公開日 2019年07月02日
開催日:平成31年2月12日
■議題
1 雇用情勢について
2 平成31年度雇用対策について
(1)雇用対策の方針
(2)雇用対策の取組について
(3)県と高知労働局との雇用対策協定について
3 質疑等
【開会】
副本部長(商工労働部長)
平成30年度雇用対策本部会議を開催する。
【本部長あいさつ】
本部長(知事)
高知県の雇用情勢については、平成27年11月以降、有効求人倍率は1倍を超え、失業率についても史上最低水準に近い状況となっており、ある意味、量的な充足という関係においては一定進んできている。その中において、今後の大きな課題の1つとして、いかにして雇用のさらなる質の向上を図るかということがある。たとえば、正社員化を進めていくとか、条件の改善を図っていくとか、働き方改革の取組をすすめていく中において、いかに人材確保策としても一連の働き方改革を進めていくか、雇用条件の改善を進めていくか、ということが大事であり、こういった施策をしっかり進めていくことが大事。また、2点目は、できる限り多様な種類の職を作り出していくということもまた非常に重要。たとえばクラスター化を図るとか、IT・コンテンツ関連産業の振興を図るといった多様な取組を産業振興計画の中でも進めてきているが、さらなる進展が必要。そして、3点目は地域地域でという観点。特に地域の雇用情勢について差があるのは確か。中山間地域においても、雇用について多様な職が満たされていけるような取組というのをさらに進めていく必要があろうかと考える次第。こういった点などが非常に大きなポイントであり、さらにより大きな塊として言えば、この人手不足にどう対処するか、この点も大きな課題と思っている。できる限り多くの若者に高知県に残ってもらうため、また県外からも多くの皆さんに来ていただくため、さらにどういうことをしていくべきなのか、またそれをどうやって就職に結びつけていくのか。マッチングのあり方などについてもさらなる改善が必要だろうと思う。以上のテーマについては労働局の皆様にも様々なご指導をいただきながら、産業振興計画や健康長寿健康想のバージョンアップの過程でこれまでも散々議論してきたところだが、今日はこの雇用対策本部において、雇用という切り口で1つとりまとめをして、また認識を共有できればと思う。
議題1「雇用情勢について」<資料1>
(高知労働局長)
平成30年12月の有効求人倍率は1.24倍で、全国の1.63倍とは開きはあるものの、平成27年11月の1.02倍以降38ヶ月連続1倍を超えている(資料1ページ)。この10年間では、平成21年度の0.41倍(月平均)をボトムに、平成30年5月には1.31倍と初めて1.3倍を超え、直近の平成30年12月は1.24倍となっているが、高い水準で推移しており、平成30年12月の雇用失業情勢の基調判断も8か月連続で「引き続き改善している」と判断した。また、正社員の有効求人倍率は直近の12月で0.79倍と、こちらも全国の1.23倍とは開きがあるものの、平成30年4月以降増加している(資料10ページ)。高知県では、全国に先行して少子・高齢化・人口減少社会が進んでいることに加え、県内景気の回復、産業振興計画の着実な推進等を追い風に、先ほどの説明のとおり雇用失業情勢は確実に改善している。その一方で、企業の人手不足感が高まっており、人材の確保、若者の定着、生産性の向上などが課題となっている。
(1)高知県との連携した雇用対策の取組み
この課題に対応するため、今年度の「高知県雇用対策協定」に基づく運営協議会において、平成31年度の国と県が共同して取り組む事業計画(案)として、
1 働き方改革の推進×生産性の向上
2 各産業分野の人材の確保
3 女性、高齢者、障害者等多様な人材の活躍促進
4 雇用調整等への迅速な対応
の4本柱に集約整理し、具体的に取り組む事項を明確にすることを提案。
(2)働き方改革の推進の着実な実行により、多様な人材の活躍や労働生産性の向上
