文化環境評価システム

公開日 2010年04月01日

文化環境評価システム

高知県庁における環境保全の取組

■石材のみを使った落差工 
写真の白っぽい石の部分が施工したもので河川の中のたくさんの巨石とあいまって、調和のとれた景をなし、違和感がない工事となっている(鏡村 吉原川)

 

文化環境評価システムの概要

 

1.文化環境評価システムの趣旨

 本県では、平成8年3月に「文化行政の指針」、そして翌年2月には「環境基本計画」をそれぞれ策定しました。文化行政の指針は、文化の香る県づくりを進めていくために、高知らしさを発見し、発信していくこと、住んで楽しいまちづくりやむらづくりに取り組むことの必要性を挙げ、具体的には、伝統文化を生かして守る視点や自然との共生等のほか、行政における文化アセスメントの取組を掲げています。また、環境 基本計画は、
1.高知らしさあふれる環境の保全・創造
2.パートナーシップで築く循環型社会
3.地球環境保全の推進
を基本理念に、環境を保全し創造するための方策として、各種事業の実施における環境配慮の基本方向を示しています。
 文化環境評価システムは、これを具体化するものとして、公共事業等ハード事業を行う際に環境負荷の軽減と地域文化の保全・活用を、適切かつ継続的に行うための全庁的 推進体制を確立し、「高知らしさあふれる文化の県づくり=文化環境立県」を目指した取組を推進していく制度です。

 

2.文化環境配慮方針の策定

 

 本県は、豊かな自然が数多く残されていると同時に、その自然風土のなかで培われてきた個性的な文化や伝統が育まれています。これらの地域資源は、一度失ってしまうと 回復には膨大な時間と労力、費用を要するため、行政、企業、県民が長期的な展望を持って、保全と創造に取り組まなければなりません。
 そのために県では、環境教育や環境学習等を通じての普及啓発はもちろんですが、自らが事業者や消費者の立場で行う活動が環境に及ぼす影響の軽減に努めなければなりません。各分野で先駆的な取組も行われてはいますが、地球規模での環境問題が大きくクローズアップされている中で、その取組は決して十分とはいえません。
 一方、地域が知恵と企画力を発揮して競い合っていかなければならない今日、全国画一的な素材や工法、デザイン等によるモノづくりを見直し、それぞれの地域の文化に着目し、それを生かした地域づくりが求められています。
 このようなことから、県の事業のなかで、文化や環境に最も影響を及ぼす公共事業等ハード事業に着目して、その計画や実施等にあたっての配慮事項を「文化環境配慮方針」として策定しました。

 

3.基本方針

 

 文化環境配慮方針に沿って実施する事業は、県が事業主体の全ての事業としますが、緊急性、応急性を要する事業は対象外とします。
 事業内容が同一のものでも、規模や実施個所の地域特性等によって具体的に導入する工法が異なるなど、これまで以上に広い知識が求められることとなりますが、当該方針の趣旨に沿って積極的に取り組むこととします。
 なお、当該システムは、適宜見直しを行い、配慮方針として遺漏している項目やシステムの運用方法等について追加・修正等を行っていきます。

 

4.具体的な実施方法 

 

文化環境評価システムのフロー図                  

※「環境配慮検討会」とは、公共工事所管課のチーフ等で構成しています。
※「文化環境配慮方針」は変更ありません。

 

対象工事提出用 [EXCELファイル/83KB] ・ 実施要綱 [PDFファイル/128KB]

 

事務手順 [PDFファイル/129KB]

対象事業表 [PDFファイル/68KB]

検討会組織表 [PDFファイル/61KB]

様式(予定事業表 [EXCELファイル/36KB]対象工事提出用 [EXCELファイル/83KB]

フロー図 [EXCELファイル/94KB]

文化環境評価システムの取組結果(H27年度の工事)

H27年度文化環境評価システムの取組結果[PDF:1MB]

文化環境評価システムの取組結果(H26年度の工事)

H26年度文化環境評価システムの取組結果[XLS:8MB]

文化環境評価システムの取組結果(H25年度の工事)

平成25年度文化環境評価システムの取組結果[PDF:2MB]

文化環境評価システムの取組結果(H24年度の工事)

 

平成24年度 文化環境評価システムの取組結果はこちら [PDFファイル/1.25MB]

 

文化環境評価システムの取組結果(H23年度の工事)

平成23年度 文化環境評価システムの取組結果はこちら [PDFファイル/1.23MB]

 

 

文化環境評価システムの取組結果(H22年度の工事)

 

平成22年度 文化環境評価システムの取組結果はこちら [PDFファイル/682KB]

 

文化環境評価システムの取組結果(H21年度の工事)

 

H21年度 文化環境評価システムの取組結果はこちら[EXCELファイル/13.92MB]

 

文化環境評価システム自己評価表(H15からH20 )の結果

 

平成15年度から20年度工事の環境配慮の結果

ここでは、その結果について、集計結果及び工事事例を紹介しています。

対象事業の提出状況 [PDFファイル/1.25MB]

平成15年度工事の全体結果について [PDFファイル/71KB]
  平成15年度 文化環境評価システム自己評価表の結果詳細版 [PDFファイル/150KB]

平成16年度工事の全体結果について
  平成16年度 文化環境評価システム自己評価表の結果詳細版 [PDFファイル/2.11MB]

 


平成15年度工事の配慮事例の紹介(抜粋) [PDFファイル/2.39MB]

平成16年度工事の配慮事例の紹介(抜粋) [PDFファイル/1.05MB]

平成17年度工事の配慮事例の紹介(抜粋) [PDFファイル/6.14MB]

