公開日 2018年03月30日
開催日:平成30年2月13日
■議題
1 雇用情勢について
2 平成30年度雇用対策について
(1)雇用対策の方針
(2)雇用対策の取組について
(3)県と高知労働局との雇用対策協定について
3 質疑等
【開会】
副本部長(商工労働部長)
平成29年度雇用対策本部会議を開催する。
【本部長あいさつ】
本部長(知事)
高知県の直近の有効求人倍率は1.28倍、過去最高の水準に達していること自体は、ひとつの大きな手応え。かつてのように人口減少に伴い、すべてマイナス成長が継続するという状況ではなく、プラス成長に転じている。しかしながら、ほぼ完全雇用状態に陥っている状況で「生産年齢人口の減少」も相まって、各企業における「人手不足」が大変深刻化している。この人手不足の解消が大きな課題となっていることから、産業振興計画の新たなバージョンアップを行い、施策を展開しようとしている。
人手不足などの新たに生じたボトルネックを解消する施策の展開。働き方改革を推進して雇用労働条件を改善すること、移住促進策などと組み合わせて担い手の直接的な確保を図るべく努力をすることを柱にした取組を進めていきたい。さらに、労働生産性を向上させるような設備投資を促していく施策も展開していきたい。
ただし、ボトルネックの解消のみにとらわれていては、先々に向けた成長を確保することはできない。そういう観点から、地産外商を進めて経済全体のパイを太めていくような施策の展開。地産外商をより強力に推し進めることで、新たな付加価値の創出とそれに伴う新たな交易範囲の拡大を図っていく。これらの取組を相互に良き好循環を生み出すかたちで展開することで、高知県経済全体のパイが太くなるような産業振興計画のバージョンアップを進めようとしているところである。
【議題1】 雇用情勢について<資料1>
(高知労働局長)
雇用情勢については(3ページ)、直近の平成29年12月の有効求人倍率は1.28倍。全国の1.59倍とはまだ開きはあるが、過去最高値を4か月連続で更新している。この10年から15年くらいをみると(4~5ページ)、リーマンショック後の平成21年度月平均の0.41倍をボトムに、平成27年11月に1.02倍で1倍を超えて以降、26か月連続で1倍を超えている。さらに平成29年の10月には1.21倍とはじめて1.2倍を超え、そこから3か月で1.28倍まで上昇した。
次に(6ページ)、非常に象徴的な数字だが、昭和48年11月に全国が1.93倍であったときに高知県は0.21倍だった。全国がいいときでも、なかなか高知県が0.5~0.7倍などと数字が伸びなかった。これが今は着実に全国に沿って上がってきている状況になっている(4ページ)。
正社員の有効求人倍率も、直近の平成29年12月が0.81倍(8ページ)。これも全国の1.15倍とは若干開きはあるが、5か月連続で過去最高値を更新している。
平成29年12月の雇用失業情勢の基調判断は3か月連続で「改善している」とした。一方で、人手不足という状況はあるが、やはり仕事をつくり続けることが大事。知事も話していたように、人口減少下であっても、持続可能な成長を続けるということが大事である。
【議題2】 平成30年度雇用対策について<資料2>
(事務局)
◆雇用対策の方針(資料2 1ページ)
先ほどの高知労働局長からのご説明のとおり、有効求人倍率・正社員有効求人倍率ともに、過去最高を更新し、雇用情勢は改善してきている。ただ、こうした雇用情勢の改善に伴い、業種・職種によっては人手不足感が高まり、人材確保が課題となっており、平成30年度の雇用対策の方針(案)はこうした状況をもとに作成した。
この改善してきている雇用情勢をより確かなものとするため、引き続き全庁一体で雇用対策を進めていくことが必要。また、産業振興計画や日本一の健康長寿県構想など各施策を進めていくことで、地域地域での「働く場の確保・創出」につなげていくとともに、そうした取組の波及効果が新たな雇用を生み出していく好循環を生むことが、広い意味での雇用対策。取組を進めていくうえで、今まで以上に雇用の質の向上を目指し、経営と両立するかたちでの労働条件や労働環境などの整備を支援していくことで、誰もが働きやすく、そして働き続けられる職場づくりを進めていくことを来年度の方針とし、「地産外商が進み、地域地域で若者が誇りと志を持って働ける高知県」の実現のため、「働く場の確保・創出」と「人材の育成・確保」を雇用対策の柱とする。
