有機物質に赤外線を当てると、その構造に応じて異なる波長の赤外線が吸収される。
このことを利用し、赤外分光光度計は試料の化学構造に関する情報を得るのに用いられる。
当センターの装置はATRユニットを備えており、試料をユニットに押し付けるだけで測定が可能である。
また、赤外顕微鏡も備わっているので、1mm以下の微小な試料についても測定することができる。
加えて、数万件のデータ量のスペクトルデータライブラリーが制御用PCにインストールされており、
データライブラリーと測定データを照合することで、試料の同定、成分の推定を行うことができる。
使用例
主な使用用途:有機物質(例:プラスチック、食品、医薬品など)の構造解析、異物の同定
使用料項目 | 赤外分光光度計 |
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機器の仕様
メーカー | 日本分光(株) |
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型式 | FT/IR-6600, IRT-7200 |
スペック | 仕様1:本体(FT/IR-6600) 測定波数範囲 7800~350cm-1 最高分解能 0.4cm-1 光学系 シングルビーム方式 28°入射マイケルソン干渉計 Ge/KBr(広帯域型)ビームスプリッタ 検出器 DLATGS S/N比 45000:1 仕様2: マルチチャンネル赤外顕微鏡(IRT-7200) 測定方式 透過・反射・顕微ATR 測定波数範囲 7000~600cm-1(リニアアレイMCT検出器) 7800~350cm-1(ミッドバンドMCT検出器) 検出器SN比 リニアアレイMCT検出器 SN比 1500:1 ミッドバンドMCT検出器 SN比 8000:1 試料ステージ 自動XYZステージ |
特記事項 | 赤外顕微鏡の使用には液体窒素が必要です。ご利用前には資源環境課(Tel: 088-846-1651)までご連絡ください。 |
導入年度 | H26 |
導入事業名等 | 公益財団法人JKA 競輪の補助事業 「公設工業試験研究所設備拡充補助事業」 |
補助事業の概要
技術の高度化により産業構造、各種法規制、環境問題など、状況は大きく変化している。また、経済のグローバル化により、国内の他地域のみならず、諸外国との競争もますます激化し、高知県の機械工業界もこのような状況に打ち勝つため、付加価値の高い、高精度なものづくり産業の成長が求められている。
本装置は、機械金属材に付着した油状異物や混入した異物の分析など製品の品質やクレーム対応に使用できる。高知県内の機械工業関連企業が、自社製品の品質や生産工程の管理に利用することで、取引先の要求を満たすとともに、新たな商品や市場を開拓できるよう技術力の向上を支援する。
予想される事業実施効果
この機器を導入することにより、県内機械金属製造業の最終製品の検査などの品質管理や納品後のクレーム対応など広く利用することができる。
今後は、導入設備を用いて、県内中小企業の品質向上を図るとともに、高精度で付加価値の高いものづくり技術を蓄積し、国内及び国外との競争力を強化する。
お問い合わせは 資源環境課 まで