第8回INAP報告書(タンジュンペラ港)

公開日 2013年03月27日

更新日 2014年03月30日

2006年11月14日

第8回INAPシンポジウム:タンジュンペラ港

グローバルビジネス市場での競争

はじめに
タンジュンペラ港は、スラバヤ市の基幹港であり、インドネシア第二の港湾である。地理的要衝に位置し、後背地にも恵まれており、インドネシア、特に東ジャワのみならず、インドネシア東部地域全体のメインゲートウエイの1つとなっている。したがって、タンジュンペラ港は、インドネシア経済の牽引車として大きな役割を負っているといえる。
タンジュンペラ港は古くから栄えた港湾であり、近代化が訪れる前は、カリマス川という小さな河川に接岸した船から直接に貨物の積降が行われていた。タンジュンペラ港に寄航する船舶を増やしたいという船会社からの需要の高まりと、貿易量の成長などにより、当時の港湾設備では、急増する需要に対応するには不足となってきた。1910年、タンジュンペラ港整備のための、より現実的な計画や考え方が採用されるようになり、以来、タンジュンペラ港は商業海運の大小を問わず、すべての船舶を入港させることができる公的港湾として宣言し、正式に供用が開始されたのである。
今日、ビジネス環境は急速に変化しており、タンジュンペラ港が直面する問題も、かつてないほどに複雑になっている。したがって、港湾を絶えず進化させ、設備の利用性を向上させることが、変化する顧客のニーズや期待に対応するためには、至上命題なのである。現在では、国際船舶会社の要求は、効率性、つまり、世界中に貨物を配送する効率性、安全性、迅速性を主な柱として特徴づけること

ビジョンとミッション
タンジュンペラ港は、国際的な港湾ネットワークの一員となることによって、“世界クラスの港湾運営者”となるという壮大なビジョンを持っている。また、そのミッションとしては、高品質のサービスの提供、プロの港湾管理を通した利益性の追及、科学技術の最大限の使用、株主、特に一般大衆への貢献である。
このビジョンとミッションは、全社員に啓蒙しており、ベストサービスの提供に資している。港湾としての目的を成就するため、チームワークの醸成と資源の最大限の利用が行われている。さらには、顧客満足が、組織全体の最大の理念として認識されている。このビジョンとミッションを達成するため、さまざまな戦略的プログラムが実施されている。

港湾管理と港湾組織

インドネシアでは、港湾は、民営港湾と公営港湾(商業港湾)の2つに大別されている。商業港湾を管理運営するため、PT(PERSERO)Pelabuhan Indonesia I、II、III、IV(国営企業) と呼ばれる特殊組織が政府により設立されている。
タンジュンペラ港は、スラバヤに本社を持つPT.(PERSERO) Pelabuhan Indonesia IIIにより運営管理されている。他にも、PT. (PERSERO) Pelabuhan Indonesia Iは本社を北スマトラのメダンに本社を有し、一方、PT. (PERSERO) Pelabuhan Indonesia IIはジャカルタに、また、PT. (PERSERO) Pelabuhan Indonesia IVは南スラウェシのマクサールのべラワンにそれぞれ本社を有する。これらの企業は、国(大蔵省)が100%の株式を保有するので、国営企業である。一方、技術的には、港湾の運営は運輸省と国営企業省(SOE)が担当している。

 当港湾の組織構造は、迅速な対応を要求する、外的なビジネス環境の急速な変化とともに、頻繁に変化してきた。つまり、組織構造は、変化するビジネス環境と常に関連しているということである。港湾内外をつなぐコミュニケーションシステムは、特に、顧客ニーズの対応に非常にスムーズに稼動している。

下記にタンジュンペラ港のメンバーを紹介する。
ゼネラルマネージャー : Sumardan Marzuki
副ゼネラルマネージャー(運営担当) : Masrin Adi
総務・人事部長 : Bill L. Yuller
財務部長 : Swastanti
技術部長 : Basori
事業多角化・資産部長 : Achwan
船舶サービス部長 : Utopo
ターミナル部長 : Didiek Harijanto
商業部長 : I Putu Ariawan
情報技術部長 : Surjono
港湾安全部長 (担当) : Wagiyo

