公開日 2024年05月15日
消防団とは
消防団は、消防署と同様の消防機関です(消防組織法(昭和22年法律第226号)第9条及び第18条)。消防署は常勤の消防職員による消防機関であるのに対し、消防団は、普段は様々な仕事に就いている人たちが、火災・風水害・震災時に消防団員となり消防活動を行う非常備の消防機関です。
消防団員は、非常勤で、特別職の地方公務員(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第3項第5号)として、年間一定金額の報酬が支給されるほか、災害や訓練に出場した場合にも報酬が支給されます。
消防団員は、本来の仕事や学業、家事等をしながら、様々な活動をしています。災害時の対応はもちろん、災害が起きたときのために普段から地域の皆様に防火防災に関わる啓発活動を行っています。平常時には、災害現場を想定した活動訓練やポンプ操法訓練、地域の方々への応急手当の仕方やAEDの使い方等の応急救護指導、町会等での初期消火訓練や避難訓練への防火防災指導、地域で行われるイベントやお祭りでの警戒活動を行います。また、災害時には、火災発生時の消火活動、大規模災害発生時の救助活動、豪雨災害時の水防活動に出場し、対応に当たります。
また、平成25年12月に議員立法により消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律(平成25年法律第110号)が成立し、消防団の役割がますます重要となっています。
消防団員について
1 消防団員の身分
⑴ 特別職の地方公務員
・消防団員は、非常勤で、特別職の地方公務員と規定されています。
⑵ 消防団員の服務
・消防団への入団は本人の自由意志によりますが、懲戒処分等で免職される場合があります。
⑶ 消防団員の階級
・通常は、団長、副団長、分団長、副分団長、部長、班長、団員の7階級からなります。
なお、階級ごとに報酬額が定められています。
2 消防団員の処遇
⑴ 消防団員報酬等
年額報酬のほか、火災その他の災害に出動したとき、あるいは演習訓練等に出動したときは出動報酬が
支給されます。
⑵ 消防団員の公務災害補償等
消防組織法第24条第1項及び消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律(昭和31年法律第107号)
の規定により、消防団員が負った公務災害を補償する制度があります。
ア 市町村が行う補償
・市町村の条例の定めにより、消防団員又は遺族に対して、補償します。補償の種類は、療養補償、
休業補償、傷病補償年金、障害補償、介護補償、遺族補償、葬祭補償の7種からなります。
イ 消防賞じゅつ金等
・災害に際し、災害現場で身の危険を顧みず職務を遂行して傷害を受け、そのために死亡し、
又は重度の障害を負った場合には、国から賞じゅつ金が支給されることがあります。
ウ 公益財団法人日本消防協会が行う消防団員等福祉共済
・4の消防団員の福利厚生事業を参照
3 消防の表彰等
⑴ 国が行う表彰
・叙位、叙勲、褒章、内閣総理大臣表彰、総務大臣表彰、消防庁長官表彰、退職消防団報償があります。
⑵ 公益財団法人日本消防協会が行う表彰
・団体表彰、個人表彰があります。
⑶ 県、県消防協会、市町村が行う表彰
・それぞれの独自に表彰を行っています。
4 消防団員の福利厚生事業
⑴ 災害対応に必要な防火服、活動服、靴などは個人に支給されます。
⑵ 消防団員等福祉共済
・共済掛金は年齢にかかわらず1人あたり年額3,000円
・公務のみならず、公務外も保障の対象となります。
・公益財団法人日本消防協会が実施しています。詳細はこちらから。
⑶ 消防個人年金
・積立方式の個人年金事業で、税制適格コース又は自由選択コースの2コースから選択可能です。
・公益財団法人日本消防協会が実施しています。詳細はこちらから。
⑷ 火災共済事業
・焼損率56%以上で全焼扱い、掛金の1,500倍の補償、地震等災害見舞金給付制度の3点が特徴です。
B型火災共済又はC型火災共済が選択可能です。
・公益財団法人日本消防協会が実施しています。詳細はこちらから。
5 消防団員の資格試験等における優遇制度
資格名称 | 資格内容 | 資格種類 | 免除内容 | 免除要件 | 問い合わせ先(試験実施機関) |
消防設備士 乙種第5類 |
金属製避難はしご、救助 袋、緩降機の整備及び点 検を行うことができる。 |
国家業務 独占資格 |
・筆記試験のうち 「基礎的知識」 の免除 ・実技試験の全部 免除 |
消防団員歴5年以 上で消防学校にお ける専科教育の機 関科を修了した者 |
一般財団法人消防試験研究センター |
消防設備士 乙種第6類 |
消火器の整備及び点検を行 うことができる。 |
国家業務 独占資格 |
・筆記試験のうち 「基礎的知識」 の免除 ・実技試験の全部 免除 |
消防団員歴5年以 上で消防学校にお ける専科教育の機 関科を修了した者 |
一般財団法人消防試験研究センター |
丙種危険物 取扱者 |
ガソリン、灯油、軽油、第 3石油類(重油、潤滑油及 び引火点130℃以上のもの に限る。)、第4石油類及 び動植物油類の取扱作業を 行うことができる。 |
国家業務 独占資格 |
・試験科目のうち 「燃焼及び消火 に関する基礎知 識(燃消)」の 免除 |
5年以上消防団員 として勤務し、か つ、消防学校の教 育訓練のうち基礎 教育又は専科教育 の警防科を修了し た者 |
一般財団法人消防試験研究センター |
防火管理者 | 従業員を管理・監督・統括 できる地位にある者で、防 火対象物の管理権原者から 選任されて、その防火対象 物の防火上の管理・予防・ 消防活動を行うことができ る。 |
