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約40年ぶりに二期作を行う同じ水田で年2回米づくりを行う「二期作」は、1970年代まで高知平野などで行われていました。しかし、米の生産量を調整する減反政策により、その姿は次第に見られなくなっていました。ところが今年、高知市介良地区では、地元の農家がつくる介良沖ノ丸環境保全農業組合によって、二期作が約40年ぶりに行われました。この取り組みは、高知市営農技術会議による指導のもと、同組合と高知市酪農農業協同組合が共同で進めている稲WCS(稲ホールクロップサイレージ=稲発酵粗飼料)づくりの一環です。2回目に作った稲や、収穫後の刈り取り株から出てくる「再生稲」を刈り取ってラッピングし、発酵させた稲を乳牛の餌にします。 中島正根組合長は「二期作ができるのは気候が温暖な西日本の限られた地域だけで、高知県にとっては一つの文化ともいえるもの。また、再生稲ができることも昔から知っていたので、これをなんとか収益につなげたいと思っていました」と取り組みの動機を語ってくれました。 新しい循環型農業の可能性も稲WCSづくりに取り組んでいる農家は、化学肥料や農薬の使用をできるだけ抑えた農産物を生産する「エコファーマー」の認定を受けています。酪農家が減農薬の稲を安定した価格で利用できれば、より、安全・安心な牛乳を生産できることになります。 「今年は、稲WCS用の稲などを約200トン収穫することが目標です。再生稲は収量が少ないですが、二期作の稲を飼料専用の品種にすれば、2倍の収量が見込めます。今後は、この品種での二期作に取り組み、収量を増やしていきたいと思っています」と中島さん。さらに「ゆくゆくは畜産農家の牛のふんを堆肥にして使っていきたいです」。中島さんたちの作った稲を乳牛が食べ、堆肥となって戻ってくるという、新しい循環型農業の可能性も見えてきています。 組合員の方々と飼料用コンバイン ラッピングすることで品質が良くなり、保存もできる 専用マシンにより、現場でラッピング |
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