◆◇◆◇  小中学校課学校教育担当メールマガジン「パートナー」  ◆◇◆◇                             H23.9.27 第103号      県教育委員会HP http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/310000/      小中学校課HP  http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/310301/ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇        高知県教育委員会事務局 小中学校課学校教育担当 編集・発行 ------------------------------------------------------------------------  夏の日差しも随分と弱まり、朝夕は秋風が感じられる季節となりました。  学校を見渡すと、運動会・体育祭が開催され、子どもたちの歓声が心に響き渡 っています。この後、文化祭や陸上大会など、様々な芸術やスポーツに触れる機 会も多くなることでしょう。  子どもたちには様々な行事を通して、ものの見方・考え方を養い、自分自身の キャリア形成に生かしてほしいと願ってやみません。  今月も情報満載のメールマガジン「パートナー」をご一読ください。 ----------------------------------------------------------------------- 【メッセージ】「保育所・幼稚園と小学校との円滑な接続」                     市川 広幸 幼保支援課長        「新しい図書館」     渡辺 憲弘 新図書館整備課長 【教育実践】  「家庭のルールづくりについて   ~幡多地区小中学校PTA連合会の取り組みより~」(西部教育事務所) 【挑戦と成果】 (1)ポッシブル・ミッション(中学校学力向上推進チーム)    <中学校学力向上推進チーム学校支援訪問                (中部教育事務所管内)について>  (2)「心を耕す」教育の総合的な推進    <①道徳の部屋> <②学校図書館の部屋> (3)ザ・チャレンジ!    <①理科の部屋> <②外国語の部屋> 【お知らせ】 「第20回上廣道徳教育賞」論文募集のお知らせ 「守ろう地球のたからもの~持続可能な社会を目指して~豊かな世界遺産編」の  寄贈について 「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律(改正環境教育等推進法)  意見交換会」開催のご案内 「グリーンサンタ基金」募集のお知らせ 【銀杏だより】「四十にして惑う」  永野 隆史 小中学校課長 ----------------------------------------------------------------------- 【メッセージ】 「保育所・幼稚園と小学校との円滑な接続」  幼保支援課は、平成15年度に保育所と幼稚園の垣根を越えた窓口の一本化を 行い、質の高い保育・教育の提供と小学校への円滑な接続を目指し、教育委員会 に設置されました。  今回のテーマに関係するのが保育所・幼稚園の窓口一本化です。現在、県内で は幼稚園がなく保育所・へき地保育所しかない9町村を含む18市町村で教育委 員会への窓口一本化が行われており、これらの中には窓口一本化をきっかけに、 保育所・幼稚園の園長と小学校長との定期的な意見交換や協議の場などができ、 幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続に向けた取り組みが積極的に進みだした ところもあります。  各市町村から聞くところでは、教育委員会が保育所・幼稚園を所管することに より、保育所・幼稚園と小学校との円滑な接続が行いやすくなり、また、中学校 までを見通した教育を行うことも可能となることが窓口一本化のメリットとして 挙げられています。  少し話が変わりますが、私が保育所に通っていた時の記憶は、何かの行事以外 はいつも友だちと遊んでいた記憶しかありません。私の子どもが保育所・幼稚園 に通っていたときも同じでした。ところが、この課にきて、幼児教育は「人格形 成の基礎」、「小学校以降の教育の基礎」、そして「生きる力の基礎」を培うも のであり、それは、意識した環境と保育者の支援の下、『遊びや生活』の経験を 通じ身に付けていくものだと知り、その奥深さに驚くとともに、自分も真面目に 幼児教育を受けていた園児だった?