平成18年度工事の配慮事例の紹介(抜粋) [PDFファイル/25.6MB]

平成19年度工事の配慮事例の紹介(抜粋) [PDFファイル/442KB]

平成20年度工事の配慮工事の紹介(抜粋) [PDFファイル/431KB]

 

文化環境配慮方針(共通配慮事項)

 

1.生活・地球環境の保全

■騒音、振動、水質汚濁等の防止対策の徹底 
 工事に伴い予想される公害の防止対策は、設計書への施工条件の明示や技術通達集等によって行われているが、発生した場合は、地域住民の精神的・身体的負担だけでなく、稀少生物種の生息環境を破壊するような、生態系にも重大な影響を及ぼす場合もあることから、様々な角度からの対策を検討する。

■水の有効利用、自然循環等への配慮 
 本県の水環境は、恵まれた自然環境を背景に全体としてほぼ良好な状態であるとはいえ、一部には悪化傾向もみられる。
 水は無限ではないことを念頭に置き、自然の浄化能力を超える環境負荷の回避はもちろん、有効利用のための施設の設置や、蒸発・降水・浸透・貯留・流下・海洋への流入といった自然循環を中断しない工法、構造、素材(雨水浸透素材等)の活用を検討する。

■省資源・省エネルギー・リサイクルの推進 
 オゾン層の破壊、酸性雨、熱帯林の減少、砂漠化、温暖化などといった地球環境問題を解決し、持続可能な社会を築いていくためには、県民、事業者、行政が一体となって取り組む必要がある。
 そのためには、省資源・省エネルギー・リサイクルといった身の回りからできる取り組みが、重要であるが、行政としては、普及啓発活動等のソフト施策だけでなく、事業者、消費者の立場で行う様々な活動において、率先して取り組まなければならない。
 これまでも、一部では建設副産物(コンクリートやアスファルト等)の削減とリサイクル、太陽光や風力等のクリーンエネルギーの導入などの取り組みも認められるが、現状では決して十分といえる状況ではない。今後、様々な分野で省資源・省エネルギー・リサイクルについて意識をし、積極的な取り組みを検討していく。
 この一環として、事業の実施にあたっては、再生産が可能で、循環型資源でもある県内産木材の活用も検討する。

 

2.健全な生態系の維持・創造

 

■多様な生態系の維持・創造 
 
本県は、温暖多雨の気候に加え、長い海岸線と1,800m級の山々を背景に、温暖帯林から亜寒帯林までの植生のほか、アコウなどの亜熱帯植物の自生も認められる。また動物も、豊かな植生と地形から日本で唯一生息確認されたニホンカワウソをはじめヤイロチョウ、クマタカなどの稀少種が確認されている。特に鳥類と昆虫類は、南方系と北方系のものが入り交じり、宝庫ともいえる。この多様な生態系を次世代に引き継ぐことは我々の責務である。
 人は、自然の恵みを得るため、また逆に自然の脅威から身を守るため、様々な形で自然環境に手を加えてきたが、その人間による環境への負荷が、自然の復元能力を超えると、生態系が崩壊するだけでなく、現在の我々の健康や身の回りの環境に影響を及ぼすこととなる。
 我々が事業を実施するにあたっては、自然環境に配慮した規模、箇所、工法、素材等を検討するほか、影響を及ぼす場合は、その復元と創造に努めることとする。


■野生生物等の生息・生育状況の把握 
 自然が残されている地域では、「保存」、「保全」、「復元」、「代償」の視点・手法の導入を、また、失われた地域では「創造」についても検討する。
 この場合、生息・育成する生物が希少種か否か、事業が計画・実施・管理等のどの段階にあるかによっても採るべき手法が異なる場合もあるので、適切な調査による状況把握に努める。

 

保存 何もしないでそのまま残すこと。
保全

自然に手を加えたり、改変する場合に、保護と利用の両方を考え、自然を良好な状態に保ちながら、自然資源の永続的で合理的な活用を図ること。

復元

自然改変する場合に、自然の質を極力低下させないように、あるいは改変した場合、失われた元の自然環境と同質の環境を復元すること。

代償

失われた自然環境とほぼ同等なものを別の場所に再生したり、自然環境を復元しても不十分な場合に、新しい環境の再生や、代替環境を供給すること。

創造

既に自然が失われている場所に、失われた自然を呼び戻すものであり、新たに自然環境を創造したり、自然と人工物を調和させること。


■ビオトープの創出・保全 
 ビオトープは、「特定の生物群集が生存できるような、特定の環境条件を備えた均質なある限られた地域」(生態学辞典(築地書館))を意味するが、開発にあたっても、多様な環境条件の整備を行い、可能な限り多くの野生動植物が生息・育成できる自然環境の復元と創造を検討する。

■多孔質空間の確保 
 朽木、砂礫地、石積みなどの孔や隙間は、生物にとって営巣の場であり、隠れ場所であり、また採餌の場でもある。
 孔や隙間に、多様な生物が生息するためには、人工的な整然としたものより、大小様々な孔や隙間の確保が大切なことから、工法や素材を工夫し、より自然に近い多孔質な空間の確保を検討する。

■動物の移動経路の確保 
 動物は採餌や繁殖などのための行動圏を持っているといわれるが、開発行為による動物の移動経路の分断は、動物の生息範囲を縮小し、生態系に影響を及ぼすだけでなく、路上での動物と自動車等との衝突事故等をも惹起する。
 また、水生生物についていえば、遡上・降海型の魚類への影響に限らず淡水性の魚類にとっても河川の連続性が失われることとなる。
このため、必要に応じて動物が移動するためのトンネル、横断橋、側溝等を設けるとともに、堰やダム等の建設では、魚の遊泳力以下の流速となる魚道など、様々な工夫を凝らして魚道の設置を検討する。

