公開日 2024年09月12日
高知県における医療機能ごとの病床の状況
(地域医療構想について)
今後高齢化が進展し、医療・介護サービスの需要が増大していく中で、患者それぞれの状態にふさわしい良質かつ適切な医療を効果的かつ効率的に提供する体制を構築することが求められています。
そのためには、医療機能の分化・連携を進め、各医療機能に応じて必要な医療資源を適切に投入し、入院医療全体の強化を図ると同時に、退院患者の生活を支える在宅医療及び介護サービス提供体制を充実させていくことが必要です。
こうしたことから、都道府県は、2025年における医療機能ごとの需要と必要量を含めその地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進するための地域医療構想を策定します。
(病床機能報告制度について)
地域医療構想の策定にあたり、地域の医療機関が担っている医療機能の現状把握、分析を行う必要があります。
そのために必要なデータを収集するため、医療機関がその有する病床(一般病床及び療養病床)において担っている医療機能を自ら選択し、病棟単位を基本として都道府県に報告する仕組みが導入されました。
また、医療機能の報告に加えて、その病棟にどんな設備があるのか、どんな医療スタッフが配置されているのか、どんな医療行為が行われているのか、についても報告することとしています。
(報告された情報の公表)
報告された情報を公表し、地域医療構想とともに示すことにより、地域の医療機関や住民等が、地域の医療提供体制の現状と将来の姿について共通認識を持つことができます。また、医療機関の自主的な取組及び医療機関相互の協議によって、医療機能の分化・連携が進められるようになります。
(医療機能について)
医療機関が報告し、都道府県が2025年の必要量を定めることとなる医療機能は、次の4つの区分です。
高度 急性期 |
○急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能 ※以下の入院基本料の算定病棟を含め、特定の入院基本料を算定していることをもって、ただ ちに高度急性期機能であることを示すものではない。医療資源投入量など実際に提供されて いる医療内容の観点から、高度急性期機能と判断されるものについて適切に報告すること。 ・一般病棟入院基本料(急性期一般入院料1~3) ・特定機能病院入院基本料(一般7対1入院基本料) ・専門病院入院基本料(一般7対1入院基本料) ※高度急性期機能に該当すると考えられる病棟の例 救命救急病棟、集中治療室、ハイケアユニット、新生児集中治療室、新生児治療回復室、小児集中治療室、 総合周産期集中治療室など、急性期の患者に対して診療密度が特に高い医療を提供する病棟 ※算定する特定入院料の例 ・救命救急入院料(救命救急入院料1~4) ・特定集中治療室管理料(特定集中治療室管理料1~4) ・ハイケアユニット入院医療管理料(ハイケアユニット入院医療管理料1~2) ・脳卒中ケアユニット入院医療管理料 ・小児特定集中治療室管理料 ・新生児特定集中治療室管理料(新生児特定集中治療室管理料1~2) ・総合周産期特定集中治療室管理料(母胎・胎児集中治療室管理料、新生児集中治療室管理料) ・新生児治療回復室入院医療管理料 |
急性期 |
○急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能 ※以下の入院基本料の算定病棟を含め、特定の入院基本料を算定していることをもって、ただ ちに急性期機能であることを示すものではない。医療資源投入量など実際に提供されている 医療内容の観点から、急性期機能と判断されるものについて適切に報告すること。 ・一般病棟入院基本料(急性期一般入院料1~6) ・特定機能病院入院基本料(一般7対1入院基本料、一般10対1入院基本料) ・専門病院入院基本料(一般7対1入院基本料、一般10対1入院基本料) (一般病棟入院基本料(地域一般入院料1~2)) (専門病院入院基本料(一般13対1入院基本料)) ※算定する特定入院基本料の例 ・地域包括ケア病棟入院料(地域包括ケア病棟入院料1~4、地域包括ケア入院医療管理料1~4) |
回復期 |
○急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能 ○特に、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頚部骨折等の患者に対し、ADLの向上や在宅 復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能(回復期リハビリテーション機能) ※以下の入院基本料の算定病棟を含め、医療資源投入量など実際に提供されている医療内容の 観点から、回復期機能と判断されるものについて適切に報告すること。 ・一般病棟入院基本料(急性期一般入院料4~7、地域一般入院料1~3) ・特定機能病院入院基本料(一般10対1入院基本料) ・専門病院入院基本料(一般10対1入院基本料、一般13対1入院基本料) ※算定する特定入院料の例 ・地域包括ケア病棟入院料(地域包括ケア病棟入院料1~4、地域包括ケア入院医療管理料1~4) ・回復期リハビリテーション病棟入院料(回復期リハビリテーション病棟入院料1~6) |
慢性期 |