国家業務 独占資格 |
・防火管理者講習 の受講が不要 |
消防団員として、 3年以上管理的又 は監督的な職(運 用は班長以上)に ある(あった)者 |
一般財団法人日本防火・防災協会 |
防災管理者 | 建築物等の所有者又は管理 者の選任を受けて、避難訓 練の実施その他火災以外の 災害による被害の軽減のた めの活動の計画又は実施等 の責務を負う。 |
国家業務 独占資格 |
・防災管理者講習 の受講が不要 |
消防団員として、 3年以上管理的又 は監督的な職(運 用は班長以上)に ある(あった)者 |
一般財団法人日本防火・防災協会 |
防火対象物 点検資格者 |
防火対象物の用途の実態や 消防計画に基づいた防火管 理の実施状況等の火災予防 に係る事項等を総合的に点 検を行うことができる。 |
国家業務 独占資格 |
・防火対象物点検 資格者講習の受 講資格 ・受講科目のうち 「防火管理の意 義及び制度」の 免除 |
消防団員として、 8年以上その実務 経験を有する者 |
一般財団法人日本消防設備安全センター |
防災管理 点検資格者 |
消防法施行規則(昭和36年 自治省令第6号)に定めの ある大規模建築物等に実施 が義務付けられている防災 管理業務の実施状況につい て定期的な点検ができる。 |
国家業務 独占資格 |
・防災管理点検資 格者講習の受講 資格 ・受講科目のうち 「防災管理に係 る消防計画」の 免除 |
消防団員として、 8年以上その実務 経験を有する者 |
一般財団法人日本消防設備安全センター |
防災士 | 自助、共助、協働を原則と して、社会の様々な場で防 災力を高める活動が期待さ れ、そのための十分な意識 と一定の知識・技能を修得 したことを認定特定非営利 活動法人日本防災士機構が 認証した者 |
民間名称 独占資格 |
・防災士養成研修 の履修証明 ・防災士資格取得 試験の受験及び 合格証明 ・救急救命講習 (普通救命講習 等)の履修証明 |
消防団員であって 分団長以上の階級 にある(あった) 者 |
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 |
県の取り組み
消防団員の定数確保対策としては、消防団員定数確保対策事業等を公益財団法人高知県消防協会、消防団及び消防本部と連携しながら取組みを進めています。
⑴ 高知家消防ネット等による消防団等の認知度及び魅力の向上
令和6年2月1日より高知県公式消防ポータルサイト「高知家消防ネット」の運用を開始します。
サイト内には消防団等の組織概要やイベント、活動の様子等の記事を掲載し、県民の消防団等の
認知度の向上を図るとともに、消防団員等の活動のやりがいや魅力をお伝えします。
⑵ 消防団員定数確保対策事業
公益財団法人高知県消防協会と連携して、消防団員の実員が条例定数より不足している地区を対策
事業のモデル地区として選定して支援しています。
直近では、平成29年度から令和元年度までは須崎市で実施し、令和2年度から令和4年度までは
中土佐町、令和5年度からはいの町で実施しています。
地域の実情や特徴を活かした広報活動を行ったことで、新規消防団員の確保につながりました。
また、令和元年度の消防庁主催の消防団員募集ムービーコンテスト、消防団員意見発表会において、
ともに最優秀賞を受賞しました。
⑶ 少年消防クラブに対する支援
少年消防クラブ員に対して、高知県消防学校での教育訓練(サマーキャンプ)を実施しています。
消防救助訓練、水難訓練など実践的な訓練を体験し、消防・防災により一層興味を持ってもらうと
ともに、将来、地域防災の中核を担う消防団員を育てることを目的としています。
また、令和5年8月4日に新たに高知県少年消防クラブ活性化推進協議会を設置し、さらなる支援
に取り組んでいます。
⑷ 女性消防団員に対する支援
県内の女性消防団員の意見交換の場とするとともに、地域の防災の要としてより一層、意識を高める
ことを目的に、公益財団法人高知県消防協会において県内各地の女性消防団員の参加のもと研修会を
実施しています。
男性消防団員や消防職員も参加することにより、消防防災活動において女性消防団員一人一人の能力
が発揮できる環境づくりについて考える場にもなっています。
・消防団の概要について
消防団の概要と位置づけ(消防庁ホームページへリンク)
・消防団に入団するには
必要な手続については、各市町村の消防団担当窓口までお問い合わせください。
消防団に入団するには
高知県の消防団(消防庁ホームページへリンク)
消防団関係資料
・高知県消防力の現況(令和4年4月1日現在)(令和3年消防年報より)[PDF:232KB]
・高知県消防団員の現況(令和4年4月1日現在)(令和3年消防年報より)[PDF:103KB]
・総務省消防庁消防団協力事業所表示証交付一覧【高知県】(令和5年4月1日現在)[PDF:125KB]
・消防団協力事業所表示制度導入市町村一覧【高知県】(令和5年4月1日現在)[PDF:370KB]
・消防団協力事業所表示制度導入市町村数・市町村表示証交付事業所数【高知県】(令和5年4月1日現在)[PDF:141KB]
この記事に関するお問い合わせ
所在地: | 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号 高知県庁本庁舎3階東 |
電話: | 消防担当088-823-9318 |
産業保安担当088-823-9696 | |
ファックス: | 088-823-9253 |
メール: | 010301@ken.pref.kochi.lg.jp |
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