海岸堤防の耐震診断調査について

公開日 2009年03月31日

更新日 2014年03月16日


海岸堤防の耐震診断調査について

1 耐震調査の目的
 
高知県では、平成16年度末に「津波防災アセスメント補完調査」を行い、最終防潮ライン施設(堤防等)が「無いとした場合」と「機能するとした場合」の津波の浸水予測図を作成しました。この調査は、ソフトたいさくとして津波避難計画を作成するための基礎資料であることから、海岸堤防が地震動に対してどの程度変形するのかは評価されていません。このため、地震後に堤防がどのくらい変形(沈下)するのか分析し、予測される津波高さとの比較を行いました。

2 調査期間・手法
 
平成16年度から18年度にかけて調査を行いました。
   調査箇所は、土質資料を基に詳細な変位量を求めた動的変位解析(FLIP)によるもの13ヶ所と、簡易に評価できるチャート式耐震診断システムにより堤防高さが足りた箇所7ヶ所です。

3 調査結果
 
19箇所については、地震後沈下した堤防高はいずれも予測される津波高より高い結果となっています。
  須崎市桐間では、堤防高が津波高より低い結果となっていますが、沖の津波防波堤と同じ様に、昭和南海地震(M8.0)想定で堤防高が設計されているため、安政南海地震(M8.4)想定では津波が堤防を越える結果となっています。

4 まとめ
  県は、公共施設の整備については「ハード対策はソフト対策を補完するものである」との基本方針を掲げています。また、「各種の調査結果については、情報を公開し、わかりやすい形で整理して県民に提供する」こととしています。

  調査結果の傾向を見ると、ほとんどの海岸で地震後変位したとしても堤防高が予測される津波高より高くなっていますが、調査は長い堤防区間の1地点の情報を用いたものであることから、同一堤防でも場所が違えば結果とは違った状況も予想されます。 
 
また、津波波力や堤防の老朽化等の要因も反映されていませんので、堤防の余裕高が大きくても必ずしも安全であるとは言えません。
 
また、地震の規模・位置の不確定性の観点から、将来発生する地震が今回想定した地震と異なる可能性があることから、津波浸水予測を超える場合があることも留意する必要があります。
  このため、予測される津波高に対して余裕があったとしても、県の南海地震対策の基本方針に基づき、逃げる対応が必要です。


海岸堤防の耐震調査 [PDFファイル/39KB]   海岸堤防の耐震調査実施位置図 [PDFファイル/88KB]

この記事に関するお問い合わせ

高知県 土木部 港湾・海岸課

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電話: 港湾管理担当 088-823-9883
海岸管理調整担当 088-823-9886
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港湾建設担当 088-823-9884
海岸建設担当 088-823-9886
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メール: 175001@ken.pref.kochi.lg.jp

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