・・・のだと安心したことでした。  保幼小の連携にあたって、先生方から「就学前と小学校との教育の在り方が大 きく違うことを初めて知った。」ということを聞くことがあるそうです。それは 先述のとおり就学前が幼児の主体的な遊びを通して行う教育であるのに対し、小 学校からは教科別に教える(習う)教育である違いのためだと思います。このた め子どもたちは、毎日の生活内容や子どもたちへの先生の接し方も大きく変わり ますから、その変化に大変戸惑うこととなります。こうしたことから、子どもの 健やかな成長や就学後の学力の順調な修得のため、円滑な接続を行うことが重要 となってきます。  各市町村では、保幼小の子どもたちの交流活動や教職員同士の研修会など、地 域の独自性を生かした連携の取り組みを行っていることと思います。当課でも保 幼小の連携推進事業として、保育所・幼稚園の教育内容を十分理解した小学校籍 の指導主事がそうした場にお伺いし支援を行っていますので、是非、声をかけ活 用していただきたいと思います。  また、小学校への接続で重要なこととして発達障害等のある子どもへの支援が あります。先般、特別支援教育課が中心となり教育委員会として乳幼児期から就 職、自立までを見通した指導や支援に関しての取り組む方向性やその際の骨格を 示した「発達障害等のある幼児児童生徒の指導及び支援の充実に関する指針」が 策定されました。その中で、就学前から小学校に切れ目のない支援を引き継ぐた めに、保育所・幼稚園と小学校との間で入学後2カ月程度の支援内容を話し合い 作成する「就学時引き継ぎシート」が示されています。  保育所・幼稚園に対しましては、特別支援教育課等のご協力をいただき、引き 継ぎシートの作成と作成に必要な個別指導計画の記載の仕方などについて説明を 行っているところですが、各市町村教育委員会担当者等の方々に対しましては、 今後、この指針と併せご説明を行うようにしています。各小学校におかれまして は、このシートを活用した切れ目のない支援の取り組みについてご協力をお願い します。                  【幼保支援課長 市川 広幸】 ----------------------------------------------------------------------- 「新しい図書館」  この10月から、全国でも初めてとなる県立図書館と高知市民図書館を合築に より整備する新図書館、併せて整備することとなっている新点字図書館とこども 科学館からなる複合施設の基本設計に取り掛かります。  合築となる新図書館は、これまで構想の段階から県民・市民の間で様々な議論 を呼び、大きな関心事となり、新聞等マスコミの間でも大きな話題となってきま した。昨年度末には、基本構想が策定され、その構想に基づき本年4月から基本 計画の策定作業に入り、7月に基本計画を決定、その後プロポーザル方式による 業者選定を行い、現在基本設計委託業務の契約手続きを進めているところです。  プロポーザルの提案では、これまでにない新たな提案や様々な工夫がされてい るなど、各設計者の方々には、真摯に取り組んでいただいたと思います。ただ、 提案内容はあくまでその内容を評価し、業者選定を行うためのものですので、今 後、提案内容をベースに緊密な協議を重ね、優れた設計を策定していかなければ ならないと考えています。  今後、50年100年と長い年月にわたって、県民・市民の皆様の誇りとなる 新しい施設とするため、市町村教育委員会をはじめ、市町村立図書館や学校図書 館関係者の方々のご意見もいただきながら整備を進めていきたいと考えています ので、皆様のご協力をよろしくお願いたします。                  【新図書館整備課長 渡辺 憲弘】 ----------------------------------------------------------------------- 【教育実践】 「家庭のルールづくりについて   ~幡多地区小中学校PTA連合会の取り組みより~」(西部教育事務所)  子どもたちのよりよい学習習慣を身に付けるために、学校と保護者が協力して 取り組みを進めることは重要なことです。特に両者の架け橋でもある各学校のP TAが中心になって取り組みを推進していくことが、今求められていることだと 思います。