○長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能 ○長期にわたり療養が必要な重度の障害者(重度の意識障害者を含む)、筋ジストロフィー 患者又は難病患者等を入院させる機能 ※以下の入院基本料の算定病棟を含め、医療資源投入量など実際に提供されている医療内容の 観点から、慢性期機能と判断されるものについて適切に報告すること。 ・一般病棟入院基本料(地域一般入院料1~3) ・専門病院入院基本料(一般13対1入院基本料) ・療養病棟入院基本料(療養病棟入院料1~2) ※算定する特定入院料の例 ・特殊疾患入院医療管理料 ・特殊疾患病棟入院料(特殊疾患病棟入院料1~2) (地域包括ケア病棟入院料(地域包括ケア病棟入院料1~4、地域包括ケア入院医療管理料1~4)) |
(令和4年度病床機能報告の結果について)
■現状
2022年7月1日時点の機能として、各医療機関が自主的に選択した機能の状況です。
二次医療圏 |
全 体 |
|
||||||
高 度 急性期 |
急性期 |
回復期 |
慢性期 |
休 棟 | 無回答 | |||
3901安芸医療圏 |
542 |
0 |
182 |
125 |
235 |
0 |
0 |
|
3902中央医療圏 |
10,654 |
1,025 |
3,599 |
1,538 |
4,244 |
248 | 0 | |
3903高幡医療圏 |
655 |
0 |
234 |
209 |
212 |
0 |
0 |
|
3904幡多医療圏 |
1,231 |
6 |
476 |
218 |
481 |
50 |
0 |
|
総計 |
13,082 |
1,031 |
4,491 |
2,090 |
5,172 |
298 | 0 |
■2025年の予定
2025年7月1日時点の機能の予定として、各医療機関が自主的に選択した機能の状況です。
二次医療圏 |
全 体 |
|
||||||
高 度 急性期 |
急性期 |
回復期 |
慢性期 |
休棟、介護 保険施設等、 廃止予定など |
無回答 |
|||
3901安芸医療圏 |
561 |
0 |
198 |
128 |
235 |
0 | 0 | |
3902中央医療圏 |
10,271 |
1,035 |
3,561 |
1,543 |
4,132 |
0 | 0 | |
3903高幡医療圏 |
651 |
0 |
230 |
209 |
212 |
0 | 0 | |
3904幡多医療圏 |
1,173 |
6 |
476 |
262 |
429 |
0 | 0 | |
総計 |
12,656 |
1,041 |
4,465 |
2,142 |
5,008 |
0 | 0 |
■医療機関の許可病床数一覧表
■医療機関ごとの病床、設備、人員体制等の状況について
■「定量的な基準」の導入について
病床機能報告制度に関しては、医療機関の自主的な判断により報告が行われること、また、急性期機能と回復期機能の区分が明確化されていないこと等の理由により、
① 主として回復期機能を有する病棟であっても、急性期機能と報告されている病棟が一定数存在すること。
② 主として急性期や慢性期の機能を担うものとして報告された病棟においても、回復期の患者が一定数入院し、回復期の医療が提供されていること。また詳細な分析や検討が行われないまま、回復期機能を担う病床が各構想区域で大幅に不足していると誤解させる事態が生じていること。
③一部の都道府県では、都道府県医師会などの医療関係者等との協議を経て、関係者の理解が得られた医療機能の分類に関する地域の実情に応じた定量的な基準を作成し、医療機能や供給量を把握するための目安として、地域医療構想調整会議における議論に活用することで、議論の活性化につなげていること。
といった状況が全国で生じており、その状況を考慮し、地域医療構想調整会議における議論を活性化する観点から、平成30年8月16日 の厚生労働省医政局地域医療計画課長通知(医政地発0816第1号)により、各都道府県に対して、地域の実情に応じた「定量的な基準」の導入が要請されました。
高知県においても、平成30年度に県医師会などの医療関係者等と協議を経た上で、本県における「定量的な基準」を新たに導入しました。
<高知県における「定量的な基準」>
急性期等の病棟を以下の基準で、回復期の病棟に分類
【基準】
・回復期とみなすことができる病床数(地域包括ケア入院管理料算定病床、転換協議が調った病床)
・回復期に近い急性期の病床数(平均在棟日数22日以上の急性期病棟の病床)
平均在棟日数22日の根拠: 診療報酬 急性期一般入院基本料(平均在院日数21日以内)
※「定量的な基準」については、あくまでも現状の医療体制の状況を把握し、地域医療構想調整会議等での議論の活性化を図るための目安の基準として整理するものです。
■「定量的な基準」により再分類したR4医療機能の状況
R4病床機能報告について、「定量的な基準」により再分類した県全体の医療機能の状況については下記のとおりとなります。
・「定量的な基準」反映後のR4医療機能[PPTX:55.4KB]
(謝辞)
各医療機関におかれましては、お忙しい中、病床機能報告制度にご協力いただき、誠にありがとうございました。
今後も関係者の方々と共に、本県の医療をより良くしていくため、このデータを活用させていただきます。
県民の皆様も、どうぞご活用いただき、医療を受ける際の判断材料としていただければ幸いです。
この記事に関するお問い合わせ
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