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平成10年11月1日調査
◇漁業就業者数が速報値から変更となっています◇
(変更箇所は太字で表示しています)
Ⅰ 海面漁業の基本構造
—すべての数値で減少—
高知県の漁業経営体数は3,610、漁業従事者世帯数は2,562、漁業就業者数は7,026、漁船の隻数5,275 と前回調査(H5・11・1)に比べてそれぞれ586(14.0%)、337(11.6%)、1,113(13.7%)、1,086 (17.1%)の減少となっています。
第1表 海面漁業の基本構造 |
平成10年 | 平成5年 | 減少率 (平10/平5×100) |
|
漁業経営体数 | 3,610 | 4,196 | 86.0 |
漁業従事者数 | 2,562 | 2,899 | 88.4 |
漁業就業者数 | 7,026 | 8,139 | 86.3 |
漁船の隻数 | 5,275 | 6,361 | 82.9 |
Ⅱ 漁業経営体数
(1)漁業経営体数は、第9次漁業センサスに比べ14.0%(586)の減少となり第8次漁業センサス (63.11.1現在)から第9次漁業センサス(H5.11.1現在)までの12.0%(574)減少に 比べてさらに減少率が高くなっています。
(2)漁業経営体数を小海区別でみると、平成5年に比べて安芸地区で15.8%(136)減、中土佐 海区で比べ11.9%(183)減、幡多地区で14.9%(267)減といずれも減少しています。
第2表 小海区別経営体数 |
年 次 | 経営体総数 | 安芸海区 | 中土佐海区 | 幡多海区 |
昭58 | 5,197 | 1,185 | 1,923 | 2,089 |
63 | 4,770 | 1,005 | 1,806 | 1,959 |
平5 | 4,196 | 861 | 1,538 | 1,797 |
10 | 3,610 | 725 | 1,355 | 1,530 |
減少率 (平10/平5×100) |
86.0 | 84.2 | 88.1 | 85.1 |
(注)1 安芸海区とは、東洋町から芸西村まで、中土佐海区とは、夜須町から窪川町まで、 幡多海区とは佐賀町から宿毛市までの海区をいう。
2 経営体数には、沿岸漁業以外の中小・大規模漁業層を含む。
(3)沿岸・中小・大規模漁業層別に漁業経営体数の変化をみると、沿岸漁業層及び中小漁業層ともに 減少しているが、大規模漁業層は、僅かに増えています。
ア)沿岸漁業層は、3,275で、平成5年に比べ14.7%(566)減少しています。これは、真鯛養殖 等で増加しているものの、小型漁船が減少しているためです。
イ)中小漁業層は、332で、平成5年に比べ5.9%(21)減少しています。これは、30〜50トンで やや増加しているほか、他の階層でも減少率が緩やかで中小漁業層全体では減少している ものの大型化が進んでいると思われます。
ウ)大規模漁業層は、3で平成5年に比べ僅かに増加しています。
第3表 沿岸・中小・大規模漁業別経営体数 |
漁業層 | 経営体数 | 平10年 構 成 比 |
減少率 (平10/平5×100) |
|
平成10年 | 平成5年 | |||
総 数 | 3,610 | 4,196 | 100 | 86.0 |
沿岸漁業層 | 3,275 | 3,841 | 90.7 | 85.3 |
中小漁業層 | 332 | 353 | 9.2 | 94.1 |
大規模漁業層 | 3 | 2 | 0.1 | 150.0 |
(注)1 沿岸漁業とは、漁船非使用、無動力、動力10トン未満、定置網、地引き網及び 海面養殖の各階層の総称をいう。
2 中小漁業層とは、動力10トン以上1,000トン未満の各階層の総称をいう。
3 大規模漁業層とは、動力1,000トン以上の階層をいう。
(4)経営体数を組織別にみると、平成5年に比べ個人経営体では経営主の高齢化等により13.4% (537)減、団体経営体でも27.4%(49)減といずれも減少しています。
第4表 経営組織別経営体数 |
経営組織 | 経営体数 | 平成10年 構 成 比 |
減少率 (平10/平5×100) |
||
平成10年 | 平成5年 | ||||
総数 | 3,610 | 4,196 | 100 | 86.0 | |
個人経営 | 3,480 | 4,017 | 96.4 | 86.6 | |
団体経営 | 130 | 179 | 3.6 | 72.6 | |
内 訳 | 会社経営 | 61 | 66 | 1.7 | 92.4 |
漁業協同組合 | 4 | 4 | 0.1 | 100.0 | |
漁業生産組合 | 5 | 4 | 0.1 | 125.0 | |
共同経営 | 56 | 104 | 1.6 | 53.8 | |
官公庁・学校・試験場 | 4 | 1 | 0.1 | 400.0 |
(5)個人経営体を専兼業別にみると、平成5年に比べて専業では8.3%(148)の減、兼業でも 17.4%(389)の減、また漁業が主・従にかかわらず減少しています。特に漁業が主が18.2% (245)減少しています。
第5表 専兼業別個人経営体数 |
専業区分 | 経営体数 | 平成10年 構 成 比 |
減少率 (平10/平5×100) |
||
平成10年 | 平成5年 | ||||
総数 | 3,480 | 4,017 | 100 | 86.6 | |
専業 | 1,639 | 1,787 | 47.1 | 91.7 | |
兼業 | 1,841 | 2,230 | 52.9 | 82.6 | |
内訳 | 漁業が主 | 1,098 | 1,343 | 31.6 | 81.8 |
漁業が従 | 743 | 887 | 21.4 | 83.8 |
Ⅲ 漁業従事者世帯数
漁業従事者世帯数は、2,562で、平成5年に比べ11.6%(337)減少しています。
これを専兼業別にみると、専業では平成5年に比べ8.9%(121)減少、兼業でも14.0% (216)減少しています。