今回は、西部管内で「家庭のルールづくり」についての啓発に取り組 んでいる幡多地区小中学校PTA連合会(※以下、幡P)の活動について紹介し ます。  幡Pによる「家庭のルールづくり」についての啓発活動は、今年で4年目を迎 えました。平成20年度に行われた「PTAと教育行政との意見交換会」のグル ープ協議の中から、「子どもたちのよりよい学習習慣を確立するために、各家庭 でそれぞれに合ったルールづくりを進めよう。」という意見が出たことがきっか けで始まりました。その啓発のために、まず幡Pではリーフレットを作成しまし た。その内容は表面に学習習慣の重要性、裏面は各家庭で点検できるアンケート となっています。  平成21年度の幡多地区PTA交流集会のグループ協議では、幡多のキャッチ フレーズ「テレビ消し、家庭でつくる学習タイム!!」も生まれました。このキ ャッチフレーズを児童生徒のノートに貼ったり、ノーテレビデーに定期的に取り 組むなど、その趣旨に沿った活動を推進する学校も見られるようになってきまし た。  このように子どもたちの学習習慣の定着に向け、少しでも多くの学校で取り組 みを進めてほしいという願いから、今年度の意見交換会(6月19日 黒潮町) では、幡P会長よりさらに発展的な提案がなされました。その内容は「各校で、 子どもたちの学習習慣を身に付ける家庭のルールづくりについて、校長先生とP TA会長が話し合う時間を作ってはどうか。」というものです。これは学校と保 護者が協力して取り組むために具体的に第一歩を踏み出そうということです。こ れを受けて、各市町村のPTAでは早速取り組みが進められています。10月に 行われる平成23年度幡多地区PTA交流集会では、これらの取り組みについて 報告される予定になっています。  心身ともに健やかで自ら学ぶ意欲のある子どもを育むために、学校と保護者が 両輪となった取り組みがなされるよう西部教育事務所も幡Pの活動を支援してい きたいと考えています。なお6月に行われた意見交換会で話し合われた内容など については、西部教育事務所ホームページに掲載していますので、皆様是非アク セスしてみてください。                  【西部教育事務所  松下 誠司】 ----------------------------------------------------------------------- 【挑戦と成果】 (1)ポッシブル・ミッション(中学校学力向上推進チーム) <中学校学力向上推進チーム学校支援訪問(中部教育事務所管内)について>   2学期がスタートしました。各学校においては、学校改善プランの中間検証を 行い、本年度後半の取り組みをより充実させるべく改善点を実施されているので はないでしょうか。  さて、中部教育事務所管内では、8月末までに、新規校3校を含む11校の重 点支援校と重点支援校以外の32校に70回の学校支援訪問を行いました。今回 は、授業づくりや家庭学習の質の向上等のために、校内研修を充実し共通理解を 図りながら組織的に取り組まれている例をいくつか紹介します。  まず、家庭学習の取り組みについてです。  南国市立香南中学校では、数学と英語について毎日課題を出し週末テストを実 施しています。特徴的なことは、A4用紙の表面を数学、裏面を英語とし、それ ぞれ15分程度で取り組める既習事項や授業とリンクした内容をタイムリーに課 していること、併せてその用紙に「生活日誌・チェック」欄を設けていることで す。点検は支援員が行い、教科担当や学級担任がそれを確認しています。この取 り組みにより、家庭学習の習慣化と基礎学力の定着に成果が現れています。10 月からは、月・水・金曜日に国語、火・木曜日に社会と理科の課題を加えること を計画しており、教科担当任せでなく学校全体で家庭学習の質と量を高める取り 組みが進められています。  津野町立東津野中学校では、6月に実施した家庭学習アンケートの結果をもと に、現状把握と取り組みの改善点などを協議する校内研修を行いました。その中 で、家庭学習を通して生徒にどのような力を付けたいのか教員間で目的を明確に すること、同時に生徒にも目指すべきイメージや達成目標をもたせる必要がある こと、保護者との連携を図ることなどを確認しました。そしてこの校内研修後、 早速にアンケート結果を生徒や保護者に返し、生徒には自分自身の家庭学習を振 り返って改善すべきことを考えてシートにまとめさせる機会を設けました。その シートを活用して1学期末の個人面談を行い、また、2学期初めにも自己目標を 確認させるよう連続的な取り組みにしています。