診療科のご案内

外科・消化器外科

医師紹介

秋森 豊一 あきもりとよかず

秋森 豊一

▼役職等
 外科部長
 (診療部長)

▼所属学会等
 日本外科学会 指導医・専門医
 日本消化器外科学会
 日本内視鏡外科学会
 日本臨床外科学会
 日本癌治療学会
 日本乳癌学会
 日本胃癌学会

桑原 道郎 くわはらみちお

桑原 道郎

▼役職等
 
消化器外科部長

▼所属学会等
 
日本外科学会 指導医・専門医
 日本消化器外科学会 指導医・専門医
 日本内視鏡外科学会 技術認定医
 日本臨床外科学会
 日本癌治療学会

谷岡 信寿 たにおかのぶひさ

谷岡信寿

▼役職等
 
副医長

▼所属学会等
 
日本外科学会 専門医
 日本消化器外科学会
 日本内視鏡外科学会
 
日本臨床外科学会
 日本胃癌学会
 日本食道癌学会
 日本消化器病学会
 日本人工臓器学会
 日本小児外科学会
 日本肝胆膵外科学会

前田 将宏 まえだまさひろ

前田将宏

▼役職等
 
主査

▼所属学会等
 日本外科学会
 日本消化器外科学会
 日本臨床外科学会
 
日本消化器病学会

山下 柚子 やましたゆずこ

山下 柚子

▼役職等
 
主査
 

▼所属学会等

 

上岡 教人 かみおかのりひと

上岡 教人

▼役職等
 
非常勤医師
▼所属学会等
 
日本外科学会 専門医

尾﨑 信三 おさきしんぞう

尾﨑 信三

▼役職等
 
非常勤医師(毎週外来)
 乳腺外来

 

▼所属学会等

 

沖 豊和 おきとよかず

沖 豊和

▼役職等
 
非常勤医師(毎週外来)
 乳腺外来

 

▼所属学会等

 

岡田 浩晋 おかだひろのぶ

岡田 浩晋

▼役職等
 
非常勤医師(毎週外来)
 呼吸器外来

 

▼所属学会等

 

 

 当院は幡多地域の基幹病院であり、第二次救急医療機関です。幡多地域は、地理的、時間的に中央医療圏から遠く離れていますが、地域の皆様に安心して過ごしていただけるように、当院で完結できる医療を目指しています。がん診療におきましても、ガイドラインに沿った術前補助化学療法、術後補助化学療法、切除不能進行・再発癌に対する化学療法の他、術前放射線治療、疼痛緩和のための放射線治療などの集学的治療を行っています。2012年4月には、地域がん診療連携拠点病院の指定を受け、厳しい指定条件の下、継続して更新を受けています。また、救急医療に関しましても、24時間体制で外科診療を行っています。

 

 スタッフは現在(令和3年10月現在)、幡多郡出身の外科部長秋森(大方町:現黒潮町)、消化器外科部長桑原(中村市:現四万十市)の2人と、高知大学第一外科より外科手術研鑽のために派遣された若手医師4人(うち2人は幡多出身:四万十市と宿毛市)が協力して診療にあたっています。若手医師には、手術の技術だけでなく外科全般の診断技術や対応能力を身に着けることができるよう指導を行っています。

 他県より高齢化が進んでいる高知県の中でも、幡多地域は特に高齢化が進んでいます。そのため、当院の患者様には高齢者が多く、85歳を超える超高齢者の割合も高くなっています。その上、ご子息が県外に出られ、老夫婦の二人暮らしや独居の方も多くなっています。また、幡多地域は健診の受診率が低く、非常に進行した状態で受診される患者様が多いのも特徴です。治療に対する制限が少ない患者様では、生命予後を優先し、ガイドラインに沿って治療を進めるだけでよいので、治療方針を決めることはそれほど困難なことではありません。一方、年齢や併存疾患、病気の進行具合、家族背景、地理的要因、経済的要因など、いろいろな制限がある状況では、初期治療が終わってからの生活、通院治療についても配慮が必要で、治療方針を決めることは容易ではありません。それぞれの患者様にとって適切な治療を選択できるように、ご本人とご家族を交え、状況によっては医療相談室などのスタッフも加わって頂き、一緒に相談し治療方針を決めています。

