令和3年度 地域の皆さんの活動(地域支援企画員からの報告)

公開日 2022年03月22日

地域アクションプランに挑戦する集落活動センターの取り組み(梼原町/高幡ブロック)

1 助け合い・支え合う6つの集落活動センターは梼原町のまちづくり

 梼原町は、6つの区、56集落で支え合う町です。
 平成24年度から平成30年度にかけて、梼原町全域をカバーする6つの「区」が、地域の支え合いの仕組み「集落活動センター」を立ち上げ、それぞれの実情に応じた様々な助け合い・支え合う町づくりの取り組みが進められています。 
 このうち、新たに、地域アクションプランの取り組みをスタートさせた2つの集落活動センターの活動をご紹介します。

 

2 集落活動センター四万川の取り組み

 梼原町では、梼原町雉生産組合が事業実施主体となり、高幡地域アクションプラン№3「梼原産キジ肉の生産・販売の拡大」に取り組んできました。
 キジの生産は、昭和60年から始まっており、梼原町の特産品として、生産から加工・販売に取り組み、地域の大切な雇用の場にもなっています。
 ところが、近年の、生産者の高齢化等により、梼原町雉生産組合が解散せざるを得なくなってしまいました。
 そこで立ち上がったのが、地域の課題を解決する「集落活動センター四万川」です。
 長い間地域で守り育ててきた大切な産業を絶やすまいと、関係者との協議が始まりました。
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<梼原町産キジ肉を守り発展させていくために>
 まず、事業を引き継ぐことは早く決めたものの、事業承継のための手続きをはじめ、必要となる許可手続きや施設整備の検討、雇用の維持をどのように図っていくのかなど、直面する多くの具体的な問題がありました。
 地域支援企画員として、町や区長、事業者、商工会との情報共有にはじまり、事業承継・引継支援センターへの相談や、管轄保健所へ必要な許可等の問い合わせ、また、事業の継続的な発展に向けた事業戦略の策定には産業振興アドバイザーの派遣を行いました。さらに、商品表示や高知県版HACCPの認証取得の取り組みについては、食品産業協議会や(一社)高知県食品産業協議会につないだほか、関係者との情報共有を図るため、必要に応じてチーム会を開催しました。

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             町内飲食店で提供されているキジグルメの一例                            イベントへの出店                           
      

<今後の展望>
 「集落活動センター四万川」の運営母体である「株式会社四万川」では、ガソリンスタンドの経営や葬祭事業、生活用品や特産品の販売等、地域のニーズに応えるための様々な事業を展開されていますが、令和3年10月1日から、旧生産組合がこれまで担ってきた加工や販売に係る雇用を引き継いで、キジの加工・販売事業を新たに開始されました。さらに、現在の生産者に加えて、キジ鳥の新たな生産者を確保しています。
 今後は、HACCPアドバイザーの指導・助言を受けながら、新高知県版HACCPの認証取得に取り組み、梼原町の特産品として生産・販売の強化を進めるため、伴走支援していきます。

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3 集落活動センターおちめんの取り組み

 梼原町越知面区では、個人事業者が古くからアメゴの養殖に取り組んでおり、町の放流事業の受託、土佐牛丸かじり大会での食材提供のほか、民宿やホテルへの販売等を行ってきました。
 しかし、近年、個人事業者の高齢化や施設の老朽化、水源地の水量の変化等により、アメゴの養殖を継続することが困難となってしまいました。
 
                       アメゴの養殖池
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<歴史ある梼原町産のアメゴを守る新たな出発へ>
 アメゴ養殖事業について検討が始まった令和元年度より、地域支援企画員としての活動が本格化しました。県内水面漁業センターに繋ぎ、現地視察を踏まえ、既存の養殖場での水温や水量調査が始まりました。
 調査結果報告会や部会にも同席して、地域の課題を共有するとともに、県内水面漁業センターへの情報提供等を行ってきました。
 養殖池のある「越知面区で事業を継続できないか・・」。町との協議の結果、令和2年9月に「集落活動センターおちめん」にアメゴ養殖設立検討部会」を立ち上げ、新たな担い手も決まって、令和3年度より、地域アクションプラン№16「アメゴ養殖事業の再生拡大」を産業振興計画に位置づけ、地域アクションプランの取り組みがスタートしました。

      集落活動センター推進アドバイザー事業                 加工品の検討  
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<今後の展望>
 「集落活動センターおちめん」では簡易宿所「遊友館」を運営しています。
 「地域産品として、宿泊者にも提供したい」という地域の要望を受け、運営全般については、中山間地域振興アドバイザー(集落活動センター推進アドバイザー)の派遣、旅行サイトへの登録やSNSの発信等については、中山間地域振興アドバイザーを派遣。地域とともに課題を共有してホームページの改善等に取り組んできた結果、個人や団体の宿泊者も伸びてきました。加工品の販売等については、産業振興アドバイザーの派遣を行い、原価計算や販売量、ターゲットコンセプトについて指導・助言を受け、現在、試作品づくりについて地域商店との検討が始まっています。
 令和3年10月より、老朽化した養殖池や給水管の修繕もはじまりました。将来的にはIOTの導入を検討しており、養殖事業のデジタル化に向けて、県産業デジタル化推進課と協議を重ねています。
                                   
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4 日頃の活動で感じていること

 「集落活動センターの取り組みから産業振興計画地域アクションプランへ」
 こうした取り組みは、地域の課題を解決し、持続可能な集落づくりを行う「まちづくり」から発展・成長する取り組みへの挑戦です。
 地域の皆さんが、そこで暮らし続ける仕組みづくりに真剣に取り組まれている姿に触れ、県職員として何ができるか、役場等関係者の皆さんとともに課題解決への道を今後とも歩んでいきます。

 

この記事に関する問い合わせ

 梼原町地域支援企画員 電話:0889-65-0260
  
 

この記事に関するお問い合わせ

高知県 産業振興推進部 産業政策課

所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
電話: 企画調整担当 088-823-9333
成長戦略担当 088-823-9049
地域産業担当 088-823-9334
ファックス: 088-823-9255
メール: 120801@ken.pref.kochi.lg.jp
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