すぐ解る流行の状況! 感染症週報(第27週)

公開日 2017年07月12日

(第27週:7月3日から7月9日)

★ お知らせ!
◆ 夏型感染症(手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱)に気を付けて
 1)手足口病

 県全域で警報値(5.00) を超えています。
 定点医療機関当たりの報告数は第26週の15.13から第27週では19.10と増加し、4週連続で警報値を超えています。県全域から報告があり、幡多、中央東、中央西で増加し、高知市、須崎、幡多、中央東、中央西で警報値を、安芸では注意報値を超えています。高知県では第18週以降9週連続して増加しており、また、過去10年間で見ても最も多い報告数になっていることから引き続き注意が必要です。
 年齢別にみると、1歳が34%と一番多く、2歳27%、0歳14%、3歳9%、4歳6%、5歳4%、6~9歳4%、10歳以上2%と、6歳未満が報告の殆どを占めていますが、6歳以上の報告も増加しています。また、学校等欠席者・感染症情報システム※でも第26週の11例から第27週では26例と報告数が増加しています。
 さらに、定点医療機関からのホット情報でも手足口病の流行が継続しているとの報告があります。
 全国でも定点医療機関当たりの報告数は第13週以降増加が続いています。
 病原体検出情報では、患者報告が多くなった第24週以降、第26週迄に搬入された検体で高知市、須崎、幡多からCA6(Coxsackievirus A6)が10件検出されています。 
 国内の手足口病由来ウイルスの検出状況は、2017年第1週から第25週までの合計でCA6が52.7%と最も多くなっています。
 手足口病は、CA16(Coxsackievirus A16)、EV71(Enterovirus71)さらに CA6などのエンテロウイルスが病因となり、4歳くらいまでの幼児を中心に夏季に流行が見られる疾患です。2歳以下が半数を占めますが、学童でも流行的発生がみられることがあります。特に、この病気にかかりやすい年齢層の乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは注意が必要です。
 通常は3~5日の潜伏期をおいて、口の中、手のひら、足の裏や足背などに2~3mmの水疱性発疹ができます。ほとんどの発病者は数日間のうちに治る病気ですが、ごくまれに髄膜炎や脳炎などを生じることがありますので、高熱や嘔吐、頭痛などがある場合は注意してください。また、倦怠感や口腔内の痛みなどから食事や水分を十分にとれず、脱水になることもありますので、こまめな水分補給を心がけてください。
 近年のCA6による手足口病では、従来の手足口病と発疹の出現部位が異なり、水疱は扁平で臍窩(発疹にくぼみがある)を認め、これまでより大きいことや、手足口病発症後、数週間後に爪脱落が起こる症例(爪甲脱落症)も報告されていますが、これらは自然に治るとされています。
 感染経路は主として飛沫感染、接触感染です。予防対策としては、手洗いの励行と排泄物の適切な処理が基本です。水泡内容には感染性のあるウイルスが含まれているので、患者との濃厚な接触は避けましょう。また、症状が消失した後も2〜4週間にわたり児の便などからウイルスが排泄されるため、流行期の保育園や幼稚園などの乳幼児施設においては、手洗いの励行と排泄物の適正な処理、またタオルを共用しないなどの感染予防対策が重要となります。
 <手洗いについて>
 石けん液を使いよく泡立てて洗い、流水でしっかり流します。指先や爪の間、指の間や親指の周り、手のしわ、手首までしっかりと洗うようにしましょう。
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 2)ヘルパンギーナ
 定点医療機関当たりの報告数は第26週の3.00から第27週では2.63と横ばいですが、2週連続で注意報値を超えています。県全域から報告があり、幡多、中央東では減少していますが、安芸、須崎で急増、中央西で増加し、幡多では警報値を、中央西、安芸、高知市では注意報値を超えています。
 病原体検出情報では、第24週から第26週に搬入された検体で高知市、須崎、幡多からCA6(Coxsackievirus A6)が4件検出されています。
 ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎で、乳幼児を中心に夏季に流行するいわゆる夏かぜの代表的疾患です。2~4日の潜伏期の後、突然の高熱、咽頭痛や咽頭発赤を呈し、口腔内に水疱や発赤が現れます。水疱は破れて痛みも伴います。2〜4日で解熱し、通常は7日程度で治癒します。高熱による倦怠感や口腔内の痛みなどから、食事や水分を十分にとれず、脱水になることもあります。合併症としては、熱に伴う熱性けいれんと、まれに髄膜炎や心筋炎が生じることがあります。頭痛やおう吐、発熱が続く場合は主治医に相談しましょう。
 患者の咳やくしゃみなどのしぶきに触れることによって感染(飛まつ・接触感染)するので、一般的な予防対策(手洗い、うがい、咳エチケット等)を心がけることが大切になります。
 症状がおさまった後も、2~4週間程度は便などにウイルスが排泄されるため、トイレの後やおむつ交換の後、食事の前の手洗いを徹底しましょう。