 

 私たちは、幡多出身であり、幡多地域の医療を守りたいというモチベーションも高く、幡多地域の特性や気質、社会的背景を十分に配慮した上での治療を考え、一緒に治療方針を決めていく様に心がけています。特に手術治療に関しましては、当院で手術可能ということにとどまらず、中四国以外の病院と比較しても遜色のない高いレベルの手術を受けて頂きたいと考えています。移植医療などの特殊な医療を除き、外科疾患に関しましては当院でほぼ完結できる医療を行っていますので、安心して受診して頂けます。(手術症例参照)

 当科の手術の特徴は腹腔鏡手術が大部分を占めていることです。傷が小さいと、手術後の苦痛が少なくおなかの創も目立ちにくくなります。そして手術に対する恐怖心や不安も少なくします。これらはとても大切なことですが、腹腔鏡手術の最大の利点は、精度の高さと手術後の合併症の少なさです。腹腔鏡手術では、高性能カメラでとらえた術野を大きなモニターに映し出し、その鮮明で拡大された術野を利用して手術を行うため、精度の高い手術が可能となります。また、腹壁破壊が極力抑えられたお腹の小さな創は、術後の苦痛を少なくするばかりでなく、手術後の回復を早めます。そのことは、術後の合併症予防につながり、入院期間を短くし、しいては術後の筋力、体力の衰えを軽減します。手術前の体力を落とさないことは、高齢者が多いこの地域では、特に大切なことです。2020年は、胸腹部手術の86.5%を腹腔鏡(胸腔鏡)手術で行っていました。胸部手術(気胸、膿胸、転移性肺癌)7例は全例を胸腔鏡手術で行っている他、食道癌(5例)、小腸癌(2例)、大腸癌(69例)、胆嚢手術(101例)、虫垂炎手術(43例)も全例腹腔鏡手術でした。胃癌手術も35例中32例の91%を腹腔鏡手術で行っていました。当院は緊急手術が多いことも特徴ですが、昨年度の130例の緊急手術のうち、118例(91%)が腹腔鏡手術でした(緊急手術症例参照)。

 癌の手術後の経過で最も気になるのは再発ですが、癌の再発のほとんどは、手術した時点では小さすぎて検査で指摘できなかったものが、時間が経つことで、検査で指摘できる大きさまで育ったものです。つまり、再発する人の多くは、手術した時点で、すでに微小転移があるのです。よって、一定のレベルの手術をしていれば、腹腔鏡あるいは開腹という手術手技の違いや施設間で、癌の再発率に差は出ません。一方、合併症の発生割合は施設によって大きく異なります。これが手術の質です。当院の合併症発生率はとても低く、手術後の経過も良いため入院期間も短くなっています。低侵襲と言われる腹腔鏡手術の侵襲をさらに低くし、患者さんの身体的、経済的な負担も軽減できていると考えています。また、昨今の増大する医療費問題の点でも貢献できていると思われます。

 他の医療機関での治療方法の考え方などを聞いてみたいとお考えの患者様には、セカンドオピニオンの方も積極的に受けて頂いていますので、お気軽に相談して頂ければと思います。また、患者様と医療者が意見交換や相談、質問をする場としてがんサロン『ふたば』や患者様同士が意見交換をする場として幡多がん患者の会『よつばの会』も活動しています。

主な診療の概要

 当科で行われている各種外科治療のなかで、代表的な疾患の治療法について、以下に紹介します。各種がんの治療は基本的に各学会のガイドラインに従い行っています。

  • 食道癌

     食道癌の手術は手術操作が頸部、胸部、腹部にわたるため、手術侵襲がとても大きくなる手術でした。この大きな手術侵襲を軽減するために、当科では、2009年4月に、胸腔鏡および腹腔鏡による傷の小さな食道癌手術を導入しました。高い外科的技術が要求されますが、術後の回復ぶりが極めて良好となり、高齢者でも対術可能となりました。ガイドラインに従い、進行度Ⅱ・Ⅲに対する術前化学療法+根治手術を行い、予後の改善をはかっています。また、病気の進行度や患者様の状態に応じて化学放射線治療も行っています。

