高知県海外文化大使(平成27年度第1次隊JICAシニア海外ボランティア)からの活動報告

公開日 2018年03月13日

○氏名:下司 政代(げし まさよ)(女性)

○職種:看護師

○派遣国:カンボジア

○配属先:バッタンバン州リファラル病院

○隊次:平成27年度第1次隊(平成27年6月29日~平成29年6月28日まで派遣)

○活動報告:

「任地である、首都プノンペンより北西約300㎞にある第二の都市バッタンバンに着いて翌日から、早速活動を開始しました。

病院に挨拶に行った時にはまだあまり様子が分かっていませんでしたが、庭にはプラスチック袋やゴミが落ちている。

病棟の廊下や外にも患者さんのベッドがあふれている。食事を作る場所に水の設備が無く、薪を買い、庭の小枝を利用して煮炊きをしている。

日本では考えられない光景が広がっていました。

 病院として安全で安心な環境を提供する必要性が高いと考え、感染対策と職場環境の維持・改善のために5S(英語で整理、整頓、清掃、

清潔、躾の頭文字。)に取り組みました。5S改善対策委員会、感染対策委員会ができスタッフが活動するようになりました。

 最初の頃、「問題が多くて指導の難しい病棟を指導して欲しい」と言われ、行ってみたところ、「忙しいし、(掃除は看護師の仕事じゃなく

て)クリーナーの仕事だし」と、なるほど、協力的ではありません。

しかしその中でも頻繁に苦情を言ってきていた看護師が5S委員に選ばれ活動し始めてから、少しずつ変化が見られるようになりました。

「誰も協力しないし、文句ばかり言う」と嘆いている彼女に、活動の前後を比較する写真を見せてその病棟が病院の中でも特によくなっている

と励まし、「頑張っているね。オークチュラン(ありがとう)」と声かけをしている内に、「マサヨ、チョムリアップスオ(おはよう」と私を呼ぶ

「マサヨ」のイントネーションが変化し、信頼関係が生まれているのを感じました。

 そして彼女は、州内の公立病院とのワークショップでは、他の看護師を指導する立場になっていました。

 私が帰るときにはハグして涙を流してくれました。

 JICA支援の新病棟建設も今秋から始められ、さらに地域の健康を守る病院に改善されていくだろうと期待し、2年間の活動を終えました。」

 

タイでの「高齢者介護」研修に向けてパソコン指導

「高齢者介護」研修に向けてパソコン指導(左が下司さん)

 

地雷撤去後の跡地に建設された小学校での日本紹介

地雷撤去後の跡地に建設された小学校での日本紹介

 

 

※JICAボランティアについて

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