春遠生活貯水池建設事業

公開日 2024年02月19日

 春遠生活貯水池建設事業(春遠第1ダム、春遠第2ダム)は、高知県幡多郡大月町及び土佐清水市を流れる二級河川貝ノ川川の洪水調節、貝ノ川川沿岸の既得用水の補給等流水の正常な機能の維持と増進、及び大月町に対する新たな水道用水を確保するため、現在整備を進めています。

事業の概要

事業の目的

 貝ノ川川流域が位置する高知県西南部は日本でも有数の多雨地帯であり、梅雨前線の停滞や台風の経路となることが多く、河川の流下能力不足と相まって、出水期にはたびたび氾濫しており、昭和 54 年 9月(台風 16 号)、昭和 55 年 8 月(豪雨)等の洪水により被害を被ってきました。

 近年においても平成 13 年 9 月の高知県西南部豪雨により、下流域の土佐清水市貝ノ川地区を中心に、全半壊家屋 48 戸、床上浸水 12 戸、床下浸水 52 戸という大きな被害が発生し、市民生活、公共施設、市民財産に甚大な被害を与えました。 

 また、貝ノ川川は土佐清水市および大月町の農地に対する水源として広く利用されているが、渇水期には河川水量の減少により、たびたび農業用水の不足に見舞われています。さらに、上流域の春遠地区等を含む大月町の簡易水道は、小河川の表流水が水源となっていますが、渇水期には需要に見合う給水が不可能となり、断水や取水制限が発生しています。特に平成 8 年の渇水は、1 日 18 時間の断水が 14 日間発生し、給水車にて給水を行うことで対応したが、町民の生活に深刻な影響を与えました。

 このように治水はもとより利水においても早急な対策が望まれており、春遠生活貯水池建設事業には大きな期待が寄せられています。

事業の主な経緯

 春遠生活貯水池建設事業は、平成5年度に予備調査を開始し、平成6年度に建設事業に着手しました。

 平成24年度に貝ノ川川河川整備方針・整備計画、平成25年度には春遠生活貯水池建設事業全体計画を策定。その後、左岸導水施設に接続する工事用兼管理用道路の荒廃に伴う予期せぬコスト増の懸念等の課題が判明したことから、令和元年度に全体計画の変更(1ダム+導水トンネル → 2ダム)を行いました。

 令和4年度より、春遠第1ダムの本体建設工事に着手し、令和8年度の完成を目指しています。

時期 できごと 備考
平成5年4月 予備調査着手  
平成6年4月 建設事業採択・事業着手  

平成13年7月

補償基準妥結  

平成23年11月

「第19回今後の治水対策のあり方に関する有識者会議(ダム検証)」実施  
平成24年2月 ダム検証実施 → 国土交通大臣より「補助金交付を継続」との対応方針を決定  
平成24年10月 「貝ノ川川水系河川整備基本方針」策定  
平成24年12月 「春遠生活貯水池建設事業に関する基本協定」締結  

平成24年12月

「貝ノ川川水系河川整備計画」策定  
平成26年3月 「春遠生活貯水池建設事業全体計画」策定  
平成30年9月 基本設計会議(第2ダム・ダム軸ダム形式)実施  
平成31年1月 「貝ノ川川水系河川整備計画」変更(2ダム1事業化に伴う変更)  
令和元年7月 基本設計会議(環境部会)実施  

令和元年8月

「春遠生活貯水池建設事業全体計画」変更(2ダム1事業化に伴う変更)  
令和2年10月 基本設計会議(第1ダム・本体実施設計)実施  
令和4年10月 春遠第1ダム本体工事本契約・着手(熊谷・須工ときわ・伊与田 特定建設工事共同企業体)  

 

春遠第1ダム(本体建設中)

ダムの位置

高知県 幡多郡大月町 春遠

二級河川貝ノ川川水系1支家ノ谷川

 

ダムのはたらき

洪水調節

・ 春遠第1ダム地点の計画高水流量(※)20m3/sのうち19m3/sの調節を行い、春遠第2ダムと一体となって下流沿岸の水害を防ぎます。

※「計画高水流量」とは
 基本高水を合理的に河道、ダム等に配分して、主要地点の河道、ダム等の基本となる高水流量を決定するもの。(河川砂防技術基準)
 貝ノ川川の場合、およそ30年に1度の確率で発生する降雨・洪水を安全に流下させるために配分された流量

流水の正常な機能の維持

・ 河川維持流量として、春遠学橋基準点において年間を通して動植物の生息に必要な流量0.032m3/sを確保する。

・ 既得用水の補給など流水の正常な機能の維持と増進を図るため、春遠学橋地点において最大0.077m3/sを確保する。

水道用水

・ 大月町に対して、新たに1日最大660m3を供給する。

 

ダムの諸元

型 式

重力式コンクリートダム

堤 高

31.0 m

堤 頂 長

112.0 m

堤 体 積

27,500 m3

堤頂標高

EL.214.0 m

堤 頂 幅

5.0m

集水面積 0.84 km2
湛水面積 0.1 km2

設計最高水位
(設計洪水位)

EL.212.3 m

洪水時最高水位
(サーチャージ水位)

EL.209.8 m

平常時最高貯水位
(常時満水位)

EL.203.9 m
最低水位 EL.193.5 m
総貯水容量 630,000 m3
有効貯水容量 600,000 m3
堆砂容量

30,000 m3

洪水調節容量 330,000 m3
利水容量

270,000 m3
(流水の正常な機能の維持:170,000 m3,水道用水:100,000 m3)

 

建設状況

【着手前(令和4年3月)】

施工状況(着手前)

【現況(令和6年1月)】

施工状況(R6.1月)

 

パンフレット

春遠第1ダムパンフレット[PDF:10MB]

 

ダムカード・ダムへのアクセス

ダムカードの配布を行っています。詳細は「こちら

 

春遠第2ダム(設計検討中)

ダムの位置

高知県 幡多郡大月町 春遠

二級河川貝ノ川川水系1支谷の奥川

 

ダムのはたらき

洪水調節

 春遠第2ダム地点の計画高水流量(※)11m3/sのうち8m3/sの調節を行い、春遠第1ダムと一体となって下流沿岸の水害を防ぎます。

 

ダムの諸元

型 式

重力式コンクリートダム

堤 高

21.5 m

堤 頂 長

96.0 m

堤 体 積

12,000 m3

堤頂標高

EL.195.5 m

堤 頂 幅

5.0 m

集水面積 0.47 km2
湛水面積 0.1 km2

設計最高水位
(設計洪水位)

EL.193.7 m

洪水時最高水位
(サーチャージ水位)

EL.192.2 m

平常時最高貯水位
(常時満水位)

EL.179.0 m
最低水位  ー (治水専用ダムのため常時満水位と同値)
総貯水容量 88,000 m3
有効貯水容量 84,000 m3
堆砂容量

30,000 m3

洪水調節容量 4,000 m3
利水容量

 ー (治水専用)

この記事に関するお問い合わせ

高知県 土木部 幡多土木事務所宿毛事務所

所在地  : 〒788-0011 高知県宿毛市宿毛5342番7号
電話   : 0880-63-2141
ファックス: 0880-63-0209
メール  :

170111ken.pref.kochi.lg.jp
(恐れ入りますが迷惑メール防止のため、メールアドレスに@を入れておりません。
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