平成31年2月7日に「高知県働き方改革推進会議」を開催し、平成31年度を「基盤整備を推進するとともに、さらなる働き方改革に取り組む企業を増やし、積み重ねていく期間」として、「平成31年度における高知県の働き方改革取組方針」を決議した。高知労働局としても、長時間労働の是正、非正規雇用の処遇改善、雇用管理制度の導入促進、生産性向上のための各種支援・助成制度等により、魅力ある職場づくりを推進し、人材確保、持続的な企業成長の好循環の実現を目指す。
(3)働く意欲のある全ての人々が、能力を発揮し、安心して働き、安定した生活を送ることができる社会の実現
求職者の状況に応じた就職支援、正社員の実現など「ハローワーク」のセーフティネットとしての機能を発揮するとともに、ハローワーク高知人材確保対策コーナーによる人材不足分野(福祉、建設、警備、運輸)に対してのマッチング支援、求人者のニーズを踏まえた求職者の掘起しなどにより人材確保対策を総合的に推進する。県内企業で安心・安定して生活できる職場環境の実現のため、人材育成、人材投資の促進に向け支援をしたいと考えている。
(4)地域に密着した取組み
国のアクションプランに基づく県との一体的実施施設の運営、「若年者地域連携事業」「一体的実施事業」等委託事業の活用、「地域活性化雇用創造プロジェクト」「生涯現役促進地域連携事業」など県と連携した事業の取組にも積極的に取り組んで行き、県内の雇用情勢の改善に努めていきたい。
議題2「平成31年度雇用対策について」<資料2>
(事務局)
◆平成31年度の雇用対策方針(案)について (資料2 1ページ)
先ほどの高知労働局長からのご説明のとおり、県内の雇用情勢は引き続き改善しているところ。こうした雇用情勢に伴い、業種や職種によっては人手不足感が高まっており、人材の確保が経営上の課題となっており、こうした状況をもとに、平成31年度の取組方針(案)を作成した。
良好な雇用情勢を維持し、より確かなものとするため、引き続き、全庁一体で雇用対策を進めていく必要がある。31年度の「良好な雇用情勢を維持する」という文言については、30年度の「改善基調にある雇用情勢を確実なものにする」から変更しているが、これは、高知労働局が30年5月に「雇用失業情勢は引き続き改善している」と上方修正をされて以降、「引き続き改善している」が8ヶ月連続していることによる。「雇用対策」は、仕事を求める方と働き手を求める企業とのマッチングをするという狭い意味にとどまらず、「産業振興計画」や「日本一の健康長寿県構想」などの各施策を進めていくことで、地域地域での「働く場の確保・創出」を図り、ニーズにあった「人材の確保・育成・定着」につなげていく。そういった取組の波及効果が、また新たな雇用を生み出していくという好循環につながっていくことが広い意味での雇用対策と考えている。その取組を進めていく上で、◆の3つ目から4つ目にあるように、「雇用の量」の確保と「雇用の質」の向上を目指し、「働き方改革」と連動して、労働環境の整備などを支援していくことで、誰もが働きやすく、そして働き続けられる職場作りを進めていく。
平成31年度の「雇用対策の柱」としては、産業振興計画で掲げる本県の将来像である「地産外商が進み、地域地域で若者が誇りと志を持って働ける高知県」の実現を目指して、「働く場の確保・創出」と「人材の確保・育成・定着」の二本柱で進めていきたい。「人材の確保・育成・定着」については、30年度の「人材の育成・確保」から変更しているが、これは、企業の厳しい経営環境の中で「必要な人材」が足りないことや、従業員をいかに育成していくのかが課題となっており、また、企業の持続ある成長には人材の定着も大きな課題であるということから変更した。この2つの雇用対策の柱のもと、具体的に取り組む方向性について、2つ目の「働き方改革×生産性の向上」については、昨年4月に開設した「高知県働き方改革推進支援センター」をはじめ、労働局や県内の経済団体、銀行、労働者団体などと連携して取り組んでいるところだが、今年4月1日からは「働き方改革関連法」が順次施行されることもあり、31年度はさらにこの取組を強化し、「生産性の向上による経営基盤の安定・強化」と「人材の確保・育成・定着」の両輪で取り組んでいくことが必要との考えのもと、この文言を追加。3つ目の「産業人材の確保・育成・定着」につきましては、雇用対策の柱にあわせて「定着」という言葉を追加。
