公開日 2019年02月28日
1 土佐あかうしとは 土佐あかうし物語[PDF:1MB]
和牛は、日本固有の肉用牛であり、品種としては黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4種類があります。
それぞれにルーツや改良過程に違いがありますが、中でも黒毛和種はほぼ全国的に飼育されています。その他の品種
は飼われている地域や頭数が限られていることから、地方特定品種と呼ばれています。
なかでも褐毛和種は熊本系と高知系に分かれ、前者は北海道や熊本県で飼われています。後者は高知県のみで飼わ
れ、土佐あかうし(褐毛和種高知系)と呼ばれています。この褐毛和種(高知系)については、平成21年度に土佐和
牛ブランド推進協議会を設立し、新たなブランドとして「土佐あかうし」を立ち上げました。平成24年8月には地域
団体商標を取得し、現在、高知県ならではの特徴あるお肉を生産する和牛として注目を集めています。
当試験場では、次のようなことに特別な思い入れを以て、独自で種雄牛の改良と造成を行い、褐毛和種の良さを損
なうことなく品種の維持と肉質の向上に努めてきました。
- 土佐あかうしのルーツは明治時代初頭に役牛として高知県に導入された朝鮮牛です。
- その後、一時的に外国の肉用牛であるシンメンタール種を交配したり、再度朝鮮牛を戻し交配するなどして、優秀
な個体を選抜することで品種改良が進められました。 - さらに、昭和30年代後半以降、和牛の価値がそれまでの農耕作業などの役用から肉用へと転換したことで、肉質
を高める改良が進められた結果、現在の土佐あかうしが出来上がりました。 - 土佐あかうしの外見上の特徴は、褐色の体毛色に加え、目の回り、鼻、角、蹄、しっぽの先などが黒い「毛分け」
といわれるもので、同じ系統である褐毛和種熊本系(熊本県で飼われている牛)にはみられません。 - 本牛の特長としては、夏の暑さや病気に強く、性格がおとなしく飼いやすいうえ、足腰が丈夫で放牧に適している
など、本県の気候風土や飼養環境によく適応しています。 - 肉の特徴としては、皮下脂肪が薄く可食部分が多い、霜降りが適度に入りヘルシーである、赤肉部分に旨味があり
のどごしの風味がよい、などの評価を受けています。
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