  • 胃癌

     特別な状況を除き、すべて腹腔鏡手術で行っています。胃癌の手術は胃癌ができる部位により手術方法が異なります。どのような手術であっても、胃が小さくなるため、少なからず食生活に影響を与えます。その影響を最低限に抑えるためには手術に対する高い知識と技術が必要です。特に胃全摘手術は、食事摂取量が大幅に減り、体重減少も大きく、手術後の生活に与える影響がかなり大きな手術であり、できるだけ避けたい手術です。以前は、胃の上部におよぶ胃癌では、小さな癌であっても胃全摘手術を行っていました。胃の上部を切除し、残胃と食道を吻合すると、胃酸が逆流することにより難治性の逆流性食道炎となるため、胃酸を抑える薬が必須となります。胃酸を抑える薬を内服していても、逆流を防ぐことはできないため、日々の生活に支障をきたすことが多く経験され、食事摂取量の減少と、それに伴う大幅な体重減少がおこることを承知で、胃全摘手術をおこなってきました。最近では上部の胃癌に対し、逆流性食道炎が極力抑えられる(観音開き法)上川法による吻合方法を採用して噴門側胃切除を行うことにより、胃全摘手術の割合が大幅に減少しました。

     胃上部の胃癌に対しては、噴門側胃切除術を施行し、吻合方法に観音開き法(上川法)を採用しています。残胃と食道の吻合に、工夫を凝らした上川法は、吻合方法がとても煩雑で時間がかかりますが、胃から食道への逆流が予防され、胃酸を抑える薬も必要なく、術後の状態も格段とよくなっています。食事摂取量も多く、体重減少も少ないため、残胃と食道をつなぐ優れた吻合方法と考えています。

     胃中部から下部の胃癌に対しては、幽門側胃切術を施行し、胃と十二指腸指腸の吻合にデルタ吻合(金谷法)を採用しています。手術後の胃は蠕動がなくなるため、食べ物が胃に停滞しやすくります。そのため、胃と十二指腸の吻合部の口径が小さくならないようにすることが重要となります。デルタ吻合(金谷法)は、胃と十二指腸の吻合部の口径が大きくとれること、吻合方法が簡便であり吻合に時間がかからず、吻合不全を起こすこともほとんどないとても優れた吻合方法です。術後の食事摂取量が変わらず、体重減少のない患者様も多くみられます。

  • 大腸癌(結腸癌・直腸癌)

     大腸癌は、ほぼ腹腔鏡下手術をおこなっています。術前に化学療法や化学放射線療法を行なって根治性を高めた上で、手術を行うこともあります。直腸癌に対する開腹手術では、骨盤奥深くの観察が難しいため、手術中の大量の出血により輸血が必要となったり、神経を損傷して膀胱機能や性機能を障害することも多い手術でした。腹腔鏡手術では、骨盤底の観察が容易であるばかりでなく、術野がモニターに大きく映し出され、毛細血管や神経を視認しつつ手術を進めるため、出血もごく少量で済み、膀胱機能障害もまず起こりません。このように、目で見て確認し、適切に手術を進めていくことができるため、肛門管近傍で直腸切除し、吻合した場合は、一時的に回腸人工肛門を造設しますが、肛門管から離れた場所で切除した場合は、吻合部を十分に観察し、吻合部に糸針をかけて補強し、一時的な人工肛門はほとんどつくっていません。また、肛門に近い直腸癌でも、結腸と肛門を直接吻合する超低位前方切除術をおこなっており、一時的に人工肛門は造設しますが、永久人工肛門となる患者様は非常に少なくなりました。このように、肛門機能温存や膀胱機能・性機能温存を重視した手術を心掛けています。また、人工肛門を作成された患者様には、専門の認定看護師を中心に創のケアや装具の使い方などについてきめ細かい指導を行っています。

  • 乳癌

     乳腺専門医2名で診療にあたっています。初発乳癌の手術では、約半数近くに乳房温存手術を行っています。また、腋窩のリンパ節郭清についても、センチネル・リンパ節生検を取り入れ、不必要なリンパ節郭清を避けるようにしています。

  • 肝臓・胆嚢・胆管・膵臓癌

     病状の進み具合と患者さんの年齢・全身状態などを考慮し、ガイドラインに沿って手術の適応を決定しています。切除可能な大腸癌の肝転移に対しては、積極的に手術治療を行っており、腹腔鏡手術の割合が多くなっています。

