公開日 2024年02月20日
和食(わじき)ダム建設事業の概要
流域の概要
和食川は、安芸郡芸西村に位置し、その源を標高430mから380mの小丘陵に発して途中、東谷川、奥出川、谷内川、長谷川を合流しながら馬ノ上、和食、西分地区の住宅地、農地を流下し、土佐湾に注ぐ流域面積約20.6km2、流路延長約6.3kmの2級河川です。
和食川が流れる芸西村は、県内有数の施設園芸地帯で、ビニールハウスではナスやピーマン等の野菜のほか、芸西村特産の花「ピュアブルー」等も栽培されています。
和食川流域では、降水量が梅雨期、台風期に多く、特に台風期の豪雨により災害が多く発生しています。また、和食川の水利用は古くから行われ、かんがい用水、水道用水の水源等に利用されていますが、流域面積が小さいことから水不足に悩まされてきました。これらの洪水や水不足に対処するため平成5年に和食ダム建設計画が策定され、平成15年から和食ダム建設事業が始まりました。
事業の目的
和食ダムは以下の3つの目的を持った多目的ダムとして建設されます。
- 治水/洪水の調節
- 利水/「安定した用水の維持」と「新たな水道用水の供給」
- 環境/河川環境の保全
和食ダム計画図
和食ダムの諸元
和食ダムの治水 −洪水から生活・生業を守る−
和食川の水害
和食川では、古くよりたびたび洪水被害を受けており、特に平成元年8月の集中豪雨では和食川沿いに広がる農地や和食地区の住宅地などを中心に、面積約245ha、家屋73戸(床上29戸、床下44戸)に及ぶ浸水被害が発生し、中流域の園芸施設が濁流により大きな被害を受けました。
和食ダムの洪水調節
和食ダムでは和食川流域で甚大な被害をもたらした平成元年8月の豪雨程度の降雨で発生する規模(年超過確率1/50の規模)の洪水を防ぐことを目標とし、ダムに入ってくる流水が56m3/sのとき47m3/sをダムに貯め、ダム下流へは9m3/s(=56−47)の放流を行うことで、下流域の洪水を調節します。
和食ダムの利水 −水資源を活かす−
安定した用水の維持
和食川から取水している農地は約117haあり、農業用のダムやため池が築造されていますが、水不足の解消にはいたっておらず、たびたび渇水に見舞われています。そこで、流域にある堰での水利流量を10年に1回程度の渇水でも確保できるようダムの利水容量を計画し、これにより十分な水を補給します(岩の川堰利水基準地点において必要量を確保します。)
新たな水道用水の供給
芸西村上水道は、和食川の地下水が水源となっていますが、平成8年1月14日から23日に村内の全戸において夜間断水を実施するなど、村内全域で渇水に悩まされている状況です。
また、今後、生活環境の向上のための下水道事業の進展などによる水需要も見込まれています。
これらの水不足に対応するため、和食ダムは、新たな水道用水として1日最大1,000m3が供給できるよう計画されています。
和食ダムの環境配慮 −河川環境を保つ−
河川環境の保全
ダムは、不安定な河川流量を平準化して、安定した流量を流す役割もあります。和食ダムでは、これからも子どもたちが安心して川とふれ合えるような河川環境を保つため、「魚などの生物の生息や生育」や「川らしい景観のための水面の確保」に必要な河川流量を確保します。
和食ダム完成予想図
鳥瞰図
遠景図
近景図
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