■鳥獣の繁殖時期及び鳥類の渡来時における騒音・振動等の防止 
 野生生物は、生息条件が揃っていても、人為的な騒音や振動によって営巣や渡来を中止するケースがある。
希少種の生息する地域や鳥類の渡来地として有名な地域では、その種の繁殖時期と渡来時期における工事の回避や、低振動・低騒音型の建設機械の導入を検討する。

■夜間照明の工夫
 
野生生物の生殖・生息等に影響を与えない光度、光源の採用や、遮光植栽の導入を検討する。

■自然分解が困難な薬剤の使用抑制 
 生態系への影響と環境への負荷を避けるため、自然界で分解が困難な薬剤の使用はできるだけ控えることを検討する。

■維持管理等の分野では、ボランティアによる協力やグラウンドワーク手法の導入を検討 
 施設等の維持管理や、地域の環境改善と保全は、地域住民やボランティア活動に取り組んでいる方にお願いしたり、グラウンドワーク手法によって行うことを検討する。
  

 

3.自然景観への配慮

■ランドスケープをキーワードとした公共事業 
 本県は、緑と清流に囲まれた豊かな自然と温暖な気候、そして美しい海に面した素晴らしい立地特性を有している。
 この豊かな自然からなる景観は、高知らしさ、地域らしさのキーワードであり、全国に誇り得る貴重な地域資源として情報発信するとともに、次世代に引き継ぐことは我々の責務である。
開発と保全は、時に相反する行為であるが、公共事業の地域景観の形成に果たす役割は非常に大きく、この恵まれた地域資源を安易に壊すことなく、自然と景観に配慮した事業の実施を検討する。

 

■必要最小限の地形改変 
 現況地形を保全することは、在来植種や野生生物の生息・生育の立地条件となってきた環境の保全だけでなく、今日的には野生生物の移動空間の確保と景観の保全にもつながる。
現況地形を活かす工法や構造等を採用することで、地形改変は必要最小限に留めることを検討する。

■周辺景観に調和する工作物のデザインの採用 
 工作物は、周辺景観を損なわないことを基本とする。その配置・形・規模・色彩はもちろん、素材についても十分検討する。
 地域の伝統工法や地場の素材を用いることも方法の一つである。

■郷土樹種による緑化 
 生態系への配慮や高知らしさの創出のためにも郷土樹種による緑化を基本とする。
緑化は、単に周辺景観との調和を図るというだけでなく、緑地の生態学的な連続性により、防音、防塵、大気の拡散と浄化のほか、みずみずしさやうるおい感の創出など、様々な効果が期待される。

■土地改変後の緑化の推進 
 修景と濁水の防止のほか、防災対策という意味からも、土地改変場所の速やかな緑化を検討する。

 

 

4.地域の文化の保存・活用

 

■高知らしさの創出  地域の「らしさ」は、自然や景観、歴史、文化、気候、地理的条件といったなかで、住民一人ひとりの日常生活の積み重ねの結果として、飾ったり、構えたりせず自然に醸し出される地域の雰囲気や住民の気質・行動などとして現れる地域の独自性である。
 これまでの「らしさ」を育んでいくか、新たな「らしさ」を創造するか、いずれにしても、「らしさ」が長い日常生活の営みのなかから生まれるものである以上、開発行為に当たっては、住民が愛着と誇りと親しみを持てるモノを創造していくことが重要である。
そのためには、情報公開と併せて、住民の意見や意向を聞きながら事業を実施していくことを検討する。

■デザイン力を活かしたまちづくり 
 
デザインは、地方が大都市圏と同じ土俵で勝負できる分野の一つである。建物、道路、橋などデザイン力を発揮できる対象は山ほどある。従前から多くの地域で採用されている画一的なデザインや、地域の特産をモニュメント的に取り入れる単純なデザインではなく、配置、形、大きさ、色彩、素材など、その地域の集落や自然の中にある周辺景観との調和に配慮しつつ、空間的・時間的につながりのあるデザインを採用 ることを検討する。このことが、景観としてまとまりのある地域の「らしさ」につながる。

 

■伝統工法・地域素材の導入  
   
地域のモノを用いると、比較的違和感なく地域に馴染んだり、地域の個性の表現につながる場合もあることから、例えば、事業の一部に、地域に伝わる石組み工法を導入したり、地場の石を使った石畳の小道や広場を造るなど、時代考証にも配慮した伝統工法や地域(地場)の素材の導入を検討する。
なお、地域の素材を活用することで、コストを低く抑えられる場合もある。

■古いまちなみの保存・活用   

 

 歴史や気候風土、工法と素材からくる建物の形態と色調が、その地域に特有の雰囲気を醸し出す。
こういった「まちなみ」の保存はもちろんであるが、開発行為でも、その雰囲気と調和した、空間的・時間的につながりのあるデザイン(配置、形、規模、色彩、素材等)を導入するなど、まちなみを意識した取り組みを検討する。このことが、地域の「らしさ」につながる。

■古木・名木等貴重な樹木の保存・活用   

 古木、名木等貴重な樹木やその群落は、地域住民に親しまれ、また由緒・由来のあるものが少なくないので、地域のランドマークや憩いの場等として保存・活用することを検討する。
 また、移植以外に方法がない場合は、生育条件等について有識者から助言を受けながら、移植方法や場所について検討する。