ビジネスバリューと倫理
インドネシア政府は、国内で行われるすべての事業活動について、グッド・コーポレート・ガバナンス(GCG)の原則を実施している。透明性、説明性、責任、独立性がそれである。これらのGCG原則を採用することで、特にインドネシア国内で事業に携わる人々の行動に影響を与えることが期待されている。また、このことはタンジュンペラ港でも発生している。港湾の風土は、絶えず変化を続けているのである。GCGは官僚的な風土を、できるだけ、顧客満足を中心とした企業風土に近いものにしているのである。
GCGの原則は、タンジュンペラ港で働く人々や社員にとって、“大きな意識改革の牽引車”となっている。タンジュンペラ港が現在および将来の世界的なビジネス競争で生き抜くためには、汚職、結託、ネポティズムなどを近代的なビジネス手法から排除しなければならない。
GCGを実施し、港湾のビジョンやミッションを達成するため、経営陣はさまざまなビジネスバリューや倫理を採用した。たとえば、高品質の顧客サービス、革新的で創造的ビジネス、サービス品質の継続的向上などがある。

戦略的な問題

タンジュンペラ港には、数多くの問題点が存在している。次にその主要なものを紹介する。これらは、迅速な対処が必要なものばかりである。
まず、1つには港湾設備が不足していることである。現在のところ、国際港や従来の港湾において、設備不足が認識されている。特に、水深がわずか9mしかないデポ水域、ターミナルの長さの不足が大きい。船舶の停泊や貨物・コンテナの積み降しに対する船会社の要求が大きくなっており、タンジュンペラ港にとって、大きな問題となりつつある。一方、船舶は巨大化を続けている。現存のデポの水深、ターミナル設備は、大きくなりつつある顧客ニーズを満たすには不十分なのである。
2つ目の問題は、特に、知識経済の台頭により、港湾社員すべての知識や能力を伸ばすことが焦眉の急となっていることである。人材は、港湾が競争優位に立つためには、大きな要因となっている。世界中の港湾運営者は、職場で、高い能力、革新的で創造的な賢明な社員の醸成に躍起である。ではタンジュンペラ港はどのようにすべきなのであろうか。
3つ目は、情報技術の問題である。管理のみならず、より洗練された技術を採用して港湾運営を支えることが重要になっている。電子商取引が港湾や海上輸送産業で行われ、世界中で行われる取引量が非常に増大してきた。タンジュンペラ港は、インドネシア第二の港湾として、最も進んだ技術を取り入れることにより、ますます激しくなる港湾運営者の競争というビジネス社会で、競争優位の環境を創造しなければならない。
寄航する船舶の数や取り扱い貨物量は、非常に増大している。たとえば、最新データでは、一般貨物の取り扱いは、年平均3,000万トンに達している。これと比較して、1997年は、コンテナ取り扱い数はわずか863TEUであったが、2005年には120万TEUに達している。一方、船舶の寄航数は、1997年には1,500万隻であったが、2005年には1,600万隻となっている。コンテナのスループットはうなぎのぼりとなることが予測されており、2025年には、タンジュンペラ港で取り扱われるコンテナ数は5,000万~6,000万TEUとなる見込みである。このような状況においては、船会社の国内・海外のニーズを満たすための港湾開発戦略が、緊急に必要となっている。
効率性、効果、安全性、低コストを中心に顧客の期待が常に変化しているこのグローバルなビジネス環境にあっては、特に、タンジュンペラ港にとって、知識やスキルの点での能力の点で充足しているとはまったくいえない。このような状況では、労働力の品質向上のためのベストな戦略の実施は、どの企業にあっても中心として考えるべき事象であろう。さもなければ、港湾運営者は、常に進化し、現在及び将来の競争で生存していくことはできないのである。

