男性育休を当たり前に、
育児とキャリアを両立する職場づくり。

 

①貴社の取り組み内容を教えてください。

　育児休業は分割取得が可能であり、取得前と復職後にはそれぞれ面談を実施しています。これにより、社員が育休中も安心して過ごせるようサポートするとともに、復帰後のスムーズな業務復帰を支援しています。

②取り組むことになったきっかけは？

　「男性育児休業の取得促進」は、会社方針の一環として「子育て世代が働きやすい職場づくり」を推進する中で重要なテーマとして位置付けられ、制度の理解促進と運用体制の整備に取り組んでいます。社内では、制度への理解不足や休暇を取得しにくい風土、業務の属人化といった課題がありましたが、男性育児休業ガイドの作成や管理職研修、業務棚卸を通じてマニュアル化を進めることで、意識改革と環境整備を実施しています。

③取得しやすい職場づくりに向けて取り組んでいることは？

　男性育休取得促進に向けて、「育児は職場全体で支える」という考えを積極的に発信しています。また、管理職教育の一環として「相談しやすい雰囲気づくり」に取り組んでいます。育休取得希望があった場合、上司は業務整理と引継ぎ計画を早期に作成し、他部署と連携して代替体制を整え、心理的負担を軽減しています。
　労務管理担当者は、制度説明や申請手続き、助成金の確認などを一括でサポートし、本人や上司との面談を通じて不安を解消しています。復職時には勤務時間の柔軟化や短時間勤務を可能にし、復帰後も面談を実施して状況を確認しながら、育児とキャリアの両立を支える体制を整えています。

④育休取得者の声を教えてください。

　　　　　　　　　　　　
　
　社内で長期の育児休業を取得した前例がなかったため、当初は不安がありました。しかし、部門長や社長、会長に相談したところ、快く了承いただいただけでなく、希望よりもさらに多くの日数を取得してはどうかという提案までいただき、非常に安心したことを覚えています。
　休業に入る数週間前から引継ぎを行い、不在でも業務が滞りなく進む体制を、部門長をはじめとするスタッフ全員が整えてくれました。そのおかげで、業務への懸念を解消した状態で育児休業に入ることができました。第一子であることに加え、夫婦ともに実家が遠方にあるため、育児の負担は想像以上でした。そのため、このタイミングで育児休業を取得できて心から良かったと感じています。
　長期間職場を離れることへの漠然とした焦りもありましたが、育休中にスタッフが自宅まで会いに来てくれ、社内の近況などを話してくれたことで、孤独感や不安も払拭されました。最も不安だったのは復帰のタイミングです。「以前のように働けるか」「メンバーに負担をかけて疲弊させていないか」と心配していましたが、メンバーが「大丈夫でしたよ！」と意識的に声をかけてくれ、戻りやすい空気を作ってくれたことが大変嬉しかったです。2ヶ月間という期間ではありましたが、妻子との大切な時間を過ごせただけでなく、会社の温かい協力体制を改めて感じることができ、育児休業を取得して本当に良かったと感じています。

⑤今後の展望とメッセージ

　今後は、「男性育休が当たり前に取得できる職場」となるよう、制度の周知と管理職の理解をさらに進めていきます。育休前後の面談体制や柔軟な勤務設計を整え、育児とキャリアが両立できる働き方を定着させていきます。男性育児休業は福利厚生ではなく、社員の定着や人材確保、企業力の向上につながるものだと考えています。『育児を理由にキャリアをあきらめない働き方』を社会全体で広げていくことが重要だと思います。