気候変動・影響と適応策の必要性について

公開日 2019年10月30日

高知県の平均気温は100年で約1.5℃上昇

 

 高知地方気象台の観測によると、年平均気温は長期的に有意に上昇を示しており、100年あたり1.5℃(統計期間:1886~2018年)の割合で上昇しています。気温の変動は地球温暖化の影響や 観測所が都市部にあることによるヒートアイランドの影響があり、さらに数年~数十年程度の時間規模で繰り返される自然変動が重なっていると考えられています。

高知の年平均気温偏差

出典:高知地方気象台ホームページ (https://www.jma-net.go.jp/kochi/kouchi_kikouhendou/4-4-2/kouchi_kikou_t.html
*棒グラフは各年の基準値(1981-2010年の30年平均値)からの偏差、青い折れ線は偏差の5年移動平均、赤い直線は長期変化傾向を示しています。

 

高知県の降水量は変化なし

 

 高知地方気象台の観測によると、年降水量は、はっきりとした長期的な変化傾向はみられていません。

高知の年降水量偏差

出典:高知地方気象台ホームページ (https://www.jma-net.go.jp/kochi/kouchi_kikouhendou/4-4-2/kouchi_kikou_r.html
*棒グラフは各年の基準値(1981-2010年の30年平均値)からの偏差、青い折れ線は偏差の5年移動平均を示しています。

 

高知県の気温の変化予測(21世紀末、地球温暖化が最も進行する場合)

 

 高知地方気象台の気候変化予測では、20世紀末に比べて年平均で4℃上昇し、季節によって3.6℃~4.6℃程度の上昇が予測されています。
 季節別では、冬の上昇が最も大きいと予測されています。
 高知市の年平均気温は、現在の種子島(鹿児島県)より高くなると予測されています(現在の年平均気温の平年値高知市:17.0℃ 種子島:19.6℃)。

平均気温の変化予測(高知県)

出典:高知地方気象台ホームページ (https://www.jma-net.go.jp/kochi/kouchi_kikouhendou/4-4-2/kouchi_kikou_t_projection_gwp9.html

 

我が国における気候変動の影響

 

 我が国においても、すでに、農作物への影響や洪水・高潮などの発生、熱中症患者の増加などの気候変動の影響とみられる様々な現象が発生しています。

我が国において既に起こりつつある気候変動の影響

出典:環境省「気候変動の影響への適応計画について」より

地球温暖化の影響

 

緩和と適応

 

 地球温暖化を抑制するためには、その原因となっている人類由来の二酸化炭素等の温室効果ガスの排出を削減することが必要です。こうした気候変動を抑制する対策のことを「緩和策」と呼んでいます。
 一方で、すでに起こっている温暖化や今後さらに進む温暖化によってもたらされる影響に対する強靭性を高め、ぜい弱性を減少させる取組も必要となってきます。こうした対策のことを「適応策」と呼んでいます。
 「適応策」は、「緩和策」を補完する役割を果たすもので、「緩和策」と同様、重要な地球温暖化対策です。

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出典:文科省・気象庁・環境省「気候変動の観測」・予測及び影響評価総合レポート」2012年度版より

 

適応策の必要性

 

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書によると、2100 年の世界の平均気温は、現行よりも厳しい温暖化対策をとらなかった場合、2.6~4.8℃上昇し、厳しい温暖化対策をとった場合でも、0.3~1.7℃上昇するとされています。また、海水面の上昇やスーパー台風、大規模干ばつ等の極端な気象現象の発生頻度が増加するといわれています。
 こうしたことから、今後は、温室効果ガスの排出を削減する「緩和策」のみならず、台風や集中豪雨などによる災害の発生、熱中症やデング熱など熱帯性感染症患者の増加などの健康・医療面の問題、気温上昇や異常気象による農作物被害等、気候変動の影響への対策としての「適応策」が必要となってきます。
 

この記事に関するお問い合わせ

高知県 健康政策部 衛生環境研究所

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