また、漁業雇われが主が16.7%(220)減少、雇われが従は1.8%(4)増加しています。
第6表 専兼業別漁業従事者世帯数 |
専業区分 | 経営体数 | 平成10年 構 成 比 |
減少率 (平10/平5×100) |
||
平成10年 | 平成5年 | ||||
総 数 | 2,562 | 2,899 | 100 | 88.4 | |
専 業 | 1,240 | 1,361 | 48.4 | 91.1 | |
兼 業 | 1,322 | 1,538 | 51.6 | 86.0 | |
内 訳 |
漁業雇われが主 | 1,095 | 1,315 | 42.8 | 83.3 |
漁業雇われが従 | 227 | 223 | 8.9 | 101.8 |
Ⅳ 漁業就業者数
漁業就業者数は、7,026人で、平成5年に比べ13.7%(1,113)減少しています。 男子就業者について年齢別にみると、平成5年に比べ29才以下31.2%(142)減少、30才から 39才で36.9%(302)減少、40才から49才で29.4%(560)減少と働き盛りの年齢層が大幅に 減少しています。また、これに対し60才以上は5.0%(121)増と、前回に引き続き増加しており、 高齢化が進んでいます。 女子の従業者は11.9%(63)減少していますが前回に比べ減少率は低くなっています。
第7表 性別・男子年令別漁業就業者数 |
性・年令階層 | 漁業就業者数 | 平成10年 構 成 比 |
減少率 (平10/平5×100) |
||
平成10年 | 平成5年 | ||||
総 数 | 7,026 | 8,139 | 100 | 86.3 | |
男 子 |
29才以下 | 313 | 455 | 4.5 | 68.8 |
30〜39才 | 516 | 818 | 7.3 | 63.1 | |
40〜49才 | 1,343 | 1,903 | 19.1 | 70.6 | |
50〜59才 | 1,867 | 2,034 | 26.6 | 91.8 | |
60才以上 | 2,522 | 2,401 | 35.9 | 105.0 | |
女 子 | 465 | 528 | 6.6 | 88.1 |
Ⅴ 漁船の隻数
海面漁業経営体が平成10年11月1日現在で保有する漁船の隻数は、5,275隻で平成5年に比べ17.1% (1,086)減少しています。
漁船の種類別でみると、無動力船は増加していますが、船外機付船及び動力船は、減少しています。
動力船の規模別でみると、5〜10トン、10〜20トン、100トン層以上は増加していますが、それ以外の すべての層で減少しています。特に、3トン未満で21.7%(354)、3〜5トンで19.8%(387)といちじ るしく減少しています。
第8表 漁船種類別・規模別漁船隻数 |
種類・規模 | 隻 数 | 平成10年 構 成 比 |
減少率 (平10/平5×100) |
||
平成10年 | 平成5年 | ||||
総数 | 5,275 | 6,361 | 100 | 82.9 | |
無動力船 | 75 | 58 | 1.4 | 129.3 | |
船外機付き船 | 1,538 | 1,918 | 29.2 | 80.2 | |
動力船計 | 3,662 | 4,385 | 69.4 | 83.5 | |
内 訳 |
3トン未満 | 1,274 | 1,628 | 24.2 | 78.3 |
3〜5トン | 1,564 | 1,951 | 29.6 | 80.2 | |
5〜10トン | 450 | 419 | 8.5 | 107.4 | |
10〜20トン | 244 | 216 | 4.6 | 113.0 | |
20〜50トン | 32 | 65 | 0.6 | 49.2 | |
50〜100トン | 20 | 36 | 0.4 | 55.6 | |
100トン以上 | 78 | 70 | 1.5 | 111.4 |
<参考>
1 調査の目的
第10次漁業センサスは、漁業の生産構造、就業構造及び漁業生産の背景条件の実態と変化を総合的に把握し、水産行政諸施策の策定に必要な基礎資料を整備する事を目的として実施しました。
2 調査の期日
平成10年11月1日現在
3 調査の体系
調査の種類 | 調査の地域 | 調査の対象 | 調査の系統 |
海面漁業基本調査 | 海面に沿う市町村及び漁業法86条第1項により農林水産大臣の指定した地域 | 海面漁業経営体及び漁業従事者世帯 | 農林水産省−都道府県−市町村−指導員−調査員 |
漁業地区調査 | 同 上 | 漁業地区並びに漁業地区内の漁業管理組合、魚市場、水産物卸売業者、水産物買受人冷凍 ・ 冷蔵工場、水産加工場 | 農林水産省−地方農政局−同統計事務所−同出張所−(調査員) |
内水面漁業調査 | 内水面漁業経営体の所在する市町村及び内水面漁業協同組合(同連合会を含む。)の所在する市町村 | 内水面漁業経営体及び内水面漁業協同組合(同連合会を含む。) | 同 上 |
4 調査の方法
海面面漁業基本調査は調査員による調査客体への面接聞き取り調査によるが、一部項目(会社経営体については全部)については、自計申告調査の方法によります。
5 数値及び記号の表示
(1)数値
数値はラウンドしてあるので、総数とその内訳を合計したものが一致しない場合がある。また、解説の説明文中の各表の増減数、増減率、構成比はラウンド前の原数値により算出しているため、表上の数値単位が統計表と異なっている場合、表の数値から算出したものとわずかな差がある場合もある。
(2)記号
「−」は事実のないもの、調査を欠くのもの、事実不詳のもの
6 問い合わせ先
詳細については、「高知県の漁業−第10次漁業センサス結果報告書−」を刊行しています。
その他、この調査については下記にお問い合わせください。
高知県総務部統計課経済統計担当
TEL(088)823−9345
FAX(088)823−9257