  • 肺疾患

     当科では、大腸癌の肺転移や自然気胸、膿胸に対して、胸腔鏡下の手術を行っています。

  • 急性胆嚢炎、胆石症

     以前は、急性胆嚢炎は保存的加療後に手術を行う方針でした。炎症が高度の場合は、PTGBD(経皮経肝的胆嚢ドレナージ)を留置し、1か月以上待って炎症を落ち着かせた後に手術を行っていました。この方法では、長期の入院を余儀なくされるばかりでなく、炎症が治まった後に起こってくる瘢痕化により胆嚢が固くなり、腹腔鏡で手術を始めても、開腹手術への移行や手術による合併症が少なからずありました。

     急性胆嚢炎は発症から72時間以内であれば、比較的容易に腹腔鏡手術が完遂できることがわかっており、現在は胆石疝痛発作や急性胆嚢炎に対しては、受診当日、深夜の時間帯によっては翌日に緊急手術をおこなっています。積極的に緊急手術を行うようになったことで、この2年間はすべての症例を腹腔鏡手術で完遂できており、ほとんどの方が術後2~5日で退院されています。

  • 鼠径ヘルニア

     前立腺癌手術後、小児を除いては腹腔鏡手術を行っています。小児で腹腔鏡手術をご希望の方には、大学病院の小児外科を紹介しています。

  • 緊急手術

     緊急手術となる疾患は、胃・十二指腸の穿孔による上部消化管穿孔、大腸の穿孔である下部消化管穿孔、急性胆嚢炎、急性虫垂炎、腸閉塞、ヘルニア嵌頓などがあります。そのほとんどを腹腔鏡で手術を行っています。(下記表参照)

  • 大腸癌イレウス

     大腸癌による腸閉塞は、緊急に処置が必要で、当院では1年に10例から20例くらいあります。以前は緊急手術としていましたが、2018年から閉塞部位に消化管ステントを留置することにより緊急手術を回避しています。緊急手術の場合は、術前に十分な評価ができず、危険性が高い上に合併症の発症割合が格段に高くなります。また、人工肛門が必要であったり、その後に根治手術を行ったり、人工肛門を閉鎖したりと、複数回の手術が必要となります。ステントを留置することで緊急手術を避け、術前の検査をしっかりと行うことで、より適切な治療を進めていくことが可能となります。

 

過去手術件数(2018~2020年度)

                   
      2018 2019 2020  
      症例 腹腔鏡 症例 腹腔鏡 症例 腹腔鏡  
  良性 3 3 4 4 4 4  
  悪性 0 0 2 2 3 3  
  乳腺 悪性 36 0 35 0 37 0  
  食道 悪性 10 10 6 5 5 5  
  悪性 32 19 29 19 36 32  
  胃・十二指腸・小腸 良性 19 6 18 10 22 17  
  肝・胆・膵 悪性 22 0 20 5 18 3  
  胆嚢 良性 80 67 78 78 101 101  
  大腸 良性 13 0 26 12 19 17  
  悪性 64 39 69 63 69 69  
  急性虫唾炎 20 5 30 29 43 43  
  ヘルニア 57 15 65 42 56 40  
  イレウス 23 2 27 12 20 12  
  バイパス術 6 0 6 5 10 8  
  その他 91 3 55 12 55 30  
  476 169 470 298 498 384  
                   

緊急手術症例(2018~2020年度)

                 
    2018 2019 2020  
    症例 腹腔鏡 症例 腹腔鏡 症例 腹腔鏡  
  上部消化管穿孔 11 1 6 3 9 8  
  下部消化管穿孔 10 0 13 4 10 9  
  急性胆嚢炎、胆石疝痛 15 11 36 36 55 55  
  急性虫垂炎 19 5 26 25 32 32  
  ヘルニア嵌頓 5 1 6 3 5 2  
  イレウス(内ヘルニア含む) 19 1 24 10 13 9  
  大腸癌イレウス 15 0 3 1 0 0  
  その他 8 0 8 2 6 3  
  102 19 122 84 130 118  
                 

一般社団法人National Clinical Database(NCD)

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