病院紹介

院長挨拶 2021年初頭

新年度のご挨拶:2021年

新年のご挨拶:2021年初頭

新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、例年とは全く違う静かな年末年始を迎えられた事と思います。

昨年は世界中がコロナショックに揺さぶられた1年でした。1月に日本国内で新型コロナウイルス感染症第1例目が検知され、2月末には高知県でも患者さんが報告されました。幡多地域では、4〜5月に第1波が到来し、7月には1例そして現在は第3波と言われる感染拡大により、12月5日から多くの患者さんが発生しております。第3波はまだ収束の目処が立たず、今年も上半期はコロナに振り回されそうですが、ワクチンが効果的に働いて、徐々に収束していく事を切に願っております。東京オリンピック・パラリンピックは1年延期されましたが、努力を重ねているアスリートのためにも、開催されるのであれば心から声援を送りたいです。

昨年、けんみん病院開院以来初めてとなる一般病床33床の削減を行いました。人口減少に伴い患者さんが徐々に減り始めている中、急性期医療を継続しながらも、同時に安定的な病院運営を考えての決断です。コロナ診療を除けば、病院運営は順調に推移していますので、しばらくはこの体制を継続したいと考えています。

人口減少による医療スタッフ不足は患者さんの減少以上に深刻な問題です。医師については、卒業後高知県で働く「地域枠」の医学生が徐々に増加していますが、現場で活躍できるようになるのは少し先のことです。また、メディアでコロナ病棟の過酷な現場が毎日のように報道されるのを見ると、看護師など医療スタッフを目指す若者が減らないか心配になります。高知県および高知大学などとこれまで以上に連携をとりながら、医療スタッフ確保に努めて参ります。

診療活動において医療安全、感染対策、医療倫理の3つの概念の重要性が認識されつつあります。当院は、医療安全及び感染対策には早くから力を入れていますが、医療倫理に関してはまだまだ職員に浸透できていません。多様化・高齢化する患者さんの最善を考え、家族と一緒になって治療方針を考えていくうえでは、必須の概念ですので、今年は職員全員で学んでいきたいと思います。

コロナと共存しながらも、この新しい年がより良き年になりますよう祈念しまして私からの年頭のご挨拶といたします。

どうぞ今年もあたたかいご支援とご助言を心よりお願い申し上げます。

令和3年1月4日
 病院長 矢部敏和