 3)咽頭結膜熱
 定点医療機関当たりの報告数は第26週の0.13から第27週では0.20と増加しています。幡多で急増しています。
 咽頭結膜熱は、アデノウイルス感染による、発熱(38~39度)、のどの痛み、結膜炎を主症状とする小児に多い疾患で、例年5月中旬から下旬頃にかけて患者数が増加し始め、7月下旬から8月上旬をピークとする流行が見られる夏期の疾患で、プールを介して流行することがあることから、「プール熱」とも呼ばれています。
 感染経路は通常、飛まつ感染または手指を介した接触感染ですが、プールでは眼の結膜からの感染も考えられています。以下のことに気を付け、感染予防に努めましょう。
 1)流行時には流水と石けんによる手洗い、うがいを励行しましょう。
 2)感染者との密接な接触は避けましょう。
 3)タオル等は別のものを使いましょう。
 4)プールからあがった時はシャワーをよく浴びましょう。

 感染性胃腸炎に気を付けて!
 定点医療機関当たりの報告数は第26週の2.20から第27週では2.43と横ばいです。幡多で急減、安芸で減少していますが、須崎で急増、高知市、中央東で増加しています。
 定点医療機関からのホット情報ではロタウイルス2例の報告があり、細菌の病原性大腸菌やカンピロバクター属菌、サルモネラ属菌を原因とする胃腸炎7例の報告もあります。
 感染性胃腸炎の予防には、手洗いが有効です。帰宅時や調理・食事前、トイレの後には、石けんでよく手を洗い、タオルは共用せず専用のものにしましょう。感染した人の便やおう吐物には、直接触れないよう、使い捨ての手袋やキッチンペーパーなどを使って処分してください。
 高温多湿な季節となりました。細菌による感染性胃腸炎のほとんどの場合、患者との接触(便など)や汚染された水、食品によって経口的に感染します。予防対策としては、食中毒の一般的な予防方法(1.つけない(洗う・分ける) 2.増やさない(低温保存・早めに食べる) 3.やっつける(加熱処理))です。食品の冷所保存を心がけ、長期保存は避ける、加熱(85℃で1分以上)は十分にするなど、日常生活での食中毒予防を心がけて下さい。

◆ 百日咳に気を付けて!
 定点医療機関からの報告数は第26週の0.00から第27週では0.07と急増しています。高知市で急増し注意報値を超えています。
 百日咳は、感染力が強く、軽症でも菌の排出があるため、注意が必要です。特に生後6ヶ月未満の乳児では無呼吸発作等、重篤になる場合もあるので、予防接種をしていない新生児、乳児がいる場合は特に感染に対する注意が必要です。
 予防対策は予防接種、うがい、手洗い、咳エチケットです。感染予防のためにワクチン接種をお勧めします。ワクチンは生後3ヶ月から接種可能なので、かかりつけ医と相談し、出来るだけ早く受けておくことをお勧めします。


   ※学校等欠席者・感染症情報システム:県内小中高等学校における疾病別患者情報システム

☆山や草むらでの野外活動の際にはマダニに注意!

    第27週にSFTS(重症熱性血小板減少症候群)、日本紅斑熱の発生届けがそれぞれ1例ありました。
    日本紅斑熱やSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は比較的大型(吸血前で3~4mm)のマダニが媒介する感染症です。
    キャンプ、ハイキング、登山、ゴルフ、農作業など、山や草むらで活動する機会が多くなる季節です。この時期、野山に生息するマダニに刺されることで感染症を起こすことがあります。
    全てのマダニが病原体を持っているわけではありませんが、これらのマダニに咬まれないようにすることが感染の予防になります。(予防するためのワクチン等はありません。)
    野山や畑、草むら等に出かける時には長袖・長ズボンを着用し、シャツの裾はズボンの中に入れ、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる等、肌の露出を少なくし、マダニに対する虫除け剤(有効成分:ディ-トあるいはイカリジン)を使用する等して、効果的な対策を自ら取ることが大切です。

発熱等の症状が出たとき

    野山に入ってからしばらくして(数日~2週間程度)発熱等の症状が出た場合、医療機関を受診して下さい。
    また受診の際、発症前に野山に立ち入ったこと(ダニに咬まれたこと)を申し出て下さい。

 ●高知県衛生研究所 ダニが媒介する感染症及び注意喚起パンフレット
 http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/130120/2015111600016.html

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★ 県内での感染症発生状況!