■道標、石仏、屋敷林、ほこら等の文化的資源の保存・活用  
    
古くから親しまれ、由緒・由来のある文化的資源は、地域の貴重な財産である。その中には、様々な角度から光をあててみることで、光輝くものや地域のシンボル的存在となるものもある。
地域の方々とともにその活用方法を考えていくことを検討する。

■歴史的文化財の保存・活用  
 文化財は、有形・無形文化財、民俗文化財、記念物、伝統的建物群等、多岐にわたる。文化財は地域の象徴でもあることから、指定文化財はもちろん、それ以外でも歴史的価値のある文化財は、積極的に保存するほか、地域のシンボルとしての活用の可否の検討や、文化財を意識し、調和するデザインの導入も検討する。

■伝統芸能、祭りなどの伝統行事等の保存伝承への配慮  
   大きな土地改変を伴う開発にあっては、地域の伝統芸能や伝統行事を途絶えさせる危険性もある。
   地域の方々の意見を参考に工法等を工夫し、伝統文化の保存伝承の方策を検討する。

 

文化環境配慮方針(個別配慮事項)

 

1.道路

人と暮らしを支える「社会的空間」としての道路は、従来の量的・機能的整備に加え、「快適性」と「環境」の視点から、歩行者や自転車のための空間整備、沿道と連携した景観整備、自然環境や生態系との調和など環境創造のための整備、沿道の文化の保存・活用とコミュニティの場としての機能など地域特性に応じた構造、さらに防災機能の確保や物流の高度化に対応する構造など、多様なニーズに対応する必要がある。

■安心して歩ける道づくりが原則       

 老人や子どもが、安心して歩ける道、障害者が安心して車椅子で外出できる道、これが道づくりの基本です。例えば、交差点では、歩行者が平面を歩き、自動車が地下道や高架を通過する設計や、歩道の段差を取り除くことなどを検討する。

■美しい景観地を取り込むルートづくり
 始点と終点を短絡することだけに力を注ぐのではなく、場合によっては、眺望の良い場所をルートに取り込むことによって、利用者が楽しめる道づくりを検討する。

■地形を活かしたルートづくり 
 切土やトンネルなどによって直線的なルートとするだけではなく、例えば、峠や坂といった起伏に富んだ地形をそのままルートに活かすことなども検討する。

 

 

 

 

 

 

■トンネルの坑口部の緑化・デザイン等による修景   

 

 山を切り取ったトンネルの坑口付近は、景観を損ない、また坑口付近の大きな面壁はドライバーに心理的圧迫感を与える。
面壁をできるだけ狭くするとともに、緑化や地元でとれる光の反射の少ない石等を利用した修景を検討する。

■緑化推進のための法面勾配、法尻の処理    

 法面の勾配を緩やかにして、自然の地形に近い形状とすることで植栽が可能となる工夫や、法尻に平場を設けることによる植栽など、緑化による修景と防災対策等を検討する。

■「木の香る道づくり事業」などによる法面の緑化
  「木の香る道づくり事業」は、法面に地域の在来植種のポット苗を使い、自然林を復元していく工法であり、間伐材を土留めに使用することで、樹木の育成とともに有機肥料として土に還元されていくという、景観と自然環境に配慮した事業であるが、このような事業の導入などによる法面の緑化を検討する。

■ガードレールの必要性と色彩の検討 
 河川の対岸に見える白いガードレールは景観を損なう場合が多いこと、また町の中の至る所に設置されているガードレールは美観を損なう場合があることから、緑化によって遮へいしたり、可能であれば花壇などで代用するなど代替物の検討をする。
また、景観上優れている場所では、ガードロープ等の採用を検討する。

 


■街路燈のデザインと設置場所の検討 
街路燈のデザインは、道路の雰囲気を大きく左右することから、周辺景観と調和するデザインのものを採用することを検討する。

■わかりやすい案内標識の設置の推進

■舗装しない部分を設けることの検討 
住民の意向にもよるが、通行量の少ない小径などは舗装せず、足の裏に伝わる土の感触を大切にすることも検討する。

■憩いや話し合いの場としての機能の確保・回復 
本来、道路が持っていた憩いとか話し合いの場という機能が失われつつあることから、小広場等を設けることなどによって機能回復を検討する。

■電波障害等、周辺住民生活への影響への配慮 
高架を設置することによって、日照不足になったり、電波障害を引き起こすことがあるので、周辺住民の生活に影響が出ないよう配慮と措置を講ずる。

 

 

2.農道

 

■通過交通を制御した道路網の再編 
住民の安全性を確保するため、また集落内への通過交通を抑制するため、集落バイパスを検討する。

■集落景観を尊重した農道景観づくり 
既存の沿道には、燈明台、生け垣の続く集落景観、並木、大木、名木のある辻、四つ角など、景観的に優れた資源や素材が多数分布していることから、これらの素材を活用した道路計画に努める。

■生態系、地形に即した農道景観づくり 
農道整備における大規模な切土、盛土による法面は、景観を極度に人工的なものに変えるばかりでなく、生態系、自然環境にも負荷を与える恐れもあることから、計画においては地形改変は最小限とすることを原則とし、自然保護、防災安全性を考慮しつつ地形に即した道路線形・構造とする。

■農道景観の創出 
集落内に存在する景観的素材を活かした農道形態・構造とするため、住民とともに沿道の花壇、並木、果樹園等景観圃場などの整備に取り組み、これら沿道景観と一体的な農道整備に努める。また、テーマ性、ストーリー性のある景観づくりも検討する。

 

 

   
3.林道

■林道と周辺の景観との調和 

 路線計画にあたり、周辺からの眺望も考慮し、地形を活かした線形・計画高・構造物等を検討する。また切取り盛土面は、必要に応じて周辺植生や郷土樹種等の活用による緑化を検討する。