勝利を勝ち得るビジネス戦略
A. 現在のビジネス戦略
現在の船舶寄航数、貨物取扱数量という市場シェアを確保し、維持していくため、経営陣はさまざまなビジネス戦略を実施してきた。
ワンストップサービスは、船舶や貨物取扱サービス手続きの簡素化のためのサービスである。これまでのわずらわしい官僚制度や手順が撤廃され、簡素化されている。すべての手続きが1つのビルで完結するため、これまで必要であった、船舶書類や貨物書類の作成にかかわってきたすべての関連部署は不要となった。顧客も、港湾手続きを受けるために、さまざまな部署に行くという時間のかかる行為から開放された。この新しい手法で、時間と費用が削減されることとなり、また、必要なサービスをこれまでよりも迅速に受けることが可能となったのである。船会社のみならず、多くの利害関係者がこの利益を享受することとなった。なぜならば、新しい簡素化された手続きによって、これまでよりも効率的で効果的な港湾サービスを受けることができるようになったからである。
特に、いつでも港湾サービスを受けたいという顧客の要求に対応し、港湾では、飲料水供給、給油、水先案内/タグボート、健康、消防などのサービスも、24時間ベースで提供可能となっている。港湾係員も、いつでも、年中無休で待機してサービスを提供している。
タンジュンペラ港はサービス品質国際規格のISO9001:2000の認証を受け、1997年から2006年のほぼ10年間、ずっとこれを維持している。また、ごく最近では、環境国際規格のISO14001:1996の認証も受けた。これにより、タンジュンペラ港は、企業の社会的責任を果たし、環境にやさしい港湾とすることへの真摯な取り組みが行われている港湾としての立場を示している。
一方、テロ活動などの反社会行為が行われない安全で安心な港湾としての地位を保証するため、2004年以来、船舶と港湾施設の保安のための国際コード(ISPSコード)がタンジュンペラ港で実施されている。このISPSコードにおいては、国内・海外の船会社は、タンジュンペラ港地域で安心して積み替えや積降しを行うことができるようになっている。
タンジュンペラ港の戦略の重要な一部である人材開発計画(HRD)は、“世界クラスの港湾運営者”となるという当港湾のビジョンを支えるため、ますます重要になっている。そのため、定期的に教育訓練活動が実施され、組織内のすべての社員の知識やスキルの付与・強化が行われている。働く者に必要な能力を身につけさせない限り、競争優位には立てないとの認識のもと、社員にはさまざまな研修への参加が奨励されている。
さらには、人材情報システム(HRIS)が立ち上げられ、HRDに関連する人材データが適時更新されている。これらの活動やシステムは、当港湾の目的とHRD戦略の関係を明確に認識するためには、絶対的に必要なものなのである。
また、財務ビジネス情報システムも構築し、ビジネス活動と財務記録システムがリンクされた。活動コストシステム(ABCシステム)は、当港湾の予算を、実際に行われた活動に基づいて、効率的に使用するためのシステムである。これらのシステムすべてを用いて、透明性のある財務管理を確保することが期待されている。

B. 将来の常勝戦略

世界の競争で、常に先を進み、対等にビジネスを行うためには、タンジュンペラ港を含むすべてのビジネス組織が新しいビジネス手法や戦略を探索していくことが非常に重要である。ますます増大する要求や、将来的に非常に熾烈な競争が行われる世界のビジネス環境を予測した、新しい常勝戦略を開発して実施することが必要である。また、急激に変化する世界のビジネス環境にも対応し、順応していかなければならない。これに失敗するということは、タンジュンペラ港の現在、そして、持続的成長が損なわれることを意味する。

新しいターミナルの建設
近い将来において、タンジュンペラ港は混雑化することが予想されている。これを緩和するためには、できるだけ早く新規に、より能力のある港湾を開発しなければならない。たとえば、最近、マレーシアで開催された船舶海事会議2006では、中国やインドなどの新興経済国における世界的なビジネスの拡大の結果、向こう8年で、現在(2006年)の4億TEUから2014年には7億3,000万TEUへとコンテナ取り扱い容量を2倍に増やさなければならないだろうとされている。世界のトレンドを適切に予測することを怠れば、特にタンジュンペラ港にとって、ビジネスの持続性に大きな問題が発生することになろう。
さらに、向こう10年において、造船技術が一層進化し、港湾のデポの水深は、15-15LWSにしなければならないであろう。これを怠れば、タンジュンペラ港は、5,000TEU以上のコンテナを積載する巨大船舶を受け入れることはできないであろう。
当港湾では、真に国際的といえる港湾を建設する準備を開始した。新しい港湾は、現在のタンジュンペラ港から15kmのところにある、カリ・ラモン湾に設置される予定である。新港は、64.51ヘクタールの工業地域、79.14ヘクタールのコンテナターミナル、49.58ヘクタールの貨物ターミナル、18.35ヘクタールの駐車場、25.58ヘクタールの公共施設、28.79ヘクタールの緑地、51.08ヘクタールのレクレーションエリアなどを有する、自然発生港湾となる予定である。新港建設には、6.5兆ルピアの資金が必要になると試算されている。この海上インフラ整備は、地元・海外の投資家の参加も呼びかけることにしている。


