世界に2つの「モネの庭」の取り組み~新たな庭の誕生~

公開日 2021年03月28日

令和2年度 地域の皆さんの活動(地域支援企画員からの報告)

北川村の取り組み(安芸ブロック)

水の庭(8月)

〈北川村「モネの庭」マルモッタンの誕生〉
 クロード・モネが晩年を過ごし、名作「睡蓮」の連作を描いたフランスジヴェルニーの名園「モネの庭」。 そこからはるか遠い場所の高知県北川村に、北川村「モネの庭」マルモッタン(以下、「当園」)はあります。

 当園は、「モネの庭」を管理するクロード・モネ財団から本家フランス以外で世界で唯一この名を冠することが許された庭で、「モネの庭」の当時の庭園管理責任者であったジルベール・ヴァエ氏指導のもと、平成12年4月19日に開園しました。

 開園当初は「水の庭」と「花の庭」の2つの庭のみでしたが、開園から8年後の平成20年には「光の庭」が作庭されています。なお、「光の庭」は本場「モネの庭」にはない、当園独自の庭です。

 その後も、来園者の満足度を高めるために高知県産業振興推進総合支援事業費補助金や高知県観光拠点等整備事業費補助金を活用し、改良等を加えながら現在に至っています。    

 

                        

ボルディゲラの庭

〈開園20周年~新たな庭の誕生~〉
 令和2年4月19日の開園20周年を控え、高知県観光拠点等整備事業費補助金を活用して「光の庭」の全面リニューアル工事を行い、クロード・モネが43歳の時に親友ルノワールと地中海沿岸を旅した際に感銘を受け多数の作品を描いた北イタリアの町ボルディゲラの風景を忠実に再現した庭「ボルディゲラの庭」が誕生しました。

 

 

 

〈園内の紹介〉
 園内にはこの3つの庭のほか、レストラン「カフェモネの家」や手づくりパン工房、ギャラリーショップ、フラワーハウスなどの施設があり、長時間過ごすことができます。
①レストラン「カフェモネの家」:モネレシピを再現した料理や地元の食材を生かした四季折々の料理を提供しています。

②手づくりパン工房:オリジナルの焼きたてパンや焼菓子、地域の素材を生かしたアイスクリーム、ソフトクリームなどの軽食を販売しています。

③ギャラリーショップ:モネを中心としたオリジナル商品をはじめ、北川村特産のゆずを使ったゼリーや地元産品などの土産物を多数販売しています。

④フラワーハウス:庭師が育てた花やプレゼントにも最適な寄せ植えなどを販売しています。
 

光のフェスタ

〈イベントの開催〉
 今年度は残念ながら、新型コロナウイルス感染症の影響で、ほとんどのイベントが縮小または中止となりましたが、例年は様々なイベントが開催されています。

 中でも特に人気なのは、9月に開催されるキャンドルナイトと11月から12月中旬にかけて開催されるの光のフェスタで、レストランで限定メニューを提供しているほか、村内外のお店がケーキをはじめとした焼菓子や惣菜パン、ドリンク類などの軽食、雑貨などを販売するなど、来園者から大変好評いただいております。

 また、年に数回、当園の庭園管理責任者である川上裕氏によるガーデニング教室を開催しており、今年度も満員御礼となりました。

 

田舎寿司伝承勉強会メンバー

〈体験プログラムの造成①~北川村の伝統食材ゆずを使った郷土料理の伝承~〉
 昨年度、「ボルディゲラの庭」を整備する際、園内に数十本のゆずの木を新植しました。これにより、将来的に、ゆずの収穫体験や収穫したゆずを使った料理体験プログラムの提供が可能となります。
 将来のゆずを使った料理体験プログラムの提供を見据え、現在、北川村では次世代の担い手の育成と観光振興を目的とした田舎寿司伝承勉強会が開催されています。数年前まで北川村には「ゆずさんさんグループ」というお母さん数名で構成された村民グループがあり、そのメンバーの一人で、圧倒的な経験と卓越した知識を併せ持つ方を講師に迎え、今年度は3名の若手の奥様方が教わっています。レシピに落とし込めない、絶妙な塩梅(あんばい)に苦戦しながらではありますが、飲み込みの早い彼女たちの腕前は回を追うごとに確実に上達していますので、今後の活躍が期待されます。

 また、ほかにも体験プログラムを提供できるよう、北部地区に住むお母さん直伝の「ゆずジュースの原液」づくりや、ゆずの皮を使った「ゆず皮味噌」づくりにも北川村観光協会職員と一緒に取り組んでいます。

 

タッジーマッジー

〈体験プログラムの造成②~庭の草花を使ったタッジーマッジーづくり~〉
 庭師が集まり、庭の草花を使った小さな花束「タッジーマッジー」づくりに挑戦しました。来年度以降にはなりますが、体験プログラムの一環として、提供していきたいと考えています。

〈今後の展望〉

 コロナ禍において屋外観光需要の高まりが期待されるなか、多くの方々に安心してご来園いただけるように新しい生活様式に沿った施設改修や備品整備等をこれから行う予定です。
 また、これまで実施していなかった体験プログラムを今後も造成していくことで、来園者の滞在時間を伸ばし、これまで以上の満足感を得ていただけるように努めてまいります。

 

 

〈地域支援企画員の活動内容〉

 当園の取り組みは平成22年度から安芸地域アクションプランの一つに位置づけられており、地域支援企画員として、県等の補助事業や支援策などの情報提供、申請等の際の関係機関との調整など様々な支援を行っています。また、新たな体験プログラムの造成に向けた支援として、村民との顔あわせから始まり、企画や当日の運営支援に至るまで幅広く携わらせていただいています。
 今後も、より多くの来園者に当園で安心して滞在いただき、お楽しみいただけるように、また県東部地域の主力観光施設として、さらなる集客力の向上を図り、より一層の交流人口の拡大が図られるように、引き続き、支援していきたいと考えています。

 

 

青い睡蓮

〈最後に〉
 当園では、イベント情報や庭の様子などをホームページやSNSで発信していますので、興味がある方はぜひご覧ください!

 北川村「モネの庭」マルモッタンHP:https//www.kjmonet.jp/

 

 

【この記事に関するお問い合わせ】
 北川村地域支援企画員 電話:0887-32-1221

この記事に関するお問い合わせ

高知県 産業振興推進部 産業政策課

所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
電話: 企画調整担当 088-823-9333
成長戦略担当 088-823-9049
地域産業担当 088-823-9334
ファックス: 088-823-9255
メール: 120801@ken.pref.kochi.lg.jp
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