■自然環境になじむ材料の有効活用 
 強度・耐久性・維持管理等を十分に考慮しながら、木材、石、土等の現場で調達できる材料の有効活用を検討する。

■生物の生息環境、生態系への配慮 
 森林地帯は、豊かな自然環境や多様な生態系が残っている地域でもあることから、生物の生息状況を念頭においた慎重な事業計画を検討する。
また、生態系への影響を考慮し、必要に応じて、より地形に即した線形、計画高の検討や、生態系への影響が少ない切り盛り土工計画、捨土計画等を検討するとともに、法面には周辺植生や郷土樹種等を活用した緑化を検討する。
 さらに必要に応じて小動物に配慮した工法についても検討する。

 

 

 

4.河川・ダム・砂防

 

水辺の空間特性としては、治水・利水機能に加え、(1)大地と緑を保全する「地球環境性」、(2)流水と川原の接する水際線、川原と草地、草地と低木帯、低木帯と灌木帯の織りなす自由度のある「境界性・躍動性」、(3)川遊びの空間を創る「親水性」、(4)流域をつなぐ水・道・緑や文化のネットワークとなる「連続性・歴史性」などがある。

■「瀬」や「淵」の保全又は再生等 
魚類の採餌・休息・繁殖・避難場所として重要な瀬や淵の保全・形成と、失われた瀬や淵は、自然石等を利用して再生することを検討する。また、みお筋(低々水路など)の形成により、適切な水深の確保に努める。

■水辺に木陰をつくる樹木・草木の保全と創出 
河岸の樹木は、そこから落下する昆虫が魚類等の餌となるほか、その木陰は水温の上昇を抑える役割を果たすなど、水生生物等の良好な生息環境に寄与している。さらに、その根系は護岸の機能や淵の形成、水質浄化等にも寄与するなど、生態系に及ぼす役割は大きいことから、既存の樹木等の保全はもちろん、植栽等による創造も検討  する。

 

 

 

 

■魚の産卵、遡上時期の工事の回避 
特に、鮎の産卵・遡上時期においては、工事を極力回避するか、濁水防止対策の徹底を図る。

■多自然工法の導入の検討 

 

 特に、平水時水際の近自然化に配慮した自然川岸の保全に努めるとともに、人工の護岸や川岸の復元にあたっては、生態系の食物連鎖に配慮した物理的環境を再生する多自然工法の導入を検討する。

 

 

 

 


■自然浄化力のある水生植物による水質改善 
ヨシに代表されるように、窒素やリンを吸収し、水質浄化機能のある水生植物を活用した水質改善を検討する。

■親水性護岸の整備の検討

■川原への車輌の侵入規制 川原への侵入口に段差を設けたり、幅員を狭くするなどして不要な車の侵入を規制することも検討する。

 


■ダムの落水の様々な工夫 
 線状・帯状・多段式など自然の滝のような流れと音の演出や、噴水状の落水や虹のできる落水など、見て楽しい工夫を検討する。

■ダムによって水没する景観の復元と修景 水没により消失する景観や地域のシンボルなどを可能な限りダムサイトに保存復元するとともに、古木・名木等貴重な樹木の移植についても検討する。

■ダム本体上部のレクリエーションの場としての活用 ベンチを設け、写生や眺望等のための場をつくるなど、静的レクリエーションの場としての活用を検討する

 

 

 

 


■河川やダム湖周辺に遊歩道、サイクリング道の整備の検討 
遊歩道や、サイクリング道など、体を動かし、自然と触れ合うことのできる小道の整備を検討する。その際、古くからある小径等は極力活用することを検討する。

■ダム湖の流木の有効活用 
流木を単に焼却するのではなく、チップロードのチップやオブジェ等として活用することを検討する。

 

写真


■オープン型構造の砂防ダムの検討 
砂防ダムは、人命と財産を守るために不可欠であるが、一方で生態系に多大な影響を及ぼすことも否定できないことから、現地条件等を検討し、設置できる条件を備えた渓流では、オープン型構造のものを採用するなど、生態系への配慮と景観の調和を図ることを検討する。

 

 

5.治山

 

森林は、木材の生産だけでなく、水源のかん養、山地災害の防止、環境の保全等様々な機能を有し、県民が豊かな生活を営むうえで極めて重要な役割を果たしている。 
このような多様な森林機能を十分に発揮させるとともに、地域の自然環境の特性を踏まえ、周辺環境と調和する建設資材の利用や工法の導入、生態系の維持・回復等に配慮した事業に取り組んでいく必要がある

■治山施設周辺の景観の復元と修景    構造物の位置、高さ等を決定するに当たっては、主要眺望点からの眺望を十分に予測し、周辺植生等の自然力の活用や必要に応じて郷土種の植栽工等の導入を検討する。

■治山施設表面の修景 
 長期間にわたって周囲の景観と違和感が生じない色彩や材料等の導入を検討する。

 


■自然環境になじむ材料の有効活用 
強度、耐久性、維持管理を十分に考慮しながら、木材、石材など現場で調達できる多様な材料の有効活用を検討する。

■生物の生息環境の復元 
生態系への配慮が必要な地域では、動植物の生息状況を十分に念頭におき、魚道や小動物の通路の設置、郷土種による緑化など、生態系への配慮と景観の調和を図ることを検討する。
 

 

 

 

6.公園・緑地

 

 

■まとまりや連続性のある緑地の保全と創造 
緑豊かな環境は、小動物など生物の生存基盤であるとともに、大気を拡散したり、空気と水を浄化するなど、重要な役割を果たしている。
 この役割を果たすためには、単体的な緑では十分ではなく、生態学的なまとまりと連続性のある緑が必要であることから、その保全と創造を検討する。