上の絵はラモン湾に建設される予定の新タンジュンペラ港の模式図である。新港はインドネシアの特に東部地域の基幹港専用に供用される予定で、一方、バジャネガラ港は、西地域の基幹港として供用される予定である。ラモン湾全体は1,700ヘクタールある。これに加えて、2,000ヘクタールのミレン湾も、第二の開発地域として考えている。

効率と能力をアップグレードする(近代技術)

もう1つの、将来への常勝戦略は、近代的に整備されたターミナルの供用である。そのため、既存のターミナルをアップグレードし、コンテナ取り扱い能力の強化を図らなければならない。タンジュンペラ港にとって、支出できる費用に限界があり、使用可能な土地にも限りがあるため、効率化と能力拡大は、既存のターミナルに最新の近代的な門型クレーンあるいは、デジタル無線通信やワイアレス技術のような先進技術をコンテナ取り扱い装置に搭載することによってのみ、アップグレードが可能となる。つまり、迅速なコンテナ取り扱いを行うように設計をすることである。
タンジュンペラ港は、常に、運営するすべてのターミナルに先進技術を活用する。たとえば、電子港湾アプリケーション、つまり電子港湾業務を迅速に配備して、港湾管理や港湾運営の効率化を進めることが肝要である。ペーパーレスシステムも、タンジュンペラ港の現在の管理システムや通信システムの効率化に資するであろう。港湾運営者と顧客を結ぶオンラインビジネストランザクションやインタラクティブな通信システム、たとえば、電子商取引のような近代的なビジネスツールも、今日のようにグローバル化した市場では必須である。

知識を基盤とした運営の創出

タンジュンペラ港では、人材は、当港湾が競争優位に立つためには、ますますその重要性が大きくなっているリソースであると認識している。特に、グローバルに競争が行われるビジネス環境にあっては、このことは、真である。将来の常勝戦略は、知識を基盤とする組織になることである。つまり、知識を有する労働者が働く組織とすることである。そのためには、組織の構成員一人一人が、常に前向きに学ぶことを支援する組織風土を醸成しなければならない。“スマート社員が組織の成功のカギ”の概念を導入するために、働いていくことにしている。
新しい風土である、学ぶ組織の構築は、タンジュンペラ港が能力や取り扱い容量を強化して、厳しいグローバルビジネス競争を戦っていくための、大きな戦略である。
持続的なビジネス展開と将来の競争に勝利するためには、タンジュンペラ港にとって必要なことは、戦略的HRD(人材開発)プログラムを作成し、知識的能力と業務的能力を高めていくことである。この戦略を、知識を基盤とした組織という。タンジュンペラ港は、学ぶ組織こそが、現在および将来のグローバルなビジネス競争に勝つことができる組織であると考えている。


常にクリエイティブなイノベーターたれ

世界的に著名なマネジメントの巨人、ピーター・ドラッカーは、イノベーションは競争で打ち勝つためのカギであり、創造的経済プロセスと成長、生産性向上の中心であると語る。この考え方からすれば、熾烈な競争環境において成功するためには、タンジュンペラ港は、イノベーティブな活動を支援し、奨励する新しい労働風土を創造しなければならないことは、明らかである。今日の市場の顧客を満足させることができる新しいサービスを想像することは、新しい市場を手に入れ、あるいは、少なくとも、タンジュンペラ港が持つ現在の市場を維持するためには、あるべき戦略である。よりよいサービスを提供し、他の港湾とは異なる業務を提供するための創造的、イノベーティブな方法を常に維持することは、競争的優位を強化する道であり、最終的には、新しい顧客の獲得、利益の創出にもつながるのである。
タンジュンペラ港は、悪しきものをコアコンピテンシーに変え、顧客中心の、欠陥のない港湾業務の提供と財務的成功をするため、最も知られた、最も効果的なビジネスシステムの実施を計画している。これは、DFSS(設計の6つのシグマ)と呼ばれるものである。その次には、いかにして、6つのシグマを満たしたエクセレンスのレベルを、新しい、革新的なプロセス、製品、サービスに変換していくかが、タンジュンペラ港の経営上の課題となる。DFSSは、新しい製品やサービスを設計することについて、その効果が証明された、強力なアプローチであり、現在提供しているサービス等を再設計して欠陥を除くための最高のシステムである。さらに高いレベルとしては、DFSSを新しい競争的能力を醸成し、現在の顧客の期待以上のものを構築するためにも適用することができる。