平成31年度は、これらの取組によって雇用の「量の確保」や「質の向上」を目指して取り組んでいきたい。これらの取組を実行していくため、高知労働局と連携して取り組んでいく。
◆雇用対策の取組について (資料2 2ページ~9ページ)
先ほどの雇用対策の方針でも触れたが、「産業振興計画」や「日本一の健康長寿県構想」など、県の基本政策や、それぞれの施策の横断的な取組を促進していくことが雇用対策につながっていくということを表したもの。企業の働き方改革による生産性の向上と県の様々な施策の取組により、雇用対策二本柱である「働く場の確保・創出」と「人材の確保・育成・定着」を図り、今後の成長のボトルネックとなる「人手不足」や「人口減少」を克服し、「地域地域で若者が誇りと志を持って働ける高知県」の実現につなげていくという図。3ページ~9ページは、この雇用対策の取組に関連する各施策の主な取組やバージョンアップの内容。
※各取組に(案)が付いているものや付いていないものに関わらず、すべて会議時点での計画案。
◆県と高知労働局との雇用対策協定について (資料2 10ページ~14ページ)
平成26年7月、県と高知労働局では双方の強みを最大限に活用し、相互に連携して雇用対策を推進する「雇用対策協定」を締結した(10ページ)。事業計画を毎年度策定し、取組を進めることとしている。平成30年度の執行状況については11ページ~13ページのとおり。14ページは、平成30年度と平成31年度の事業計画概要案の対照表。
1の「働き方改革推進×生産性の向上」の大項目については、具体的な内容がイメージしやすいよう、「労働環境の整備に向けた支援」という副題を追加。30年度は中項目が多かったため、31年度は「気運の醸成」「職場環境の整備」「生産性の向上」の3つのカテゴリーに分類し、それに関連するものを小項目として整理。2の「各産業分野の人材の確保」の大項目の副題については、30年度の「定着支援」から31年度は「職場定着支援」へと、より具体的な文言へと変更。小項目を整理すると共に、本年4月から新たに「外国人在留資格制度」が始まることから、「外国人材の受入環境の整備」を新たに追加。30年度の4「未就労者等に対する就労支援」と5「障害者・生活困窮者等の就労支援」については、31年度では3「女性、高齢者、障害者等多様な人材の活躍促進」にまとめ、中項目の文言を変更し、整理。30年度の6「その他」は、31年度では文言を「雇用調整等への迅速な対応」に見直しをすると共に、中項目の文言を変更。
以上のことを踏まえ、平成31年度の事業計画(案)は、4つの大項目ごとに県と労働局が連携して実施する事業を整理して作成中。今後、高知労働局と調整をしながら3月中に策定する予定。
<働き方改革に関して>
(副本部長)
働き方改革について、労働局の今後の取組について労働局長から補足をお願いしたい。
(高知労働局長)
今年度は高知県の方に多く事業委託をさせていただき、相談業務など周知にも協力をいただいた。次年度においても、さらに掘り進んで意識の周知・啓発に加え、労働局としては、4月1日から新たな法律が4月1日から順次施行されることとなるので、その周知・啓発に努めたい。まず、小さな企業に法律をよく理解していただくということが一番大事だと思っている。法律制度の周知・啓発に努めていきたい。また、併せて監督署においては、長時間労働の是正、労働企業の中の労働条件の問題に具体的に切り込んでいくことを考えている。長時間労働の是正、また違法性のあるようなものだけでなく、より一層の労働条件の改善に努めるような相談窓口を設けて取り組んでいきたい。以上、このような形で企業の基盤整備、労働条件のより一層の改善、働き方改革に取り組む企業の数を増やしていくような機関として取り組んでいきたいと考えている。
