文化財の色々

公開日 2012年05月09日

更新日 2014年03月16日

1.文化財とは?

 一般に文化財とは、人々の文化活動によってつくられたさまざまなもので、それぞれ、学術上、芸術上、歴史上の価値が高いものを言います。
 文化財保護法ではこれらに加えて、文化活動の基盤となった国土を形成する自然なども入れて、以下のように分類し保護しています。

【有形文化財】
 有形の文化的所産で我が国にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料。
   ・ 建造物
   ・ 美術工芸品(絵画、彫刻、工芸品、書跡・典籍、古文書、考古資料、歴史資料)

【無形文化財】 
 
演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で我が国にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの。

【民俗文化財】
 衣食住等に関する風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる物件で我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの。
   ・ 無形の民俗文化財(衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗習慣、民俗芸能)
   ・ 有形の民俗文化財(無形の民俗文化財に用いられる衣服、器具、家具その他の物件)

【記念物】
 遺跡で我が国にとって歴史上又は学術上価値の高いもの。
 庭園、橋梁その他の名勝地で我が国にとって芸術上又は鑑賞上価値の高いもの。
 動物、植物及び地質鉱物で我が国にとって学術上価値の高いもの。
   ・ 史跡(貝塚、古墳、都城跡、旧宅等)
   ・ 名勝(庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳等)
   ・ 天然記念物(動物、植物、地質鉱物)

【文化的景観】
 地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地。

【伝統的建造物群】
 周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの。

文化財保存技術】
 文化財の保存のために欠くことのできない伝統的な技術又は技能。

埋蔵文化財
 土地に埋蔵されている文化財。


2.高知の文化財

 高知県は南国の輝く太陽と荒々しい太平洋の波涛のもとで個性あふれる文化を育んできました。「いごっそう」という言葉に代表される、剛健勇武の精神に培われ、戦国時代の英雄たちから、幕末維新期の坂本竜馬など幾多の先人を世に送り出した風土です。

(1)土佐のあけぼの
 土佐には、約2万数千年前から人々が生活していた。瀬戸内海がまだ陸地であった頃で、彼らはナウマンゾウやオオツノジカを追って海岸段丘や河岸段丘に住み、石器を使って狩猟や採集の生活を営んでいた。−南国市奥谷南遺跡−
 やがて、大陸から稲作を持つ新しい文化が伝わった。−田村遺跡群−

(2)律令制下の土佐
 土佐の国でも、朝廷から任じられた国司が地元の豪族を郡司として使い政治を行なった。また、仏教も全国的に広まったが、土佐との行き来はきわめて不便であった。−南国市 土佐国府跡・大豊町 国宝豊楽寺薬師堂−

(3)武士の成長と土佐の戦国時代
 武士を意味する「侍」は「侍(さむら)う=そばにつき従う」から起こったとされる。この、貴族につかえる地位にあった武士が政治の乱れの中で力を蓄え、やがて武士による幕府政治が行なわれるようになった。−岡豊城跡・朝倉城跡−

(4)土佐藩政の成立
 1600年の関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康は、江戸に幕府を置き全国の統治を強化していった。土佐には、1601年山内一豊が国主として入国し、高知城を築き藩政を成立させた。
 藩政初期から、新田開発が進み農業生産力は向上した。土佐では農業についで、林業と漁業が盛んであった。特産品として、和紙や鰹節が知られ、捕鯨業も起こり、高知城下を中心に海陸の交通も活発になっていった。

(5)幕末の土佐
 幕末の動乱の中で、土佐藩や土佐人はさまざまな役割を果たした。
 15代藩主山内豊信(容堂)は一貫して公武合体論を唱え、また、武市瑞山は土佐勤王党を率いて尊王攘夷運動を展開した。次いで、坂本竜馬らは薩長連合の成立に寄与して討幕運動を進め、一方では大政奉還への道を開いた。

(6)明治維新と高知県
 1868年戊辰戦争により幕府は倒れ、薩長勢力を中心に明治政府が成立した。薩長土肥四藩を先頭に版籍奉還が行なわれ、土佐藩は高知藩となり、2年後に高知県となった。
 板垣退助らによる民撰議院設立建白書は世論の反響を呼び、国会開設を目指す自由民権運動が全国に広がり、高知の立志社は運動の先頭に立った。

 以上のような、それぞれの時代を反映する文化財が県内にたくさん残されています。これらの貴重な文化財を保護・保存するとともに、活用を通じて次の世代につたえるようにします。


この記事に関するお問い合わせ

高知県 文化生活部 歴史文化財課

所在地: 〒780-8570 高知県高知市丸ノ内1丁目2番20号(本庁舎5階)
電話: 088-823-9112
ファックス: 088-823-9063
メール: 142001@ken.pref.kochi.lg.jp

 

高知県 文化生活部 歴史文化財課 県史編さん室

住所: 〒780-0870 高知県高知市本町4丁目1-35(高知県自治会館4階)
電話: 088-821-7950
ファックス: 088-821-7953
メール: 142001@ken.pref.kochi.lg.jp
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