今回、新たな取組項目として、「働き方改革×生産性の向上」を追加。この項目では、これまでの地産外商の成果を持続的な拡大再生産の好循環につなげていくことを目指して、各産業分野のさらなる生産性の向上を図っていく必要がある。そのために、各産業分野で進めている事業戦略や経営計画の策定・実行への支援と併せ、計画の実行を支える人材の確保に向けて、賃金や休暇などの労働条件や労働環境の整備といった国の働き方改革とも連動した働く場の質の向上、またOJT、OFF-JTなどを通じた人材のスキルアップへの支援など、平成30年度は働く場、人材それぞれのいわゆる質の向上にウエイトを置いて取り組んでいきたい。
働き方改革については、労働局のほか県内の経済団体や銀行、労働者団体などと連携して取り組んでいるところ。来年度はさらに取組を強化して、安定した経営と働き続けられる環境を備えた、若者が働きたいと思える魅力ある企業がさらに増えるようにしていきたい。
◆雇用対策の取組について (資料2 2~11ページ)
今後の成長のボトルネックとなる「人手不足」「人口減少」に対し、産業振興計画や日本一の健康長寿県構想など県の基本施策、またそれぞれの政策に横断的にまたがる取組で克服していく、すべてが雇用対策につながっているということを示した図となっている(2ページ)。
3~11ページは、雇用対策の取組に関連する各計画の主な取組やバージョンアップの内容。
※各取組に(案)がついているものや、ついていないものがあるが、すべて会議時点での計画(案)。
◆県と高知労働局との雇用対策協定について (資料2 12~17ページ)
平成26年7月、県と高知労働局双方の強みを最大限に発揮し、相互に連携して雇用対策を推進する「雇用対策協定」を締結した。毎年事業計画を策定し、取組を進めることとしている。平成29年度事業計画は(13ページ)、6つの大項目のうち3つの大項目で10個の目標を立てて取り組んでおり、執行状況は14ページ、15ページのとおり。
17ページは平成29年度と平成30年度の事業計画の概要案の対照表。今年度までは、1の「女性の活躍促進」から6の「その他」まで、6つの大項目で構成し、「女性」「若者」など並列の項目立てにしていたが、平成30年度は、働き方改革の推進や人材の確保といった課題に対応する項目立てに大幅に見直しを行い、新たな6項目で再構築した。大項目の1つ目「働き方改革×生産性の向上」は、これまでの地産外商の成果を持続的な拡大再生産の好循環につなげていくことを目指し、各産業分野で進めている事業戦略や経営計画の策定と設備投資などへの支援と併せて、人材の確保・定着に向けた労働条件・労働環境の改善や、能力開発や技術力の向上への支援を通じた計画の実行を支える人材の育成などを内容としている。また、各産業分野で顕在化している「人手不足」などに対応するため、大項目2つ目の「各産業分野の人材の確保」以降は、人材確保対策や就労支援に関する取組を整理・統合するなどした。
今後、この項目に沿った県と労働局の取組内容の整理や目標の設定について共同で作業を進め、今年度中に平成30年度事業計画を策定する。
≪働き方改革に関して≫ (資料1 9~11ページ)
(副本部長)
来年度の働き方改革については、先日「高知県働き方改革推進会議」で労働局はじめ関係機関と今後の取組方針を確認したところ。局長から一言。
(高知労働局長)
1月23日に第3回「高知県働き方改革推進会議」を開催した。
これまでの会議の中で定めている3つの目標のうち、「女性管理職の割合を17%にする」という1つ目の目標は既にクリアしており、これをさらに引き上げて21%にするということと、平成30年度における高知県の働き方改革の取組方針では、たとえば「同一労働同一賃金」であるとか、最低賃金の改善に伴う助成であるとか、バラバラに行っていたものを平成30年度に国が設置する「働き方改革推進支援センター」を中心に取組を進めていくという方向性で確認した。
【議題3】 質疑等
(教育長)