【議題3】 質疑等
特になし
(副本部長)
トータルのコーディネートは所々でさせていただくが、各部局が密接に関連するので、それぞれの部局での一層の取組を改めてお願いしたい。
【本部長あいさつ】
本部長(知事)
(資料2の2ページ)シンプルな図だが、ある意味、高知県の雇用対策の全体像を表したもの。あらゆる施策が、雇用の確保と質の向上に向いていることを意識して、今後施策の展開をお願いしたい。「雇用の確保」という観点から雇用の数を作り出すことはさることながら、あわせて多様な職を増やすことが大事。多様であるからこそ、多くの人のニーズを満たすことができる。それが地域において若者が残り得ることにつながるんだろうと思う。また、地域地域において職を確保するという観点も極めて大事。中山間地域における職をどう確保していくかが非常に大事であり、是非この点についてよろしくお願いしたい。たとえばスポーツの施策についても、スポーツの振興そのものが非常に大きな目的ではあるが、あわせてスポーツに関わる職を生み出すことで、地域において職の多様性を生み出すことにつながっていくと思う。こういう観点も是非取り入れていただきたい。そして「雇用の質の向上」について、先ほど労働局長からもお話があったが、働き方改革を事業戦略と一体とした形でしっかりと進めていくことによって、雇用の質の向上を図り、人手不足への対処や生活の質の向上につなげていっていただければ。3点目に「マッチングの強化」。これは引き続き極めて重要であり、潜在しているものも含めて人材ニーズをしっかりと拾い上げて、対外的に発信をして職を求める方につなげていく。この一連の流れの向上が極めて大事。平成31年度の移住施策においても、人材ニーズのさらなる発掘と発信を強化していくために専属のスタッフを設け、取組を強化しようとしているところ。企業におけるインターンシップとか、移住施策としての発信力の強化など、様々な形でマッチング強化のためにやることは多いだろうと思うが、直接な推進をお願いしたい。
最後に、たとえば子育てや介護をしながら働きやすい環境づくりということも極めて重要。これは人材確保という観点からも大事であり、なんといっても県民1人ひとりの暮らしの向上という観点からも大事。企業側からいけば働き方改革ということになるが、たとえば、「女性の活躍の場の拡大施策」や「少子化対策の充実強化の施策」とか、こういう施策において一連の取組を通じて、働きながら子育てや介護をしやすい環境づくり、さらには高齢者が参画しやすい職場づくりにつなげていけるように取り組んでいくことが非常に大事。是非、取組を進めていただきたい。
全ての施策はこういう形で「雇用の確保」と「質の向上」、「地域地域における雇用の確保」と「多様性の確保」、全てにつながっていくものだと思うので、各部局それぞれ意識をしながら取組を進めてほしい。すでに意識して取り組んでいるとは思うが、改めて意識を共有できれば。一連の施策の展開にあたっては、新しい事業計画に基づいて、高知労働局の皆様には引き続きご指導とご鞭撻をいただき、ご協力をよろしくお願いする。
【閉会】
副本部長(商工労働部長)
平成30年度雇用対策本部会議を終了する。
※ 「有効求人倍率」は、公表当時の数値。
※ 平成30年12月以前の数値は、新季節調整指数によって平成31年3月1日に改訂されている。
この記事に関するお問い合わせ
所在地: | 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号 | |
電話: | 労政担当 | 088-823-9763 |
能力開発担当 | 088-823-9765 | |
働き方改革担当 | 088-823-9764 | |
就業支援担当 | 088-823-9766 | |
ファックス: | 088-823-9277 | |
メール: | 151301@ken.pref.kochi.lg.jp |
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