■落ち葉のコンポスト化等、資源の有効活用と敷地内での循環処理システムの検討 
 落ち葉や剪定植物をコンポスト化し、敷地内の樹木等に活用するなど、資源の有効活用と敷地内で処理する循環システムを検討する。

■環境学習や各種行事の開催にあたっての受入体制等の整備 
 公園を自然保護思想の啓発や自然観察の場として活用したり、各種催し物を開催するために必要な広場としての設備や受入体制をそれぞれの目的が背反しないよう配慮して整備するとともに、施設の情報を適宜提供することを検討する。

■夜間燈火による演出の工夫 
 公園の雰囲気や環境に調和する形の照明の導入を検討する。その際、生態系に影響を与えない光度、光源の採用等についても配慮する。

 

7.下水道

 

■周辺との調和を図りつつも、画一的デザイン・色彩とならない工夫 
機能中心で、一見してそれと解るこれまでのデザインではなく、「地域のシンボルづくり」といった発想転換等によって、これまでの画一的デザインに工夫をこらすことも検討する。

■オープンスペースの確保 
地域の人々の語らいの場、催しの場、スポーツの場などとして利用できるオープンスペースの確保を検討する。

■汚泥の再利用等の有効活用 
汚泥をセメント原料などとして再利用するなど、有効活用を促進する。

■下水熱を処理場内の冷暖房等に有効活用

■処理場内にせせらぎ水路や水生動植物の生育環境を整備 ビオトープの創造の一つとして、場内に水辺空間を整備することを検討する。

■処理場内のせせらぎ水路や池への高度処理水の利用 
修景用水として、下水処理水の再利用を検討する。また、公園や広場の池、噴水、樹木のかん水などとして活用することも検討する。

■環境学習や現地見学会などの開催にあたっての受入体制等の整備 環境保全の普及啓発のための環境学習や、下水道事業を適切に伝えるための現地見学会の開催のために必要な設備や受入体制を整備するとともに、環境保全への認識を深めてもらう手法として環境保全ポスター、作文、標語などの募集を検討する。

 

8.廃棄物処理施設

 

■処理施設内の緑化の推進 可能な限りの緑化により施設にうるおいを与えるとともに、周辺の緑との連続性の確保を検討する。
また、施設周囲を緑化することで、遮へいすることも検討する。

■廃棄物の搬入方法等の十分な管理 
定められた種類以外の廃棄物が搬入されると、環境に影響を及ぼす危険性もあるので、搬入方法、種類等について十分な管理を行う。

■害虫・ネズミ・カラス等の有害動物の駆除の徹底 
有害動物は、衛生上の問題だけでなく、処理機器等に害を加えることも考えられるので、駆除の徹底を図る。

■地球温暖化物質排出抑制等の対策の推進 
温室効果ガスである二酸化炭素等の排出量の削減と、生態に有害なダイオキシン類の発生抑制対策の徹底を図る。

■焼却余熱の有効利用や廃棄物発電など、ゴミ資源の再利用の促進 
焼却余熱を温水プールや福祉施設等の暖房として利用したり、廃棄物発電施設を隣設することで発電に利用するなど、有効利用を検討する。

■環境学習や現地見学会などの開催にあたっての受入体制等の整備 
廃棄物の減量化やリサイクルについての環境学習や、廃棄物処理の現況などを適切に伝えるための現地見学会の開催のために必要な設備や受入体制を整備するとともに、施設の情報を適宜提供することを検討する。

 

9.住宅団地・建築物

 

公共建築物は、その立地条件、用途、規模等からその地域の核となる場合が多く、まちなみ景観に大きな影響を与える。個性的で魅力あるまちなみ景観を形成するには、まちの特性を反映するとともに、周辺環境と調和したデザインの建築物とする必要がある。また、単に機能性や経済性を追求するだけではなく、地域性や芸術性にも配慮し、地域のシンボルとして、将来に継承し得る文化的資産としていく必要がある。

■周辺景観と調和のとれたデザイン、工法等の導入 
画一的デザインの建築物は避け、その地域の気候風土、歴史等への配慮と伝統的なデザインや工法を導入することで周辺の自然環境や都市環境との調和を図るとともに、地域で生産される木材、瓦などの地域素材(地場産品)の活用を検討する。
また、一方で、まちなみ景観を形成するうえから、地域にふさわしい芸術性ゆたかな建築形態とすることも検討する。

■長期的にみて経済的な建築の推進 
設置目的に応じて、耐久性のある材料を使用したり、容易にメンテナンスができる構造など、長期にわたって必要な機能を保持できるよう配慮することで、長期的にみた場合には経済的となる建築について検討する。

■建物の断熱化と機密化による省エネルギーの推進 
省エネルギーと快適な温熱環境をつくるため、工法や素材を工夫し、断熱化と機密化に努める。
特に、ドアや窓等の開口部の断熱は、壁、床、天井などに較べて不十分である。開口部は透過と遮断という相反する機能が求められる場所であり、難しい面もあるが複層ガラスの導入など、断熱を検討する。

■自然の風・光の活用による省エネルギーの推進 
建物の形状や配置などを工夫し、自然の風や光を上手く取り入れることで、省エネルギーの取り組みを推進する。

■電波障害等、周辺住民生活の影響への配慮 
高層建築物の建設によって、日照不足になったり、電波障害を引き起こすことがあるので、周辺住民の生活に影響が出ないよう配慮と措置を講ずる。