県立高校の内定の状況(全日制)は、1月末時点で95.1%。この内定率は去年からいうと0.1ポイントだけ少ないが、去年も最終的には希望者のほとんどが内定となっており、その状況に近いと思う。県内の就職の状況(県立 全・定・通)については、県内就職率が62.9%。目標とする75%からはだいぶ離れているが、去年から比べると3ポイント上昇している。産業別の就職の状況を見ると、とくに県内においては、製造業・建設業が去年よりかなり増えている。一方で、県外での製造業・建設業が減っており、高校生の就職先が県外から県内にシフトしているように見受けられる。このように、十分ではないながらも県内就職が増えているのは、産業振興計画あるいは教育大綱等に基づいて、県内就職に向けたさまざまな取組を商工労働部などと連携して行っている成果だと思っている。学校を訪問して県内就職に向けての話をしたり、ものづくり総合技術展に高校生も参加させてもらったりしたことも効果があったのではないか。また最近、高校が地域課題解決学習の取組をかなり増やしている。こういった学習が地元に対する理解や愛着を深めて、地元就職にもつながっているのではないかと思う。
高校中退者や引きこもりなどの若者の就職について、若者サポートステーションで支援を行っている。平成29年度12月現在、支援対象者は422名。そのなかで進路が決定した者が125名、うち就職が決定したのが96名。若者サポートステーションの支援についても、十分ではないが、一定の数字が表れている。
【本部長あいさつ】
本部長(知事)
来年度の雇用対策の1つには、働き方改革の推進ということをしっかりと行っていくということ。この働き方改革の推進については、労働局の皆様にご協力いただきながら「働き方改革推進支援センター」と、県の「産業振興センター」で連携して取組を進めていきたい。「産業振興センター」が力を入れて行っている事業戦略の策定支援において、各企業の事業戦略のなかに事業の継続的な発展にも資するかたちで働き方改革をしっかりと織り込んでいくことにより、持続的なかたちで働き方改革が進んでいく、そういう姿を目指していきたいと考えている。
また併せて、国のものづくり補助金と県の新しい制度融資の仕組み等を組み合わせ、「働き方改革」「生産性の向上」のための省力化・効率化につながる設備投資を県内にさらに多く導入していこうとしているところ。事業戦略づくりを今年は各般の分野で展開していこうとしている。「産業振興センター」、さらには商工会・商工会議所での展開、農林水産業・観光それぞれの分野での展開など、幅を広げて、省力化・効率化につながる設備投資の導入を図っていけるように展開してもらいたい。
日本一の健康長寿県構想においても、新たな認証制度による人材確保の取組とともに、新たな省力化のための設備投資を促す施策の展開を補助制度を含め、強力にしようとしているところ。これらの各施策についても、ぜひ積極的な活用を展開していただきたい。
最後に、メインエンジンに関わる話として、『地域地域で多様な職を生み出す』ということが極めて大事。地域地域で一次産業、二次産業、三次産業のクラスター化を進め、多様な職を生み出すという点に重点をおいて、とくに産業振興計画の展開を図っていきたいと思っている。そのためにも各関係部局間の連携・協調が非常に重要。引き続きよろしくお願いします。
【閉会】
副本部長(商工労働部長)
平成29年度雇用対策本部会議を終了する。
※ 「有効求人倍率」は、公表当時の数値。
※ 平成29年12月以前の数値は、新季節調整指数によって平成30年3月2日に改訂されている。
この記事に関するお問い合わせ
所在地: | 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号 | |
電話: | 労政担当 | 088-823-9763 |
能力開発担当 | 088-823-9765 | |
働き方改革担当 | 088-823-9764 | |
就業支援担当 | 088-823-9766 | |
ファックス: | 088-823-9277 | |
メール: | 151301@ken.pref.kochi.lg.jp |
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