間伐材を活かした商品開発
面積が96%を占める馬路村は、高知県の県木であるヤナセスギの産地です。しかし、時代の流れとともに林業は衰退し、手入れされていない森が多くなっていました。そこで、森に日差しを入れ、木の成長を健康に維持するために間伐された杉の木を商品として再利用しようと設立されたのが、株式会社エコアス馬路村です。
会社が設立された平成12年当初から関わってきた山田さんは、「最初は『間伐材=エコロジー』を強調した森からの商品づくりをしていましたが、販路に限界を感じるようになりました。ある時180度考え方を変えて、消費者が使ってみたくなるデザインや機能を重視した商品づくりに転換しようと思い立ち、エコロジーがプラスアルファされるという視点を商品開発のコンセプトに取り入れました」と振り返ります。
エコアスにしか出来ない商品を
そうして美しい木目とデザイン性を重視した『monacca(モナッカ)』というブランドが誕生しました。「0・5ミリにスライスされた杉を数枚重ねてプレスし成型しています」。しなやかな杉だからこそ表現できる曲面や、一つ一つ違う木目は、まさにオンリーワンの商品です。また、昨年出来た新作バッグは、「女性を意識したファッション性の高いもので、色や商品名にもこだわりました」と、山田さん。
さらに、より生活に溶け込む商品を作ろうと、コンペ方式で新商品のデザインを募集。「応募資格をプロに限定しなかったことで、既成概念にとらわれない作品も寄せられました。私たちの目指している、暮らしのなかで身近に感じる『新しい木のカタチ』を今後商品化していきたいと考えています」。
現代の生活になじむ『新しい木のカタチ』を追求し、エコアスにしか出来ないオリジナル商品として、杉の持つ美しい木目とコラボレーションした次作にも期待したいものです。

硬さが不思議としっくりくる座布団、ノートパソコンが入る大きさのビジネスバッグなどバリエーションも多彩

高知市内にあるアンテナショップ
『森の情報館・ECOASU馬路村』
高知市南御座16-23
TEL 088・880・1812