こうした取り組みは、やらされ 感から主体的に家庭学習に取り組む生徒を育てることにつながっていくと期待さ れます。  次に、授業づくりの校内研修として、中土佐町立上ノ加江中学校で行われた模 擬授業について紹介します。中学校においては、道徳などの領域の授業での事前 研修や模擬授業は行われていても、教科での模擬授業を全校で行うことは少なか ったのではないでしょうか。上ノ加江中学校では、「しっかりと教える・じっく りと考える・はっきりと発表させる」場面を意識した授業づくりを目指していま す。そして、夏季休業中の8月末の校内研修で1年生理科の模擬授業を行いまし た。上ノ加江中学校としても初めての試みでしたが、生徒役となった教員から率 直な意見が出され、ねらいを明確にすることや授業づくりの3本柱の具体化など について考え合うことができたと思います。教科の専門性にこだわらずに、中学 校でもこのような授業づくりの事前研修ができるということを目の当たりにし、 大変参考になった校内研修でした。  夏季休業中には、到達度把握調査に関する校内研修も多くの学校で行われたこ とと思います。分析をもとに、課題に対する手立てや2学期からの授業改善をど のように実施していくかが確認されたことでしょう。確認された対応策が絵に描 いた餅にならないように、いつ、どこで、誰が、どのように実施するのかを明確 にすることが大切です。そうした場の設定を学校組織として考えることも必要で はないでしょうか。子どもたち一人一人の確かな育ちにつなげるために、学校全 体でPDCAサイクルを機能させていただきたいと思います。   【中部教育事務所中学校学力向上推進チーム 片岡 浩和・内田 加奈子】 ----------------------------------------------------------------------- (2)「心を耕す」教育の総合的な推進    <①道徳の部屋> 「小・中学校道徳教育研究協議会」  県全体の道徳教育を推進するために、県教育委員会で行っている取り組みとし て、「小・中学校道徳教育研究協議会」があります。これは、各小・中学校の道 徳教育推進教師を対象に「小・中学校における道徳の時間の指導を充実させるた めの方策や教育活動全体を通じて行う道徳教育を効果的に推進するための方策に ついて協議等を行い、道徳教育の一層の充実を図る。」ことを目的として行って いるもので、本年は、各地区で以下の期日に開催しました。 <東部> 平成23年8月12日(金) <中部 高岡地区> 平成23年8月 8日(月) <中部 土長南国吾川地区> 平成23年8月17日(水) <西部> 平成23年8月16日(火)  本会では、内容の一つとして「道徳教育の全体計画や道徳の時間の年間指導計 画」について実践交流等を行いました。特に、「道徳教育の全体計画」について は、学習指導要領に規定されている以下の内容が、各学校の全体計画に含まれて いるかどうかを再確認しました。  ①道徳教育の重点目標  ②道徳の内容との関連を踏まえた各教科、外国語活動(小学校のみ)、総合的   な学習の時間及び特別活動における指導の内容及び時期  ③家庭や地域社会との連携の方法  平成23年6月に県教育委員会で行った道徳教育に関する調査では、小学校は 79.2%、中学校は80.7%の学校が、この必要な内容を盛り込んだ全体計 画を完成していると回答しています。(それ以外の学校は、「作成中」という回 答。)  このように、実際の自校の上記内容の確認を通して、今後の一層の整備に向け た有意義な協議を行うことができました。  全体計画は、各学校において校長の方針のもと、道徳教育推進教師を中心に全 教職員が一丸となって学校教育目標や道徳教育重点目標を実現していくためにな くてはならないものです。  本会での協議の内容を各学校で伝達・共有し、実働的な指導計画を整備してい ただきますようお願いします。                    【小中学校課 森 有希】 ----------------------------------------------------------------------- <②学校図書館の部屋>  各学校では、2学期どのようにスタートができているでしょうか。  夏季休業中子どもたちは、いろいろな読書体験をしたことと思います。各学校 においては、「きっとある キミの心に ひびく本」の掲載本の学校図書館への 整備も順次進んでいることと思われますが、実りの多いこの2学期も是非、心を 耕し、学びを広め深めてほしいものです。    