令和4年度 地域の皆さんの活動(地域支援企画員からの報告)

公開日 2023年03月30日

更新日 2023年03月30日

黒潮町の天日塩販売拡大に向けた取り組みについて(黒潮町/幡多ブロック)

1 黒潮町の天日塩づくりの概要【土佐のあまみ屋】

 幡多郡黒潮町では、「天日塩」の製造が複数の事業者によって行われています。
 黒潮町での「天日塩づくり」とは、原料の海水から塩の完成まで全く火力を使わず、太陽と風の力だけで作られた塩づくりのことを指します。

 佐賀地域で天日塩づくりを行う「土佐のあまみ屋」は、代表の小島氏が昭和56年に伊豆大島で1年間、自然製塩の研修を受けた後、昭和58年頃から塩づくりを始め、平成8年にはネットを張ったやぐらで濃い海水を作る設備を作り、天日塩づくりを開始しました。


◎天日塩はどうやって作る?
 土佐のあまみ屋での天日塩づくりは、大きく分けて2つの工程に分かれています。

①濃い海水を製造する(=採かん施設での製造)
 海水を、高さ6メートル程度のやぐら(採かん施設)に張られたネットに噴霧して流します。何回も繰り返す間に、太陽と風の力で水分が蒸発し、濃い海水ができます。

あまみ屋2

    【採かん施設】 

②天日で乾燥させる(=結晶ハウスでの製造)
 完成した濃い海水を、太陽の力でゆっくり乾燥させると、塩の結晶が育ちます。

結晶ハウス

    【結晶ハウス】

 海水をくみ上げてから天日塩ができあがるまでに約2ヶ月、自然の力による製法のため、天候や季節によって風味や生産量が微妙に変化しますが、こうして作られる天日塩は、屋号のとおり、お客さんから「“あまみ”を感じる」と高い評価を受け、「土佐の海の天日塩 あまみ」 として販売されています。

看板天日塩天日塩 海

 

2 これまでの取り組み~ご家庭の食卓に天日塩を~

 「土佐のあまみ屋」では、「一般的な塩に比べてミネラル分が多く含まれる天日塩を、ご家庭で気軽に食べていただきたい」という企業理念をかかげ、需要の増加に合わせて、少しずつ施設を増築しながら天日塩づくりを続けてきました。
 しかし、太陽と風の力で製造する天日塩は、生産効率を上げることが難しく、お客さんからの要望に応えるためにさらなる施設整備を検討し、令和4年度に産業振興推進総合支援事業費補助金を活用し、採かん施設を建設しました。
 

建設中

  【建設中の採かん施設】
 

3 今後の動き・展望

 令和3年よりネット通販や黒潮町のふるさと納税返礼品への登録など、より多くのご家庭に届けられるよう新たな取り組みを開始しており、令和5年度からは新たな採かん施設が本格稼働となります。
 まずは、これまで需要にお応えできていなかった方々へ商品を届けられるよう生産拡大に取り組み、その後は、「黒潮町の天日塩」をさらに売り出すため、関連事業者と天日塩を活用した商品づくりなどを検討していく予定です。

 こうした生産拡大とあわせ、「土佐のあまみ屋」では、雇用の拡大や衛生管理向上のための県版HACCP取得に向けた取り組みを進めていきます。

 また、黒潮町では、町の特産品として天日塩をPRしたい場合も、商品の確保が困難といった課題を抱えていましたが、令和5年度からは、「土佐のあまみ屋」を含む2つの事業者の新施設が本格稼働するため、黒潮町の天日塩のさらなる盛り上がりが期待できます。
 

4 地域支援企画員としての関わり

 天日塩の販売拡大に向けた取り組みは、令和3年4月から幡多地域アクションプランNo.31「黒潮町産天日塩の販売拡大及び地域ブランド化の推進」に位置づけ、黒潮町や黒潮町商工会などと連携しながら支援を行ってきました。
 具体的には、令和2年度の産業振興アドバイザー(発掘支援型)の活用から始まり、事業計画に関する協議への参加や助言、県への補助金申請等の手続き支援、HACCP研修への同行など、新規のアクションプランということもあり、様々な場面で微力ながらお手伝いさせていただきました。

 今後も、関係者の皆様と一緒に、黒潮町の天日塩づくりの推進を目指し、地域支援企画員として全力で支援していきたいと考えています。

あまみ屋海

 

この記事に関するお問い合わせ

黒潮町地域支援企画員 電話:0880-43-2113

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所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号
電話: 企画調整担当 088-823-9333
成長戦略担当 088-823-9049
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