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この地図は、近い将来発生が予想される南海地震によって、皆さんがお住まいの地域にある農業用ため池の「坂本池」が大きな被害を受け、ため池堤防が決壊した場合に、ため池からの氾濫水が到達する可能性のある区域の最大範囲と、予想される浸水の深さを表示したものです。
　実際に氾濫水の影響がある範囲は、ため池の貯水状況、堤体の被害の程度、周辺の土地の利用状況等により、これと異なる可能性があります。　この地図に示された想定浸水区域内にお住まいやお仕事先のある方、または想定浸水区域内で農地を耕作している方は、日頃から大きな地震が発生した際に、地震の強い揺れによる住宅や施設への影響、道路や橋の損傷、崖崩れ等の被害が生じるだけでなく、場合によってはため池の氾濫の影響があることをよく理解してください。　また、近くにお住まいの方は、地震の際に屋外にいることも想定し、ため池からの氾濫水が流れ下る可能性がある範囲や、ため池の氾濫から安全な場所をこの地図でよく理解しておいてください。　地域の皆さんでこの地図を活用して、お互いの助け合いにより地震時の安全を確保するための訓練を重ね、災害に強い地域づくりを進めましょう。 (高知県・四万十町 　平成１９年３月作成)

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【破堤後の氾濫水の最短到達時間】

もしため池が破堤した場合、山株川沿いの住家では３分程度で氾濫水が到達する可能性があります。低い位置にある住宅や農地では、どちらの方向からどのくらいの時間で水がくる可能性があるのか、上の図でよく確認しておきましょう。

【氾濫時の歩行困難区域】
坂本池直下から国道、仁井田川に至る山株川沿いの低地では、氾濫水が速い速度で流れ下るため、屋外にいることは非常に危険です。｢氾濫時の歩行困難区域｣ がどのように分布するかを確認し、大きな地震にあった場合は直ちに近くの高い場所へ避難しましょう。

◆南海地震が発生したら

【坂本池の氾濫の影響を受ける地域】

• 山株地区のうち、坂本池からＪＲ土讃線や国道５６号をはさんで仁井田川に注ぐ「山株川」沿いの低地では、「坂本池」の氾濫の影響を受ける可能性があります。

【地震時直ちに高所へ避難する必要がある地域（要避難地区）】

• 山株地区の山株川沿いの低地のうち、ＪＲ土讃線の築堤より上流側の山株川北側にある住宅では、「坂本池」からの流れの速い氾濫水が周囲を流下し、床上浸水する可能性があります。 この場所にお住まいの方は、大きな地震を感じた場合、速やかに自宅から離れ北側の山裾にある高台へ避難する必要があります。
•  山株地区の山株川沿いの低地で、農作業中または移動中などに大きな地震にあった場合には、「坂本池」の破堤直後に流れの速い氾濫水が流下する可能性があり、最大で２ｍを超える浸水深が予想されますので、揺れがおさまったら周囲の状況を確認し、速やかに河川や低所にある農地から離れ、周囲の高台などへ避難し、身の安全を確保するようにしてください。

【ため池氾濫の状況と地域における注意点】

• 「坂本池」が破堤した場合、山株川を溢れた氾濫水は、谷底の低い場所にある農地や宅地を速い勢いで流れ下ります。 ＪＲ土讃線より上流側の地域のうち、上流部の谷底や河川と高さの差がない農地では、２ｍ以上の深さまで浸水します。 水深は下流に向かって深くなり、ＪＲ線の築堤西側の低い農地では５ｍ近くに達する可能性があります。 特に「要避難地区」となる山株川左岸（北側）の宅地では、水田越しに流れ込む氾濫水が直接住宅に影響を与える恐れがあり、浸水の深さも50cm以上（床上浸水）となりますので、速やかな避難が必要です。
• 山株川はJR土讃線の盛土部分を小さなトンネルで通過していますが、地震時には揺れで路盤の盛土が崩壊したり、大量の土砂を含んだ水でトンネルが詰まったりすることが考えられます。この地図の浸水範囲や浸水の深さは、想定されるケースの中で最大のものを表示してあります。
• ＪＲ線を越えて東へ進む氾濫水は、国道５６号の路面へあふ溢れ出し、山株川を横断する区間で国道の通行が困難になる可能性があります。 主な流れは山株川に沿って仁井田川へ排水しますが、流れの一部は国道付近で北と南方向に分かれ、国道と仁井田川との間にある低い水田に流入します。南方向に進む流れは、国道から最大で300ｍほどの範囲まで広がりますが、国道脇の住宅への浸水の影響は最大で50ｃｍ未満（床下浸水程度）と予想されます。なお、国道を南方向に進んだ六反地駅方面の地域は、標高が高く浸水する恐れはありません。
• 浸水深が50cmに満たない地域であっても、浸水の影響を受けやすい構造の住宅などでは、地震時のため池氾濫の影響を受ける可能性があります。浸水する可能性がある地域では、地震後ため池の安全が確認されるまでの間はできるだけ屋内にとどまり、万一屋外に出る場合でも、常にため池の氾濫の影響を考えて行動するようにしてください。
•  ため池の氾濫による浸水の危険性のない地域にお住まいの方も、万一屋外にいて大きな地震にあった場合にも速やかな避難行動ができるよう、日頃からこの地図で地震時にため池の氾濫の影響がある範囲をよく確認しておいてください。

【最寄りの公共施設等の安全性】

•  山株集会場や、国道沿いの食堂北側の広場、児童遊園等は、河川から一定の高さが確保された高台にあり、万一ため池の氾濫が生じても、浸水の恐れはありません。