現在各学校に「平成23年度高知県わくどき!ショートコメントコンテスト」 の応募要項・応募用紙が届いていることと思います。このコンテストは、学校図 書館にある「きっとある キミの心に ひびく本」に掲載されている本の中から いろいろな分類の本を読み、家族や友達など伝えたい誰かに、感動したことや発 見したこと、あるいは面白かったことなどを400字以内で表現し、その内容を 審査する、というコンテストです。10月31日が締切りですので、たくさんの 児童生徒の皆さんの応募をお待ちしています。    さて、8月に推進校20校から研究の進捗状況についてアンケート調査の回答 をいただきました。その調査結果から、今月は授業活用例について、特に「きっ とある キミの心に ひびく本」に関わるものを以下に紹介したいと思います。 ◆小学校 ○東日本大震災をきっかけに、地震、津波、防災関係の本のブックトークを通し  て、南海大地震への備えを話し合う防災や減災の授業。 ○「給食番長」や「すきなものだけたべたい」を利用して、給食や食育に関係す  る内容を栄養教諭と連携して行う授業。 ○21世紀こども百科「食べもの館」や、「はじめてのキッチン」を参考にした  お弁当作り等の家庭科の授業。 ○「一つぶのおこめ」を算数で活用する授業。(4年生の3学期がベストという  コメントが添えられていました。) ○「土佐の日曜市」を生活科の学習で活用する授業。(2年生の1学期がベスト  というコメントが添えられていました。) ○6年生の修学旅行時に、「広島の原爆」を用いて、総合的な学習の時間で平和  学習を進める授業。 ◆中学校 ○「お父さんが教える自由研究の書き方」を用いて、テーマの設定の仕方、百科  事典の利用法、出典の明記や著作権について、レポートの基本的な書き方を学  び、理科の調べ学習につなげる授業。  以上、各推進校の効果的な取り組み例から、参考になるものをピックアップし てみました。授業改善の第一歩として、また、子どもたちが主体的に学んでいく きっかけとして、是非参考にし授業実践に生かしていただきたいと思います。                    【小中学校課 須内 康雄】 ----------------------------------------------------------------------- (3)ザ・チャレンジ! <①理科の部屋>  先月号で進捗状況を報告しました「高知県理科思考力問題集」は学校に届いて いますでしょうか。無事に電子データ(Word版)も単元テストシステムに掲 載しました。  配付早々に「電子データ(Word版)はいつ掲載されるのか?」といったあ りがたい問い合わせをいくつか受けましたが、先生方がこの問題集を活用してい る姿を想像することができ、大変うれしく思ったことでした。  来月末には「理科担当教員連絡会」が行われます。現在、第2次案内を作成し 発送手続きを進めているところです。本年度は早速「高知県理科思考力問題集」 の活用についての協議を予定しています。  夏休み中には、小・中学校の教育課程連絡協議会がありましたが、グループ協 議中の先生方の熱心さに感心するとともに、アンケートからは「理科教員同士の 情報交換の場として、大変よかった。」という意見がありました。思考力問題集 を配付してから開催日まで2カ月あまりしかありませんが、理科を専門とする先 生方同士の有効な活用方法、活用予定の報告・協議を期待しています。  ところで、本年度は到達度把握調査を理科(小6~中3)においても実施しま したが、各学校における児童生徒の到達状況はいかがだったでしょうか。  毎年、小中学校課では県全体の学力状況について分析し、結果の概要を配付し て先生方の授業改善の一助になるよう取り組んでいます。理科においては、特に 「物理・化学」に関する領域に課題があることが分かりました。さらに分析を進 めていく中で、理科の授業では、「児童生徒に観察・実験の目的を把握させて取 り組ませているか。」という課題が明らかになってきました。  授業前は観察・実験の準備に追われ、授業中は安全面などにも気を配りながら 観察・実験をさせていると思いますが、「ここまで苦労して観察・実験の準備と かを頑張ったのに、子どもはどうして肝心な考察が深められないのだろうか。」 と感じたことのある先生方もいるのではないでしょうか。  今一度、授業の中で観察・実験の目的を把握させることを大切にして、授業改 善につなげていってほしいと思います。  