高知県の動物愛護の取組について

公開日 2018年06月15日

 

高知県の動物愛護行政の取組に対して、「全国最悪」とか「100%即日殺処分」などといったご指摘をいただくことがあります。しかし、それは誤解で、高知県では以下の3点の取組を進めており、その結果、犬猫の収容数及び殺処分数は大幅に減少しています。

最新の高知県動物愛護行政に関するデータと併せて、これまでの取組及び平成30年度の取組を中心に御説明いたします。

   1 小動物管理センターに収容される犬や猫を減らす取組

2 小動物管理センターにおける動物福祉に配慮した取組

3 収容された犬や猫をできるだけ多く譲渡する取組

 

1 小動物管理センターに収容される犬や猫を減らす取組について

   (1) メス猫不妊手術推進事業の実施

高知県では、飼い主の望まない猫の繁殖や飼い主のいない猫の増加を抑えるため、平成26年度からメス猫の不妊手術費の一部を負担する事業を実施しています。不妊手術は、繁殖のための争いや望まない妊娠を予防できるだけでなく、病気の予防やストレスの軽減にもつながります。

平成26年度からの4年間で、計2,607匹(高知市分を除く)の手術負担をしてきていますが、平成30年度は予算を増額し、年間の助成対象を平成26年度の2倍の1,200匹としました。

まだ不妊手術を実施していないメス猫がおられましたら、お近くの県福祉保健所にご相談いただき、是非積極的に手術を実施していただきますようお願いいたします。

 

メス猫不妊手術推進事業

 

(2) 飼い主のいない犬猫対策

人がペットから受ける恩恵には様々なものがありますが、それらは決して人にとって都合のいい時だけ与えてもらえばいいというものではありませんし、恩恵を受ける反面には、終生そのペットを飼い続けて面倒をみるという責任が生じています。多くの飼い主の方は、その責任を肝に命じてペットを飼養されていることと思いますが、小動物管理センター(以下「センター」という)に保護される犬の中には、首輪が付いている犬や以前には人に飼われていたと思われるような人に慣れた犬もいるのが実状です。

そこで、県では、終生飼養の徹底をはじめ、猫の室内飼養、犬猫の不妊・去勢及び飼い主の明示などについて、県や市町村の広報誌等で啓発を行っています。また、高知県動物愛護推進員の方には、子どもの頃から命を大切にする気持ちや思いやりの心をはぐくんでもらうため、県下各地の小学校で動物愛護教室を行っていただいています。さらに、毎年動物愛護週間には、その関連行事として、動物愛護のつどいや動物愛護絵画展の開催、動物愛護に関する講演会などの動物愛護の啓発活動を実施しています。

 

(3) 引取り拒否

ア 法令に基づく引取り拒否

何らかの事情により飼えなくなったということで、飼い主から犬猫の引取りを依頼されることがありますが、動物の愛護及び管理に関する法律に基づき、動物を容易に引き取らず、引き続き終生飼い続けることを促すとともに、どうしてもそれができない場合には、新たな飼養者を自分で見つける努力をしてもらうよう説諭し、飼い犬、飼い猫の引取り抑制を図っています。

イ 市町村の定点回収廃止

前は、各市町村の窓口で犬や猫を飼い主から引き取っていましたが、これ廃止し引取りは原則として各福祉保健所及びセンターのみとして、引取りを求める飼い主に対して強く説諭するようにしています。

 

(4) 地域猫活動等普及支援事業の実施

世の中には、猫が好きな人もいれば苦手な人もいます。かわいそうだからとエサをやる人もいれば、敷地に糞をされて迷惑に思っている人もいます。そうした猫によるトラブルは地域の環境問題として捉え、その地域に合ったルールを作って、解決していくことが大切です。人と猫が調和する環境づくりを目指し、平成30年度から、市町村が主体となって地域猫活動やTNR※などの飼い主のいない猫対策に取り組み、ボランティアの方と連携して猫の繁殖を制限していくことを促進するための補助金制度を創設しました

   ※TNR(Trap, Neuter, Return)・・・飼い主のいない猫を捕獲し、避妊・去勢手術を施し、元の場所へ戻す活動

 

2 小動物管理センターにおける動物福祉に配慮した取組について

 現在のセンターは、狂犬病蔓延防止のために昭和56年に建設された犬の殺処分を前提とした施設であり、最近建てられた他の都道府県の施設と比較すると、設置するにあたっての目的が異なっていることもあって狭隘な施設となっています。

 こうした条件の中、収容力を上げるために平成26年度には猫舎を設置し、平成28年度には犬舎を新たに5つ設置しました。

 また、譲渡や返還に向けての十分な公募期間を確保できるよう、センターでは係留が可能な倉庫や廊下など利用できるところは利用するなどして可能な限り長く飼うよう取り組んでいます。そのため、センターは常時満杯状態なうえ、本来は一時係留するための保健所の施設にも、本来の収容頭数を超える犬が収容されている状況です。

 このような中ですが、犬を収容するにあたっては、犬同士が喧嘩しないよう相性等を見ながら配置を考え、時には犬舎間を移動させるなどして、できるだけ犬がストレスを感じないように配慮しています。

 さらに、平成30年度は、犬猫を収容しているエリアにエアコンを設置し、適切に温度管理を行うほか、開業獣医師が往診により健康チェックを行っています。今後も、より一層動物福祉に配慮した飼養管理を行っていきます。

 しかし、住民の方からの不安の声や苦情を受けて保護される犬は、譲渡される犬を上回るペースで連日のようにセンターへ収容され、こうした取組にも限界があることから、やむを得ず殺処分の判断をしなければならない場合が生じています。

 