■すべての人にやさしい建築の推進 
高齢者、子ども、身体障害者が安心して利用できるようにスロープや手摺りを設置するなど、バリアフリーを検討する。また、窓台の高さを手摺りの高さに設定するなど、構造物の高さ、大きさ、形などを工夫することで補助具の役割を兼ねさせることも検討する。

■ゆとりあるオープンスペースの確保 
通風、採光、景観、くつろぎ・コミュニティの場、災害時等のために、大小様々なオープンスペースを設けることを検討する。

 

10.農業地域(農業用水路)

 

営農を目的に行われてきた様々な形での土地利用は、単に農産物の生産量の増大と生産効率の向上という一次的機能だけではなく、副次的には、(1)地域特有の個性と景観の形成機能、(2)河川流況の安定と地下水の涵養、水質浄化など、自然環境と生態系の維持・保全機能、(3)災害を防ぐための治山機能など、一次的機能に勝るとも劣らぬ多面的機能を果たしてきた。 
農業・農村地域の整備にあたっては、これら多面的機能に配慮していく必要がある。

■生態系に配慮した工法等の工夫 素材や工法の工夫によって、生態系にできるだけ影響を与えないよう配慮するとともに、コンクリート三面張りとする場合でも一定のスパンで三面張りでない部分を設けたり、自然石を置き窪地を設けるなどして、水生生物の生息環境を確保することを検討する。
また、魚巣ブロックや魚道の整備などによる水生生物の生息環境の確保についても検討する。

■景観保全の工法・構造の検討 
 とりわけ集落区域や景観上のポイントとなる区間などでは、自然素材を利用した工法・構造を採用した護岸を検討する。

■水利施設の保全・修景への配慮 
 水洗い場、水車、水利施設等の歴史的資源については、原形の保全・修景を検討する。

■親水化の工夫
 
水路改修区間で、安全対策上の問題がない場合は、可能な限り人と水が触れ合える工夫を検討する。

■既存水路の保全・保存の検討 
 従前から存在する歴史的水路や地域住民の生活に密着している水路については、可能な限り保全・保存することを検討する。

 

写真

 

 

 

 

 

11.農業地域(ほ場整備)

 

 

■土地利用計画に関する十分な検討と柔軟な対応 
 圃場整備は、大規模な土地の改変を伴うことから、生態系や景観への影響も大きい。
圃場の景観形成の根本は土地利用であり、土地利用が整然とし、かつ有効に利用されていればそれだけで圃場は美しく見える。したがって、土地利用計画をしっかり立て、それを守ることが地域の圃場景観の基本である。

■生産の営みを伝える景観づくり
 
 圃場が生産体系上、効果的に利用され、生産活動が続けられている姿や、その中に みられる先人の知恵、地域の知恵は、農村風景としてすばらしい印象を与えるものであることから、適正な生産活動が続けていける圃場整備のあり方について検討する。

■立体感のある圃場景観づくり
 
 圃場景観は傾斜地を除くと、平坦な圃場景観を形成する場合が多く、機能的ではあるが、その景観は平面的になることから、立体感を生み出すためにも、生産性への影響を配慮しつつ、既存の樹木や平地林を残して整備することも検討する。


12.工業団地

■団地の境界の緑化 

 自然林を残したり、緩衝緑地帯を設けて周辺との調和を図るとともに、外部の者も自由にくつろげる開放的な場所とすることを検討する。
 また、団地内の美しい建物や景観上のポイント等を見せる工夫や、逆の場合に樹木を利用して見せない工夫についても検討する。

■団地内の公園緑地の開放 

 従業者以外の人々にも開かれた公園緑地として開放することを検討する。

■既存の河川、池、沼等をオープンスペースとして活用 

 オープンスペースを確保し、また緑化を推進するに際しては、できるだけ現状の地形や自然を活用することを検討する。

■既存樹林を活かした土地利用 

 緑豊かな樹林地を確保することは、小動物の生存基盤の確保のほか、人々に潤いを与えることとなる。緑地の確保にあたっては、コスト面だけでなく、既存の生態系の維持という意味からも、今ある樹林の活用を検討する。


13.埋立・海岸・港湾・漁港

 臨海部の空間特性としては、(1)海面に直面した連続する水際線や多様な生態系が存在する自然環境を形成する「親水性」、(2)海を中心とした自然と人工的造形が融合した景観としての「開放性・眺望性」、(3)内外交流の歴史や新しい文化を育んできた文化的特質としての「歴史性・祝祭性」や、(4)人々や物資が集まる交通上の連結点としての「多様性」がある。 
海に面した構造物ゆえにこうした視点から捉えると新たな発想も生まれてくる。

■海水の停滞流防止による水質の保全・侵食防止対策 
 静穏度に支障を及ぼさない範囲での「海水交換型防波堤」(透過堤・通水孔・潮通し等といった構造のもの)や潮汐・流入陸 水を利用した海水交換水路などの採用により、海水の停滞流を防止し、水質悪化の防止を検討する。
また、経年的な漂砂移動や波の収れん地点を把握し、施工面で周辺地形への影響の少ない施工手順の選択や、維持面で航路、泊地の浚渫土の養浜材への転用を検討する。

■人工岩礁や人工漁礁の設置 
 捨石マウンドや被覆ブロック・波消しブロック等を利用して、水深に応じて藻場や魚礁を形成し、藻類や魚介類の生息場所の創出を検討する。また、潜堤や人工リーフを築磯漁礁にも活用することを検討する。