6つのシグマは、もちろん、問題解決、欠陥の削減、顧客満足、利益増大のためのものであるが、DFSSは、それ以上のものである。DFSSを実施することで、タンジュンペラ港は、常に顧客の新しい要求に適合し、変化する経済環境に対応し、新しい技術を取り入れて、長期的に事業を展開していくことにしている。したがって、必要なことは、何をいつ変化させるのかを知ることであり、その次には、良好な結果を維持し続けること、既存の方法やサービスの欠点を是正し、アップグレードし、継続的に向上させていくこと、新しい方法、製品、サービスを創出するための洞察力と創造力を持つこと、また、古いものや、現在のニーズを満たすには足らないものを廃棄もしくは再設計することが必要なのである。
6つのシグマの根底にはDMAIC(定義、測定、分析、向上と管理)がある。これは、プロセスやサービスの向上に焦点を当てたものである。一方、DFSSの原則は、非常に高いレベルの効率性と効果をもって運営していくための方法を開発する新しい、エキサイティングな方法を模索することがすべてである。

企業の社会的責任(CSR)

企業の社会的責任(CSR)は、特に、海外の投資家が、その企業の社会的責任度に注目を続ける環境にあっては、将来的に真剣に取り組むべき課題であることはいうまでもない。CSRの成功は、その企業が投資家から投資を得るための重要な要素になっていくであろう。
CSRは、まさしく、コミュニティの発展に主眼を置くプログラムであり、企業の環境面での意識を中心とするものである。タンジュンペラ港では、継続的に、エコポート、グリーンポートを推進することにより、これまでよりも環境にやさしい港湾を構築していく。CSRの成功は、間違いなく、タンジュンペラ港のイメージの向上に資するものであり、究極的には、海外投資家に、インドネシアのインフラ、特に、将来のタンジュンペラ港拡張プログラム への投資の誘引となることが期待されている。CSRは、利益の創出、人に対するケア、環境に優しい地球作りという3Pプログラム(利益(profit)、人(people)、惑星(planet))との間にバランスを取るという、タンジュンペラ港の究極の目的を達成するために資することであろう。

国際的な戦略同盟の構築
タンジュンペラ港はINAPの会員港であるが、これによって、国際的な港湾ネットワークの一員としての地位を継続していくことをタンジュンペラ港は期待している。他の会員港との国際的な戦略同盟を構築することにより、真に利益を享受することができるビジネス協力を構築することができる。INAPは、ゆくゆくは、INAP加盟港への船舶の直接寄港数を増やし、国際貿易量を増やすための、私たちの国際的な戦略同盟となってもらいたいものである。
この国際港湾の戦略的同盟は、ビジネス機会の強化拡大になんらかの前向きな影響を及ぼすことが期待されている。したがって、港湾開発、技術、ノウハウ、マーケティング、 ベストビジネスプラクティスの適用例などの情報を、INAP憲章にも明記されているように、加盟港間で共有することを、ますます強化しなければならない。それによって、特に会員港間での取り扱い容量の強化を、継続的に図ることができるのである。INAP加盟港で利益の獲得に成功した方法は、他の港湾にも情報提供し、この熾烈な世界的なビジネス競争の環境において、“持続的に成長する港湾”を創出していくことである。
したがって、INAPは、より現実的な計画を実施すべきである。たとえば、INAP推進活動を各国で実施して、戦略的同盟を強化していくことは、地球規模で会員獲得につながることは間違いないであろう。INAP関連港への直接寄港船舶数の増加を図るため、INAP加盟港専用の特例港湾利用手数料の採用も、できるだけ早く実施すべきである。人材の交流、互いに学びあう機会の創出も、将来の競争に互角に戦っていくためのINAP加盟港の知識的能力や業務的能力を強化するためにも資するであろう。


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高知県 土木部 港湾振興課

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