令和5年度 地域の皆さんの活動(地域支援企画員からの報告)

公開日 2024年03月27日

更新日 2024年02月21日

「馬路村若者移住定住ワーキンググループ」の活動について(馬路村/安芸ブロック)

  

1 これまでの移住・定住に対する取り組み

 馬路村では林業が最盛期だった昭和35年の約3,500人をピークに、魚梁瀬ダムの建設事業が完了したことや国有林野事業の規模縮小を伴う営林署の再編等により、そこで働く人やその家族が村外に流出し、人口減少が始まりました。そうした中で、林業に代わる新たな産業として馬路村農協によるゆずの生産・加工・販売を一元化した取り組みや、村による村外からの企業誘致などにより新たな雇用の場を創出するとともに、若者層を対象とした各種支援制度や婚活イベントの開催など様々な取り組みを行ってきました。

(1)若者移住定住促進事業
 若者の村へのUターン、移住及び定住を促進することで、深刻な過疎化現象を緩和するとともに、活力に満ちた独創的、個性的な地域づくりを行い、村勢の繁栄に寄与することを目的に、Uターン奨励金、起業奨励金、結婚祝金などの事業を実施しています。

(2)定住促進及び活性化事業
 快適な生活環境づくりのために、住宅の増改築や改修、新築にかかる補助金、在宅福祉補助金、ゆずの生産活動活性化補助金等の事業を実施しています。


(3)関係人口の拡大
 馬路村では「ゆずはじまる祭」、「馬路おしどりマラソン」などの観光イベントや「特別村民制度」のように関係人口の拡大に取り組んできました。また、平成29年度からは村外の方々に「馬路村に住んでみたい」と思ってもらうための取り組みとして「馬路村ワーキングホリデー」に力を入れています。


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         今年のゆずは大豊作!            馬路村特別村民証

2 「馬路村若者移住定住ワーキンググループ」立ち上げの経緯

 馬路村では、現在実施している若者の移住・定住を促進する様々な事業を検証し、時代のニーズに合った効果的な支援の形を模索するために、役場職員の人材育成もかねて、若手職員を中心としたワーキンググループを設置し、若者目線の移住・定住施策の提言を行うこととしました。
 ワーキンググループのメンバーは、馬路村役場の総務課、健康福祉課、地域振興課、建設課、魚梁瀬支所から1名ずつ選出された職員と地域支援企画員で構成された男女6名です。年齢層は20代から50代で、そのほとんどが移住者やUターン者で構成されています。

3 ワーキンググループの活動

(1)現行の移住・定住のための施策についての検証
 ワーキンググループの中のUターン者や移住者自身の経験やこれまでの施策の実績、地域住民の方々の意見をもとに、現行の施策がどれほどUターンや移住の動機に影響したかについて意見を出し合いました。補助制度があることはありがたいものの、移住の動機にはなっていないという意見が多く出ました。移住に踏み切る主な動機としては、仕事や趣味を満喫できるか等の環境的な要因が大きく、補助事業によりUターンや移住を誘因することは難しいという結論に至りました。
 その結果を受けて、ワーキンググループではUターン者や移住者を呼び込むための施策ではなく、既に村内に住んでいる若者の村外への人口流出を防ぐことを目的とした施策を考えて提言することになりました。

(2)馬路村が抱える課題の整理
 次に、現在の馬路村が抱える課題についてそれぞれが意見を出し合いながら関係図を作成し、可視化しました。どのような問題が若者の定住の妨げになっているかを関係図から分析し、その中でも補助金等で解決できる課題とできない課題に整理しました。その結果、単身者と子育て世帯への生活支援に着目した補助事業を考えることになりました。


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            ワーキンググループ               馬路村公式LINE

(3)補助事業の検討
 補助事業の検討にあたっては、他市町村の先進的な取り組みや、補助金額の根拠となる情報等を集め、事業を実施した場合の注意点や懸念点について何度も話し合いました。適正な補助金額や要件等の検討を行うとともに、現行の補助事業については一部をスクラップして、今回提言する補助事業の財源に充てる案も検討しました。

(4)今後の予定
 ワーキンググループで検討した内容については、馬路村役場の課長会で提言を行いました。今後の課長会で来年度以降の施策への反映が検討されることになっています。

4 地域支援企画員の活動内容

 県の行っている事業やこれから実施を予定している事業、県が集計している移住に関するデータ等について情報提供を行いました。議論には県職員として今まで働いてきた部署で得た補助事業に関する知識や経験を生かして参加することができました。更に、県職員としてだけではなく、私自身が村外から馬路村に通勤する若者の視点で見た村の課題や、移住の妨げになっている課題について意見を述べる等、政策提言する事業がより効果的で実効性のあるものになるように考えました。
 今後も、日々の活動やイベントに参加する中で地域住民の皆さんの生の声を広くお聴きし、しっかりニーズを把握して人口減少問題をはじめとする村が抱える課題の解決に反映させていくことで、馬路村がより楽しく元気に暮らせる村となるように地域支援企画員として地域に根付いた支援をしていきたいと考えています。

↓↓馬路村の移住・定住応援サイト「堂々たる田舎馬路村」↓↓
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この記事に関するお問い合わせ

馬路村地域支援企画員 電話:0887ー44ー2114

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高知県 産業振興推進部 産業政策課

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