世紀を迎えた今日、本県の商業環境を取り巻く状況は大きな変動の流れの中にあり既存の商店街(商業者)にとっては非常に厳しいものとなっています。
 また、こうした状況は、今後も引き続くと思われることから、「高知県商業パワーアッププラン21」を本県商業振興施策の基本として、県及び市町村などの行政機関、関係商工団体等との連携を図り、商業環境の変化に対応した商業の活性化とその機能の維持にむけた取り組みを商業者はもとより消費者である県民の理解のもとに取り組んでいきます。

(資料1)市町村別販売力係数[その他のファイル/39KB]
(資料2)業種別商店数、従業者数、販売額の推移[その他のファイル/25KB]
(資料3)空き店舗率の推移[その他のファイル/33KB]
(資料4)商工業者と小規模事業者の推移[その他のファイル/10KB]

連絡先

高知県 商工労働部 経営支援課
住所: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号(本庁舎5階)
電話: 金融担当(融資担当)088-823-9695
(貸金業担当)088-823-9905
商業流通担当 088-823-9679
診断担当 088-823-9697
団体指導担当 088-823-9698
ファックス: 088-823-9138
メール: 150401@ken.pref.kochi.lg.jp