 

定点把握感染症 (上位疾患)

27週 (7月3日~7月9日)

疾 病 名

推 移

定点当たり報告数

県 内 の 傾 向

手足口病

19.10

県全域、幡多、中央東、中央西で増加し、県全域、高知市、須崎、幡多、中央東、中央西で警報値を、安芸で注意報値を超えています。

ヘルパンギーナ

2.63

幡多、中央東で減少していますが、安芸、須崎で急増、中央西増加しています。幡多で警報値、県全域、中央西、安芸、高知市で注意報値を超えています。

感染性胃腸炎

2.43

幡多で急減、安芸で減少していますが、須崎で急増、高知市、中央東で増加しています。

A群溶血性レンサ球菌

1.23

中央東、中央西で急減していますが、安芸で急増、高知市、幡多で増加しています。

突発性発疹

0.50

須崎で急減、中央西で減少していますが、中央東、幡多で急増しています。

:急増 :増加 :横ばい :減少 :急減

 


 ★ 地域別感染症発生状況

 第27週
2017_27map


★ 気を付けて!
手足口病 第27週:19.10 (注意報値:2.00 警報値:5.00)
 定点医療機関からの報告数は定点当たり19.10(前週:15.13)と増加し、警報値を超えています。幡多19.40(前週:11.40)中央東16.86(前週:9.57)中央西13.67(前週:11.33)で増加し、高知市24.09(前週:21.73)須崎21.50(前週:24.00)幡多、中央東、中央西では警報値、安芸4.50(前週:4.50)では注意報値を超えています。報告を年齢別にみると、90%が4歳以下になっています。

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ヘルパンギーナ 第27週:2.63 (注意報値:2.00 警報値:6.00)
 定点医療機関からの報告数は定点当たり2.63(前週3.00)と横ばいですが、注意報値を超えています。幡多6.20(前週:10.20)中央東0.71(前週:1.00)で減少していますが、安芸2.50(前週:0.50)須崎1.00(前週:0.00)で急増、中央西3.33(前週:2.67)で増加し、幡多では警報値を、中央西、安芸高知市2.36(前週:2.09)では注意報値を超えています。

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A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 第27週:1.23 (注意報値:4.00 警報値:8.00)
 定点医療機関からの報告数は定点当たり1.23(前週:1.27)と横ばいです。中央東0.57(前週:1.14)中央西0.00(前週:2.00)で急減していますが、安芸0.50(前週:0.00)で急増、高知市2.27(前週:1.73)幡多1.20(前週:0.80)で増加しています。

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感染性胃腸炎 第27週:2.43 (注意報値:12.00 警報値:20.00)
 定点医療機関からの報告数は定点当たり2.43(前週:2.20)と横ばいです。幡多0.60(前週:2.60)で急減、安芸3.00(前週:5.50)で減少していますが、須崎1.00(前週:0.00)で急増、高知市3.45(前週:2.27)中央東3.43(前週:2.43)で増加しています。
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※グラフの途切れについて
  H27-H28年は第53週まであるため、グラフ横軸に第53週を挿入しています。
  そのため、H26-H27 年とH28-H29のグラフ第52週~第1週間に途切れが生じています。


病原体検出情報
 前週以前に搬入
2017_27_fig7 

★全数把握感染症
2017_27_fig6


 高知県感染症発生動向調査(週報)ダウンロード

◆ 第27週週報
◆ 過去の週報・月報は「感染症情報(週報・月報)」のページからダウンロードいただけます。
◆ 高知県の流行発生注意報・警報基準値

 

連絡先

高知県 健康政策部 衛生研究所
住所: 〒780-0850 高知市丸ノ内2丁目4番1号 保健衛生総合庁舎
電話: 総務企画課 088-821-4960
保健科学課 088-821-4963
生活科学課 088-821-4964
ファックス: 088-872-6324
メール: 130120@ken.pref.kochi.lg.jp

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