地球温暖化による気候の変化と将来予測

公開日 2024年11月06日

 近年、夏の暑さや降雪の激化、ゲリラ豪雨の増加などの気候の変化や農産物の品質低下、漁場の北上など、地球温暖化による様々な影響が見られています。
 このまま地球温暖化が進めば、さらに深刻化することが予想されており、温暖化対策を進めるとともに気候変動がもたらす様々な影響にしっかりと対応していくことが必要です。

                                                

気温の変化

世界の年平均気温偏差の変化(1891〜2023年)

 2023年の世界の年平均気温の基準値(陸域における地表付近の気温と海面水温の1991〜2020年の平均)をベースとした偏差は+0.54℃で、1891年の統計開始以降、最も高い値となりました。
 世界の年平均気温は、高くなったり低くなったりを繰り返しながら、100年あたり0.76℃の割合で上昇してきました。特に1990年代半ば以降は、高温となる年(偏差が0.0を超える年)が多くなっています。

出典:気象庁ウェブサイト「世界の年平均気温偏差の経年変化(1891~2023年)
  (https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_wld.html)

日本の年平均気温偏差の変化(1898~2023年)

 2023年の日本の年平均気温の基準値(1991~2020年の平均)からの偏差は+1.29℃で、1898年の統計開始以降、最も高い値となりました。
 日本でも、年平均気温は上昇(100年あたり1.35℃)しており、その上昇率は世界の年平均気温より高くなっています。また、1990年代以降、高温となる年が頻出しています。
  これまでに観測された年平均気温を高い順に並べると、トップ5はいずれも5年以内であり、近年になって気温が急上昇していることが分かります。特に、2023年が突出して高くなっています。

順位 基準値(1991~2020年の平均)との差
2023 +1.29℃
2020 +0.65℃
2019 +0.62℃
2021 +0.61℃
2022 +0.60℃

出典:気象庁ウェブサイト「日本の年平均気温偏差の経年変化(1898~2023年)
   (https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_jpn.html)

高知の年平均気温の変化(1886~2023年)

 高知地方気象台の観測によると、高知市の年平均気温は、100年あたり1.60℃の割合で上昇しています。
 また、最高気温30℃以上の「真夏日」や35℃以上の「猛暑日」の年間日数も増加傾向にあります。
 観測所が都市部にあることによる「ヒートアイランド現象の影響」や数年から数十年程度の時間規模で繰り返される「自然変動の重なり」が影響していると考えられます。



出典:気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)
     (https://adaptation-platform.nies.go.jp/climate_change_adapt/adapt/a-0102/index.html)
   (https://adaptation-platform.nies.go.jp/map/Kochi/index_past.html)
   高知地方気象台ウェブサイト
     (https://www.jma-net.go.jp/kochi/kouchi_kikouhendou/4-4-2/kouchi_kikou_t.html)

日本の気候変動予測

 将来、日本の気候は、厳しい温室効果ガス排出削減対策を行った場合(厳しい対策)は小さな変化になります。これに対し、化石燃料に依存し、将来にわたって大量の温室効果ガスを排出し続けた場合(対策なし)は大きく変化します。
 
 21世紀末(2076~2095年の平均)の日本の気候は、20世紀末(1980~1999年の平均)と比べてどうなるのでしょうか。

(出典:文部科学省・気象庁「日本の気候変動2020」概要版)

 

高知の気候変動予測

①気温

 高知県の年平均気温は、厳しい対策をした場合は約1.3℃上昇、対策をしなかった場合は約4.0℃上昇すると予測されています。
 約4.0℃上昇した場合、猛暑日(最高気温が35℃以上の日)の年間日数は最大約21日、熱帯夜(最低気温が25℃以上の日)は最大約62日も増加すると考えられています。




②雨

 1年間に降る雨の量については、明確に増える、又は減るということは示されていません。一方で、気温の上昇により雨の材料となる大気中の水蒸気の量が増加することから、大雨の頻度と強さは増加すると考えられます。
 四国地方に降る非常に激しい雨(傘は全く役に立たず、水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなるような雨の降り方)の回数は、最大約1.8倍に増加すると予測されています。
 一方で、無降水日(日降水量が1.0mm未満)は、最大で約10日増えると考えられています。

  対策なし 厳しい対策
日降水量200㎜以上の回数 約1.7倍増 有意な変化なし
年最大日降水量※1 約1.2倍増 約1.1倍増
無降水日日数

約10日増

有意な変化なし

※1 年で最も多くの雨が降った日の降水量
(注意)大雨や短時間での強い雨は発生数が少ないため、地域単位での予測は不確実性が大きい
 

出典:気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)
(https://adaptation-platform.nies.go.jp/climate_change_adapt/adapt/a-0103/index.html)

この記事に関するお問い合わせ

高知県 健康政策部 衛生環境研究所

所在地: 〒780-0850 高知市丸ノ内2丁目4番1号 保健衛生総合庁舎
電話: 総務担当 088-821-4960
企画担当 088-821-4961
保健科学課 088-821-4963
生活科学課 088-821-4964
環境科学課 088-821-4697
ファックス: 088-821-4696
メール: 130120@ken.pref.kochi.lg.jp

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