■海浜への車輌の侵入規制 
 海浜の貴重な植生や甲殻類、ウミガメなどの保護のため、必要以外の車輌の侵入規制を検討する。具体的には、陸閘の常時閉鎖(人用のくぐり戸:津波対策にも寄与)、車止め、幅員や路面の工夫による安易な車の侵入規制を検討する。

■干潟の保全 
 干潟は、海岸生物の生息場所として、また渡り鳥等のえさ場としてかけがえのない場所であると同時に、海水の浄化にも大きな役割を果たしている。
このように生態系に大きな影響を持ち、またシオマネキなどの貴重な生物が生息する可能性もある干潟は、可能な限り保全することを検討する。

■海岸堤や護岸・岸壁等の親水化と景観 
 階段護岸を一律に採用するのは単調すぎる場合もあり、連続性に工夫が必要である。また、市民の訪問を前提とするような水際部や高所からの眺望の対象となる所では、利便性を侵さない範囲で、海面に突きだしたふくらみや、へこみを設けたり、階段等を設置することにより、法線の視覚的遮断を行い、単調な直線護岸(ヒューマンスケールでは最大500m)が連続しない工夫を検討する。

■夜間燈火による水際の演出 
 電線の地中化やガス燈風の照明の採用、手すり、路面素材などにより、ロマン溢れるプロムナードの演出や、水面に映じる光の効果を考慮にいれて、それを観賞できる場を確保することを検討する。
なお、生態系への影響が危惧される場合には、光度・光源についても配慮する。

■囲繞水面と周辺のまとまり 
 囲繞水面では、水面を中心とした全体としての空間的まとまりを持たせるため、舗装やストリートファニチェアなどでデザインを統一することを検討する。また、防波堤越しに外海の水平線(水際線)が眺望できるように内海側の陸地の基本地盤の高さを決定したり、船舶に圧迫感を与えない防波堤開口部とするため、堤頭部断面に傾斜を与えるなどの工夫も検討する。

 

文化環境評価システム自己評価表(平成14年度工事)の結果

 

1.対象事業の概要

4年目をむかえる「文化環境評価システム自己評価表」(以下「評価表」という)は、各事業の主管課を通じて132件が提出された。取りまとめに際しては、「平成12年度から繰越した事業9件」と「13年度から繰越した事業46件のうち完成した39件」「平成14年度に発注・完成した47件」を合わせた計95件を対象として分析を行った。対象事業の件数並びに事業費等は次のとおりである。

取りまとめ事業

対象事業件数 95件
総事業費(予算額) 41,190,722千円
最終請負金額計 40,528,721千円

2.結果の取りまとめ

(分析表の見方)評価表の配慮項目数は、文化環境配慮方針の項目事項のうち、それぞれの工事の内容により、実際に検討を要する項目と要しない項目とがあり、その検討を要するとした項目について「配慮した」と「配慮できなかった」に分かれる。さらに「配慮できなかった」ものについてはその理由別に「予算の制約」「住民の意向」「その他」に分類される。
(1)検討した結果 検討要項目について、実際に配慮した項目数、また、配慮できなかった項目についてはその理由別
 (予算上の制約、住民の意向、その他)の項目数の割合を円グラフで示した

(2)配慮の内訳 配慮を実施したと自己評価した項目を、文化環境配慮方針の項目別(「生活・地球環境の保全」、「健全な生態系の維持・創造」、「自然環境への配慮」、「地域の文化の保存・活用」)及び「個別配慮事項」の5項目に分類し、それぞれ検討要項目に対する割合をレーダーチャートで示した。(1)の配慮した割合が高いほど黒い部分の面積が大きくなる。

 

3.とりまとめ結果

◇事業全体の結果
   (1) 検討した結果

  (2) 配慮の内訳 

〈結果から〉○配慮率は昨年を上回る90%であったが、検討要項目の割合は、昨年の32%から4%ダウンの28%という結果であった。
○配慮の内訳は「健全な生態系の維持・創造」、「自然環境への配慮」への配慮が若干低いものの、バランスのとれた結果となっている。
○配慮できなかった理由の中の「その他の理由」は、次のようなものが大半であった。
  ・地形上の制約、用地の制限、その他構造上実施が困難。
  ・防災面、安全性、経済性を優先した。(コンクリ−ト構造を必要とする場所であった)

[2]配慮率の比較について(対13年度結果)    

〈結果から〉○これまでの結果から、配慮率は年々向上し、職員の意識は高まってきたことが伺える。
○こうした背景には、(1)間伐材や現場周辺にある石材等を再生材料として利用する工法が画一され、配慮する方法が具体化されてきたことや、(2)文化や環境に配慮する方法は、その現場のいろいろな諸条件によって異なり、一律的な方法では配慮できないため、車の両輪といった関係で、専門家からのアドバイスを受ける「文化環境アドバイザー制度」を活用してきたことも大きな要因と思われる。
○しかし、配慮率が向上してきた一方で、検討要項目数の全項目数に対する割合は低く、依然として30%程度を推移していることから、引き続き、文化環境アドバイザー制度を併用した当システムを継続し、文化・環境に配慮する視点を持つ職員の広がりをさらに進め、検討要項目数が少ない現状を改善していく必要がある。

☆ 平成14年度 文化環境評価システム自己評価表の結果 [PDFファイル/2MB]

 


写真:物部川河畔のカゲロウ

 

連絡先

高知県 林業振興・環境部 環境共生課
住所: 〒780-0850 高知県高知市丸ノ内1丁目7番52号
電話: 四万十川・清流担当  088-821-4863
牧野植物園整備担当  088-821-4868
環境企画担当     088-821-4554
自然保護・公園担当  088-821-4842
ファックス: 088-821-4530
メール: 030701@ken.pref.kochi.lg.jp

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