公開日 2025.12.24
更新日 2025.12.24
男性育休を積極的に取得できる環境づくりで、
家庭と仕事の両立をサポート。
①貴社の取り組み内容を教えてください。
国の現行制度では、育児や介護を支援する休業制度が整備されていますが、企業にも柔軟な対応が求められています。当組合では、通常の有給休暇を積み立て、将来的に長期間の休暇が必要な際に使用できる「積立有給休暇制度」を採用しており、育児や介護、自己の健康管理のために活用できます。
また、養育両立支援休暇の適用範囲が拡大され、より多くの職員が仕事と家庭を両立しやすくなったため、職員の多様なライフスタイルに対応する柔軟な働き方を提供し、育児を担う職員が安心して長期的に働ける環境を整備しています。
②取り組むことになったきっかけは？
◎積立有給休暇
積立有給休暇の使用事由には従来、育児休暇は男女を問わず対象外となっていましたが、仕事と家庭の両立を促進するために、その適用範囲の拡大を進めてきました。この休暇は1日単位で取得できるため、取得しやすく、さらに給与が支払われる点も大きなメリットです。改定後、男性の育児休業対象者の多くがこの制度を積極的に利用しています。
◎両立支援休暇の適用拡大
育児期の柔軟な働き方を実現するための措置として、出生時から小学校3年生修了までの子どもを養育する職員に対し、有給休暇を付与することとしました。令和7年11月時点で31名が対象となっています。子どもの看護だけでなく、予防接種や親子遠足など、子育てに関するさまざまなイベントにも積極的に参加できる環境を整えました。
③取得しやすい職場づくりに向けて取り組んでいることは？
当組合で初めて男性育休を取得した部署である営農販売部営業課では、男性職員7名のうち6名が子育て中の「パパ職員」として活躍しています。
子どもたちの年齢は乳児から大学生までと幅広く、それぞれが家庭を支えながら日々の業務に取り組んでいます。営業課はもともと風通しのよい職場で、担当業務は2人体制を基本とし、特定の職員に負担が偏らないよう心掛けており、誰かがサポートに入れる体制づくりを継続してきたことが、育児休業を自然に受け入れられる環境づくりにもつながっています。
職員が育児休業を取得する際は、課長が職員一人ひとりに声をかけ、育休取得の必要性や職員同士の協力体制について相談していますが、批判的な意見は一切なく、全員が前向きに受け止めています。
これからも家庭と仕事を両立しやすい職場づくりを進め、職員が安心して働ける環境を目指していきます。
④育休取得者の声を教えてください。
育休取得者（第2子：2週間、第3子：1ヵ月育休取得）
私は年子で3人の子どもがいます。当組合では男性の育児休業取得の前例がなく、私自身も育休を取ることはまったく考えていませんでしたが、配偶者の体調不良や子どもたちの生活を考慮し、思い切って育休取得について相談することにしました。
所属する部署はもともと多忙で、私が休もうと思った時期はちょうど年末年始の繁忙期でした。相談する際には「今休んでいいのだろうか」という遠慮や不安もありましたが、課長や先輩たちは快く送り出してくれました。
育休中は、保育園の送り迎え、食事の用意、洗濯など、家庭のことを自分が主体となって行いました。この経験を通じて、家事や育児の大変さを身をもって知る貴重な時間となりました。特に驚いたのは、子どもたちの服の多さと、その準備の大変さです。毎日洗濯し、取り込み、たたんで、翌日の保育園の準備を整える。その一つひとつが想像以上に時間と手間のかかる作業でした。
育休を取得したことで、家族との時間が増えただけでなく、自分自身の働き方や家庭への向き合い方を見つめ直すきっかけにもなりました。今回の経験を通して、育休を取ることができて本当に良かったと感じています。
⑤目標や夢をお聞かせください。
男性職員が安心して子育てに取り組める職場環境を整備し、育児休業の取得促進や柔軟な働きの支援を行い、家庭と仕事の両立ができるよう、職場全体で理解を深め、男性職員が育児に積極的に参加できる環境づくりを進めていきます。