3 収容された犬や猫をできるだけ多く譲渡する取組について

 一昨年6月にスタートした譲渡要領に基づく譲渡ボランティアの登録は、まだまだ少ない状況です。しかし、登録ボランティアの方が精力的に活動してくださることもあり、殺処分数は激減していますし、県としてできる譲渡へ向けた取組も行っています。

 

(1) 犬・猫の飼い方講習会の開催

県としては、1頭でも多くの犬猫が新たな飼い主の元で幸せになってくれることを願っております。しかし、一方で、安易な気持ちで飼い始めた結果、センターから譲渡された動物が再びセンターへ収容されるような事態になることは防がなければいけません。

したがって、センターに収容されている犬猫の譲渡を希望される方には、まず犬・猫の飼い方講習会を受講していただき、その後犬猫の性格等を十分確認してから譲渡を決めていただいています。

講習会は毎月1回開催しており、受講の有効期限は1年間です。譲渡を希望される方は、まずは犬・猫の飼い方講習会に参加していただきますようお願いします。

 

平成30年度 犬・猫の飼い方講習会(中央・中村)

 

(2) 休日譲渡前見学会の開催

譲渡前見学会とは、犬・猫の飼い方講習会とセットで行うセンターでの見学会です。この見学会の日にすぐに犬猫を譲渡することは行わず、その後、動物とのマッチングを行う中で、譲渡を受けることについて家族とよく話しあって考えていただきたくようにしていることから、譲渡前見学会という言い方にしています。

平成28年度以降、年々休日の開催回数を増やしており、平成30年度は毎月1回、休日に開催します。午前中に飼い方講習会、午後からセンターでの見学会を行っています。

 

(3) 譲渡動物への不妊去勢手術等の費用の助成

県が譲渡した犬猫がモデルとなり、みだりな繁殖を防ぐための繁殖制限措置や、病気の予防など適正飼養の普及啓発を図るため、これまでは譲渡された犬猫の一部に実施していた不妊去勢手術やワクチン接種等への助成を、平成30年度から全ての譲渡動物(ただし高知市内で保護等された犬猫を除く。)に拡大して実施することとしました。

 

(4) 子猫ミルクボランティア制度の開始

高知県における猫の殺処分の大半を占める離乳前の猫の殺処分を削減するため、県で収容した授乳が必要な子猫を一時的に自宅等で預かり、飼育をしていただくボランティア制度を開始しました。

ボランティア登録をするためには、飼養施設が高知県内(高知市を除く)であることや、先住猫がいる場合には隔離の可否や先住猫のワクチン接種、不妊去勢手術の実施状況などの条件があります。

協力いただける方は、ぜひ食品・衛生課まで連絡をお願いします。ボランティア登録の申請書様式や詳細については、下記リンクを御確認ください。

 

ミルクボランティアの募集

 

 

高知県における犬猫の収容数及び処分頭数の推移

   以上のような取組により、中央と中村の両センターに入ってくる収容数も処分頭数も大幅に減っています。しかし、減ってきたとはいえ、連日のように収容される保護犬や保護猫はおり、殺処分という苦しい判断をせざるを得ない事態は生じます。

   多くの人にセンターに収容されている犬猫に注目していただき、1頭でも多くの犬猫が新たな飼い主の元で幸せに暮らしてくれることを願っています。

   また、他県に比べて圧倒的に少ない譲渡ボランティアや試行を開始した子猫ミルクボランティアにも、多くの人や団体が登録してくださることを期待しています。

 

犬収容頭数

 

猫収容

 

犬の処分頭数

 

猫の処分頭数

 

 なお、平成27年度以前の犬及び猫の処分頭数には、センター収容後の病死や負傷による死亡頭数等も含まれています。

 

 

動物愛護センターの設置

現在のセンターでは、どうしても取組に限界があることから、高知県も動物愛護行政の拠点となる「こうち動物愛護センター(仮称)」の設置に向けて本格的に検討を行っております。

平成29年度は、専門家等からなる「こうち動物愛護センター(仮称)基本構想検討委員会」を開催するとともに、広く意見公募を実施し、基本的な考え方や求められる役割等を示した「こうち動物愛護センター(仮称)基本構想」を策定しました。

今後は、この基本構想に基づき、共同での設置を検討している高知市と協議を重ね、場所の選定など、設置に向けた取組を進めます。

 

 

 

【 参 考 】

高知県動物愛護管理推進計画について

(1) 高知県動物愛護管理推進計画(計画期間:平成20年度から平成29年度)について

    平成20年4月に制定した高知県動物愛護管理推進計画に、犬・猫の殺処分数を削減する目標を掲げました。

  【目標】平成29年度までに
 犬 : 平成19年度比の50%減(1,694頭→847頭)
      平成23
年度に目標を達成(740頭)

 猫 : 平成19年度比飼い猫50%減(3,088頭→1,544頭)
      所有者不明猫25%減(2,839頭→2,129頭)
      平成24度に目標をほぼ達成
     (飼い猫1,330頭、所有者不明猫2,153頭)

  (2) 第2次高知県動物愛護管理推進計画(計画期間:平成26年度から平成35年度)について

第1次計画の達成状況を踏まえ、平成26年4月に策定した第2次高知県動物愛護管理推進計画に、犬・猫の殺処分数をさらに削減する目標を掲げています。

平成35年度に  犬 平成24年度比35%減(567→368頭)
                          猫  平成24年度比60%減(3,483→1,393頭)

  平成29年度の殺処分数は、犬36頭、猫720頭と減少してきています。

 

連絡先

高知県 健康政策部 食品・衛生課
住所: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号(本庁舎4階)
電話: 食品保健担当 088-823-9672
動物・水道担当 088-823-9673
生活衛生担当 088-823-9671
ファックス: 088-823-9264
メール: 131901@ken.pref.kochi.lg.jp