アスベスト

公開日 2019年07月11日

高知県のアスベスト

アスベストとは

 アスベストは、天然に存在する繊維状の綿のように柔らかな鉱物で、結晶構造をしています。工業的に優れた性質をもつため、建材など広範な分野で使われてきました。しかし、アスベストを吸い込むと健康被害を引き起こす恐れがあることから、大きな社会問題となりました。

アスベストは結晶構造をした天然鉱物

 アスベストは、一般的に使われる名称で、大気汚染防止法などでは、正式に「石綿」(せきめん、いしわた)といいます。
 アスベストは単一の鉱物ではなく、6種類のアスベストが知られています。一番多く使われてきたのが白石綿(クリソタイル)で、とても柔かく蛇紋岩の中にできるので、蛇紋岩系アスベストといいます。この他、角閃石の中にできるものが5種類あり、工業的に多く使われてきたのは、青石綿(クロシドライト)と茶石綿(アモサイト)です。直閃石(アンソフィライト)、透角閃石(トレモライト)、緑閃石(アクチノライト)も角閃石系アスベストですが、まれにしか産出されません。角閃石系のアスベストは直線状で、蛇紋岩系のアスベストより発ガン性が強いとされています。

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白石綿(クリソタイル)の電子顕微鏡写真
世界で使用されたアスベストの9割がクリソタイルといわれている。写真から細い繊維状であることがよく分かる。さらに高倍率で観察すると、この繊維は針のように直線的な多数の結晶構造物の集まりであることが分かる。

飛散するアスベストが危険!

 アスベストの繊維は非常に細く、太さは0.02~3マイクロメートル(1/1000mm)ほどで、大変飛散しやすい性質をもっています。アスベストによる健康被害は、空気中に浮遊するアスベストを吸い込むことにより起こり、吸入されたアスベストによって15年から40年後に中皮腫、肺ガンなどを発症することがあります。
 昭和50年には、アスベストが飛散する可能性の高い吹付け材としての使用が禁止されましたが、そのままではアスベストが飛散する恐れのないスレート材やアスベストを練り込んだセメント製品、プラスチック床材などには使われ続けてきました。しかし、平成18年10月以降は0.1%以上のアスベストを含む製品の製造は原則として禁止されています。

アスベスト製品の規制強化 1%から0.1%へ

 これまでのアスベスト製品の主な法的規制は以下のとおりです。

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 2006年9月、労働安全衛生法施行令が改正され、アスベスト(石綿)含有製品の定義について、アスベストを重量の1%を超えて含むものから重量の0.1%を超えて含むものとし、規制が強化されました。

 これらを背景として、建て替えに伴う建物解体時のアスベスト飛散を防止する目的で大気汚染防止法が2006年10月に改正され、アスベストを含む建材を使用した建物などを解体する場合、都道府県への届出が必要となりました。

家のリフォームや解体で注意することは?

 建物の寿命は数十年と長く、これから改修、解体をする建物もたくさんあると思われます。アスベストが使用された可能性が高い建築物は次のようなものです。

  • 昭和63年以前の建物で特に昭和50年以前のもの
  • 耐火建築物、準耐火建築物、鉄骨
  • 板やクロスを張っていない天井、金属屋根裏、金属板、鉄骨、駐車場、車庫、機械室、ボイラー室、倉庫、書庫

 以上の条件に合致する場合、建築当時の施工業者への問合せや図面などにより、アスベストが使われているか否かを確認することがまず第一です。そして、吹付け材などの状態を目視で調べて、アスベストが含まれていると思われる建材のロックウールやセメント材が劣化してアスベストが飛散しやすい状態になっている場合は、専門業者や保健所などに問い合わせてください。
 アスベスト問題の現状や措置方法などについて、詳しくは高知県環境対策課のホームページをご覧ください。

アスベストの測定結果

高知県内の公的施設における吹付けアスベスト等の使用状況調査

 高知県は、平成17年8月10日から平成18年3月31日の間に、高知県内の公的施設における吹付けアスベスト等の使用状況調査を実施しました。これらの結果について次のとおり掲載します。なお、この結果は、高知県環境研究センター所報第22号(平成18年12月発行)において掲載されたものです。

高知県内の公的施設における吹付けアスベスト等の使用状況調査[PDF:70KB]

 学校などの公共施設等におけるアスベスト使用状況一覧等は「高知県アスベスト対策本部」が発表しております。

高知県アスベスト対策本部 ホームページ
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/030000/030801/asubest-index.html

関連リンク

環境省のホームページ:石綿(アスベスト)問題への取組

アスベストに起因する健康被害の救済と対策について案内されてます。パンフレット等の資料も豊富に掲載されていますので、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ

高知県 健康政策部 衛生環境研究所

所在地: 〒780-0850 高知市丸ノ内2丁目4番1号 保健衛生総合庁舎
電話: 総務担当 088-821-4960
企画担当 088-821-4961
保健科学課 088-821-4963
生活科学課 088-821-4964
環境科学課 088-821-4697
ファックス: 088-821-4696
メール: 130120@ken.pref.kochi.lg.jp

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