この学力定着状況調査の集計結果の概要や授業改善のポイント等を、理科担当 指導主事とともにまとめましたので、思考力問題集とともに授業改善に活かして いただきますようお願いします。                   【小中学校課 玉野井 英二】 ----------------------------------------------------------------------- <②外国語の部屋>  夏季休業中の8月24日に、中学校教育課程連絡協議会があり、英語担当の先 生方約80名が午後の分科会に参加されました。県からは来年度から全面実施さ れる教育課程についての説明があり、その後、昨年度の教科ミドルリーダーであ る、四万十市立大川筋中学校の森原朋生教諭の実践発表がありました。新学習指 導要領を踏まえた指導について、ご自身の授業での実践は、大変わかりやすく、 具体的であったと参加者の先生方からも好評を得ていました。  その後の持参した学習指導案を基にした実践交流では、学習指導要領の言語活 動の指導事項20項目と照らし合わせながら、求められている力について、協議 していただきました。  さて、9月には、英語ライティングシートの正式版を配付させていただきまし たが、もう学校には届いているでしょうか。高知県の中学生の英語の学力の課題 である、「表現の能力」とりわけ「書くこと」に特化したこのライティングシー トは、「書くこと」の習慣を付けたり、語彙を習得するための「Ⅰ単語・連語編」 及び「Ⅱ重要表現編」、まとまりのある英文を書くための「Ⅲテーマ作文編」の 三つの構成で作成しています。また、試行版のアンケートでいただいたご意見を もとにして、再構成しています。アンケートに書かれてあった各学校での活用事 例をまとめたものも同時に配付していますので、他校の事例を是非参考にしてご 活用ください。また、1月には再度アンケートのお願いをしていますので、ご協 力をよろしくお願いします。  この英語ライティングシートは、下記の「単元テストシステム」ホームページ にもアップしています。各学校でアレンジし活用できる他、活用事例、活用に関 するアンケート(正式版用)も同じく掲載していますので、是非ご覧いただき、 活用をお願いします。 【単元システムURL : http://tangen.kochinet.ed.jp/tgn/main/top.aspx】                    【小中学校課 谷口 博美】 ------------------------------------------------------------------------ 【お知らせ】 <「第20回上廣道徳教育賞」論文募集のお知らせ>  上廣倫理財団では、次代を担う子どもたちの健やかな成長を応援するために、 教育の現場で意欲的に道徳教育研究、実践に取り組まれている学校や教員を顕彰 するとともに、その成果を多くの学校に紹介することとして、道徳教育の実践研 究論文を募集しています。  応募希望者は、上廣倫理財団HP【http://www.rinri.or.jp】に掲載されてい る応募要項を参照のうえ、応募してください。 ◆応募資格    小学校・中学校・高等学校の教員、教員のグループでの応募も可    (小学部または中学部を有する特別支援学校、海外日本人学校、     補習校を含む) ◆締切り(すべて当日消印有効)    論文申込締切り 平成23年11月1日(火)まで    論文提出締切り 平成23年11月30日(水)まで ◆連絡先 財団法人 上廣倫理財団「上廣道徳教育賞係」    〒102-0075 東京都千代田区三番町6番地3    TEL:03-3261-8711      FAX:03-3261-8747    H P:゙http:// www.rinri.or.jp                    【小中学校課 森 有希】 ----------------------------------------------------------------------- <「守ろう地球のたからもの~持続可能な社会を目指して~豊かな世界遺産編」  の寄贈について>  公益社団法人日本ユネスコ協会連盟は、地球のたからものである世界遺産の学 習を通じて、持続可能な社会づくりについて考えを深めることができるよう、世 界遺産教材を製作しました。希望する学校へ1校1冊寄贈します。先着順で、な くなり次第、受付を終了します。 ◆対象    小学校高学年、中学校、高等学校 ◆教材内容    教師用手引き、児童・生徒用ワークシート、世界遺産DVD、    授業で使えるワークシート、写真を収録したCD-R ◆申込方法    「守ろう地球のたからもの」WEB(http://www.unesco-esd.jp)から申   込みください。なお、教材にアンケートを同封しておりますので、ご協力く   ださい。 ◆連絡先    公益社団法人日本ユネスコ協会連盟組織部    TEL:03-5424-1121    FAX:03-5424-1126    メール:teacher-esd@unesco.or.jp                    【小中学校課 玉野井 英二】 ----------------------------------------------------------------------- <「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律(改正環境教育等推進  法)意見交換会」開催のご案内>  平成23年6月15日「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律 (環境教育等促進法)」が公布され、平成24年10月1日から完全施行されま す。基本方針策定に向けて四国環境パートナーシップオフィスでは、四国内の環 境教育や環境保全活動に携わる関係者の意見を反映させるため、環境省担当者に よる同法のポイント解説や有識者によるパネルディスカッション及び意見交換会 を実施します。 ◆日時    平成23年10月2日(日)13:00~15:00 ◆会場    愛媛県立美術館 講堂(松山市堀之内 電話:089-932-0010) ◆参加費    無料 ◆定員    50名(定員になり次第、締め切らせていただきます) ◆対象    環境保全活動、環境教育等に携わっているNGO・NPO、    小・中学校教員、行政、企業の方やこの法律に興味のある方 ◆申込締切り    平成23年9月30日(金)13:00まで ◆申込・連絡先    四国環境パートナーシップオフィス(四国EPO)    TEL:087-816-2232    FAX:087-823-5675    メール:4epo@4epo.jp                    【小中学校課 玉野井 英二】 ----------------------------------------------------------------------- <「グリーンサンタ基金」募集のお知らせ>  グリーンサンタ基金は、国産の間伐材などを使用した製品(机・椅子)の寄贈 を通じて、子どもたちの森林や自然を大切にする心、ひいては環境を大切にする 心を育みます。また、机・椅子を製造するために使用した材木量に見合う国内植 林を行い、森林を育成するための長期的な支援をおこなっています。  ◆応募方法    寄贈を希望する教育機関は、応募票に必要事項を記入の上、ご応募くださ   い。応募票には、取り組まれている環境教育・環境活動の説明資料を添付し   てください。 ◆応募期間    平成23年12月末日まで ◆応募先・連絡先    グリーンサンタ基金事務局    TEL:03-5212-1527    FAX:03-5212-1533    URL:www.greensanta.or.jp    メール:info@greensanta.jp                    【小中学校課 玉野井 英二】 ----------------------------------------------------------------------- 【銀杏だより】 「四十にして惑う」  台風も室戸岬沖を足早に駆けていき、高く青い空が戻ってきました。  県内の中学校は9月第2週の土日に運動会を予定しているところが多いと聞い ていましたが、天候が安定せず、気が気ではなかったのではないでしょうか。  この頃の台風の動きは、かつて習ったり経験したりしてきた動きとは異なって います。行き先を定めず、迷子にでもなっているような動きに日本列島が惑わさ れています。  もう10年も前になりますが、地元紙のコラム「話題」に「四十に惑う」とい うタイトルで次のような文が載っていました。少し長いですが引用させていただ きます。    (前 略)     どんな組織体でも、働き盛りの四十代はその中核。四十代の成熟度が組織   の体質を決めると言われる。先生の世界も同じだろうが、昨年の「土佐の教   育改革を考える会」で、ある委員が気になる発言をしていた。「十五年目の   先生を見たとき、自分の子どもを預けられる先生が若干少なかったなという   のをそこで感じた。」そことは採用十五年目教員研修会。十五年目と言えば、   大卒で即採用になっても三十七歳。「不惑」前後の教員研修会で委員はそん   な感想をもったという。若手教員研修会ではTシャツにジャージー姿もいま   だ健在。(中略) 言外に「子どもを預けたくない」と言われる先生は一部だ   ろう。が、そんな先生に限って人の意見は「馬耳東風」。中でも若手を指導   すべき中堅教員にそれを感じるケースが少なくない。そんな姿を見ると、通   知表を持ってきて「人の話をよく聞く」の欄の「気をつけよう」に真っ赤な   印を押して渡したくなる。辞書を引くと、「惑う」とは「見当を見失い途方   にくれる」「悩む」「うろたえる」とある。こんな心の動きは現実を直視し   てこそ生まれる。それを見る目を失った人は惑うことすらない。惑う四十路   でありたい。              石川浩之 高知新聞 平成13年1月11日 夕刊          (掲載については高知新聞社の了承をいただいています。)   土佐の教育改革でなぜ、教員の「資質」、「指導力」が一番のテーマに押し上 げられたのでしょうか。学力低下の要因は指導力不足と言われるのはまだいい。 指導力なら鍛え直すことはできます。しかし「資質」が低いとなると単に教員の 専門職としての力量を問われているのではなく、教員である前の人としての姿を 問われていることになりますから、とても重い課題です。「人間の資質なんて変 わりっこないんだ」、「そんなこと高知の教員に問うこと自体無理な話」と随分 厳しい声も頂戴しました。ここまで言われて平気でいられる教員はきっといませ ん。当時事務局にいて改革会議を担当していた私は、口惜しい思いを随分しまし た。  県民を挙げた教育改革の論議から15年が経ち、コラムにあるような姿はもう ないと思っていましたが、残念なことにこの夏の研修会ではTシャツ姿で受付に 現れた教員がいました。いくらクールビズといっても研修や会議にはどうかなと 主催者や保護者を不安にさせる服装で参加する教員がいたとも報告を受けました。 公私の区別もつかない振る舞いや姿をする者は希の希でしょうから、このことを もってこの15年の決算をするつもりは毛頭ありません。全力を傾注して学力向 上を始め高知県の教育課題解決のために力を合わせているときにレベルの低い話 をし、真摯に仕事に向き合っている教職員の皆さんには大変申し訳なく思います。 しかし、高知の小中学校教育の弱さはここらあたりにも垣間見ることができると 指摘されれば言い訳はできません。  教員には、宿命的に己の振る舞いを見て居住まいを正す鏡は少ないです。仮に 保護者の方々が、世間で言う常識はずれに気が付いていても、決して「先生」に は、正面切って意見を言いません。言うときは保護者として子どもを介して問題 が深刻化した場合だけです。だから、教員は自分をみる眼を自分で磨くしかない のです。石川さんは惑わない人、気にしない人、気にならない人、正に気付きの ない人には成長はなく、高知の子どもは託せないと言い切っています。  世の中がどうしても落ち着かず、何か収まりのつかない様相を示しています。 こんなおりに論語ももてはやされるのでしょうが、四十にして惑わずでなくて、 特に中堅教員と称される皆さんは大いに惑いながら、仕事を進める中で教員とし てのあるべき姿を追い続けてもらいたいです。ちなみに今年の40歳代小中教職 員は全体の37%、50歳代は43%を占めます。世代交代期に入っています。 あなた方が頼りです。                           【小中学校課長 永野 隆史】 ----------------------------------------------------------------------- ◆「パートナー」の内容は自由に引用、転載してもかまいません。 ◆バックナンバーは小中学校課ホームページでも読むことができます。  http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/310301/   ◆ご意見・お問い合わせはこちらまで TEL 088-821-4638 FAX 088-821-4926 mail 310301@ken.pref.kochi.lg.jp 担当:西岡 / 発行責任者:寺村